
顧問先の外食業が、外国人材の受入れを進めたい。ですが直近の決算が赤字で、審査に通るか分からない。そんな相談を受けて、返答に迷ったことはないでしょうか。
税務は貴所の専門です。しかし受入れ審査で求められる「企業評価書」は、税理士では作成できません。ここに、多くの先生方が感じるもどかしさがあります。
これは先生おひとりの問題ではありません。外食業は特定技能・技能実習の受入れが多く、原材料高や人件費高で決算が悪化しやすい業種です。赤字・債務超過と受入れ審査は、いま多くの顧問先で同時に起きています。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 顧問先の外食業が赤字で、受入れ審査が不安な方
- 企業評価書が必要だが、自所では作れない方
- 作成できる専門家の当てがなく困っている方
結論を先にお伝えします。企業評価書の作成を中小企業診断士と連携すれば、税務は貴所のまま、顧問先の受入れ審査を前に進められます。受任機会も逃しません。
本記事は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史(中小企業診断士)が、税理士の先生方に向けて執筆しました。当社は認定経営革新等支援機関として、法人支援実績150社以上・全国オンライン対応で財務の実務を担っています。
- 債務超過が外食業の受入れ審査を左右する事実
- 企業評価書が必要になる場面と制度上の位置づけ
- 企業評価書を作成できる専門家の範囲
- 決算対応と評価書準備を両立させる段取り
- 顧問先を手放さないための連携体制
読み終えるころには、顧問先から受入れの相談を受けても、迷わず次の一手を示せるようになります。まずは連携の全体像から、気軽にご相談ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
債務超過が外食業の受入れ審査を左右する事実

最初の注意点は、顧問先の財務状態が受入れ審査に直結するという事実です。直近決算が赤字・債務超過だと、審査で追加の説明資料が求められます。それが企業評価書です。
なぜ財務が問われるのか。外国人材を受け入れる企業には、実習生や特定技能人材を安定して雇用し続ける体力が求められるからです。債務超過は、その体力への疑問を生みます。
受入れ審査で財務が問われる理由
受入れ企業は、労働者の生活と将来を預かる立場にあります。給与の遅配や急な事業縮小は、外国人材の在留そのものを揺るがします。
だからこそ審査では、財務の健全性が確認されます。とくに債務超過の企業には、改善の見通しを客観的に示す書面が求められます。
- 直近決算が赤字か、債務超過に陥っていないか
- 売上や利益が回復に向かっているか
- 資金繰りに具体的な改善の道筋があるか
これらを税理士の顧問先が自力で説明するのは容易ではありません。数字を並べるだけでなく、改善見通しを第三者の視点でまとめる必要があるからです。
審査で問われるのは「今の赤字」だけではありません。むしろ「この先どう立て直すのか」という道筋が重視されます。過去の数字と将来の見通しを結び、根拠を持って示すことが求められます。だからこそ、専門家の評価が意味を持ちます。
外食業で債務超過が起きやすい背景
外食業は、構造的に決算が振れやすい業種です。原材料費と人件費の比率が高く、少しの環境変化で利益が消えます。
具体例を挙げます。居酒屋チェーンは来客数の波が大きく、天候や景気で売上が上下します。ファミリーレストランは価格競争が厳しく、値上げが遅れると利益率が下がります。
ファストフード店は人手不足で人件費がかさみ、セントラルキッチン(調理専門工場)は設備投資の負担で一時的に赤字となることがあります。回復途上の外食業が債務超過を抱えるのは、決して珍しいことではありません。
加えて外食業は、来店需要の回復が読みにくい業種です。感染症の流行や物価高で客足が鈍ると、家賃や人件費といった固定費だけが残ります。売上が戻る前に手元資金が細り、債務超過へ傾く流れが起きます。
一方で、現場は深刻な人手不足です。ホールや調理を担う人材が足りず、外国人材の受入れは事業の存続に直結します。財務が苦しいときほど、人手の確保を急がねばならないという難しさが、外食業にはあります。だからこそ、赤字と受入れ審査が同時に押し寄せます。
顧問税理士だからこそ最初に気づける
ここで先生の立場が重要になります。顧問先の決算数字を最初に把握しているのは、税理士である貴所です。
債務超過が受入れ審査の壁になると早く気づけば、対策の時間を確保できます。特定技能の受入れ計画に合わせ、企業評価書の準備を後押しできます。
顧問先の多くは、決算が受入れ審査に影響するとは気づいていません。先生からのひと言が、早期の準備につながります。
要するに、外食業の顧問先を守る第一歩は、決算と受入れ審査を結びつけて考えることです。財務を最も理解している先生こそ、その入口に立っています。
企業評価書が必要になる場面と制度上の位置づけ

