
「今期も、顧問先の資金繰りが厳しい。月末になるたび、こちらまで気が重くなる」。そう漏らす税理士の先生に、お会いする機会が増えています。
下期に入り、金融機関から「経営改善計画を出してほしい」と言われた顧問先への対応に悩む先生は、決して少なくありません。資金繰り相談は受けても、計画書の作成や金融機関との調整までは手が回らない——そんな状況ではないでしょうか。
これは先生おひとりの問題ではありません。多くの税理士事務所が、税務の枠を超えた経営改善支援の担い手不足という同じ壁にぶつかっています。課題を先送りにする風土のまま放置すれば、顧問先も事務所も苦しくなる一方です。
結論から言えば、この壁を越える近道は、認定経営革新等支援機関との連携による経営改善計画策定支援(405事業)の活用です。特に、計画を出して終わりではなく、その後の伴走報告まで見据えて動くことが、顧問先との信頼関係を守るカギになります。詳しいやり方は、この記事で順番にお伝えします。
- 顧問先の資金繰り相談に対応しきれない方
- 金融機関から改善計画を求められ困っている方
- 405事業とバリューアップ支援の違いを知りたい方
- 経営改善計画策定支援(405事業)の仕組みと補助の上限
- バリューアップ支援事業との違いと使い分け
- 計画策定後の伴走報告で税理士が担う役割
- 顧問先との関係を守りながら連携を進める方法
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善計画の策定と金融機関対応はKICKという役割分担です。
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なぜ税務業務の延長だけでは、資金繰りに苦しむ顧問先を支えきれないのか

税務申告や記帳代行の延長で、顧問先の資金繰り相談に応じている先生は多いはずです。ですが、金融機関が求める本格的な経営改善計画は、税務の知識だけでは組み立てられません。
「決算書は作れるが、金融機関を納得させる改善計画までは自信がない」——実際、こうした声は珍しくありません。顧問先の資金繰りが厳しくなるほど、税務顧問としての付き合いだけでは応えきれない場面が増えていきます。
壁は大きく3つあります。
| 壁 | 顧問先の資金繰り相談でぶつかる現実 |
|---|---|
| ノウハウの壁 | 損益計画・資金繰り表を作れても、金融機関が納得する改善計画の組み立て方までは学んでいない |
| 時間の壁 | 決算・申告の繁忙期と重なると、1社にかけられる時間が足りない |
| 立場の壁 | 税務顧問という立場のまま、金融機関との条件交渉の席に同席しづらいと感じる先生も多い |
この3つの壁は、先生の力不足ではなく、税務顧問と経営改善支援では求められる役割そのものが違うために生まれます。だからこそ、この壁を自所だけで越えようとするより、役割分担できる相手を持つほうが現実的です。
ノウハウの壁——計画は「作る」より「通す」ほうが難しい
損益計画や資金繰り表そのものは、税務のプロである先生にとって難しい作業ではありません。難しいのは、金融機関が「この計画なら返済猶予に応じられる」と納得する組み立て方です。
経営課題の整理からアクションプラン、数値計画までを一貫したストーリーとして描き、金融機関の審査担当者が短時間で読み解ける形に仕上げる。この工程には、税務とは別の専門性が必要です。
時間の壁——決算期と重なると1社に割ける時間がない
経営改善計画の策定には、資料の収集から現状分析、金融機関との事前調整まで、まとまった時間がかかります。決算・申告が集中する時期に、資金繰りが厳しい顧問先が重なると、どうしても対応が後回しになりがちです。
立場の壁——税務顧問のまま交渉の矢面に立ちにくい
金融機関との条件交渉は、税務顧問としての立場とは別の役回りです。顧問先からは頼られていても、「税理士としてどこまで踏み込んでよいのか」という迷いを抱える先生は少なくありません。
早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)の基本を先に押さえたい方へ
国の支援を使って資金繰り改善の計画をつくる早期経営改善計画の仕組みと進め方を解説しています。
このまま何もしなければ、顧問先と事務所に何が起きるか

