
顧問先との月次面談で、試算表の数字を読み上げるだけになっていませんか。「今月も売上はいまひとつですね」「経費を見直しましょう」——そんな感覚的なやり取りを重ねるうちに、顧問先の資金繰りは変わらないまま、次の決算を迎えてしまう。そんな現場は少なくありません。
資金繰りの相談を受けても、根拠のある数字で改善の道筋を示せなければ、顧問先の不安は解消されません。税務の申告・記帳という本来業務だけで手一杯の中、経営改善の相談にまで踏み込む時間もノウハウも足りない——先生おひとりの問題ではありません。多くの税理士・公認会計士事務所が同じ壁にぶつかっています。
顧問先の数だけ決算書があり、顧問先の数だけ資金繰りの悩みがあります。すべての顧問先に同じ助言を返しているうちに、「うちの状況をきちんと見てくれているのか」という不信が芽生えることもあります。忙しさのあまり後回しにしてきた経営相談への対応が、実は事務所の評価そのものを左右しているのかもしれません。
敵は先生でも顧問先でもなく、「数字を経営判断につなげずに放置してしまう現状維持の空気」そのものです。この空気を変える鍵になるのが、損益分岐点分析という管理会計の武器です。とはいえ、ただ計算式を覚えるだけでは顧問先の心は動きません。認定経営革新等支援機関と連携し、制度を使って伴走する体制を整えることで、貴所の実務負担を抑えたまま顧問先の対話の質を変えられます。その具体的なやり方は、次の章から順にお伝えします。
あなたはこのような悩みはありませんか。
- 顧問先の資金繰りの話になると、感覚的な助言しかできない方
- 数字の根拠を示せず、顧問料アップの提案に踏み切れない方
- 経営改善の相談を受けても、ノウハウとマンパワーが足りない方
- 税務の延長だけでは顧問先の資金繰りが変わらない理由
- 損益分岐点分析を使うと、顧問先との面談がどう変わるか
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組みと補助の内容
- KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)と連携する際の役割分担
- 顧問先を奪われる心配なく提携できる理由
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上を持つ中小企業診断士事務所です。代表・松本昌史が、税理士・公認会計士の先生方と連携し、顧問先の財務改善を後押ししてきた経験をもとに、この記事をお届けします。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
なぜ税務の延長だけでは顧問先の資金繰りが変わらないのか

結論から言うと、税務申告のための試算表だけを見ていても、顧問先の資金繰りは改善しません。試算表は「過去の結果」を示すもので、「これからどうすれば黒字化できるか」という未来の道筋までは示さないからです。
貴所が顧問先の財務改善にまで踏み込めない背景には、3つの壁があります。
| 壁 | 具体的な内容 |
|---|---|
| ノウハウの壁 | 損益分岐点分析やアクションプランの策定は、税務とは別の専門知識が必要 |
| 時間の壁 | 申告期・決算期の繁忙の中、経営改善のための面談時間を新たに確保しにくい |
| 立場の壁 | 顧問先から見て「税務の専門家」であり、「経営改善の相談相手」だと認識されにくい |
この3つの壁があるために、多くの事務所では「気づいてはいるが、手が回らない」状態が続いています。顧問先の相談内容が税務から経営改善へと広がっているのに、対応する体制が整っていないのです。
感覚的な助言が招く顧問先の不信
「経費を減らしましょう」「売上を伸ばしましょう」という助言は、正しくても具体性に欠けます。
顧問先が知りたいのは、「あといくら売上を伸ばせば黒字になるのか」「固定費のうち、どこを削れば資金繰りが楽になるのか」という数字です。
この数字を示せなければ、顧問先は「税務は任せられるが、経営の相談相手ではない」と感じてしまいます。
業種によって損益分岐点の見え方は異なる
損益分岐点分析は、業種によって注目すべきポイントが変わります。
製造業であれば、原材料費や外注費といった変動費の比率が重い傾向にあります。小売業・卸売業であれば、仕入原価と在庫回転の関係が資金繰りを左右します。サービス業であれば、人件費という固定費の比重が高く、少しの売上減少が損益分岐点を大きく揺らします。
