
顧問先の自動車整備会社から相談を受けたところ、その会社が厚生労働省の技能実習制度運用要領の窓口から「債務超過の状態のままでは、外国人材の受入れを認めるわけにはいきません。企業評価書を提出してください」と言われていた。
債務超過の原因は、設備投資の負担と部品代・人件費の高騰にあります。リフトやテスターの更新に多額の資金がかかるうえ、単価は上げにくく、部品代や光熱費だけが上昇を続けます。
このまま企業評価書を用意できなければ、顧問先は今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ新しく入ってくる車検・整備の依頼をさばく人手を確保できず、依頼をさばけなければ売上は作れません。最悪の場合、顧問先の経営そのものが立ち行かなくなります。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 顧問先が赤字決算で、受入れ審査が不安な方
- 企業評価書が必要だが、自所では作れない方
- 作成できる専門家の当てがない方
これは先生おひとりの問題ではありません。多くの税理士事務所が、同じ場面で受任機会を逃しかけています。
敵は先生でも顧問先でもありません。「赤字決算・審査への不安・受任機会の逸失」という状況です。
結論を先にお伝えします。赤字決算の顧問先を守る鍵は、決算対応と企業評価書の準備を別物として早めに整えることです。
企業評価書の作成は、中小企業診断士などの専門家に任せられます。貴所は税務に専念できます。
この記事では、審査を一発で通す企業評価書を軸に、自動車整備業の赤字決算に潜む3つの落とし穴と、その避け方を整理します。
- 赤字決算の自動車整備業で、なぜ企業評価書が必要になるのか
- 準備を誤ると起きる「3つの落とし穴」
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する流れ
- 顧問先をつなぎとめ、貴所の信頼を高める方法
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
赤字決算の自動車整備業で企業評価書が必要になる理由

結論からお伝えします。赤字・債務超過の自動車整備業が外国人材を受け入れるとき、企業評価書は「あると有利な資料」ではなく「求められる書面」になります。
理由は、受入れの審査で企業の財務状態が確認されるからです。
直近の決算が債務超過だと、そのままでは「安定して雇用を続けられるのか」という疑問が残ります。
そこで、財務の改善見通しを客観的に示す書面が必要になります。これが企業評価書です。
整備士不足と特定技能という背景
自動車整備業では、整備士の高齢化と若手の減少が深刻です。
この人手不足を補う手段として、特定技能や技能実習による外国人材の受入れが広がっています。
特定技能には「自動車整備」の分野があり、点検整備や車検業務を担う人材が現場を支えます。
顧問先が次のような会社であれば、受入れの相談は珍しくありません。
- 自動車ディーラーの整備工場
- 民間車検場(指定・認証工場)
- 中古車販売・整備会社
いずれも整備士の確保が経営の生命線です。だからこそ、外国人材の受入れを止めたくないのです。
特定技能の在留資格は、一定の技能と日本語能力を満たした人材が対象です。
点検や分解整備を任せられるため、現場の即戦力として期待されています。
技能実習から特定技能へ移行して働き続ける人材も多く、整備業の担い手として定着しつつあります。
なぜ整備業の決算は赤字・債務超過に傾きやすいのか
自動車整備業は、設備と人にお金がかかる業種です。
リフトやテスター、電子制御車・EVへの対応設備など、投資の負担が重くのしかかります。
一方で、車検や整備の単価は上げにくく、人件費や部品代は上昇を続けています。
その結果、一時的に赤字や債務超過に陥る会社が出てきます。
ここで大切なのは、赤字イコール将来性がない、ではないという点です。
設備投資が一巡すれば黒字に戻る会社は多く、改善の見通しを説明できるかが分かれ道になります。
自動車整備業で赤字・債務超過につながりやすい要因を整理すると、次のようになります。
| 要因 | 整備業での具体例 |
|---|---|
| 設備投資の負担 | リフト・テスターの更新、電子制御車・EVへの対応設備 |
| 単価の上げにくさ | 車検・点検整備の価格競争、値上げしづらい地域相場 |
| コストの上昇 | 整備士の人件費、部品代・光熱費の高騰 |
| 需要の変動 | 車検台数の減少、繁忙期と閑散期の差 |
これらは一時的な要因であることが多く、数年で立て直す会社も少なくありません。
だからこそ、赤字の背景と回復の道筋を書面で示すことに意味があります。
企業評価書が求められる制度上の位置づけ
企業評価書は、正式には「改善見通しに関する評価書面」と呼ばれます。
外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類のうち、別紙②-1・番号20にあたります。
申請する会社が債務超過のときに、この書面が求められます。
つまり、赤字決算の顧問先が外国人材を受け入れる場面では、避けて通れない資料なのです。
要するに、整備士不足を背景に受入れは増える一方、赤字決算だと企業評価書が必須になる。この構造を先に押さえておくことが出発点になります。
自動車整備業の赤字決算に潜む3つの落とし穴

