
顧問先の造船会社から相談を受けたところ、その会社が加入している出入国在留管理庁の窓口で、「決算内容に債務超過が見られるため、改善の見通しに関する評価書面を出していただかないと受入れは難しいです」と言われていた。
赤字・債務超過の原因は、資材価格や為替の影響にあります。造船所や船体ブロック製造会社は1期だけ大きく利益が振れやすく、決算のタイミング次第で受入れ審査が心配になります。
このまま企業評価書を用意できなければ、顧問先は今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ受注済みの造船案件を回せず、案件を回せなければ次の受注も取れず、最悪の場合、顧問先の経営そのものが立ち行かなくなります。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 造船業の顧問先が債務超過で、受入れ審査が不安な方
- 企業評価書が必要だが、自所では作成できない方
- 作成できる専門家の当てがなく、受任機会を逃しそうな方
先におひとりで抱える必要はありません。これは先生ひとりの問題ではなく、いま多くの税理士事務所が直面している共通の状況です。
結論をお伝えします。顧問先の税務は貴所、企業評価書の作成は中小企業診断士のKICKという役割分担を持てば、造船業の受入れ審査は前に進みます。特定技能の在留資格をめぐる不安で、顧問先との関係を手放す必要はありません。
本記事は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史(中小企業診断士・MBA)が、法人支援150社以上の実務をもとに整理したものです。造船業の顧問先の受入れ審査を、審査を一発で通す企業評価書で支える5つの秘訣を、順番にお伝えします。
- 造船業の顧問先が債務超過で受任機会を逃しやすい理由
- 企業評価書を放置すると受入れ審査で何が起きるか
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する流れ
- 税務は貴所・評価書はKICKで分担した先の未来
- 自所だけで抱える限界と、連携を選ぶ判断軸
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。特定技能の税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
造船業の顧問先が債務超過で受任機会を逃しやすい理由

最初の秘訣は、なぜ造船業の債務超過案件で受任機会を逃しやすいのか、その構造を先に押さえることです。理由が分かれば、打ち手も見えてきます。
理由は明快です。特定技能や技能実習で外国人材を受け入れる企業が債務超過になると、企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の提出を求められます。ところが、この書面は税理士や行政書士では作成できません。
企業評価書が必要になる場面
企業評価書は、外国人技能実習機構(OTIT)へ提出する書類のひとつです。提出書類の別紙②-1・番号20にあたります。申請する造船業の会社が債務超過のとき、財務の改善見通しを客観的に示す資料として求められます。
造船業は受注から引き渡しまでの期間が長い業種です。船体ブロックの製造や艤装(ぎそう)工事は、原価の先行負担が大きくなります。そのため、期をまたぐタイミングで一時的に赤字や債務超過に見えることがあります。
数字の見た目だけで、受入れ審査を心配する必要はありません。大切なのは、改善の見通しを第三者の目線で書面化することです。
造船業ならではの事情もあります。鋼材やエンジン部材の価格が上がると、原価が一気に膨らみます。円安・円高の振れも、輸入部材や海外向けの受注に直結します。こうした外部要因での赤字は、事業そのものの体力とは別の話です。
だからこそ、企業評価書で「なぜ赤字になったのか」「今後どう改善するのか」を分けて説明することに意味があります。特定技能の受入れ審査では、この説明力が結果を左右します。
作成資格の壁を整理する
ここで多くの先生がつまずきます。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られるからです。税務や在留資格の専門家であっても、この書面は作れません。
役割分担を表で整理します。
| 業務 | 担い手 |
|---|---|
| 特定技能・技能実習の在留資格の申請サポート | 貴所(行政書士と連携する場合を含む) |
| 顧問先の税務・決算対応 | 貴所(税理士) |
| 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の作成 | 中小企業診断士(KICK) |
| 財務分析・改善見通しの説明資料 | 中小企業診断士(KICK) |
この壁を知らずに「自所では作れない」と止まってしまうと、顧問先は別の窓口を探し始めます。そこで受任機会を逃すのです。逆に言えば、作成できる専門家とつながっていれば、機会は逃しません。
要するに、造船業の債務超過案件は「企業評価書が必要」かつ「自所では作れない」という二重の壁で止まりがちです。だからこそ、作成資格を持つ相手との連携が第一の秘訣になります。
企業評価書を放置すると受入れ審査で起きること

