【税理士向け】早期経営改善計画で顧問先の資金繰りを守る3つの連携術

三冠バッチ

「顧問先から資金繰りの相談を受けても、決算や申告に追われて本格的な経営改善まで手が回らない」。「顧問料をこれ以上いただくのは心苦しいが、事務所としてはもっと付加価値を高めたい」。こうした思いを抱える税理士・公認会計士の先生は、決して少数派ではありません。

ある調査では、中小企業の経営者が顧問の会計事務所に期待することの上位に、税務にとどまらない資金繰りや経営改善のアドバイスが並びます。しかし現実には、税務の専門性と経営改善の実務では、求められる知識も時間の使い方も異なります。先生おひとりで両方を高い水準で担うのは、決して容易ではありません。これは先生の力不足の問題ではなく、事務所という枠組みの構造から生まれる壁です。

本当の敵は、課題をつい先送りにしてしまう風土と、税務の枠内にとどまる現状維持のほうにあります。顧問先の数字が静かに悪化していくあいだ、決算のたびに「今期も厳しいですね」と繰り返すだけでは、先生の事務所が持つ本来の価値は顧問先に伝わりません。

結論から申し上げます。早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)を、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と連携して活用すれば、先生は実務負担を最小限に抑えながら、顧問先の資金繰り改善と事務所の付加価値向上を同時に実現できます。その具体的な進め方を、次からひとつずつ解説します。

この記事で分かること

  • 税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しにくい、3つの構造的な理由
  • 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組みと、405事業との違い
  • 顧問料を維持しながら事務所の付加価値を高める、税理士×中小企業診断士の連携モデル
  • 認定経営革新等支援機関との連携で、先生の実務負担を抑えて顧問先支援を広げる進め方

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。

なぜ税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しないのか

顧問先の財務が思うように改善しない背景には、先生の努力とは別の次元にある、3つの構造的な壁があります。この壁の正体を先に見える化しておくことが、連携という選択肢を正しく理解する出発点になります。

3つの壁を分解する

顧問先の経営改善が進まない理由を、ノウハウ・時間・立場の3つに整理すると、次のようになります。

壁の種類現場で起きていることなぜ深刻か
ノウハウの壁税務の専門性と、事業性の分析や計画策定の専門性は別物損益分岐点分析やアクションプランの設計は、日々の記帳・申告の延長では身につきにくい
時間の壁決算期の繁忙で、経営改善に割ける時間が慢性的に足りない計画策定と伴走支援には継続的な時間が必要で、片手間では続かない
立場の壁顧問報酬をいただく立場では、踏み込んだ改善提案を切り出しにくい「顧問料を上げたい提案」と受け取られる懸念が、先生の一歩を止める

とりわけ根深いのが立場の壁です。先生は顧問先にとって最も身近な専門家でありながら、報酬をいただく立場だからこそ、資金繰りや収益構造への踏み込んだ提案を切り出しづらい。この遠慮が、結果として顧問先の課題先送りを助長してしまうのです。

要するに、税務の延長線上で経営改善まで担おうとすると、ノウハウ・時間・立場という3方向から負荷がかかります。だからこそ、先生の強みを活かしつつ、足りない部分を外部の専門家で補う発想が必要になります。

このまま何もしなければ、顧問先と事務所に何が起きるか

壁をそのままにして現状維持を続けた場合、何が起きるのか。ここを直視することは、決して脅しではなく、先生が次の一手を選ぶための冷静な材料になります。

静かに進む3つの悪化シナリオ

第一に、顧問先の経営悪化です。資金繰りの兆候は、売上の減少よりも先に、支払いのわずかな遅れや在庫の膨らみとして現れます。早い段階で手を打てば軽い調整で済んだものが、決算で赤字が確定してから動くと、打てる手は一気に狭まります。

第二に、顧問報酬というストック収入の消失です。顧問先が資金繰りに行き詰まれば、真っ先に見直されるのが固定費であり、顧問料もその対象になりかねません。顧問先の財務が安定していることは、先生の顧問料が維持される土台そのものです。顧問先の経営と事務所の収益は、静かに連動しています。

第三に、事務所の評判への影響です。経営者どうしの横のつながりのなかで、「あの事務所は経営の相談にも乗ってくれる」という評価は、そのまま新規の紹介につながります。逆に、数字を記録するだけの関与にとどまれば、選ばれる理由は価格だけになっていきます。

これらは特別な事務所だけに起きる話ではありません。だからこそ、悪化が顕在化する前の「早め」の段階で動ける仕組みを、いま持っておくことに価値があります。

早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という選択肢

ここで先生にご提案したいのが、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の活用です。これは、資金繰り管理や経営状況の把握といった基本的な経営改善に、早めに取り組む中小企業を対象とした、予防的な国の支援制度です。悪化してから動く制度ではなく、兆候が出た段階で動くための制度である点が、最大の特徴です。