金融機関から改善計画を求められているのに、対応が後手に回るとどうなるでしょうか。
まず、金融機関との関係が悪化します。計画の提出が遅れれば遅れるほど、金融機関は「この会社(と顧問税理士)は経営の実態を把握していないのでは」と不安を強めます。
その結果、リスケの条件交渉が不利になり、顧問先の資金繰りはさらに厳しくなります。資金繰りが厳しい顧問先は、顧問料の支払いも遅れがちになり、最終的には顧問契約そのものを失うリスクにつながります。
顧問先にとっても、他人事ではありません。計画の提出が遅れれば、金融機関からの新規融資も止まりやすくなります。仕入れ先への支払いが滞り、従業員の給与にまで影響が及べば、経営そのものが立ち行かなくなります。
顧問先を失えば、事務所の評判にも影響します。「あの事務所は、資金繰りが厳しくなったときに頼りにならなかった」という評価は、既存の他の顧問先にも伝わりかねません。経営改善支援の担い手不足という同じ壁を放置すれば、顧問先の経営悪化・顧問報酬の消失・事務所の評判低下という悪循環に陥ります。
逆に、早い段階で専門家と連携し、金融機関へ丁寧に説明できる計画を示せれば、リスケの条件交渉も落ち着いて進められます。顧問先にとっても事務所にとっても、動き出すタイミングは早いほど選択肢が広がります。
悪循環は途中を飛ばさずに起きる
改善計画が出せない、金融機関との目線が合わない、リスケの条件が厳しくなる、資金繰りがさらに苦しくなる、支払いが遅れる、無理な資金繰りで疲弊する、事業の立て直しどころではなくなる——この流れは、どこか1か所で止められればそこで終わります。
逆に言えば、最初の「改善計画が出せない」という段階で手を打てるかどうかが分かれ目です。ここで専門家と連携できれば、以降の悪循環そのものが起きません。
下期に入り、年末調整の準備や来期の事業計画の相談が増えるこの時期は、顧問先の資金繰りの実態が改めて見えてくるタイミングでもあります。面談の中で「返済がきつい」という言葉が出たら、それは対応を先送りにしてよいサインではありません。
経営改善計画策定支援(405事業)という選択肢

経営改善計画策定支援(405事業)は、金融支援(リスケ等)が前提となる局面で、認定経営革新等支援機関の支援を受けて経営改善計画を策定する制度です。
認定経営革新等支援機関(中小企業診断士・税理士等)の支援を受ける場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。補助上限は、計画策定支援(事業の棚卸しを含む)200万円・伴走支援(モニタリング)100万円・金融機関交渉10万円の合計最大310万円です。
債務超過・赤字決算の顧問先でも、原因分析から改善可能性の整理、収益構造の立て直し案まで、ひとつの計画にまとめられます。計画書は、ビジネスモデル俯瞰図・経営課題と改善方針・アクションプラン・損益計画・資金繰り表(実績・計画)という本格的な内容で組み立てます。実際にどんな書式・記載項目になるか、構成イメージは次のとおりです。
| 構成項目 | 記載内容の目安 |
|---|---|
| ビジネスモデル俯瞰図 | 事業の全体像・商流・強み弱みを1枚で見える化 |
| 経営課題と改善方針 | 業績悪化の原因分析と、それに対する改善の方向性 |
| アクションプラン | 誰が・いつまでに・何をするかを具体化した行動計画 |
| 損益計画 | 数年先までの収益見通しと改善後の着地点 |
| 資金繰り表(実績・計画) | いつ・いくら資金が不足するかを可視化した表 |
計画は策定して終わりではありません。策定後は、専門家による伴走支援として、計画と実績の差異確認・改善策の見直し・金融機関への説明や報告の支援が続きます。この伴走報告の場に立ち会うことで、先生は顧問先の状況を継続的に把握でき、金融機関からの信頼も維持しやすくなります。
対象になりやすい顧問先の状態
405事業が向いているのは、次のような状態の顧問先です。
- 借入返済の負担が重く、金融機関へのリスケ相談を検討している
- 決算が赤字・債務超過で、金融機関から改善計画の提出を求められている
- 資金繰り表が無く、いつ・いくら資金が不足するか見えていない
こうした顧問先ほど、先生おひとりで抱え込むと事務所側の負担も大きくなります。制度としての枠組みが整っているからこそ、専門家と役割分担して進める意味があります。
KICKが実務レベルで支える範囲
KICKでは、損益分岐点分析などの管理会計手法を用いて、顧問先の現状を数値で可視化するところから支援を始めます。認定経営革新等支援機関の関与が前提の制度であるため、計画の実行可能性を金融機関に説明できる水準まで作り込みます。
計画策定までの大まかな流れ
- 現状のヒアリングと資料の整理(決算書・試算表・借入の状況など)
- 経営課題の整理と改善方針の検討
- アクションプラン・損益計画・資金繰り表の策定
- 金融機関への計画の説明・提出
- 計画実行後の伴走支援(差異確認・報告支援)
先生には、このうち顧問先との橋渡しと、必要に応じた税務面の情報共有をお願いする程度です。資料集めから金融機関対応まで、KICKが実務を主導します。
具体的な進め方や制度の詳細は、次のページでご確認いただけます。
社長やご担当者の方へ。“あなた”は今、このようなお悩みを抱えていませんか。 ✓ 手元資金が減少している状況 ✓ 借入返済の負担が重く、将来の資金繰りに不安を感じている状態 ✓ 補助金を活用し、経営改善に取り組みたいが、準備や進め方が分から...
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先生の事務所が手に入れる未来

