
「群馬や茨城で建設業を続けてきた。仕事はある。人がいない。だから外国人技能実習(育成就労)や特定技能で人を採ろうとした。ところが、決算書に純資産のマイナス、つまり債務超過があるという一点だけで、話がぴたりと止まった」。
地方の建設会社の社長から、こうしたご相談を毎月いただきます。年商5億円から50億円、社員は20名から80名。地元の公共工事もある。取引銀行との付き合いも長い。それでも、外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類一覧・確認表 別紙②-1の番号20には、はっきりとこう書かれています。直近の事業年度で債務超過がある場合は、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通しについて評価を行った書類も提出すること。
ここで多くの社長が立ち止まります。「うちの顧問税理士に聞いたら、それは書けないと言われた」「監理団体からは急ぎで出してくれと言われている」「そもそも群馬や茨城で、この書面を書ける人をどこで探せばいいのか分からない」。
断言します。これは、あなたの経営が悪いから起きている問題ではありません。本当の敵は、資材高と人件費高騰で数字を削られ続ける構造、そして「地方には専門家がいない」という情報格差そのものです。そして、その敵は、正しい手順を踏めば確実に越えられます。
ご相談いただいても売り込みは一切ありません。契約の義務もありません。決算書の内容が外部に出ることも決してありません。
地方建設業を直撃する人手不足と、外国人採用が止まる本当の理由

結論から申し上げます。地方建設業の外国人採用が止まる原因は、経営者の努力不足ではなく、「数字の見せ方」を担う第三者が地元にいないことにあります。ここを埋めれば、債務超過であっても受入れの道は開きます。
数字が語る、待ったなしの現場
国土交通省「令和6年度国土交通白書」によれば、2024年時点で建設業就業者に占める55歳以上の割合は36.7%、29歳以下はわずか11.7%です。全産業の29歳以下は16.9%ですから、若手の薄さは業界全体の平均をさらに下回ります。建設業就業者はピーク時の685万人(平成9年)から483万人(令和5年)まで減りました。うち技能者は455万人から304万人へ、実に151万人が現場から消えた計算です。
結果として何が起きているか。帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」では、人手不足を要因とする倒産が2025年度に441件発生し、年度ベースで初めて400件を超えました。業種別では建設業が112件。同社の「建設業の倒産動向(2025年)」では、2025年の建設業倒産は2,021件と過去10年で最多、物価高倒産は240件と高止まりしています。
つまり、仕事が取れないから潰れるのではなく、人がいないから、原価が上がったから潰れるという時代です。地方の建設会社ほど、この直撃を受けます。若者は都市部へ出て行き、募集をかけても電話が鳴らない。だからこそ外国人技能実習(育成就労)・特定技能が生命線になります。
そこに立ちはだかる「番号20」という壁
OTITの提出書類一覧・確認表 別紙②-1では、申請者が法人の場合、番号20として直近2事業年度の貸借対照表の写しの提出が求められます。そして留意事項にこう記されています。直近の事業年度で債務超過がある場合は、中小企業診断士、公認会計士等の公的資格を有する第三者による改善の見通しの評価書面も提出すること。番号21では直近2事業年度の損益計算書の写しも同様に求められます。
ここで重要な事実が3つあります。
- 自社で書いた書面は不可。第三者性が要件
- 顧問税理士は原則として対象資格に含まれない
- 年度が変われば最新の書類の提出が必要
「うちは長年お世話になっている税理士さんがいるから大丈夫」という思い込みが、申請を1か月、2か月と遅らせます。その間にも、内定していた人材は他社へ流れます。
そして、もう一つ見落とされがちな事実があります。番号20の留意事項には、過去3年以内に提出している場合でも、年度が変わった場合には最新の書類の提出が必要と明記されています。つまり、一度出せば終わりではありません。決算を締めるたびに、純資産がマイナスであれば、その年度の評価書面が改めて必要になります。単発の手続きではなく、毎年発生する経営課題として設計しておくことが、地方建設業にとっての現実的な備えです。
債務超過でも認定を勝ち取る、第三者評価書面という答え

やるべきことは、たった一つです。公的資格を持つ第三者が、御社の改善の見通しを、審査側の読み方に沿って論理的に書面化すること。これだけで、止まっていた申請が動き出します。
審査側が本当に見ているもの
審査の目的は、企業の格付けではありません。「この会社は、来日した外国人材に、決められた期間、決められた賃金を払い続けられるか」という一点です。純資産がマイナスであること自体が失格なのではなく、マイナスである理由と、そこから抜け出す道筋が説明できていないことが問題なのです。
ここを分解すると、地方建設業には他業種にない強い材料が揃っています。
| 審査側の関心 | 数字だけを見た印象 | 評価書面で示すべき実態 |
|---|---|---|
| 支払能力 | 純資産マイナスで不安 | 繰越工事高と工事契約書に裏付けられた回収見込み |
| 損失の性質 | 赤字が続いている | 重機・車両の減価償却費という現金支出を伴わない費用の比重 |
| 事業の継続性 | 地方の小規模事業者 | 地元自治体・国の公共工事という反復的な受注基盤 |
| 改善の見通し | 根拠が不明 | 単価改定・原価管理・人員計画を数値化した回復シナリオ |
特徴を挙げるだけでは意味がありません。たとえば「重機を持っている」は単なる特徴です。だから減価償却費が年間で数千万円単位に達し、営業赤字であっても償却前利益は黒字であると説明できる。その結果、キャッシュを生み続けている会社であると審査側に伝わり、雇用継続能力が認められる。ここまで掘り下げて初めて、書面は武器になります。
この設計思想の全体像は、債務超過企業のための企業評価書作成サポートにまとめています。
相談だけで終わっても構いません。しつこい営業連絡は一切いたしません。
群馬・茨城の建設業で外国人採用を成功させた5つの秘訣