制度の仕組みと数値

この事業では、認定経営革新等支援機関の支援を受けて早期経営改善計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。補助の上限は、計画策定費用が50万円、策定後1〜3年の伴走支援費用が30万円で、合わせて80万円です。企業概要書の作成や金融機関交渉といった追加の支援を加えると、最大で100万円までが対象になります。窓口となるのは中小企業活性化協議会です。

制度運用の面でも、先生に知っておいていただきたい変更があります。かつては伴走支援が完了するまで、協議会が補助の半分を預かる「2分の1留保」という仕組みがありました。これは廃止され、2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件は、留保なしで支払われます。顧問先にとって、資金面のハードルが下がった形です。

この事業は「認定経営革新等支援機関の支援」を前提とした制度です。多くの先生はすでに認定支援機関の登録をお持ちのはずで、その関与を活かしながら、計画策定の実務を中小企業診断士と分担する形が取れます。

管理会計と対話で、腹落ちする計画をつくる

計画づくりの中身も、単なる数字合わせではありません。KICKでは、損益分岐点分析をはじめとする管理会計の手法を使い、「あといくら売れば利益が残るのか」「どの費用を見直せば資金繰りが楽になるのか」を、経営者と一緒に見える化します。ここにローカルベンチマークという、財務と非財務の特色を可視化する対話型のツールを組み合わせることで、経営者自身が腹落ちした計画を描けます。

そして、この事業が目指すのは計画書の完成ではなく、事業者が自らPDCAサイクルを回して自走できる体制づくりです。計画策定後は、最初の決算から3年間、決算期を含めて年に最低2回のモニタリングと協議会への報告を行う伴走支援が続きます。金融支援(リスケジュール等)を前提とせず、計画書の提出をきっかけに、資金繰りや将来展望を金融機関と共有して信頼関係を築いていく点も、この制度の穏やかで前向きな特徴です。より詳しい制度の全体像は、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細でご確認いただけます。

ご相談は無料で、契約や連携の義務はありません。顧問先を奪うことは決してなく、税務の窓口は先生のままです。まずは「この顧問先に使えるか」からお気軽にお尋ねください。

先生の事務所が手に入れる未来

連携によって、先生の事務所の日常はどう変わるのか。抽象的なメリットではなく、実際に起きる変化を3つの軸で具体的に描きます。

目に見える変化 ── 面談の空気が変わる

これまで決算報告の面談は、過ぎた数字を確認する場になりがちでした。連携が始まると、その場に「これからどう良くしていくか」という前向きな会話が生まれます。損益分岐点や資金繰りの見通しを一緒に眺めながら、経営者が身を乗り出して話す。顧問先が先生を見る目が、記録者から相談相手へと変わっていきます。

通帳と時間の変化 ── 顧問料の安定とゆとり

顧問先の資金繰りが改善すれば、顧問料の支払いは安定し、値下げ交渉の懸念も遠のきます。ストック収入としての顧問料が、より強固なものになるのです。しかも、計画策定と伴走の実務は中小企業診断士が主導するため、先生の事務所の作業時間が大きく削られることはありません。負担を増やさずに、収益の土台を固められます。

周囲からの変化 ── 顧問先・金融機関・職員の評価

経営改善に踏み込む事務所という評価は、顧問先からの紹介を呼び、金融機関からの信頼を高めます。数字の裏付けを持った計画を示せる事務所は、金融機関との対話でも一目置かれます。そして何より、経営に貢献している実感は、職員のやりがいと定着を支えます。税務・会計という確かな土台の上に、経営支援という新しい柱を立てる。その未来を、KICKと共に手に入れましょう。

自所だけで抱える限界と、認定経営革新等支援機関との連携

ここまで読み進めた先生のなかには、「制度の意義は分かるが、自分の事務所だけで運用できるだろうか」という率直な問いが浮かんでいるかもしれません。その感覚は正確です。

ひとつの事務所で抱えたときの3つの負荷

第一に、計画策定の専門性です。事業性の評価や実効性のあるアクションプランの設計には、税務とは異なる訓練と経験が要ります。第二に、時間コストです。3年間の伴走と年2回のモニタリングを、繁忙期を挟みながら継続するのは相当の負担です。第三に、金融機関対応です。計画を金融機関と共有し、目線を合わせていく調整には、独特の勘所があります。

だからこそ、これらの実務を認定経営革新等支援機関である中小企業診断士に委ね、連携する事務所が増えています。先生は顧問先との窓口と財務情報を、診断士は計画策定と金融機関対応の実務を担う。この役割分担が、無理なく続く連携の基本形です。

