造林・育林業者が特定技能の受入れについて、外国人技能実習機構(OTIT)に相談したところ、「決算内容に債務超過が見られるため、改善の見通しに関する評価書面を出していただかないと受入れは難しいです」と言われた。
債務超過の原因は、苗木や資材価格の高騰と、丸太(材価)の低迷という板挟みにあります。苗木代も下刈りを委託する作業班への支払いも年々上がる一方で、丸太の値段は思うように上がりません。
このまま企業評価書を用意できなければ、今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ再造林や下刈りの人手を確保できず、人手を確保できなければ山の手入れが行き届かず、丸太の売上は作れません。最悪の場合、山そのものを維持できなくなります。
造林・育林を専門にされている“あなた”は、そんな板挟みを日々感じてはいないでしょうか。
- 苗木・資材価格の高騰で採算が悪化している方
- 材価の低迷と再造林コストの板挟みに悩む方
- 赤字・債務超過で外国人材の受入れ審査が不安な方
- 企業評価書を誰に頼めばよいか分からない方
植栽から収穫まで数十年を要する林業では、目先の赤字がすぐに経営危機を意味するわけではありません。ただし、その赤字が数期にわたって続けば、決算書は債務超過に近づき、金融機関や外国人材の受入れ審査で「大丈夫な会社なのか」と厳しく見られる場面が増えていきます。
令和6年3月に林業分野が特定技能の対象へ加わり、育林や素材生産の現場を外国人材で支える選択肢が広がりました。一方で、赤字や債務超過の状態のままでは、「改善の見通しについて評価を行った書面」いわゆる企業評価書の提出を求められる場面があります。
- 造林・育林業が赤字・債務超過に陥りやすい構造
- 林業分野で特定技能を受入れる3つの視点
- 企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)の中身
- 中小企業診断士に依頼する際の流れと費用感
私たちKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士が150社以上の法人支援を行ってきた認定経営革新等支援機関です。数字だけを追うのではなく、現場の事情を踏まえたうえで、審査担当者に伝わる企業評価書をつくる支援をしています。この記事を読み終えるころには、自社の状況を整理し、次に何をすればよいかが見えているはずです。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
苗木・資材高騰と材価低迷──林業が債務超過で企業評価書を求められる理由

造林・育林専門会社の赤字には、他業種と違う特有の構造があります。売上が伸びないのではなく、収穫までの数十年間、費用だけが先行して積み上がるという点です。
林野庁の資料によれば、再造林にかかるコストの約7割は、植栽や下刈りといった初期の作業に集中しています。近年はコンテナ苗をはじめとする苗木の価格や、下刈りを担う作業班への支払いが年々上昇しており、林野庁は一貫作業システムやコンテナ苗の普及によって、この初期費用の低コスト化を進めている段階です。
一方で、丸太(素材)の販売価格は需要の低迷から思うように上がりません。林野庁「森林・林業白書」も、小規模な林業経営体ほど販売量が少なく市況の影響を受けやすいこと、林業のみでは収入が安定しにくいことを指摘しています。
造林・育林専門会社の多くは、素材生産(伐採・搬出)を主な収益源とする会社と違い、植栽から下刈り、除伐、間伐までの育林作業そのものが収益の中心です。丸太を伐って売るまでに数十年かかるため、今期の売上が、今期の作業量とは連動しにくいという業種特有の事情があります。この構造を知らないまま決算書だけを見ると、実態以上に経営が不安定に映ってしまうことがあります。
| 経営への負担要因 | 直近の傾向 | 放置した場合の影響 |
|---|---|---|
| 苗木・コンテナ苗の価格 | 上昇傾向 | 再造林1件あたりの初期費用が膨らむ |
| 下刈り等の育林作業の人件費 | 担い手不足で上昇 | 外部委託費が利益を圧迫する |
| 丸太(素材)の販売価格 | 低迷・伸び悩み | 収入で費用の増加を吸収できない |
| 造林・保育にかかる資金の回収期間 | 数十年単位で長期化 | 自己資本が薄いほど資金繰りが硬直する |
この状態を放置すると、単年度の赤字がやがて繰越損失として積み上がり、貸借対照表の純資産がマイナスに転じます。これが債務超過です。一度そこまで進んでしまうと、金融機関からの新規融資も慎重に判断されるようになり、資金繰りの選択肢そのものが狭まっていきます。
造林・育林業の場合、さらに次のような要因が重なりやすい点にも注意が必要です。