次の注意点は、企業評価書がどんな場面で求められるかを正しく理解することです。要否を取り違えると、準備が後手に回ります。
結論として、企業評価書は債務超過のときに必要になります。制度上の位置づけがはっきりしているため、事前に見通せる書類です。
企業評価書とは何か
企業評価書は、正式には「改善見通しに関する評価書面」と呼ばれます。外国人技能実習機構(OTIT)に提出する書類の別紙②-1・番号20にあたります。
申請企業が債務超過の場合に、財務の改善見通しを客観的に示すための書面です。単なる決算書の要約ではなく、回復の道筋を第三者が評価した資料です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 改善見通しに関する評価書面 |
| 提出先 | 外国人技能実習機構(OTIT) |
| 位置づけ | 提出書類 別紙②-1・番号20 |
| 求められる場面 | 申請企業が債務超過のとき |
特定技能・技能実習で求められるタイミング
企業評価書は、外国人材の受入れ手続きの節目で問われます。技能実習や特定技能の受入れで、企業が債務超過の状態にあるときです。
外食業では、特定技能の在留資格で人材を受け入れるケースが増えています。ホール接客や調理補助など、現場を支える戦力として欠かせません。特定技能は外食業が対象分野に含まれており、受入れの入口として選ばれやすい制度です。
ここで注意したいのは、企業評価書が求められるのは「債務超過のとき」だという点です。黒字であれば、この書面は原則として不要です。つまり顧問先の決算が転じた瞬間に、必要な書類が変わります。
だからこそ、赤字の外食業が特定技能や技能実習の受入れを進めるとき、企業評価書の要否を早めに確認しておく必要があります。企業評価書の詳しい役割は、企業評価書作成支援の詳細で確認できます。
育成就労制度への移行と今後
制度の動きも押さえておきたい点です。技能実習に代わる育成就労制度が、2027年4月に施行される予定です。
外国人材の受入れは今後も続き、むしろ広がる方向にあります。外食業のように人手不足が深刻な業種では、受入れニーズはさらに高まります。
つまり、企業評価書が必要になる場面は今後も生まれ続けます。制度の位置づけを理解しておくことが、顧問先への的確な助言につながります。
費用の具体額は、サービスページでご確認いただけます。連携をお決めいただく前に、顧問先の状況を伺うだけでも構いません。顧問先を奪うことはなく、税務は貴所のままです。
企業評価書を作成できる専門家の範囲

三つ目の注意点は、企業評価書を誰が作れるのかという点です。ここを誤解すると、準備そのものが行き詰まります。
結論を申し上げます。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士や行政書士は作成できません。
作成資格は中小企業診断士などに限られる
企業評価書は、財務の改善見通しを専門的に評価する書面です。そのため、作成できる資格者が限定されています。
作成を担えるのは中小企業診断士などの専門家です。財務分析と経営改善の見立てを、客観的な立場でまとめる役割を担います。
この点を知らないまま準備を進めると、提出の直前で「作れる人がいない」と気づくことになります。作成資格の壁を早めに知ることが、受任機会を守る鍵です。
税務と企業評価書作成の役割分担
ここで役割分担を整理します。税務や決算は貴所の専門であり、企業評価書の作成はKICKの中小企業診断士が担います。
それぞれの強みを持ち寄る形です。先生は顧問先との関係と数字の背景を熟知し、KICKは改善見通しの評価を専門とします。
| 担当 | 役割 |
|---|---|
| 税理士(貴所) | 顧問先の税務・決算・日常の相談対応 |
| KICK(中小企業診断士) | 財務分析・企業評価書の作成・申請サポート |
この分担なら、先生が専門外の領域に踏み込む必要はありません。顧問先との窓口も、これまで通り貴所が担います。
役割を分ける利点は、責任の所在が明確になることです。税務の判断は貴所が、改善見通しの評価はKICKが、それぞれの資格と経験に基づいて行います。顧問先から見ても、誰が何を担うのかが分かりやすくなります。
結果として、外食業の顧問先は「決算も在留資格も任せられる」と感じます。この安心感が、先生への信頼をさらに厚くします。
誤解しやすい点
よくある誤解を挙げます。「決算書があれば企業評価書は不要」「税理士が数字を整えれば足りる」という思い込みです。
実際には、債務超過のときには改善見通しの評価書面が別に求められます。決算書の提出だけでは、審査の要件を満たさない場合があります。
だからこそ、作成できる専門家の範囲を正しく理解し、早い段階で連携先を確保しておくことが大切です。
決算対応と評価書準備を両立させる段取り

