
依頼者である介護事業者の直近決算が、赤字や債務超過になっている。特別養護老人ホームや有料老人ホームの運営会社から、特定技能の外国人材を受け入れたいと相談を受けた。しかし、この財務状況で受入れ審査に通るのか——。行政書士の先生として、そんな不安を抱えていないでしょうか。
介護業は、特定技能・技能実習の受入れが最も多い業種のひとつです。慢性的な人手不足を背景に、外国人材への期待は年々高まっています。その一方で、介護事業者の経営は決して楽ではありません。介護報酬に収入が縛られる構造のため、直近決算が債務超過に陥る事業者も珍しくないのです。
債務超過の事業者が外国人材を受け入れる場合、企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の提出を求められます。これは外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる書面です。しかし、この企業評価書は行政書士では作成できません。ここに、受任の壁が生まれます。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 依頼者の介護事業者が債務超過で、受入れ審査が不安な先生
- 企業評価書が必要だが、自所では作成できない先生
- 作成できる専門家の当てがなく、受任機会を逃しそうな先生
結論から申し上げます。この壁は、先生おひとりで抱える問題ではありません。企業評価書の作成を担える中小企業診断士と役割を分担すれば、債務超過の依頼者でも受入れ審査を前へ進められます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成は連携先という形です。
本記事を書くのは、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表の松本昌史です。中小企業診断士・MBA・1級FP技能士として、法人支援実績150社以上、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)の立場から、財務の改善見通しを客観的な書面に落とし込む実務を担ってきました。
この記事で分かること
- 介護業で債務超過の案件が生まれやすい理由と、企業評価書が必要になる仕組み
- 何もしないまま進めた場合に、受入れ審査と受任機会に起きること
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢の中身
- 連携によって先生の事務所が手に入れる未来
- 自所だけで抱える限界と、連携体制の整え方
債務超過の介護事業者の受入れ審査に備えるうえで、押さえておきたいポイントは次の5つです。
- 債務超過で企業評価書が必要になる仕組みの理解
- 何もしない場合に起きる審査停滞と依頼者離れの把握
- 中小企業診断士との企業評価書の連携という選択肢
- 連携で事務所が得られる未来の設計
- 自所の限界の見極めと連携体制の整備
この5つを順に読み進めれば、債務超過の依頼者を前にしても、落ち着いて受任へ導ける道筋が見えてきます。まずは、連携の全体像を気軽にご相談ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
債務超過の介護事業者で受任機会を逃しやすい理由

債務超過の介護事業者の案件では、受任機会を逃しやすくなります。理由は明快です。審査で企業評価書が求められるのに、その企業評価書を行政書士が作成できないからです。書面を用意できないまま、案件が止まってしまうのです。
介護業で債務超過が生まれやすい構造
そもそも、なぜ介護業では債務超過が生まれやすいのでしょうか。介護業の収入は、公的な介護報酬に強く縛られています。値上げで利益を確保するという一般的な手段が取りにくい業種です。
一方で、費用は人件費に大きく偏ります。介護職員の確保は年々難しくなり、処遇改善のための賃上げも続いています。収入の天井が低く、費用が上がり続ける。この構造が、赤字や債務超過を生みやすくしているのです。
特に、次のような介護事業者では、財務が厳しくなりやすい傾向があります。
- 開設から数年以内で、施設整備の借入金が重い特別養護老人ホーム
- 入居率が計画に届かず、固定費を回収しきれない有料老人ホーム
- 職員の欠員でユニットを止め、稼働率が落ちたグループホーム
- 送迎や食事の人員コストがかさむデイサービス運営会社
これらは、経営者の努力不足というより、業種の構造から生まれる問題です。だからこそ、外国人材の受入れで人手を確保しようという判断は、経営の合理的な一手なのです。
企業評価書が必要になる仕組み
ここで壁になるのが、企業評価書です。外国人技能実習機構(OTIT)に提出する書類のうち、別紙②-1・番号20が、この企業評価書(改善見通しに関する評価書面)にあたります。
この書面は、申請企業が債務超過のときに求められます。債務超過であっても、経営に改善の見通しがあることを、客観的な根拠とともに示すための資料です。特定技能や技能実習の受入れで、財務の健全性が問われる場面で登場します。
問題は、その作成資格です。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士や税理士は、この企業評価書を作成できません。在留資格の申請を担う先生でも、この一点だけは自所で完結できないのです。
| 役割 | 担い手 | できること |
|---|---|---|
| 在留資格の申請 | 行政書士(貴所) | 特定技能・技能実習の申請サポート、書類一式の取りまとめ |
| 企業評価書の作成 | 中小企業診断士など(KICK) | 財務分析、改善見通しに関する評価書面の作成 |
| 税務・決算 | 税理士 | 決算書の作成、税務申告 |
この表のとおり、企業評価書だけは担い手が別です。ここを埋められないと、依頼者は「では別の事務所に頼もう」と離れてしまいます。要するに、債務超過の案件では、企業評価書を用意できるかどうかが、受任の分かれ目になるのです。
何もしないまま進めた場合に介護の受入れ審査で起きること