- 台風・大雪などによる倒木・林道被害の復旧費用が突発的にかさむ
- 造林補助金の入金が実際の支出より遅れ、資金繰りが一時的に苦しくなる
- 山林の境界確認や集約化に時間がかかり、受注できる面積が計画より伸びない
- 下刈り等を担う作業班の高齢化で、外部委託費そのものが年々上がっていく
こうした要因が複数年にわたって重なると、単年度の赤字では説明しきれない繰越損失となり、金融機関からの評価にも影響します。「今期はたまたま天候不順だった」という説明だけでは、審査担当者の納得は得られにくいのが実情です。
債務超過のまま特定技能や技能実習で外国人材の受入れを申請すると、「継続して事業を行っていけるのか」という視点で審査され、追加の説明資料を求められることがあります。ここで求められるのが、中小企業診断士や公認会計士が作成する企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)です。税理士は、この書面の作成対象に含まれていません。誰に相談すればよいか分からず、時間だけが過ぎてしまう経営者は少なくありません。
特に造林・育林業は、決算書だけを見ると「毎年赤字が続いている会社」に映りやすい業種です。植栽から収穫まで数十年かかるという業種特性を、審査担当者にも分かる言葉で説明できるかどうかが、最初の分かれ道になります。
林業分野で特定技能を受入れる3つの視点──企業評価書のサンプルと書き方

特定技能「林業」分野では、育林・素材生産・林業用種苗の育成(育苗)・原木生産(製炭を含む)といった業務で外国人材の受入れが可能になりました。出入国在留管理庁によれば、令和6年度から向こう5年間の受入れ見込数は最大1,000人とされています。
ただし、赤字や債務超過の状態で審査に臨む場合は、数字を並べるだけでなく「なぜ改善できるのか」を筋道立てて説明できるかどうかが問われます。中小企業診断士が企業評価書を作成する際に重視するのは、次の3つの視点です。
視点① 赤字・債務超過が「一時的」か「構造的」かを切り分ける
苗木や人件費の高騰による一時的な利益圧迫なのか、それとも収益構造そのものに無理があるのかを、決算書と業務日報の両方から読み解きます。ここを混同したまま書面を作ると、審査担当者に「都合の良い説明」と受け取られかねません。
視点② 改善計画の実現可能性を数値で示す
「頑張って改善します」という決意表明ではなく、コンテナ苗への切り替えによる初期費用の圧縮、受注する森林面積の見直し、補助制度の活用計画など、具体的な行動と数値目標をセットで示します。この具体性こそが、企業評価書の説得力を決めます。
たとえば「苗木の調達方法を見直して1ヘクタールあたりの初期費用を◯パーセント圧縮する」「複数年契約の受注を増やし、年ごとの売上の振れ幅を抑える」といった形で、施策と数値目標を対にして書き込みます。改善の方向性だけを示す書面と、数値目標まで示した書面とでは、審査担当者に伝わる説得力が大きく変わります。
視点③ 経営者自身の当事者意識と実行体制
改善計画を誰が、いつまでに、どう実行するのかという体制が明確かどうかも見られます。後継者や現場責任者を巻き込んだ計画は、審査担当者にも「実行される計画」として伝わりやすくなります。
この3つの視点を、実際にどう書面へ落とし込むのかを、簡単な流れで整理すると次のとおりです。
- 直近3期分の決算書を用意し、赤字・債務超過の推移を確認する
- 苗木・資材価格や材価など、外部要因の影響を切り分けて整理する
- 改善計画(コスト圧縮・受注面積・補助制度の活用等)を数値目標とともに作成する
- 経営者・後継者・現場責任者の役割分担を明文化する
- 中小企業診断士が書面としてまとめ、整合性を確認する
この5つの手順を自社だけで進めようとすると、決算書の数字と現場の実感がかみ合わず、書面がちぐはぐになってしまうことがあります。数字の読み解きと、現場の事情の両方を理解している専門家が関わることで、初めて説得力のある書面になります。
この3つの視点を踏まえた企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)の作成支援を通じて、造林・育林業ならではの事情を反映した書面をつくることができます。フォーマットが決まっているわけではないため、業種特有の事情をどう表現するかが、通過率を左右する部分です。
造林・育林業では、収穫まで数十年かかるという業種特性そのものが「一時的な赤字」の根拠になり得ます。この点を書面で正しく説明できるかどうかが、審査結果を左右します。
ご相談いただいても、無理な勧誘は一切ありません。企業評価書が本当に必要かどうかの見極めからお手伝いします。お断りいただいて構いません。
苗木高騰・人手不足を乗り越え特定技能の受入れで手に入る未来