四つ目の注意点は、決算対応と企業評価書の準備を、時間軸で両立させることです。段取りを誤ると、審査に間に合いません。
結論として、決算作業と評価書準備は並行して進めるのが現実的です。順番に片づけようとすると、時間が足りなくなります。
決算と評価書準備の時間軸
外食業の受入れは、繁忙期や採用計画に合わせて動きます。在留資格の手続きには時間がかかり、評価書もその中に組み込む必要があります。
先生が決算を締めた数字は、企業評価書の土台になります。決算の確定を待ってから作成を始めると、審査の期限が迫ってしまいます。
- 顧問先の受入れ計画と期限を確認する
- 債務超過の有無から企業評価書の要否を見極める
- 決算作業と並行して評価書の準備に着手する
- 在留資格の申請サポートと足並みをそろえる
この流れを早めに共有しておけば、期限に追われずに済みます。
段取りで詰まりやすい点
詰まりやすいのは、作成資格の壁に気づくのが遅れる場面です。準備を始めてから連携先を探すと、着手が後ろにずれます。
外食業の具体例で考えます。ファストフード店やセントラルキッチンは、設備投資で赤字が出やすく、受入れ計画も年度単位で動きます。
受入れの目処が立った時点で企業評価書の準備に入らないと、決算・評価書・在留資格の手続きが同じ時期に重なります。段取りの遅れは、そのまま受任機会の逸失につながります。
もうひとつ詰まりやすいのが、必要書類の見落としです。債務超過かどうかの判断があいまいなまま進むと、審査の途中で企業評価書を求められ、あわてて準備することになります。
外食業は決算期が集中しやすく、繁忙期と重なると現場も先生も余裕を失います。だからこそ、早い段階で要否を切り分け、必要なら準備を始める判断が効いてきます。
早めの連携が効く理由
だからこそ、早めの連携が効きます。決算を締める前から中小企業診断士と情報を共有しておけば、数字が固まり次第すぐに評価書へ進めます。
先生は税務に集中でき、評価書の実務は連携先が担います。二つの作業を後ろにずらさず、同時に前へ進められます。
要するに、時間軸を先に描くことが、外食業の顧問先の受入れ審査を支える近道です。
顧問先を手放さないための中小企業診断士との連携体制

最後の注意点は、連携の体制づくりです。自所だけで抱え込むと、顧問先との関係にまで影響が及びます。
結論を申し上げます。企業評価書の作成を中小企業診断士と連携すれば、顧問先を手放さずに受入れ審査を支えられます。
自所だけで抱える限界
企業評価書を自所で無理に対応しようとすると、二つの負担が生じます。専門外リスクと時間コストです。
- 作成できない書面を抱え、審査が停滞する
- 不慣れな実務に時間を取られ、本業の税務が圧迫される
- 対応しきれず、顧問先が別の窓口を探し始める
とくに三つ目は見過ごせません。受入れの相談に応えられないと、顧問先は在留資格に強い他所へ流れかねません。外食業は事業拡大のたびに人材を必要とするため、相談の機会は繰り返し訪れます。その一度目に応えられるかどうかが、関係の分かれ目になります。
KICKとの連携で得られること
連携すれば、これらの負担は小さくなります。KICKは財務分析と企業評価書の作成、そして申請サポートを担います。
認定経営革新等支援機関として、法人支援実績150社以上・全国オンライン対応で、来社は不要です。外食業の債務超過案件も、改善見通しの評価という専門の視点で支えます。
連携の流れは分かりやすく整えています。先生から顧問先の決算数字を共有いただき、KICKが財務を分析します。そのうえで改善見通しをまとめ、企業評価書として仕上げます。申請サポートまで、必要な範囲で並走します。
先生の手を煩わせる場面は最小限です。専門外の書面づくりに時間を奪われず、決算や日常の税務に集中できます。受入れの相談に、自信を持って応えられる体制が整います。
先生が手にする未来は三つあります。ひとつは面談の質です。受入れの相談に「連携先がある」と即答でき、顧問先の不安をその場で和らげられます。
ふたつめは時間と受任の安定です。専門外の実務を抱えず、税務に集中しながら受任機会を逃しません。みっつめは信頼です。「在留資格まわりまで頼れる事務所」として、継続受任や紹介につながります。この安定した受任の未来を、共に手に入れましょう。
連携の全体像は、士業連携(提携)の詳細でご案内しています。
顧問先との信頼はそのまま
ご懸念があるとすれば、顧問先を奪われないかという点でしょう。その心配はありません。
役割分担は明確です。税務と日常の相談は貴所、企業評価書の作成はKICKが担います。顧問先の窓口は、これまで通り先生です。
だから連携する事務所が増えています。専門外の負担を手放しながら、顧問先との関係を守れるからです。
連携や契約の義務はありません。売り込みも一切ありません。顧問先を奪うことはなく、税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。まずは状況を伺うところから始められます。
よくある質問