ここが本題です。赤字決算の顧問先を守るには、次の3つの落とし穴を避ける必要があります。
いずれも、税理士事務所が善意で対応した結果、かえって受任機会を逃してしまう典型例です。
共通するのは、企業評価書という書面の性質を知らないことから生まれる勘違いです。
先に3つを一覧にしておきます。
- 決算対応で企業評価書まで整えたと思い込む
- 企業評価書を税理士が作成できると考える
- 準備が後手に回り顧問先が離れる
順番に見ていきましょう。
落とし穴その一・決算対応で企業評価書まで整えたと思い込む
最初の落とし穴は、決算をきれいに整えれば企業評価書も要らない、という思い込みです。
決算対応と企業評価書は、目的も中身もまったく別の資料です。
決算書は、過去の一年間の実績をまとめたものです。
これに対して企業評価書は、これから財務がどう改善していくかの見通しを示す書面です。
たとえば、民間車検場が設備更新で一時的に債務超過になったとします。
決算書だけでは「今は債務超過」という事実しか伝わりません。
審査で問われるのは、その先の回復シナリオです。
売上の見込み、経費の削減、返済の計画を筋道立てて示さなければ、不安は解消されません。
決算を整えることと、改善の見通しを説明することは、別の仕事だと理解しておく必要があります。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
| 観点 | 決算対応 | 企業評価書 |
|---|---|---|
| 見る時間軸 | 過去一年間の実績 | これからの改善見通し |
| 主な目的 | 税務申告・報告 | 受入れ審査での説明 |
| 作成する人 | 税理士(貴所) | 中小企業診断士など |
この違いを知らないまま決算だけを整えても、審査で必要な書面はそろいません。
顧問先が「これで大丈夫」と誤解したまま、時期を逃してしまうこともあります。
落とし穴その二・企業評価書を税理士が作成できると考える
二つ目の落とし穴は、企業評価書を貴所で作れると考えてしまうことです。
結論から申し上げます。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士などの専門資格者に限られます。
税理士の先生は、日々の税務や決算に精通しています。
しかし、この企業評価書は税務書類とは制度上の位置づけが異なります。
作成資格の対応を整理すると、次のようになります。
| 役割 | 主な担い手 | 企業評価書の作成 |
|---|---|---|
| 顧問先の税務・決算 | 税理士(貴所) | 担当しない |
| 在留資格の申請サポート | 行政書士など | 担当しない |
| 改善見通しの企業評価書 | 中小企業診断士など | 担当する |
ここを取り違えると、作成できない書面の準備を抱え込み、時間だけが過ぎていきます。
顧問先の受入れ時期が迫るなか、間に合わないという最悪の事態も起こりえます。
企業評価書は、はじめから作成できる専門家に任せるのが正解です。
ここで役割を整理しておきます。在留資格の申請サポートは行政書士など、税務は貴所が担います。
そして、改善見通しの企業評価書は中小企業診断士などが作成します。
それぞれの専門家が持ち場を担うことで、顧問先の受入れはスムーズに進みます。
無理に一人で抱えるより、はじめから連携する体制のほうが、結果として早く確実です。
落とし穴その三・準備が後手に回り顧問先が離れる
三つ目の落とし穴は、準備の着手が遅れることです。
企業評価書は、財務資料を集め、改善見通しを組み立てるまでに一定の時間がかかります。
受入れの予定が決まってから慌てて動くと、審査の時期に間に合いません。
中古車整備会社が繁忙期に整備士を増やしたくても、書面が整わなければ受入れは前に進みません。
ここで顧問先が感じるのは、貴所への不満ではなく「相談先が足りない」という不安です。
その不安を埋めるために、外部の別の事務所へ相談してしまうことがあります。
一度そちらに窓口が移ると、税務以外の相談が丸ごと流れる恐れがあります。
要するに、3つの落とし穴はどれも「早めに、正しい専門家と組む」ことで避けられます。
逆に言えば、対応が遅れるほど受任機会を失うリスクが高まるのです。
準備が後手に回ると起きることを、あらためて挙げておきます。
- 審査の時期に企業評価書が間に合わない
- 顧問先が受入れそのものをあきらめる
- 不安を埋めるため別の事務所へ相談が移る
- 税務以外の相談が丸ごと流れてしまう
どれも、少し早く動いていれば避けられたはずの結果です。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する選択肢