顧問先の業種特性を踏まえずに一般論で助言しても、的外れな提案になりかねません。だからこそ、業種に応じた分析の視点を持つ専門家との連携が意味を持ちます。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、経営改善への踏み込みを先送りし続けると、顧問先との関係そのものが揺らぎます。
まず、顧問先の資金繰り悪化は止まりません。感覚的な助言だけでは、赤字体質や過剰な固定費の構造は変わらないためです。資金繰りが厳しいままだと、顧問先は「経営改善に強い他の専門家」への乗り換えを検討し始めます。
次に、貴所の顧問報酬というストック収入が揺らぎます。顧問先の廃業や資金繰り破綻は、報酬の消失に直結します。実際、赤字や資金繰り悪化を理由に契約を見直す中小企業は珍しくありません。
さらに、事務所の評判にも影響します。「税務は正確だが、経営の相談には乗ってくれない」という評価が広まれば、既存顧問先からの紹介や新規受任の機会も減っていきます。
加えて見落とされがちなのが、貴所自身の顧問料交渉の機会損失です。顧問先の業績が改善しないままでは、記帳代行や申告業務の範囲を超えた提案がしづらく、顧問料を見直すタイミングも訪れません。結果として、貴所の売上も横ばいのまま時間だけが過ぎていきます。
課題を先送りする風土を変えるには、貴所おひとりで抱え込まず、外部の専門家と連携するという選択肢を持つことが有効です。
早期経営改善計画策定支援という選択肢

結論から言うと、「早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)」という国の制度を活用すれば、顧問先の資金繰り改善に、専門家費用の負担を抑えて着手できます。
この制度は、認定経営革新等支援機関の支援を受けて早期経営改善計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助する仕組みです。補助上限は、計画策定費用50万円、伴走支援費用(1〜3年後)30万円の合わせて80万円。企業概要書作成10万円・金融機関交渉10万円の追加オプションを加えると、最大100万円まで活用できます。
2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件からは、これまで運用されていた「伴走支援完了まで補助金の半分を協議会が預かる」という2分の1留保も廃止されました。留保なしで支払われるため、資金繰りの負担も軽くなっています。
KICKが実務レベルで行う管理会計手法
制度の中心にあるのが、損益分岐点分析をはじめとする管理会計の手法です。KICKでは、次の流れで顧問先の現状を見える化します。
- 固定費・変動費を分解し、損益分岐点となる売上高を算出する
- ローカルベンチマーク(経済産業省が公開する財務・非財務の分析ツール)で、業績のクセを可視化する
- 対話型の面談で、経営者自身が現状を腹落ちできるまで数字を掘り下げる
- 資金繰り計画とアクションプランに落とし込み、金融機関とも目線を合わせる
この分析があるからこそ、「あと売上を〇%伸ばせば黒字化する」「固定費のうち、この部分を見直せば資金繰りが安定する」といった、具体的な会話が顧問先とできるようになります。
計画策定後は、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングと協議会への報告が必要です。単なる計画づくりで終わらせず、事業者自身がPDCAサイクルを回せる体制を整えることが、この制度の本来の目的です。
制度の詳しい仕組みは、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細で確認いただけます。費用の具体額についても、このページでご案内しています。
対象となる顧問先の目安
この制度が向いているのは、資金繰りに違和感が出始めた段階の顧問先です。「入金と支払いのタイミングが合わず、月末になると資金繰りが苦しくなる」「利益は出ているはずなのに、通帳の残高が思うように増えない」といった声が出始めたら、着手を検討するタイミングといえます。
すでに債務超過や返済のリスケジュールが必要な段階まで進んでいる場合は、金融支援を前提とした405事業(経営改善計画策定支援)が適する可能性もあります。どちらの制度が合うかは、顧問先の状況を伺ったうえでKICKがご案内します。
相談から着手までの流れ