企業評価書の壁に何も手を打たないまま案件を進めると、受入れ審査は前に進みません。その結果、依頼者離れと受任機会の逸失という、二重の損失が生まれます。理由は、審査が止まった責任が、先生の側に見えてしまうからです。
審査が停滞し、受入れ時期がずれ込む
債務超過の介護事業者では、企業評価書を欠いた申請は受理されにくくなります。書面がそろわなければ、審査は着手すら進みません。
介護の現場では、受入れ時期のずれ込みが痛手になります。人員基準を満たせずユニットを止めている特別養護老人ホームにとって、外国人材の到着が数か月遅れることは、稼働率と収入に直結します。デイサービス運営会社なら、送迎や入浴介助の人手が足りず、サービス提供そのものが回らなくなります。
審査の停滞は、単なる事務の遅れではありません。依頼者の経営を直撃する遅れなのです。
依頼者が別の事務所へ流れる
審査が止まると、依頼者は不安になります。そして、こう考えます。「この事務所では、うちの受入れは進まないのではないか」。
依頼者は、企業評価書を用意できる体制を持つ事務所を探し始めます。先生がどれだけ在留資格の申請に精通していても、企業評価書という一点で当てがなければ、案件ごと他所へ流れてしまうのです。
一度離れた依頼者は、簡単には戻りません。介護事業者は同じ地域で複数の施設を運営することも多く、ひとつの案件を失うことは、その後の継続受任や紹介の機会まで失うことを意味します。
受任機会の逸失が積み重なる
介護業は、特定技能・技能実習の受入れが最も多い業種のひとつです。相談の母数が大きい分、債務超過を理由に取りこぼす案件も積み上がります。
「債務超過だから難しい」と最初から案件を見送っていれば、その分の受任機会は静かに消えていきます。表面には出ませんが、事務所の成長機会をじわじわと削るのです。
要するに、何もしなければ、審査停滞・依頼者離れ・受任機会の逸失が連鎖します。この連鎖を断つ鍵が、企業評価書を用意できる体制なのです。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する選択肢

債務超過の案件で受任を守る現実的な選択肢は、企業評価書を中小企業診断士と連携して用意することです。理由は、作成資格の壁を、役割分担で越えられるからです。在留資格の申請は貴所が担い、企業評価書の作成は連携先が担う。この形なら、先生は専門外の業務を抱え込まずに済みます。
企業評価書とは何かを正しく押さえる
まず、企業評価書の位置づけを整理します。企業評価書(改善見通しに関する評価書面)は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたります。
申請企業が債務超過のとき、この書面が求められます。目的は、債務超過であっても経営に改善の見通しがあることを、客観的な根拠とともに示すことです。単なる意見表明ではなく、財務の数字と改善の道筋を裏づけとして組み立てる必要があります。
だからこそ、作成には財務分析の専門性が問われます。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られるのです。
中小企業診断士による作成の流れ
KICKでは、介護事業者の企業評価書を次の流れで作成します。実務レベルで見ていきましょう。
- 決算書・試算表など、財務資料の確認と現状分析
- 債務超過に至った要因の整理(入居率・稼働率・人件費構造など介護業固有の論点を含む)
- 改善の見通しの組み立て(収支計画・資金繰りの見通し)
- 改善見通しに関する評価書面(企業評価書)としての文書化
- 先生(行政書士)を通じた申請書類への反映
この流れのうち、財務分析と評価書面の作成は、すべて中小企業診断士のKICKが主導します。先生には、在留資格の申請という本来の専門業務に集中していただけます。
介護業に固有の論点、たとえば介護報酬の見込みや職員配置と稼働率の関係も、財務の視点から評価書面に落とし込みます。特定技能の受入れによって人員基準を満たし、稼働率が回復していく道筋も、改善見通しの一部として描けます。
企業評価書作成支援の具体的な内容は、企業評価書作成支援の詳細でご確認いただけます。
連携のかたちと、先生の負担
連携といっても、複雑な手続きは要りません。先生から依頼者の財務資料をお預かりし、KICKが企業評価書を作成し、先生を通じて申請へ反映する。この一連の流れの中で、先生の負担は最小限にとどまります。
全国オンライン対応のため、来社は不要です。地方の介護事業者を担当する先生でも、同じ体制で連携できます。
依頼者を奪うことはありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。連携や契約の義務はなく、売り込みも一切ありません。まずは案件の相談からで構いません。
連携で先生の事務所が手に入れる未来

