
顧問先の鉄筋工事会社から相談を受けたところ、その会社が加入している外国人技能実習機構(OTIT)から、「直近決算が赤字のままでは、外国人材の受入れ手続きを進めることができません。改善の見通しに関する評価書面を提出してください」と言われていた。
赤字の原因は、鋼材価格の変動を直接受けやすく、下請けとして受注する構造上、価格転嫁を言い出しにくいことにあります。
このまま企業評価書を用意できなければ、顧問先は今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ人手不足はさらに深刻化し、新しい工事を受注できなくなり、受注できなければ売上は作れません。最悪の場合、顧問先の経営そのものが立ち行かなくなります。
下期に入り、来期の受注体制や資材調達を見直す顧問先が増える時期ではないでしょうか。
先生おひとりの問題ではありません。決算書を見れば利益率の低下は分かっても、「なぜ下がったのか」「どこから手を打てばよいのか」までは、税務の視点だけでは見えてきません。
とはいえ、このまま放置すれば、顧問先は他の専門家を頼らざるを得なくなり、貴所にとっても大切な受任機会を失うことになります。
実は、中小企業診断士と連携して企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)を用意すれば、赤字・債務超過の状態でも受入れ審査を一発で通せる可能性があります。ただし、その進め方には知っておくべき順序があります。この記事では、鋼材高騰で顧問先の数字が悪化しやすい理由から、貴所が手に入れる未来まで、順にご説明します。
- 顧問先の鉄筋工事会社が鋼材高騰による赤字決算で悩んでいる方
- 直近決算が赤字・債務超過で受入れ審査が通るか心配な方
- 企業評価書を誰に依頼すればいいか分からない方
- 鋼材高騰で受任機会を逃しやすい理由
- 放置した場合に顧問先・貴所それぞれに起きること
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する流れ
- 貴所の事務所が手に入れる未来
- 費用や役割分担についてよくある質問
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
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なぜ鋼材高騰の案件で受任機会を逃しやすいのか