貴所からKICKへのご相談後は、次のような流れで進みます。
- 貴所からKICKへ、顧問先の状況を簡単にご相談いただく
- KICKが顧問先に対して、制度の説明と財務状況のヒアリングを行う
- 認定経営革新等支援機関への申請手続きを進める
- 損益分岐点分析・ローカルベンチマークをもとに計画を策定する
- 計画策定後、決算期を含め年最低2回の伴走支援を継続する
この間、貴所に求められるのは顧問先への紹介と初回の橋渡しが中心で、細かな実務対応に追われることはありません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。制度活用の実務はKICKが主導するため、貴所の負担は最小限です。
先生の事務所が手に入れる未来

損益分岐点分析を武器にした連携が実を結ぶと、貴所の日常に3つの変化が生まれます。
ひとつ目は、目に見える変化です。試算表を読み上げるだけだった面談が、「損益分岐点まであといくら」「この経費を削れば資金繰りが楽になる」という具体的な会話に変わります。顧問先の表情も、不安げなものから前向きなものへと変わっていきます。
ふたつ目は、通帳と時間の変化です。顧問先の資金繰りが安定すれば、顧問料の支払い遅延という心配が減ります。貴所自身も、計画策定や伴走支援の実務をKICKが担うため、業務時間にゆとりが生まれます。そのゆとりを、高度税務や組織再編といった新たな提案の準備にあてられます。
みっつ目は、周囲からの変化です。顧問先からは「税務だけでなく、経営も一緒に考えてくれる事務所」という評価が生まれます。金融機関との対応でも、計画書を通じて目線が合いやすくなります。職員にとっても、経営改善に携わる経験は事務所の付加価値を実感できる機会になります。
これらの変化は、一朝一夕には生まれません。しかし、損益分岐点分析という具体的な数字の裏付けを持って顧問先と向き合い続けることで、少しずつ「頼れる事務所」としての立ち位置が固まっていきます。顧問先からの相談内容が、税務の質問から経営の相談へと自然に変わっていく——それが、この連携が目指す未来です。
この3つの変化を、顧問先と共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

結論として、計画策定から金融機関対応まで、貴所おひとりで抱える必要はありません。だからこそ、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
損益分岐点分析やローカルベンチマークの活用には、専門的な知識と一定の時間コストがかかります。金融機関との交渉に不慣れな場合、計画書の説得力を高めるための調整にも手間がかかります。この専門性の壁と時間コストを、貴所だけで乗り越えようとすると、本来業務である税務にしわ寄せがいきかねません。
また、この制度を活用するには、認定経営革新等支援機関としての認定を国から受けている必要があります。認定経営革新等支援機関は、税務・金融・企業財務に関する専門知識や、支援に係る実務経験について一定の要件を満たした個人・法人が、中小企業庁から認定を受ける仕組みです。貴所が新たに認定を取得する道もありますが、すでに認定を受けている専門家と連携するほうが、着手までの時間は短くて済みます。
KICKコンサルティング株式会社は、認定経営革新等支援機関として、法人支援実績150社以上の実務経験を持っています。代表・松本昌史は中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)の資格を持ち、金融検定協会「中小企業事業再生マネージャー」の認定も受けています。
KICKが大切にしているのは、計画を作って終わりにしないことです。策定した計画をもとに、顧問先が自らPDCAを回せる体制を整えるところまでを支援範囲としています。損益分岐点分析やローカルベンチマークといったツールも、一度使って終わりではなく、貴所と顧問先が今後も自分たちで活用できるように、分かりやすく伝えることを意識しています。
連携すれば、計画策定・金融機関対応という実務負担の重い部分をKICKが主導し、貴所は税務という強みに集中できます。費用については具体額をここでは記載しませんが、バリューアップ支援事業の詳細のページでご確認いただけます。
この連携は、貴所の事務所としてのポジショニングにも影響します。「税務だけの事務所」ではなく「経営改善まで伴走できる事務所」として顧問先に認識されれば、価格競争に巻き込まれにくくなります。顧問先からの紹介も、価格ではなく信頼を理由にしたものへと変わっていきます。