405事業を活用し、伴走報告まで見据えた連携を続けた先生の事務所には、どんな変化が起きるでしょうか。
まず、目に見える変化です。面談のたびに資金繰りの不安を訴えていた顧問先が、「改善計画どおりに進んでいます」と落ち着いて話すようになります。会話の質が、問題の指摘から前向きな確認へと変わります。
伴走報告の場を重ねるうちに、顧問先自身も「今どこにいるのか」「次に何をすべきか」を自分の言葉で説明できるようになります。先生が一方的に指摘する関係から、共に現状を確認し合う関係へと変わっていくのも、この連携の効果です。
次に、通帳と時間の変化です。顧問料の支払いが安定して回収でき、金融機関対応をKICKに任せられる分、貴所の業務時間にもゆとりが生まれます。決算・申告の繁忙期に、資金繰りの相談対応まで抱え込む必要がなくなるのは、事務所運営そのものにとっても大きな変化です。
最後に、周囲からの変化です。「資金繰りが厳しいときに相談できる事務所」という評価は、既存の顧問先だけでなく、金融機関や職員からの信頼にもつながります。
顧問先の業績が上向けば、貴所が高度税務・組織再編といった新たな提案を行う土台も整います。経営改善支援をきっかけに、税務顧問という関係がより深いパートナーシップへと育っていく——この変化を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

計画策定の専門性、時間コスト、金融機関対応の負担——これらをすべて自所で抱え込むには限界があります。だからこそ、認定経営革新等支援機関の中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、認定経営革新等支援機関として、法人支援実績150社以上のノウハウを持っています。代表は中小企業診断士・事業承継士であり、資金繰り表のない状態からの経営改善計画策定にも数多く携わってきました。
金融機関側の視点を踏まえた計画の組み立て方や、伴走支援の進め方を実務レベルで理解しているからこそ、税理士事務所と役割分担しながら、顧問先の資金繰り改善を最短距離で進められます。
計画策定・金融機関対応の実務はKICKが主導するため、貴所の実務負担・マンパワー消費は最小限で済みます。費用については、具体額はサービスページにてご確認いただけます。
連携後も、税務は貴所が中心のまま
連携が始まっても、顧問先との日々のやり取りや税務相談の窓口は、引き続き貴所が担います。KICKが担うのは、計画策定と金融機関対応という、税務顧問の枠の外にある専門領域です。
役割が明確に分かれているからこそ、顧問先から見ても「餅は餅屋」で安心して任せられる体制になります。税務の相談は引き続き先生へ、資金繰りと金融機関対応の相談はKICKへ、と顧問先自身が使い分けられるようになるのも、この連携の特徴です。
士業連携という選択肢
KICKでは、405事業に限らず、税理士・公認会計士・行政書士の先生方と幅広く連携しています。士業同士の連携について、詳しくは次のページにまとめています。
顧問先の「相談」に、十分に応えられていますか? 士業事務所(税理士・公認会計士、行政書士)の先生方へ。“あなた”は今、このような場面に心当たりはありませんか? ✓ ソフトウェアの登場により 新たな顧客獲得が難しく、売上じり貧... ✓ 「補助金」の相談を受けたもの...
早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)をまとめて確認したい方へ
国の支援を使って資金繰り改善の計画をつくる早期経営改善計画の仕組みと進め方を解説しています。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善計画の策定と金融機関対応はKICKという役割分担です。
よくある質問

