
顧問先の内装工事会社から相談を受けたところ、その会社が出入国在留管理庁から、「直近の決算が赤字である以上、このままでは特定技能の在留期間更新の手続きを進めることができません。改善の見通しに関する評価書面を提出してください」と言われていた。
赤字・債務超過の原因は、資材高騰と人件費増が同時に押し寄せていることにあります。
このまま企業評価書を用意できなければ、顧問先は今いる特定技能の職人の更新すらできなくなります。更新できなければ現場の人手を確保できず、人手を確保できなければ新しい工事も受注できません。最悪の場合、顧問先は職人を手放し、経営そのものが立ち行かなくなります。
下期に入り、最低賃金の改定が現場の人件費に重くのしかかる時期ではないでしょうか。
先生おひとりの問題ではありません。人手不足が続く内装工事業では、更新のタイミングで数字が悪化している受入れ企業が増えています。
とはいえ、このまま放置すれば、顧問先は他の専門家を頼らざるを得なくなり、貴所にとっても大切な受任機会を失うことになります。
実は、中小企業診断士と連携して企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)を用意すれば、赤字・債務超過の状態でも更新審査を一発で通せる可能性があります。ただし、その進め方には知っておくべき順序があります。この記事では、更新審査で受任機会を逃しやすい理由から、貴所と顧問先が手に入れる未来まで、順にご説明します。
- 顧問先の内装工事会社が特定技能人材の更新を控えて不安な方
- 直近決算が赤字・債務超過で更新審査が通るか心配な方
- 企業評価書を誰に依頼すればいいか分からない方
- 特定技能の更新審査で受任機会を逃しやすい理由
- 放置した場合に顧問先・貴所それぞれに起きること
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する流れ
- 貴所が更新審査への備えを通じて手に入れる未来
- 費用や役割分担についてよくある質問
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
なぜ更新審査で受任機会を逃しやすいのか