士業同士の連携については、士業連携(提携)の詳細もあわせてご覧ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善の計画策定・伴走支援はKICKという役割分担です。
よくある質問

Q. 顧問先を奪われるリスクはありませんか。
A. ありません。KICKが担うのは計画策定・伴走支援の実務であり、税務は引き続き貴所が担当します。顧問先との顧問契約に影響が及ぶことはありません。
Q. 貴所側の実務負担はどの程度ですか。
A. 顧問先への紹介と初回の橋渡しが中心です。損益分岐点分析や計画書の作成、金融機関対応の実務はKICKが主導するため、貴所の作業負担は最小限に抑えられます。
Q. バリューアップ支援事業と405事業(経営改善計画策定支援)の違いは何ですか。
A. バリューアップ支援事業は金融支援を前提としない簡易な計画づくりで、補助上限は計画策定50万円・伴走支援30万円(最大100万円)です。405事業は金融支援(リスケ等)を前提とした本格的な経営改善計画で、補助上限は300万円と規模が異なります。両者は目的も着手のタイミングも異なる制度です。
Q. どのような顧問先が対象になりますか。
A. 資金繰りに不安を感じ始めた段階の中小企業が主な対象です。悪化が顕在化する前の早めの着手が、この制度の趣旨に合っています。
Q. 損益分岐点分析だけを依頼することはできますか。
A. まずは無料相談の中で、顧問先の状況をうかがった上で、最適な進め方をご提案します。分析だけを切り出すご相談も歓迎しています。
Q. 伴走支援は本当に必須ですか。
A. はい。計画策定後、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングと協議会への報告が必要です。怠ると費用の返還を求められる場合があります。この伴走の実務もKICKが担います。
Q. 金融機関との関係が悪化することはありませんか。
A. この制度は金融支援を前提としません。計画書の提出をきっかけに、資金繰りや将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築く位置づけです。
Q. 費用はどのくらいかかりますか。
A. 具体的な費用は顧問先の規模や状況によって異なるため、サービスページにてご確認ください。
Q. 相談から着手までどのくらいの期間がかかりますか。
A. まずは無料相談で顧問先の状況をうかがい、認定経営革新等支援機関への申請手続きへと進みます。具体的なスケジュールは相談時にご案内します。
Q. すでに他の専門家に相談している顧問先でも対象になりますか。
A. 個別の状況によりますので、まずはご相談ください。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。
Q. オンラインだけで相談は完結しますか。
A. 全国オンライン対応で来社は不要です。遠方の顧問先であっても、面談から計画策定までオンラインで進められます。
Q. 顧問先に制度活用をどう説明すればよいですか。
A. 「資金繰りの見える化と改善計画づくりを、国の制度を使って専門家と一緒に進める」という説明で十分です。詳しい制度説明の資料はKICKが用意しますので、貴所が一から説明する必要はありません。
貴所おひとりで、損益分岐点分析から金融機関対応まで抱え込む必要はありません。認定経営革新等支援機関であるKICKコンサルティング株式会社と連携すれば、顧問先の資金繰り改善という重い課題を、実務負担を抑えながら前に進められます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善の実務はKICKという役割分担です。
まとめ
顧問先との面談を変えるのは、難しい経営理論ではありません。損益分岐点分析という一つの管理会計の武器と、それを実務に落とし込める認定経営革新等支援機関との連携です。
税務は貴所の強み、経営改善の実務はKICKの強み。この役割分担があるからこそ、貴所は本来業務に集中しながら、顧問先からの信頼を積み上げられます。感覚的な助言から、数字に裏付けられた対話へ。その一歩を、今日から踏み出してみませんか。







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