企業評価書を整え、受入れ審査を乗り越えた先には、どのような未来があるのでしょうか。3つの軸で具体的に見ていきます。
数字の軸では、下刈りや植栽といった育林作業を外国人材で計画的に確保できることで、外部委託費の変動に振り回されにくくなります。改善計画で示した粗利の目標が、絵に描いた餅ではなく実績として積み上がっていきます。作業班の確保が不安定だった状態から、年間を通じた作業計画が立てられる状態へと変わっていきます。
時間の軸では、後継者や若手社員が「この会社は数十年先まで見通しを持っている」と感じられるようになります。収穫まで長い時間がかかる林業だからこそ、経営の見通しが従業員の安心につながります。
関係性の軸では、金融機関や行政書士・社会保険労務士など周囲の専門家との信頼関係が深まります。一度きちんとした企業評価書を作成した実績は、次の融資や更新申請の場面でも生きてきます。
特定技能の在留資格は、更新のたびに直近の決算状況が確認されます。一度作成した企業評価書は、その年限りで役目を終えるものではありません。翌期・翌々期の更新申請でも、改善計画の進捗を示す材料として活用できます。
「今期をどう乗り切るか」だけでなく、「数十年先の山林をどう引き継ぐか」まで見据えて経営を組み立てられるようになる。これが、企業評価書づくりを通じて得られる、もうひとつの副産物です。
数字、時間、関係性。この3つを共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、企業評価書に強い中小企業診断士の伴走支援

ここまで読んで、「自社でも企業評価書を作ってみようか」と考えた経営者もいるかもしれません。ただし、実務としては次のような壁に直面しやすいのが実情です。
- 専門性の壁:財務指標の読み解き方や、審査で重視される論点が分かりにくい
- 時間コストの壁:日々の現場業務と並行して書面を作り込む余裕がない
- 判断ミスのリスク:一時的な赤字と構造的な赤字を取り違え、説得力を欠いた書面になる
だからこそ、決算書と現場の両方を見られる中小企業診断士に伴走してもらう経営者が増えています。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)では、代表・松本昌史(中小企業診断士/MBA(経営管理修士)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)/一般社団法人金融検定協会「中小企業事業再生マネージャー」認定)が中心となり、決算書の読み解きから改善計画の設計、企業評価書の作成まで一貫して支援しています。申請書類の作成を丸ごと肩代わりするのではなく、経営者自身が納得できる改善計画をつくるところから伴走するのが私たちの考え方です。
具体的には、次のような支援を行っています。
- 直近の決算内容をもとにした、赤字・債務超過の要因分析
- 苗木・資材コストや材価の動向を踏まえた改善計画の設計
- 企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)の作成
- 行政書士など、受入れ手続きを担う専門家との連携
- 特定技能の更新申請を見据えた、翌期以降のモニタリング
「まずは自社の決算が、審査上どう見えているのかを知りたい」という段階からのご相談も少なくありません。数字を見える化し、利益が残る構造へ転換していくところから、一緒に整理していきます。
ご相談から実際の支援に進む場合の流れも、次のように事前にお伝えしています。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1.無料相談 | 直近の決算状況と受入れ計画をヒアリング |
| 2.現状分析 | 赤字・債務超過の要因を、一時的か構造的かで整理 |
| 3.改善計画の設計 | コスト・受注・資金繰りの目標を数値で設定 |
| 4.企業評価書の作成 | 診断士がヒアリング内容を書面としてまとめる |
| 5.提出・モニタリング | 提出後も、翌期以降の進捗確認まで伴走 |
料金の具体額はご相談内容によって異なるため、この場ではお伝えしていません。まずは無料相談で、自社に何が必要かを一緒に見極めるところから始めていただければと思います。
ご相談いただいても、その場でのご契約やしつこい営業は一切ありません。1社ごとに時間をかけてお話をうかがうため、まずは現状の決算内容をお聞かせください。
企業評価書のよくある質問|特定技能・債務超過の疑問を解消

Q. 企業評価書は誰が作成できますか。
A. 中小企業診断士または公認会計士が作成します。税理士は、この書面の作成対象には含まれていません。「企業評価書 税理士」と検索して調べる経営者は多いのですが、依頼先を誤らないよう注意が必要です。決算内容を日常的に見ている税理士に相談したくなる気持ちは自然ですが、書面の作成者としては別の専門家に依頼する必要があります。