結論から言うと、鋼材高騰による決算悪化は、税務相談の延長では解決できません。理由は、財務状況の改善見通しを客観的に示す書面が別途必要になるからです。
特定技能の受入れ審査では、受入れ機関としての基準を満たしているかが確認されます。直近の決算が赤字や債務超過であれば、改善の見通しを示す評価書面(企業評価書)の提出を求められることがあります。
鉄筋工事業ならではの、数字が悪化しやすい理由
鉄筋工事業は、次のような事情から、受注が途切れていなくても決算の数字だけが悪化しやすい業種です。
- 鋼材価格の変動が、契約時の見積りより後から利益を圧迫する
- 下請けとして受注する構造上、価格転嫁を言い出しにくい
- 加工・組立に手間がかかり、職人不足による手待ち時間が増えやすい
- 納期優先の受注が続くと、採算度外視の現場が積み重なる
こうした要因が重なると、売上は保てていても利益が薄くなり、気づけば債務超過に近い状態になっていた、というケースが起こります。決算が終わってから初めて数字の悪化に気づくようでは、受入れ審査までに打てる手が限られてしまいます。
だからこそ、受入れ予定のある顧問先については、決算の着地見込みが固まった段階で、一度状況を確認しておくことが重要です。早い段階で兆候をつかめれば、改善に向けて動く時間を確保できます。
そして、企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士・行政書士のいずれも、企業評価書そのものを作成することはできません。この作成資格の壁を正しく理解していないと、顧問先から相談を受けても具体的な打ち手を示せず、受任機会を逃してしまいます。
| 受入れ審査で確認される点 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 受入れ機関としての基準 | 特定技能所属機関としての基準を満たしているか |
| 直近の決算内容 | 直近期が赤字・債務超過になっていないか |
| 改善の見通し | 債務超過の場合、改善の見通しを示す評価書面(企業評価書)の有無 |
| 作成できる専門家 | 中小企業診断士など専門の資格者に限られる(税理士・行政書士は作成不可) |
要するに、受入れ審査は「決算が赤字だから諦める」ものではありません。改善の見通しを示せるかどうかで、結果は変わります。この壁の存在を早い段階で顧問先に伝えられるかどうかが、信頼される事務所とそうでない事務所の分かれ目になります。税務の延長だけで対応しようとすると、この壁の存在自体に気づかないまま、相談の機会を逃してしまうのです。
企業評価書の基本を先に押さえたい方へ
企業評価書が必要になる条件、作成できる専門家、混同されやすい「評価調書」との違いを、中小企業診断士が1本の記事にまとめています。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、企業評価書の準備を後回しにすると、顧問先は特定技能人材を受け入れられません。理由は、財務状況の改善見通しを示せなければ、審査そのものが前に進まないためです。
鉄筋工事業では、ひとりの職人が加わるかどうかで、現場の稼働できる棟数が大きく変わります。人手を確保できなければ受注をこなせず、来期の決算はさらに悪化するという悪循環に陥ります。新たな職人を一から育てるには時間がかかり、その間の現場は既存の職人にしわ寄せが行きます。
顧問先に起きること
顧問先にとって、受け入れられなかった特定技能人材はもう働けません。人手不足のまま受注をこなそうとすれば、既存の職人への負担が増し、離職が連鎖するリスクも高まります。
貴所に起きること
顧問先が「相談しても解決策が出てこない」と感じれば、他の専門家に相談先を広げようとします。その相談先が、企業評価書にも対応できる別の事務所であれば、税務以外の相談機会をまるごと持っていかれる可能性があります。結果として、顧問契約そのものが揺らぐことにもなりかねません。特に、鉄筋工事業のように専門性の高い業種では、業種特有の事情を理解してくれる相談先は限られています。だからこそ、最初に相談に乗った事務所への信頼は大きくなりますが、その分、対応を誤ったときの失望も大きくなります。
| 対応 | その後に起きやすいこと |
|---|---|
| 早めに決算状況を確認し、企業評価書の要否を見極める | 受入れ審査に余裕を持って対応でき、顧問先の不安が早期に解消される |
| 相談を受けても対応策を示せず、先送りする | 顧問先が他の事務所や専門家を探し始める |
最も避けたいのは、顧問先が「税理士に相談しても解決しなかった」という印象を持ってしまうことです。これは一度失った信頼を取り戻すのが難しく、他の相談(資金繰り・税務調査対応など)にも波及しかねません。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢

結論は、受入れ審査を控えた段階で、中小企業診断士と連携して企業評価書を準備することです。理由は、直近の財務状況を客観的に分析し、改善の見通しを第三者の立場で示せるのが、専門の資格者だけだからです。
外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる企業評価書は、依頼者(受入れ企業)が債務超過のときに求められる書面です。単なる決算内容の説明ではなく、受注動向や鋼材調達の見直しなど、改善に向けた具体的な材料を踏まえて作成します。
企業評価書の記載イメージ(一般的な構成)
実際にどのような書面になるのか、一般的な構成項目を整理すると、次のようなイメージです。架空の数値ではなく、あくまで項目の一覧としてご覧ください。
| 記載項目 | 内容の目安 |
|---|---|
| 企業概要 | 事業内容・沿革・特定技能人材の受入れ実績 |
| 財務状況の分析 | 直近期の決算内容、債務超過に至った理由 |
| 改善の見通し | 受注状況・原価管理などを踏まえた今後の改善計画 |
相談から企業評価書の完成までの流れ
- 貴所または顧問先から、受入れ予定と直近の決算状況を共有いただく
- KICKが直近3期分の決算書などをもとに財務分析を行う
- 受注状況や原価管理の見直しなど、改善の見通しをヒアリングで補う
- 企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)としてまとめる
- 貴所・顧問先が、在留資格の申請手続きに活用する
この流れの中で、税務に関するご相談は引き続き貴所が担います。KICKが担うのは、あくまで財務分析と企業評価書の作成部分に限られます。役割が明確に分かれているからこそ、双方が専門領域に集中できます。
企業評価書の作成には、決算書の数字だけでなく、業種特有の事情を踏まえた読み解きが欠かせません。鉄筋工事業であれば、鋼材価格の推移や下請け構造による価格転嫁のしにくさなど、数字の背景にある事情を理解したうえで、改善の見通しを組み立てる必要があります。こうした読み解きは、財務分析を専門とする中小企業診断士だからこそ、精度高く行えるものです。
この記事の詳しいサービス内容は、次のページにまとめています。
外国人技能実習・特定技能の企業評価書について 社長やご担当者の方へ。“あなた”は今、このようなお悩みを抱えていませんか。 外国人技能実習制度を活用したいが、企業評価書の作成方法が分からないという方 特定技能外国人の受入れにあたり、経営改善の見通しについて評価が必要だ...
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先生の事務所が手に入れる未来