二つ目の秘訣は、このまま何もしなければ何が起きるかを先に見立てることです。放置のコストを知れば、動く判断がしやすくなります。
理由は、時間が最大の敵になるからです。受入れ審査には期限があります。企業評価書の準備が遅れれば、造船業の顧問先の採用計画そのものが後ろにずれます。
審査の停滞という代償
具体的に考えます。船舶用エンジン・機器製造工場が、繁忙期に向けて外国人材を増やそうとしていたとします。債務超過で企業評価書が必要になり、作成の当てがないまま数週間が過ぎる。
その間、受入れ審査は止まります。現場は人手が足りないまま、繁忙期を迎えることになります。造船業は納期が固いため、人員の遅れは受注そのものに響きます。
船体ブロックの溶接や組立、艤装工事は、熟練者と若手が組で動く工程です。予定していた外国人材が入らなければ、既存の従業員に負荷が偏ります。残業が増え、離職の火種にもなりかねません。
顧問先が失うのは時間だけではありません。採用予定だった人材の機会、そして計画の信頼です。一度崩れた採用計画を立て直すには、また数か月がかかります。
顧問先が離れていく流れ
ここで見落としがちなのが、先生の事務所への影響です。造船業の顧問先は、こう考えます。「在留資格や特定技能のことで頼れる先生を探したい」と。
企業評価書の相談に答えられないと、顧問先は別の専門家に相談を広げます。そこから在留資格まわりの窓口が移り、やがて税務の相談まで一緒に流れてしまうことがあります。
つまり、企業評価書の一点を放置するだけで、受入れ審査の停滞・顧問先の離反・受任機会の逸失という三つの代償が連鎖します。だから早めに手を打つことが、二つ目の秘訣です。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する流れ

三つ目の秘訣が、この記事の核心です。企業評価書は、中小企業診断士と連携して用意する。これが最も確実で、先生の負担も小さい方法です。
理由は、作成資格と実務の両方を、連携先がまとめて担うからです。先生は在留資格まわりの窓口と税務に集中でき、専門外の作業を抱えずに済みます。
制度上の位置づけを正しく押さえる
まず制度を確認します。企業評価書は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる「改善見通しに関する評価書面」です。造船業の会社が債務超過のときに求められます。
特定技能や技能実習の受入れでは、財務の健全性が見られます。とはいえ、1期の赤字や債務超過で受入れが不可能になるわけではありません。改善の見通しを客観的に示せるかどうかが分かれ目です。
制度の動きも押さえておきたいところです。技能実習に代わる育成就労制度は、2027年4月の施行が予定されています。造船業を含む受入れの枠組みは、今後も変わっていきます。だからこそ、財務と受入れの両面で相談できる体制を早めに整えておくと安心です。
KICKの財務分析の流れ
KICKでは、次の流れで企業評価書を用意します。実務レベルで、順番にお伝えします。
- 造船業の顧問先の決算書・試算表を確認し、債務超過の要因を分解する
- 受注残・原価構造・資金繰りから、改善の見通しを組み立てる
- 改善見通しに関する評価書面(企業評価書)を作成する
- 在留資格の申請に必要な説明資料まで整える
- 貴所と内容を共有し、受入れ審査の提出に備える
造船業は受注残が読みやすい業種です。船体ブロックや艤装工事の受注が積み上がっていれば、改善の見通しは説明しやすくなります。ここに中小企業診断士の財務分析が生きます。
先生に用意いただくものは、多くありません。参考までに、連携でお願いする資料を整理します。
| ご用意いただくもの | 使いみち |
|---|---|
| 直近の決算書・試算表 | 債務超過の要因を分解する |
| 受注残・仕掛の状況が分かる資料 | 改善見通しの根拠にする |
| 資金繰りの見通しメモ | 返済・運転資金の説明に使う |
| 受入れ予定人数・時期 | 審査のスケジュールに合わせる |
資料がそろっていなくても大丈夫です。何が足りないかも含めて、初回の相談で一緒に整理します。造船業の顧問先の実情に合わせて、無理のない範囲で進めます。
連携の詳しい進め方は、企業評価書作成支援の詳細でご確認いただけます。事務所同士の連携の全体像は、士業連携(提携)の詳細にまとめています。
先生がすることは、顧問先を紹介いただき、決算資料を共有いただくだけです。企業評価書の作成と財務分析は、中小企業診断士のKICKが主導します。
要するに、企業評価書は「自所で作る」ものではなく「連携して用意する」もの。これが三つ目にして中心の秘訣です。
売り込みは一切ありません。顧問先を奪うことはありません。特定技能の税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。まずは連携の可否だけ、気軽にご確認ください。
税務は貴所・評価書はKICKで分担した先の未来