Q. 造林・育林業でも本当に赤字だけで受入れが難しくなるのですか。
A. 赤字そのものより、債務超過(純資産がマイナスの状態)が続いていることが審査で重く見られます。一時的な赤字であっても、その理由と改善の見通しを説明できれば受入れの可能性は残ります。逆に、黒字であっても改善の見通しが不明確なまま放置すれば、翌期以降に不安視される場合もあります。
Q. 特定技能「林業」分野では、どのような業務を任せられますか。
A. 育林、素材生産、林業用種苗の育成(育苗)、原木生産(製炭を含む)が対象業務です。下刈りや植栽といった育林作業の担い手として活用する会社が増えています。受入れにあたっては、林業技能測定試験への合格や、一定水準の日本語能力(日本語能力試験N4以上)が求められます。
Q. 企業評価書のサンプルはもらえますか。
A. 業種や決算状況によって記載内容が変わるため、汎用のひな形をそのまま使うことはおすすめしていません。造林・育林業であれば、収穫までの期間の長さや、苗木・資材価格の動向といった業種特有の事情を反映する必要があります。無料相談の中で、自社の状況に合わせた構成の考え方をお伝えしています。
Q. 債務超過の理由書は、企業評価書と同じものですか。
A. 「債務超過の理由書」と呼ばれる書面も、実質的には「改善の見通しについて評価を行った書面」と同じ位置づけで求められることが多い書類です。呼び方が複数あるため、混乱しやすい部分ですが、求められている中身はおおむね共通しています。
Q. 苗木代の高騰は、いつ頃から続いているのですか。
A. 林野庁の資料でも、材価の低迷と育林コストの高騰が同時に進んでいることが指摘されています。コンテナ苗の普及や一貫作業システムの導入によって、国としても低コスト化を進めている段階です。ただし、現場のコスト負担が急に軽くなるわけではなく、当面は経営努力での吸収が必要な状況が続いています。
Q. 育成就労(技能実習の移行後の新制度)でも同じ書面が必要になりますか。
A. 令和9年4月に施行が予定されている育成就労制度でも、財務状況に関する要件は引き続き重視される見込みです。優良な受入れ企業として認められるための要件の一つに、財務の健全性が含まれると考えられているため、早めに決算内容を整理しておくことをおすすめします。
Q. 決算書の何を見れば、自社が債務超過かどうか分かりますか。
A. 貸借対照表の「純資産の部」がマイナスになっていれば債務超過です。純資産がプラスでも薄い場合は、来期以降の赤字で債務超過に近づく可能性があるため注意が必要です。特に造林・育林業は年ごとの受注面積で数字が振れやすく、単年度だけを見て安心するのは避けたいところです。
Q. 相談から企業評価書の完成まで、どのくらいの期間がかかりますか。
A. 決算内容の把握状況によって前後しますが、無料相談で現状をうかがったうえで、必要な資料や大まかなスケジュールをお伝えしています。決算資料がすでに手元にそろっている場合は、比較的スムーズに進められます。
Q. すでに他の行政書士に相談していますが、それでも企業評価書は必要ですか。
A. 行政書士は在留資格の申請手続きを担う専門家ですが、企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)そのものの作成は、中小企業診断士または公認会計士の役割です。すでに行政書士に相談している場合も、財務面の書面づくりは並行して進めることになります。
まとめ
造林・育林業の赤字は、怠慢の結果ではなく、収穫までに数十年を要するという業種の構造そのものから生まれます。苗木や資材の価格が上がり、丸太の販売価格が伸び悩む中では、多くの経営者が同じ壁にぶつかっています。
大切なのは、赤字を隠すことでも、根拠のない楽観論を並べることでもありません。自社の赤字が一時的なものであることを、数字と行動計画で説明できる状態をつくることです。その手段が、中小企業診断士による企業評価書の作成支援です。
企業評価書は、一度作れば終わりというものでもありません。改善計画の進捗を毎期振り返り、次の更新申請に備えて数字を積み上げていく。この繰り返しこそが、造林・育林業のように長い時間軸で経営を考える業種には合っているとも言えます。
苗木高騰でも、人手不足でも、外国人材の力を借りながら次の世代へ森林を引き継いでいく。その一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。







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