受入れ審査への備えを一緒に進められる体制ができると、貴所と顧問先の関係は次のように変わっていきます。
目に見える変化
面談で話す内容が、決算報告だけでなく「来期どう改善するか」という前向きな話題に変わります。顧問先の表情も、不安げなものから、一緒に手を打っている安心感のあるものへと変わっていきます。数字の背景にある事情まで踏み込んだ会話ができるようになり、面談の密度そのものが変わっていきます。
通帳と時間の変化
審査のたびに慌てて対応する必要がなくなり、貴所の業務時間にゆとりが生まれます。企業評価書の作成という専門外の業務をKICKに任せられるため、貴所は税務という本来の強みに集中できます。顧問契約は継続され、顧問料という安定した収入(ストック収入)が守られます。
周囲からの変化
「あの事務所は、外国人材の受入れの相談にも乗ってくれる」という評判が、顧問先の口コミを通じて広がっていきます。職員にとっても、対応の幅が広がったことへの自信につながります。金融機関からも、顧問先の経営状況を継続的に把握できている事務所として、信頼を得やすくなります。
こうした変化は、一朝一夕には生まれません。しかし、受入れ審査という具体的な期限がある今こそ、その一歩を踏み出す好機です。こうした変化を、顧問先と共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

結論として、企業評価書の作成は自所だけでは対応できません。理由は、専門外の分析には相応の時間と専門性が必要で、片手間で扱うにはリスクが大きいためです。
財務分析の専門知識に加え、受入れ制度への理解も欠かせません。見よう見まねで対応し、内容に不備があれば、かえって顧問先の受任機会を狭めてしまいます。だからこそ、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
特に、受入れ審査は「時間との勝負」になりやすい局面です。在留期限や人材確保の予定が迫ってから企業評価書の必要性に気づいても、慣れない分析に時間を取られてしまえば、間に合わない恐れがあります。専門の資格者と早めに連携しておくことが、時間コストを抑える最も確実な方法です。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、法人支援実績150社以上、全国オンライン対応(来社不要)で、企業評価書の作成を支援しています。代表の松本昌史は中小企業診断士・事業承継士であり、財務分析を軸に、顧問先の改善の見通しを客観的な書面としてまとめます。建設業をはじめ、業種特有の事情も踏まえて改善の見通しを整理します。
鋼材のように業界横断で起きているコスト増は、一社だけの事情ではなく、業界全体の構造変化として捉える視点が欠かせません。複数の法人支援を通じて業種特有の事情を蓄積してきたからこそ、顧問先ごとの状況に合わせた現実的な改善の見通しを描けます。
費用については、依頼内容によって異なるため、詳細はサービスページにてご確認ください。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
士業連携の詳しい内容は、次のページでご案内しています。
顧問先の「相談」に、十分に応えられていますか? 士業事務所(税理士・公認会計士、行政書士)の先生方へ。“あなた”は今、このような場面に心当たりはありませんか? ✓ ソフトウェアの登場により 新たな顧客獲得が難しく、売上じり貧... ✓ 「補助金」の相談を受けたもの...
企業評価書をまとめて確認したい方へ
企業評価書が必要になる条件、作成できる専門家、混同されやすい「評価調書」との違いを、中小企業診断士が1本の記事にまとめています。
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よくある質問