では、どうすれば落とし穴を避けられるのか。答えは、企業評価書の作成を中小企業診断士などと連携して進めることです。
役割を分けることで、貴所は税務に集中しながら、顧問先の受入れを前に進められます。
制度と作成資格の要点をおさえる
まず、制度の要点を確認します。
企業評価書は「改善見通しに関する評価書面」で、OTIT提出書類の別紙②-1・番号20にあたります。
申請する会社が債務超過のときに求められ、作成できるのは中小企業診断士などの専門資格者に限られます。
加えて、技能実習を引き継ぐ育成就労制度が2027年4月に施行される予定です。
外国人材の受入れは今後も広がり、赤字決算の顧問先で企業評価書が要る場面はさらに増えると見込まれます。
制度の要点を、あらためて箇条書きで整理します。
- 正式名称は「改善見通しに関する評価書面」
- OTIT提出書類の別紙②-1・番号20にあたる
- 申請する会社が債務超過のときに求められる
- 作成できるのは中小企業診断士などに限られる
この4点を押さえておけば、顧問先への説明でも迷いません。
KICKの財務分析から企業評価書作成までの流れ
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士が財務分析と企業評価書の作成を担います。
自動車整備業の実情をふまえ、次の流れで進めます。
- 顧問先の決算書・試算表をもとに、財務の現状を分析する
- 設備投資や車検台数など、整備業特有の要因を確認する
- 売上・経費・返済の改善見通しを組み立てる
- 改善見通しに関する評価書面(企業評価書)を作成する
- 在留資格の申請サポートを行う専門家と連携し、書面を整える
財務や改善見通しの実務は中小企業診断士が主導します。
そのため、貴所の実務負担と専門外のリスクは小さく抑えられます。
くわしくは企業評価書作成支援の詳細をご覧ください。
要するに、制度を正しく理解し、作成できる専門家と早めに組むことが、顧問先を守る最短の道になります。
売り込みは一切ありません。顧問先を奪うこともありません。税務は貴所が続け、企業評価書の作成だけをKICKが担う役割分担です。まずは連携できるかどうかから、お気軽にご相談ください。
先生の事務所が手に入れる未来

企業評価書の連携が整うと、先生の事務所には具体的な変化が生まれます。
ここでは3つの軸で、その未来を描いてみます。
面談の質が上がる
赤字決算の顧問先から受入れの相談を受けても、もう慌てる必要はありません。
「企業評価書は連携する中小企業診断士が作成します」と、その場で道筋を示せます。
顧問先は安心し、貴所への信頼はいっそう深まります。
債務超過という難しい局面でこそ、頼れる相談相手だと実感してもらえます。
たとえばディーラー整備工場が特定技能の人材を増やしたいとき、先生が道筋を示せれば安心感は大きく変わります。
「まず財務を確認し、企業評価書は中小企業診断士が作ります」と伝えるだけで、話は前に進みます。
時間と受任が安定する
企業評価書の作成を任せられれば、貴所は専門外の作業に時間を取られません。
本来の税務・決算の業務に集中でき、事務所の生産性が保たれます。
さらに、受入れ支援を糸口に、赤字決算の顧問先の継続受任にもつながります。
整備士不足が続くかぎり、外国人材の相談は今後も途切れにくいでしょう。
顧問先と周囲からの信頼が高まる
「在留資格まわりの財務にも強い事務所」という評価は、大きな差別化になります。
自動車整備業の経営者どうしは横のつながりが強く、良い評判は紹介を呼びます。
一つの受入れ支援が、次の顧問先との出会いに広がっていきます。
整備士不足という共通の課題を抱える業界だからこそ、実績のある相談先は重宝されます。
赤字決算の局面を支えた事務所は、長く選ばれ続けます。この未来を、ぜひ共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と中小企業診断士との連携