Q. 顧問先を他社に奪われることはありませんか
A. ありません。税務は貴所、経営改善計画の策定と金融機関対応はKICKという役割分担で進めます。顧問先との関係はそのまま維持されます。
Q. 事務所側の実務負担はどれくらいありますか
A. 計画策定・金融機関対応の実務はKICKが主導します。貴所には顧問先との橋渡しと、必要に応じた税務面の情報共有をお願いする程度で、実務負担は最小限です。ヒアリングや資料収集の日程調整も、KICKが顧問先と直接やり取りしますので、先生の窓口業務が増えることはありません。
Q. 経営改善計画策定支援(405事業)と早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)はどう違いますか
A. 対象とする局面と計画書の規模が異なります。次の表のとおりです。
| 項目 | 405事業(本記事の対象) | バリューアップ支援事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 金融支援(リスケ等)が前提 | 前提としない |
| 計画書の規模 | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) |
| 補助上限 | 計画策定200万円+伴走100万円+金融機関交渉10万円(3分の2補助) | 計画策定50万円+伴走30万円(3分の2補助) |
| 着手のタイミング | 悪化が顕在化してから | 早め(兆候が出た段階) |
Q. どのような顧問先が405事業の対象になりますか
A. 借入返済の負担が重く、金融機関にリスケを相談せざるを得ない顧問先や、金融機関から改善計画の提出を求められている顧問先が対象です。資金繰り表が無く、いつ・いくら不足するか見えていない顧問先にも向いています。業種は問いません。製造業・建設業・サービス業など、幅広い顧問先で活用されています。
Q. 顧問先が金融機関とリスケ交渉中でも利用できますか
A. 利用できます。むしろ405事業は、金融支援(リスケ等)が前提となる局面で使う制度です。金融機関への説明・報告の場にも、策定後の伴走支援としてKICKが関わります。交渉の途中からでも、まずはご相談ください。
Q. 顧問先の決算が債務超過でも計画は作れますか
A. 作れます。債務超過・赤字決算の企業でも、原因分析から改善可能性の整理、収益構造の立て直し案として計画にまとめることが可能です。
Q. 計画策定にはどれくらいの期間がかかりますか
A. 顧問先の状況や資料の整い具合によって前後します。事業の棚卸しから計画の完成まで、余裕をもったスケジュールで進めますので、詳しい流れはサービスページにてご確認ください。
Q. 計画策定後の伴走支援では、具体的に何をしてもらえますか
A. 計画と実績の差異確認、改善策の見直し、金融機関への説明・報告の支援が中心です。計画を作って終わりにしないことが、金融機関からの信頼を保つポイントです。実績が計画から乖離した場合も、原因を整理したうえで金融機関へ説明できる形に整えます。
Q. すでに他の専門家に計画策定を依頼している顧問先でも相談できますか
A. ご相談いただけます。進捗状況をうかがったうえで、伴走支援の部分からご一緒できないかなど、状況に応じた関わり方をご提案します。
Q. 405事業と税理士の顧問契約は両立できますか
A. 両立できます。405事業はあくまで経営改善計画の策定・金融機関対応に関する連携であり、税務顧問契約とは別枠です。顧問先との契約関係にKICKが入り込むことはありません。
Q. 費用はどれくらいかかりますか
A. 専門家費用の3分の2は国の補助が受けられますが、具体的な費用額はサービスページにてご確認ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善計画の策定と金融機関対応はKICKという役割分担です。
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まとめ

資金繰りに苦しむ顧問先への対応は、税務顧問の枠を超えた専門性が求められます。経営改善計画策定支援(405事業)は、その壁を認定経営革新等支援機関との連携で越えるための選択肢です。
計画を出すところで終わらせず、策定後の伴走報告まで見据えて動くことが、顧問先との信頼、そして金融機関からの信頼を守ります。
顧問先の資金繰りが厳しいときほど、先生が頼れる先を持っているかどうかで、その後の展開は大きく変わります。金融機関から改善計画を求められた瞬間ではなく、その少し前——顧問先が「返済がきつい」と漏らした時点で動き出せれば、選べる打ち手はまだ多く残っています。
税務は貴所、経営改善計画の策定と金融機関対応はKICKという役割分担で、無理なく一歩を踏み出してみませんか。








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