四つ目の秘訣は、分担した先にどんな未来が手に入るかを具体的に描くことです。目的地が見えれば、連携の一歩が踏み出しやすくなります。
理由は、役割分担が「守り」ではなく「攻め」になるからです。専門外の作業を手放すことで、先生は本来の強みに集中できます。ここでは三つの軸で未来をお伝えします。
顧問先との面談の質が上がる
まず、面談の質が変わります。造船業の顧問先から「債務超過だが受入れは大丈夫か」と聞かれたとき、先生は迷わず答えられます。「企業評価書は連携先の中小企業診断士が作れます」と。
その一言で、顧問先の不安は和らぎます。決算の相談と特定技能の相談が、一つの窓口でつながる安心感が生まれます。
造船業の経営者は、現場の段取りで頭がいっぱいです。企業評価書のような書面の話まで、細かく調べる余裕はありません。だからこそ、先生が道筋を示せると、その存在感は大きく変わります。「この先生に任せておけば安心だ」という信頼につながります。
時間と受任が安定する
次に、時間と受任が安定します。企業評価書の作成に費やすはずだった時間を、先生は使わずに済みます。専門外の書面づくりに悩む夜がなくなります。
受入れ審査が前に進めば、造船業の顧問先の採用計画も進みます。顧問先の事業が伸びれば、貴所の顧問関係も長く続きます。継続受任の土台になります。
特定技能の受入れは、一度きりで終わりません。人材が定着すれば、次の受入れ、そして規模の拡大へとつながります。そのたびに決算対応と受入れ審査が発生します。連携先を持つ事務所は、この繰り返しに安定して応えられます。
顧問先と周囲からの信頼が高まる
そして、信頼が高まります。「在留資格や特定技能のことまで頼れる先生」という評判は、造船業の横のつながりで広がります。同業の紹介につながることもあります。
企業評価書という難所を乗り越えられる事務所は、顧問先にとって心強い存在です。この三つの未来——面談の質・時間と受任の安定・周囲からの信頼——を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、連携を選ぶ判断軸

最後の秘訣は、自所だけで抱える限界を認め、連携を選ぶ判断軸を持つことです。線引きが明確なら、迷いなく動けます。
理由は、専門外を抱え込むことが、かえってリスクとコストになるからです。ここを直視できるかどうかが、機会を活かせる事務所と、逃す事務所の分かれ目になります。
専門外を抱えるリスク
企業評価書は、財務分析と改善見通しの専門性が問われる書面です。作成資格のない立場で見よう見まねで対応すると、内容の精度に不安が残ります。
造船業は原価構造が独特です。受注残・仕掛品・長期の工期を踏まえた改善見通しは、財務の専門家でなければ説明が難しい領域です。ここに時間をかけるほど、本業の税務が圧迫されます。
自所だけで抱える場合と、連携する場合を並べて整理します。
| 観点 | 自所だけで抱える | 中小企業診断士と連携する |
|---|---|---|
| 企業評価書の作成 | 作成資格がなく対応できない | 資格者が作成する |
| 先生の時間 | 専門外の作業に取られる | 税務と窓口に集中できる |
| 受入れ審査 | 準備の遅れで停滞しやすい | 期限に合わせて前に進む |
| 顧問先との関係 | 相談が他所に流れる不安 | 頼れる事務所として深まる |
比べてみると、線引きの効果は明らかです。作れない書面を抱え込むより、作れる相手と組むほうが、先生にも顧問先にも利があります。
だから連携する事務所が増えている
だからこそ、中小企業診断士と連携する税理士事務所が増えています。作成資格の壁を、連携で乗り越えるためです。
KICKは認定経営革新等支援機関(中小企業庁)であり、法人支援の実績は150社以上です。全国オンラインで対応するため、来社は不要です。造船業の顧問先が遠方でも、企業評価書の連携は進められます。
連携といっても、大げさな契約から始める必要はありません。まずは案件が出たときに、可否と流れを確認するところからで十分です。先生のペースで、必要なときに使える体制を持っておく。それが受任機会を逃さないための備えになります。
費用が気になる先生も多いはずです。金額はサービス内容によって変わるため、詳細はサービスページでご確認ください。連携の全体像は企業評価書作成支援の詳細にまとめています。
顧問先・依頼者を奪うことはありません。特定技能の税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。連携や契約の義務はなく、売り込みも一切ありません。
よくある質問