企業評価書の連携体制を持つと、先生の事務所は3つの未来を手に入れます。面談の質、時間と受任の安定、そして依頼者や周囲からの信頼です。理由は、債務超過という最大の不安要素を、その場で受け止められるようになるからです。
面談の質が上がる
債務超過の介護事業者から相談を受けたとき、これまでは言葉を濁す場面があったかもしれません。「その財務状況だと、少し難しいかもしれません」と。
連携体制があれば、面談での受け答えが変わります。「債務超過でも、企業評価書を中小企業診断士と連携して用意できます。受入れ審査を前へ進めましょう」。こう言い切れるのです。
依頼者の最大の不安に、その場で答えを返せる。これは面談の質を大きく高めます。特別養護老人ホームや有料老人ホームの経営者は、財務の弱みを見透かされることを恐れています。そこに解決策を示せる先生は、深く信頼されます。
時間と受任が安定する
企業評価書の作成を自所で抱え込もうとすれば、慣れない財務分析に多大な時間を取られます。しかも、作成資格の問題で、そもそも自所では完結できません。
連携体制があれば、財務の実務は中小企業診断士に任せられます。先生は在留資格の申請に集中でき、案件あたりの処理時間が読めるようになります。債務超過を理由に案件を見送る必要もなくなり、受任の裾野が広がります。
依頼者と周囲からの信頼が高まる
「在留資格まわりで、財務が厳しい案件でも頼れる事務所」。この評判は、介護業界の中で静かに広がります。
介護事業者は横のつながりが強く、同業者間での紹介が起きやすい業種です。ひとつの受入れをやり遂げた実績は、次の依頼者を連れてきます。継続受任と紹介の好循環が生まれるのです。
債務超過の依頼者の受入れ審査を前進させ、受任につなげる。その先にある事務所の安定と信頼を、ぜひ連携で共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

企業評価書を自所だけで抱えることには、明確な限界があります。専門外リスクと時間コスト、そして作成資格の壁です。だからこそ、中小企業診断士と連携する事務所が増えています。理由は、連携のほうが依頼者にとっても先生にとっても、確実で無理がないからです。
自所で抱えることの3つの限界
企業評価書を自所で用意しようとすると、次の限界に突き当たります。
| 限界 | 具体的な中身 |
|---|---|
| 作成資格の壁 | 企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門資格者に限られ、行政書士は作成できない |
| 専門外リスク | 財務分析や改善見通しの評価は在留資格業務とは別分野。慣れない領域は品質のばらつきを生む |
| 時間コスト | 債務超過の要因分析や収支見通しの組み立てには相応の工数がかかり、本来業務を圧迫する |
これらは努力で乗り越えるものではありません。作成資格の壁は、そもそも先生の資格では越えられない一線です。無理に抱えれば、依頼者にも先生にもリスクが残ります。
だから連携する事務所が増えている
この限界を正しく理解した先生ほど、早い段階で連携を選びます。財務と改善見通しの実務は中小企業診断士のKICKが主導し、先生は在留資格の申請という強みに集中する。この分担が、最も無理のない形だからです。
KICKは認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、法人支援実績150社以上を重ねてきました。代表の松本昌史は、中小企業診断士・MBA・1級FP技能士・中小企業事業再生マネージャー認定を持ち、財務の改善見通しを書面に落とし込む実務を担っています。全国オンライン対応で、来社は不要です。
先生にとってのメリットは、はっきりしています。専門外の業務を抱え込まず、債務超過の依頼者の受入れ審査を前へ進められる。受任機会を逃さず、依頼者の信頼を深められる。費用の詳細は、サービスページにてご確認ください。
士業連携の全体像は、士業連携(提携)の詳細にまとめています。あわせて、企業評価書の連携体制の詳細もご覧ください。
売り込みは一切ありません。依頼者・顧問先を奪うことはなく、在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担を守ります。連携や契約の義務もありません。まずは一件の案件から、気軽にご相談ください。
よくある質問