Q. 連携すると顧問先を奪われませんか
A. 奪うことはありません。税務と日常の相談は貴所が担い、KICKは企業評価書の作成のみを担当します。顧問先の窓口は先生のままです。
Q. 自所の負担はどの程度ですか
A. 大きくありません。財務分析と企業評価書の作成はKICKが主導します。先生は決算数字の共有と顧問先との橋渡しが中心で、専門外の実務は抱えません。慣れない書面づくりに時間を割く必要がなく、本業の税務に集中できます。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士や行政書士は作成できません。だからこそ、作成できる専門家との連携が必要になります。
Q. 顧問先が債務超過でも受入れは可能ですか
A. 可能な場合があります。債務超過のときは、改善見通しに関する評価書面(企業評価書)で回復の道筋を示すことが求められます。この書面が受入れ審査を支えます。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 顧問先の状況により異なります。具体額はサービスページでご確認ください。連携をお決めいただく前のご相談は無料です。
Q. 外食業でも対応できますか
A. 対応できます。居酒屋チェーンやファミリーレストラン、ファストフード店、セントラルキッチンなど、外食業の債務超過案件の実務に対応しています。
Q. 特定技能と技能実習のどちらでも相談できますか
A. どちらでも相談いただけます。特定技能・技能実習のいずれの受入れでも、企業が債務超過のときに企業評価書が求められる場面があります。
Q. 育成就労制度への移行は影響しますか
A. 制度は2027年4月に施行される予定です。受入れニーズは今後も続くため、企業評価書が必要になる場面もなくなりません。早めの体制づくりが有効です。
Q. 決算が固まる前でも相談できますか
A. 相談いただけます。むしろ早い段階で共有いただくほど、決算対応と評価書準備を並行して進められ、審査の期限に余裕を持てます。
Q. 全国どこでも対応してもらえますか
A. 全国オンライン対応で、来社は不要です。地域を問わず、外食業の顧問先を持つ先生方からのご相談に応じています。遠方でも、オンラインで打ち合わせから完結できます。
ご相談だけでも構いません。売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で、受入れ審査を共に支えます。
まとめ

外食業の顧問先の受入れ審査を支えるうえで、押さえるべき注意点は5つでした。債務超過が審査を左右する事実、企業評価書が必要になる場面、作成できる専門家の範囲、決算と評価書の段取り、そして連携体制です。
共通するのは、財務を最も理解している税理士だからこそ、最初の一手を打てるという点です。ですが企業評価書そのものは、中小企業診断士など専門の資格者にしか作れません。ここを取り違えると、準備が遅れ、顧問先の受入れそのものが止まりかねません。
だからこそ、連携が力を持ちます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKが担う。この役割分担で、顧問先を手放すことなく受入れ審査を前に進められます。
赤字や債務超過を、受任機会の逸失にしないために。外食業の顧問先が受入れを相談してきたそのときに、先生が迷わず次の一手を示せる体制を、共に整えましょう。







コメント