結論から言うと、更新審査は初回の受入れ審査よりも見落とされやすい局面です。理由は明快で、多くの事務所が「一度受け入れられたのだから、更新も問題ないだろう」と考えてしまうからです。
ところが、特定技能の在留期間更新でも、受入れ機関としての基準を満たし続けているかが確認されます。直近の決算が赤字や債務超過に転じていれば、初回審査と同様に、改善の見通しを示す評価書面(企業評価書)の提出を求められることがあります。
内装工事業は、人手不足による工期の遅延や、資材価格の高騰による原価上昇の影響を受けやすい業種です。受注は途切れていなくても、利益が薄くなり、決算の数字だけが悪化するケースが少なくありません。
そして、企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士・行政書士のいずれも、企業評価書そのものを作成することはできません。この作成資格の壁を正しく理解していないと、顧問先から相談を受けても具体的な打ち手を示せず、受任機会を逃してしまいます。
更新審査が見落とされやすい2つの背景
更新審査への備えが後手に回る背景には、大きく2つの事情があります。
- 初回の受入れ審査を通過した実績があるため、「更新も同じように進む」と思い込みやすい
- 更新の時期は決算の繁忙期と重なりやすく、決算内容と在留資格の期限を結びつけて考える余裕がない
特定技能の在留期間は、分野や更新回数によって半年から3年程度の幅があります。この期限は決算のスケジュールとは連動していないため、意識的に確認しなければ見落としてしまいます。
内装工事業ならではの、数字が悪化しやすい理由
内装工事業は、次のような事情から、受注が途切れていなくても決算の数字だけが悪化しやすい業種です。
- クロスや建材の価格高騰が、契約時の見積りより後から効いてくる
- 下請けとして受注する構造上、価格転嫁を言い出しにくい
- 天候や上流工程の遅れによる工期の後ろ倒しが、人件費の負担を増やす
- 追加工事・手直し工事のコストが利益を圧迫する
こうした要因が重なると、売上は保てていても利益が薄くなり、気づけば債務超過に近い状態になっていた、というケースが起こります。決算が終わってから初めて数字の悪化に気づくようでは、更新期限までに打てる手が限られてしまいます。
だからこそ、更新時期が近づいている顧問先については、決算の着地見込みが固まった段階で、一度状況を確認しておくことが重要です。早い段階で兆候をつかめれば、改善に向けて動く時間を確保できます。
| 更新審査で確認される点 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 受入れ機関としての基準維持 | 特定技能所属機関としての基準を満たし続けているか |
| 直近の決算内容 | 直近期が赤字・債務超過になっていないか |
| 改善の見通し | 債務超過の場合、改善の見通しを示す評価書面(企業評価書)の有無 |
| 作成できる専門家 | 中小企業診断士など専門の資格者に限られる(税理士・行政書士は作成不可) |
要するに、更新審査は「一度通ったから安心」ではありません。決算の内容次第で、初回と同じ壁が再び立ちはだかります。この壁の存在を早い段階で顧問先に伝えられるかどうかが、信頼される事務所とそうでない事務所の分かれ目になります。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、企業評価書の準備を後回しにすると、顧問先は既存の職人を手放すことになりかねません。理由は、更新審査に間に合わなければ在留資格の更新自体が難しくなるためです。
内装工事業では、ひとりの熟練職人が抜けるだけで、現場のスケジュールが大きく崩れます。人手を失えば受注をこなせなくなり、来期の決算はさらに悪化するという悪循環に陥ります。新たな職人を一から育てるには時間がかかり、その間の現場は既存の職人にしわ寄せが行きます。結果として、離職が連鎖するリスクも高まります。
- 更新に間に合わず、現場の人手が急に足りなくなる
- 売上が落ち込み、翌期の決算がさらに悪化する
- 顧問先が「相談できる先がない」と感じ、他の事務所や専門家に流れる
- 貴所の顧問報酬(ストック収入)が失われる
最も避けたいのは、顧問先が「税理士に相談しても解決しなかった」という印象を持ってしまうことです。これは一度失った信頼を取り戻すのが難しく、他の相談(資金繰り・税務調査対応など)にも波及しかねません。
顧問先に起きること
顧問先にとって、更新できなかった特定技能人材はもう働けません。教育に時間をかけてきた戦力を失えば、現場は振り出しに戻ります。新たな人材の確保には、採用活動から教育まで、相応の時間とコストがかかります。工期の遅延が重なれば、元請けからの信頼にも傷がつきかねません。
貴所に起きること
顧問先が「相談しても解決策が出てこない」と感じれば、他の専門家に相談先を広げようとします。その相談先が、企業評価書にも対応できる別の事務所であれば、税務以外の相談機会をまるごと持っていかれる可能性があります。結果として、顧問契約そのものが揺らぐことにもなりかねません。
| 対応 | その後に起きやすいこと |
|---|---|
| 早めに決算状況を確認し、企業評価書の要否を見極める | 更新期限に余裕を持って対応でき、顧問先の不安が早期に解消される |
| 更新期限の直前まで気づかない、または対応を先送りする | 準備に十分な時間が取れず、顧問先が他の専門家を探し始める |
つまり、更新審査への備えを後回しにすることは、単に一つの手続きを逃すだけでなく、顧問先との関係そのものを揺るがすリスクをはらんでいます。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢

結論は、更新審査を控えた段階で、中小企業診断士と連携して企業評価書を準備することです。理由は、直近の財務状況を客観的に分析し、改善の見通しを第三者の立場で示せるのが、専門の資格者だけだからです。
外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる企業評価書は、依頼者(受入れ企業)が債務超過のときに求められる書面です。単なる決算内容の説明ではなく、受注動向や資材調達の見直しなど、改善に向けた具体的な材料を踏まえて作成します。
この書面が求められる考え方は、初回の受入れ時も更新時も基本的に同じです。決算が債務超過であれば、「このまま推移すると危ういのではないか」という審査側の懸念に対し、改善の見通しを客観的に示す必要があるからです。逆に言えば、改善の見通しを筋道立てて示せれば、更新審査を前に進める材料になるということです。
企業評価書の記載イメージ(一般的な構成)
実際にどのような書面になるのか、一般的な構成項目を整理すると、次のようなイメージです。架空の数値ではなく、あくまで項目の一覧としてご覧ください。
| 記載項目 | 内容の目安 |
|---|---|
| 企業概要 | 事業内容・沿革・特定技能人材の受入れ実績 |
| 財務状況の分析 | 直近期の決算内容、債務超過に至った理由 |
| 改善の見通し | 受注状況・原価管理などを踏まえた今後の改善計画 |
こうした構成イメージがあらかじめ分かっているだけで、顧問先への説明がぐっとしやすくなります。「何を準備すればよいか分からない」という不安を、具体的な見通しに変えられるからです。
相談から企業評価書の完成までの流れ
実際の連携は、次のような流れで進みます。
- 貴所または顧問先から、更新時期と直近の決算状況を共有いただく
- KICKが直近3期分の決算書などをもとに財務分析を行う
- 受注状況や原価管理の見直しなど、改善の見通しをヒアリングで補う
- 企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)としてまとめる
- 貴所・顧問先が、在留資格の更新手続きに活用する
この流れの中で、税務に関するご相談は引き続き貴所が担います。KICKが担うのは、あくまで財務分析と企業評価書の作成部分に限られます。役割が明確に分かれているからこそ、双方が専門領域に集中できます。
この記事の詳しいサービス内容は、次のページにまとめています。
外国人技能実習・特定技能の企業評価書について 社長やご担当者の方へ。“あなた”は今、このようなお悩みを抱えていませんか。 外国人技能実習制度を活用したいが、企業評価書の作成方法が分からないという方 特定技能外国人の受入れにあたり、経営改善の見通しについて評価が必要だと言われた方 ...
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
先生の事務所が手に入れる未来