Q. 連携すると、依頼者を奪われませんか
A. 奪うことはありません。役割分担は明確です。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKが担います。依頼者との契約関係や窓口は、先生のもとに残ります。連携や契約の義務もなく、売り込みも行いません。
Q. 自所の負担はどの程度になりますか
A. 最小限です。先生からは依頼者の財務資料をお預かりし、企業評価書の作成はKICKが主導します。先生は在留資格の申請という本来の業務に集中していただけます。全国オンライン対応で、来社も不要です。
Q. 企業評価書は、誰が作れるのですか
A. 中小企業診断士など、専門の資格者に限られます。行政書士や税理士は、企業評価書(改善見通しに関する評価書面)を作成できません。だからこそ、作成資格を持つ中小企業診断士との連携が必要になります。
Q. 債務超過でも、介護業の受入れは可能ですか
A. 可能性は十分にあります。債務超過であっても、改善の見通しを客観的に示す企業評価書を用意できれば、受入れ審査を前へ進められます。特別養護老人ホームや有料老人ホームでも、稼働率の回復など改善の道筋を描けるケースは多くあります。
Q. 企業評価書は、どのような書面ですか
A. 外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる、改善見通しに関する評価書面です。申請企業が債務超過のときに求められ、経営に改善の見通しがあることを財務の根拠とともに示します。
Q. 特定技能と技能実習で、対応は変わりますか
A. 制度の枠組みは異なりますが、債務超過の際に財務の改善見通しが問われる点は共通します。特定技能・技能実習のいずれでも、企業評価書が必要になる場面で連携が力になります。育成就労制度は2027年4月の施行が予定されており、この移行後も財務の説明資料の重要性は続く見込みです。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 案件の内容によって異なります。具体的な費用は、サービスページにてご確認ください。まずは連携の相談からで構いません。相談したからといって、契約の義務は生じません。
Q. 地方の介護事業者でも連携できますか
A. できます。KICKは全国オンライン対応です。地方の特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービス運営会社を担当する先生でも、同じ体制で企業評価書の連携が可能です。来社は不要です。
Q. 相談の前に、何を用意すればよいですか
A. 現時点では、決算書や試算表など、依頼者の財務状況が分かる資料があるとスムーズです。ただし、資料がそろっていなくても相談は可能です。まずは案件の状況をお聞かせください。
Q. 一度の連携で終わりですか、継続もできますか
A. どちらも可能です。一件の案件だけの連携でも、継続的な連携でも構いません。介護事業者は複数施設を運営することも多く、継続受任や紹介につながる場面では、繰り返しの連携が事務所の力になります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。依頼者を奪うことはなく、在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。連携や契約の義務はありません。債務超過の依頼者を前に、受任機会を逃さないための一歩を、ここから始めましょう。
まとめ

介護業は、特定技能・技能実習の受入れが最も多い業種のひとつです。同時に、介護報酬に収入が縛られる構造から、債務超過に陥る事業者も少なくありません。この2つが重なる場面で、行政書士の先生は企業評価書という壁に直面します。
企業評価書(改善見通しに関する評価書面)は、OTIT提出書類の別紙②-1・番号20にあたり、債務超過の企業に求められます。そして、これを作成できるのは中小企業診断士など専門資格者に限られます。行政書士では作成できません。
だからこそ、役割分担が答えになります。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICK。この形なら、債務超過の依頼者でも受入れ審査を前へ進められます。専門外の業務を抱え込まず、受任機会も依頼者の信頼も守れるのです。
本記事で挙げた5つのポイント——仕組みの理解、放置した場合の損失、連携という選択肢、手に入る未来、そして自所の限界の見極め——を押さえれば、債務超過の案件に落ち着いて向き合えます。介護業の受入れ審査に備える最善の一手は、企業評価書を用意できる中小企業診断士と組むことです。まずは一件、気軽にご相談ください。







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