ここまで読んで、自所だけで対応する難しさを感じていただけたと思います。
結論として、企業評価書は中小企業診断士などと組むのが最善の選択です。
専門外の作業を抱えるリスク
企業評価書は、税務書類とは考え方も作り方も異なります。
慣れない書面を自所で抱えると、時間のコストが膨らみます。
さらに、改善見通しの根拠が弱ければ、審査で通用しない恐れもあります。
専門外の領域で無理をすることは、顧問先にとっても貴所にとっても得策ではありません。
自所で抱えた場合に生じやすい負担を、整理しておきます。
- 不慣れな書面づくりに割く時間のコスト
- 改善見通しの根拠づくりの難しさ
- 審査で通用しなかった場合のやり直し
だからこそ、企業評価書の作成を中小企業診断士などに任せる事務所が増えています。
KICKの支援内容と体制
KICKは、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、法人支援の実績が150社を超えます。
代表の松本昌史は、中小企業診断士・MBA・1級FP技能士などの資格を持ちます。
全国オンライン対応で、来社は不要です。遠方の顧問先でも連携できます。
自動車整備業のように設備投資の重い業種では、財務の見方に専門性が求められます。
中小企業診断士が整備業の実情をふまえて分析するため、改善見通しに説得力が生まれます。
業務範囲は、財務分析・企業評価書の作成・申請サポートに限られます。
顧問先の税務は貴所が続け、KICKが企業評価書の作成だけを担います。
費用については、詳細をサービスページにてご確認ください。
連携の全体像は、士業連携(提携)の詳細にまとめています。
あわせて企業評価書作成支援の内容もご確認ください。
顧問先・依頼者を奪うことはありません。役割分担のもとで、貴所の受任機会を広げる連携です。
よくある質問

Q. 連携すると顧問先を奪われませんか?
A. 奪いません。税務は貴所が続けます。KICKは企業評価書の作成だけを担う役割分担です。顧問先との関係はそのまま維持されます。
Q. 自所の負担はどの程度ですか?
A. 大きな負担はありません。決算書や試算表を共有いただければ、財務分析と企業評価書の作成は中小企業診断士が主導します。貴所は税務に専念できます。
Q. 企業評価書は誰が作成できるのですか?
A. 企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士などの専門資格者に限られます。税理士や行政書士は作成できません。制度上の位置づけが税務書類とは異なるためです。
Q. 顧問先が債務超過でも受入れは可能ですか?
A. 可能な場合があります。債務超過でも、改善の見通しを企業評価書で客観的に示せれば、受入れの審査は前に進みます。まず現状の財務を確認することから始めます。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. 具体的な金額は、案件によって変わります。詳細はサービスページにてご確認ください。連携できるかどうかのご相談は無料で承ります。
Q. 自動車整備業ならではの事情も見てもらえますか?
A. はい。設備投資や車検台数、整備士の採用状況など、自動車整備業に特有の要因をふまえて改善見通しを組み立てます。ディーラー整備工場や民間車検場の実情に沿って対応します。
Q. 特定技能と技能実習で対応は変わりますか?
A. 受入れの枠組みは異なりますが、赤字・債務超過の会社で企業評価書が必要になる点は共通します。育成就労への移行も見据え、早めの準備をおすすめします。
Q. 遠方の顧問先でも連携できますか?
A. できます。KICKは全国オンライン対応で、来社は不要です。地方の自動車整備会社でも、書面のやり取りと面談で連携を進められます。
Q. どのタイミングで相談すればよいですか?
A. 早いほど安心です。受入れの予定が見えた段階でご相談いただければ、審査の時期に余裕をもって企業評価書を整えられます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先・依頼者を奪うこともありません。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で、貴所の受任機会を後押しします。
まとめ

自動車整備業では、整備士不足を背景に外国人材の受入れが広がっています。
しかし、直近の決算が赤字・債務超過だと、受入れの審査で企業評価書が求められます。
この企業評価書は、中小企業診断士などの専門資格者しか作成できません。
だからこそ、決算対応と企業評価書を別物として、早めに正しい専門家と組むことが大切です。
今回お伝えした3つの落とし穴を思い出してください。
- 決算対応で企業評価書まで整えたと思い込む
- 企業評価書を税理士が作成できると考える
- 準備が後手に回り顧問先が離れる
この3つを避ければ、赤字決算の顧問先を守り、受任機会を逃さずにすみます。
自動車整備業は整備士不足が続き、特定技能などの受入れ需要は当面おとろえません。
だからこそ、企業評価書を用意できる体制を早めに整えておく価値があります。
貴所は税務に専念し、企業評価書の作成はKICKが担う。この役割分担が、先生と顧問先の双方を支えます。
赤字決算は終わりではなく、改善見通しを示せば道は開けます。
顧問先の受入れを前に進める備えを、今から一緒に整えていきましょう。







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