更新審査への備えを一緒に進められる体制ができると、貴所と顧問先の関係は次のように変わっていきます。
目に見える変化
面談で話す内容が、決算報告だけでなく「来期どう改善するか」という前向きな話題に変わります。顧問先の表情も、不安げなものから、一緒に手を打っている安心感のあるものへと変わっていきます。更新期限を意識した会話が自然に生まれ、直前になって慌てることもなくなります。
通帳と時間の変化
更新のたびに慌てて対応する必要がなくなり、貴所の業務時間にゆとりが生まれます。企業評価書の作成という専門外の業務をKICKに任せられるため、貴所は税務という本来の強みに集中できます。顧問契約は継続され、顧問料という安定した収入(ストック収入)が守られます。
周囲からの変化
「あの事務所は、外国人材の受入れの相談にも乗ってくれる」という評判が、顧問先の口コミを通じて広がっていきます。職員にとっても、対応の幅が広がったことへの自信につながります。金融機関からも、顧問先の経営状況を継続的に把握できている事務所として、信頼を得やすくなります。
こうした変化は、一朝一夕には生まれません。しかし、更新審査という具体的な期限がある今こそ、その一歩を踏み出す好機です。決算の数字を一緒に見直し、改善の見通しを言葉にする過程そのものが、顧問先との信頼関係を深める機会になります。
こうした変化を、顧問先と共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

結論として、企業評価書の作成は自所だけでは対応できません。理由は、専門外の分析には相応の時間と専門性が必要で、片手間で扱うにはリスクが大きいためです。
財務分析の専門知識に加え、受入れ制度への理解も欠かせません。見よう見まねで対応し、内容に不備があれば、かえって顧問先の受任機会を狭めてしまいます。だからこそ、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
特に、更新審査は「時間との勝負」になりやすい局面です。在留期限が迫ってから企業評価書の必要性に気づいても、慣れない分析に時間を取られてしまえば、間に合わない恐れがあります。専門の資格者と早めに連携しておくことが、時間コストを抑える最も確実な方法です。
また、企業評価書の作成には、決算書の数字だけでなく、業種特有の事情を踏まえた読み解きが欠かせません。内装工事業であれば、資材価格の推移や下請け構造による価格転嫁のしにくさなど、数字の背景にある事情を理解したうえで、改善の見通しを組み立てる必要があります。こうした読み解きは、財務分析を専門とする中小企業診断士だからこそ、精度高く行えるものです。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、法人支援実績150社以上、全国オンライン対応(来社不要)で、企業評価書の作成を支援しています。代表の松本昌史は中小企業診断士・事業承継士であり、財務分析を軸に、顧問先の改善の見通しを客観的な書面としてまとめます。認定経営革新等支援機関としての知見を活かし、決算内容の分析だけでなく、業種特有の事情も踏まえて改善の見通しを整理します。
費用については、依頼内容によって異なるため、詳細はサービスページにてご確認ください。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
建設業のように、天候や下請け構造の影響を受けやすい業種では、決算の数字だけを見ていても改善の糸口が見えにくいことがあります。受注動向や原価管理の状況まで踏み込んで分析することで、初めて「何が改善の見通しになり得るか」が見えてきます。この視点の違いこそが、専門の資格者と連携する意味です。
士業連携の詳しい内容は、次のページでご案内しています。
顧問先の「相談」に、十分に応えられていますか? 士業事務所(税理士・公認会計士、行政書士)の先生方へ。“あなた”は今、このような場面に心当たりはありませんか? ✓ ソフトウェアの登場により 新たな顧客獲得が難しく、売上じり貧... ✓ 「補助金」の相談を受けたもの...
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
よくある質問