KICKと組むことで先生が得られるもの

KICKコンサルティング株式会社は、中小企業庁の認定経営革新等支援機関であり、法人支援の実績は150社以上にのぼります。代表の松本昌史は、中小企業診断士(経済産業大臣登録)に加え、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、事業承継士などの資格を持ち、財務と経営の両面から計画策定を主導します。全国オンライン対応のため、地域を問わず先生と連携できます。

先生にとっての価値は明快です。実務負担を抱えずに、顧問先へ提供できる支援の幅を広げられること。認定支援機関としての関与を通じて事務所の付加価値を高められること。そして、経営改善という前向きなテーマで関与することで、顧問契約の枠を超えた深い信頼を顧問先と築けることです。連携の具体的な条件や進め方は、税理士・公認会計士向けの連携パートナー募集のご案内にまとめています。費用や報酬の詳細は、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)のサービスページでご確認ください。

連携しても、顧問先を奪うことは一切ありません。税務は貴所、経営改善はKICKという明確な役割分担です。売り込みや契約の強制もありません。まずは情報交換から始められます。

よくある質問

顧問先を奪われるリスクはありませんか

ありません。KICKが担うのは計画策定と伴走支援の実務であり、税務・会計の窓口は先生のままです。顧問契約に立ち入ることはなく、連携が終わっても顧問先との関係はそのまま維持されます。役割分担を明確にした協業ですので、ご安心ください。

事務所側の実務負担はどの程度ですか

先生にお願いするのは、主に顧問先との窓口と、財務データのご共有です。計画策定・金融機関対応・モニタリング報告といった手間のかかる実務は、中小企業診断士であるKICKが主導します。繁忙期でも、先生の作業時間が大きく増えない設計です。

バリューアップ支援事業と405事業は何が違いますか

最大の違いは、金融支援を計画に盛り込むかどうかです。要点を整理すると次のとおりです。

項目バリューアップ支援事業405事業
金融支援前提としないリスケ等の金融支援が前提
着手のタイミング早め(兆候が出た段階)悪化が顕在化してから
計画の内容資金繰り・アクションプラン等の簡易な内容詳細な財務計画を含む本格的な計画

「まだ大きな問題はないが早めに手を打ちたい」段階ならバリューアップ支援事業、「すでに返済が重く金融機関との調整が必要」な段階なら405事業、という使い分けになります。

どのような顧問先が対象になりますか

資金繰り管理や経営状況の把握といった基本的な経営改善に、これから前向きに取り組む中小企業が対象です。まだ危機的ではないが、収益構造を整えておきたい顧問先にこそ向いています。対象になるかの見極めから、一緒に検討できます。

すでに認定支援機関ですが、連携する意味はありますか

あります。認定支援機関としての関与は先生が担いつつ、計画策定やアクションプランづくりの実務、金融機関対応を中小企業診断士が担うことで、実務負担を抑えたまま支援メニューを広げられます。登録をお持ちの先生ほど、連携の効果を実感いただけます。

地方の事務所でも連携できますか

できます。KICKは全国オンライン対応で来社は不要です。周囲に経営改善計画や財務に強い専門家が少ない地域の先生にこそ、ご活用いただきたい体制です。オンラインで顧問先の状況を共有し、迅速に計画策定を進められます。

伴走支援は具体的に何をするのですか

計画策定後、最初の決算から3年間、決算期を含めて年に最低2回、進捗と実績の差異を確認し、中小企業活性化協議会への報告まで行います。単なる報告作業ではなく、顧問先が自らPDCAを回して自走できる体制づくりを後押しする支援です。

連携にかかる費用を知りたいのですが

費用や報酬の詳細は、顧問先の状況によって異なります。具体的な内容はサービスページにてご確認いただくか、無料相談でお尋ねください。制度としては専門家費用の3分の2が国から補助される仕組みですので、顧問先の負担を抑えながら取り組めます。

ひとつの事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。それでも、ご相談いただいても売り込みは一切なく、顧問先を奪うこともありません。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担で、まずは情報交換から始めていただけます。

まとめ

顧問先が会計事務所に期待するものは、税務・会計の枠を超えて広がっています。「資金繰りをどう立て直すか」「収益構造をどう整えるか」という経営そのものの相談に応えられるかどうかが、これからの事務所の価値を静かに左右します。

とはいえ、そのすべてを先生おひとりで抱える必要はありません。早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)を、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と連携して活用すれば、先生は顧問先との信頼関係という最大の強みを活かしたまま、計画策定という重い実務を手放せます。顧問先の資金繰りが安定すれば顧問料の土台は固まり、経営に踏み込む姿勢は事務所の付加価値そのものになります。先生は窓口を、診断士は実務を。この分担が、顧問先の未来と、先生の事務所の未来を同時に前へ動かします。まずは、貴事務所の顧問先に合った連携のかたちを、一緒に考えるところから始めてみませんか。

ブランディング|KICKコンサルティング株式会社 (銀座本社)

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