Q. 顧問先を奪われることはありませんか
A. ありません。役割分担は明確です。特定技能や在留資格まわりの窓口と税務は貴所、企業評価書の作成はKICKが担います。顧問先との関係はそのまま維持されます。売り込みも一切ありません。
Q. 自所の負担はどの程度になりますか
A. 先生の負担は小さく収まります。基本は、造船業の顧問先を紹介いただき、決算資料を共有いただくだけです。企業評価書の作成と財務分析は中小企業診断士のKICKが主導します。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士や行政書士は作成できません。だからこそ、作成資格を持つ相手との連携が有効です。
Q. 造船業の顧問先が債務超過でも受入れは可能ですか
A. 1期の債務超過だけで受入れが不可能になるわけではありません。改善の見通しを企業評価書で客観的に示せるかどうかが分かれ目です。造船業は受注残が読みやすく、見通しを説明しやすい業種です。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 金額はサービス内容によって変わります。具体的な費用は、サービスページにてご確認ください。まずは連携の可否だけを気軽にご相談いただけます。
Q. 企業評価書とはどのような書面ですか
A. 外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる「改善見通しに関する評価書面」です。申請企業が債務超過のときに、財務の改善見通しを示すために求められます。
Q. 特定技能と技能実習のどちらでも連携できますか
A. どちらの受入れでも連携できます。特定技能・技能実習(育成就労を含む)で企業評価書が必要になった造船業の案件に対応します。育成就労制度は2027年4月の施行予定です。
Q. 造船業に特有の事情も踏まえてもらえますか
A. 踏まえます。造船所・船体ブロック製造会社・船舶用エンジン機器製造工場・艤装工事会社など、受注から引き渡しまでが長い業種の特性を前提に、改善見通しを組み立てます。鋼材価格や為替による一時的な赤字も、事業の体力と分けて説明します。
Q. 決算対応で忙しい時期でも相談できますか
A. 相談できます。企業評価書の作成と財務分析はKICKが主導するため、先生の作業は最小限です。決算の繁忙期でも、顧問先の紹介と資料共有だけで連携を進められます。急ぎの案件は、スケジュールを合わせて優先的に対応します。
Q. 遠方の顧問先でも対応できますか
A. 対応できます。KICKは全国オンラインで対応するため、来社は不要です。造船業の集積地から離れた事務所でも、企業評価書の連携を進められます。
Q. まず何から始めればよいですか
A. まずは連携の可否と流れの確認からで結構です。顧問先の同意を得たうえで、決算資料を共有いただければ、企業評価書の見通しをお伝えします。無理な勧誘はありません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。顧問先を奪うことはありません。連携や契約の義務もありません。特定技能の税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で、造船業の受入れ審査を前に進めます。
まとめ

造船業の顧問先の受入れ審査を、企業評価書で支える5つの秘訣をお伝えしました。核心を、別の角度からもう一度まとめます。
企業評価書は、債務超過の造船業が特定技能や技能実習で人材を受け入れるための、改善見通しの証明です。作れるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られます。ここが、税理士の先生にとっての最初の壁でした。
この壁は、抱え込むものではなく、連携で越えるものです。顧問先の税務は貴所、企業評価書の作成はKICK。この一線を引くだけで、受入れ審査は前に進み、顧問先との関係はより強くなります。
債務超過という数字の見た目に、必要以上に身構えることはありません。造船業は工期が長く、原価が先行する業種です。改善の見通しを企業評価書で客観的に示せれば、特定技能の受入れは十分に前へ進みます。事務所同士の連携の全体像は、士業連携(提携)の詳細でご確認いただけます。
造船業の顧問先が債務超過で不安を抱えているなら、受任機会を逃す前に、連携という選択肢を持ってください。企業評価書の準備は、後ほど段階的に進められます。まずは可否の確認から始めましょう。面談の質・時間と受任の安定・周囲からの信頼を、共に手に入れましょう。







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