Q. 相談すると、顧問先を奪われませんか。
A. ご安心ください。KICKは企業評価書の作成支援に特化しており、税務や経営全般の顧問契約に関与することはありません。顧問先との関係は、そのまま維持されます。売り込みも一切行いません。
Q. 貴所(税理士事務所)側の実務負担はどの程度ですか。
A. 決算書など必要書類を共有いただければ、財務分析と企業評価書の作成はKICKが主導します。貴所の実務負担は、書類の取りまとめと顧問先への橋渡し程度で済みます。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか。
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士・行政書士のいずれも作成することはできません。この点を正しく伝えることが、顧問先との信頼関係を保つ第一歩になります。
Q. 更新審査でも、初回と同じ書類が必要ですか。
A. 直近の決算内容によります。債務超過であれば、初回と同様に改善の見通しを示す評価書面(企業評価書)が求められることがあります。決算内容に応じて、必要な準備は変わりますので、まずは決算書をもとに状況を確認することをおすすめします。
Q. 債務超過でも更新は可能ですか。
A. 改善の見通しを客観的に示せれば、更新審査を前に進められる可能性があります。受注状況や原価管理の見直しなど、改善につながる材料があるかどうかが鍵になります。まずは直近の決算内容を確認することから始めましょう。
Q. 内装工事業以外の業種でも対応できますか。
A. 対応可能です。建設業をはじめ、製造業・宿泊業・運送業など、外国人材の受入れが多い業種全般でご相談いただいています。
Q. 費用はどのくらいかかりますか。
A. 依頼内容によって異なるため、具体的な金額はサービスページにてご確認ください。顧問先への説明時も、費用の話は個別にご案内いただく形で問題ありません。
Q. どのくらいの期間で企業評価書は完成しますか。
A. 必要書類が揃っている場合、比較的短期間での対応が可能です。更新期限が近い場合は、早めにご相談いただくほど、選べる打ち手が広がります。
Q. 育成就労制度への移行(2027年4月施行予定)にも関係しますか。
A. 育成就労制度へ移行しても、債務超過の場合に改善の見通しを求められる考え方は変わらない見込みです。制度の変更点は、今後の相談の中で随時ご案内します。
Q. 全国どこでも対応してもらえますか。
A. オンラインで全国対応しており、来社の必要はありません。遠方の顧問先であっても、同じ流れでご相談いただけます。
Q. 顧問先にはどのように説明すればいいですか。
A. 「更新審査には、財務状況によって企業評価書という書面が必要になる場合がある」「その作成は税務とは別の専門家(中小企業診断士)が担う」という2点を伝えるだけで十分です。詳細な制度説明は、KICKとの面談でまとめて行えます。
Q. 決算書のほかに、どのような資料が必要ですか。
A. まずは直近3期分の決算書があれば、財務分析に着手できます。受注状況や改善に向けた取り組みが分かる資料があれば、より具体的な見通しを描きやすくなりますが、必須ではありません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
\無料相談(30秒で予約)/
まとめ

特定技能の更新審査は、「一度通ったから安心」とは言い切れない局面です。内装工事業のように資材高騰と人件費増の影響を受けやすい業種では、更新のタイミングで決算が悪化しているケースが珍しくありません。
企業評価書の作成は中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で連携すれば、貴所の実務負担を抑えながら、顧問先の受任機会と顧問契約の両方を守ることができます。
顧問先の「今いる職人を手放したくない」という思いに応えられる事務所になれるかどうかは、更新審査への備えを早めに始められるかにかかっています。
決算内容が固まったタイミングで、更新時期を迎える顧問先がいないかを一度棚卸ししてみましょう。早めに動き出すほど、選べる打ち手は多く残っています。まずは無料相談から、その一歩を踏み出してみてください。







コメント