Q. 相談すると、顧問先を奪われませんか。
A. ご安心ください。KICKは企業評価書の作成支援に特化しており、税務や経営全般の顧問契約に関与することはありません。顧問先との関係は、そのまま維持されます。
Q. 貴所(税理士事務所)側の実務負担はどの程度ですか。
A. 決算書など必要書類を共有いただければ、財務分析と企業評価書の作成はKICKが主導します。貴所の実務負担は、書類の取りまとめと顧問先への橋渡し程度で済みます。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか。
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士・行政書士のいずれも作成することはできません。この点を正しく伝えることが、顧問先との信頼関係を保つ第一歩になります。
Q. 債務超過でも受入れは可能ですか。
A. 改善の見通しを客観的に示せれば、受入れ審査を前に進められる可能性があります。受注状況や原価管理の見直しなど、改善につながる材料があるかどうかが鍵になります。まずは直近の決算内容を確認することから始めましょう。
Q. 鉄筋工事業以外の業種でも対応できますか。
A. 対応可能です。建設業をはじめ、製造業・宿泊業・運送業など、外国人材の受入れが多い業種全般でご相談いただいています。
Q. 費用はどのくらいかかりますか。
A. 依頼内容によって異なるため、具体的な金額はサービスページにてご確認ください。顧問先への説明時も、費用の話は個別にご案内いただく形で問題ありません。
Q. どのくらいの期間で企業評価書は完成しますか。
A. 必要書類が揃っている場合、比較的短期間での対応が可能です。審査の予定が近い場合は、早めにご相談いただくほど、選べる打ち手が広がります。
Q. 育成就労制度への移行(2027年4月施行予定)にも関係しますか。
A. 育成就労制度へ移行しても、債務超過の場合に改善の見通しを求められる考え方は変わらない見込みです。制度の変更点は、今後の相談の中で随時ご案内します。
Q. 顧問先にはどのように説明すればいいですか。
A. 「受入れ審査には、財務状況によって企業評価書という書面が必要になる場合がある」「その作成は税務とは別の専門家(中小企業診断士)が担う」という2点を伝えるだけで十分です。詳細な制度説明は、KICKとの面談でまとめて行えます。
Q. 決算書のほかに、どのような資料が必要ですか。
A. まずは直近3期分の決算書があれば、財務分析に着手できます。受注状況や改善に向けた取り組みが分かる資料があれば、より具体的な見通しを描きやすくなりますが、必須ではありません。
Q. 全国どこでも対応してもらえますか。
A. オンラインで全国対応しており、来社の必要はありません。遠方の顧問先であっても、同じ流れでご相談いただけます。
Q. すでに他の専門家に相談している場合でも利用できますか。
A. ご利用いただけます。既存の相談先との役割分担を整理したうえで、企業評価書の作成部分だけをKICKが担うことも可能です。まずは現状をお聞かせください。
Q. 鋼材以外の原価高騰にも対応できますか。
A. 対応可能です。人件費増・燃料費高騰など、幅広いコスト増の相談に対応しています。鋼材高騰はその一例に過ぎません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
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まとめ

特定技能の受入れ審査は、「決算が赤字だから諦める」局面ではありません。鉄筋工事業のように鋼材高騰の影響を受けやすい業種では、決算が悪化しているケースが珍しくありません。
企業評価書の作成は中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で連携すれば、貴所の実務負担を抑えながら、顧問先の受任機会と顧問契約の両方を守ることができます。
顧問先の「今の人手不足を解消したい」という思いに応えられる事務所になれるかどうかは、受入れ審査への備えを早めに始められるかにかかっています。決算内容が固まったタイミングで、受入れを予定している顧問先がいないかを一度棚卸ししてみましょう。早めに動き出すほど、選べる打ち手は多く残っています。まずは無料相談から、その一歩を踏み出してみてください。








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