ここからは、地方建設業が実際に成果を出すための手順を、5つに整理してお伝えします。順番にも意味があります。
秘訣1 地方特有の人手不足事情を、計画の中に正面から書き込む
都市部の企業が「人が足りない」と書くのと、群馬・茨城の企業が書くのとでは、説得力の質が違います。国土交通省の統計が示す29歳以下11.7%という数字は全国平均です。地方の建設現場では、若手の応募が年間ゼロという会社も珍しくありません。
ここで書くべきは感情ではなく事実です。求人媒体への掲載回数、ハローワークへの求人提出件数、応募者数、採用に至った人数。この4つを時系列で並べるだけで、外国人材の受入れが選択肢ではなく必然であることが伝わります。だから、事業の継続に不可欠な人員計画として認識され、その結果、受入れの必要性そのものが疑われなくなります。
秘訣2 オンラインを活用し、都心の専門家へ最短距離で依頼する
「地元に企業評価書を書ける中小企業診断士がいない」。これは群馬・茨城の社長から最も多くいただく言葉です。しかし、この課題はすでに過去のものです。決算書のPDFとZoomでのヒアリングがあれば、書面は完成します。
移動時間ゼロ、往復の交通費ゼロ、面談日程の調整も1回で済む。だから社長の稼働時間を現場と受注活動に残せる。その結果、申請準備と本業を同時に進められ、着工スケジュールを崩さずに済みます。
実務の流れも単純です。フォームまたはお電話でご連絡をいただき、直近2期分の決算書をお送りいただく。Zoomで1時間ほど、事業の概要、赤字や債務超過に至った経緯、今後の受注見込みと改善策をお伺いする。そこから書面を作成し、最短3〜5営業日で納品する。社長にお願いすることは、資料の送付とヒアリングへの同席だけです。だから、現場を止めずに手続きが進む。その結果、「専門家を探す時間がない」という理由で採用計画が止まることがなくなります。
秘訣3 車両・重機の減価償却費を正確に分析する
建設業の決算書には、他業種にない特徴があります。ダンプ、ユンボ、クレーン、高所作業車。設備投資の塊です。この減価償却費が損益計算書を押し下げ、累積すると純資産を削ります。
しかし、減価償却費は現金が出ていく費用ではありません。営業利益がマイナスでも、償却費を足し戻したEBITDA(償却前営業利益)が黒字であれば、その会社は現金を稼いでいます。この一点を正確に計算し、書面上で明示できるかどうかが、認定と却下を分ける分水嶺です。ここを税理士の決算書そのままで提出してしまうと、審査側には「赤字の債務超過企業」としか映りません。
秘訣4 地元公共工事という安定受注基盤を、証拠付きでアピールする
群馬・茨城の建設会社の多くは、市町村の道路維持、河川改修、除雪、災害復旧といった公共工事を反復して受注しています。これは民間案件と違い、発注元が自治体であるため回収不能リスクが極めて低い。さらに、経営事項審査の点数、入札参加資格の等級、指名実績は、すべて客観的な証拠になります。
加えて、繰越工事高です。期末時点で契約済み・未完成の工事がいくら残っているか。この数字は翌期の売上がすでに確定していることの証明であり、貸借対照表の一時点のマイナスを打ち消す最強の材料になります。その結果、来年も再来年も賃金を払い続けられる会社であると、数字で語れるようになります。
ここで注意点があります。繰越工事高は、決算書の表紙をめくっただけでは出てきません。工事台帳、契約書、注文書を突き合わせ、期末時点の未成工事支出金と未成工事受入金の関係まで整理して、初めて「翌期に確定している売上」として提示できます。地方建設業の社長ほど、この作業を「面倒だから」と後回しにしがちです。しかし、この整理こそが、債務超過という一行を上書きする最大の反証材料になります。
秘訣5 公的資格を持つ第三者の評価書面を提出する
ここまでの4つを、社長が自分の言葉で説明しても、書類としては通りません。OTITが求めているのは第三者による評価だからです。中小企業診断士は経済産業大臣登録の国家資格であり、企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格として明示されています。
なお、中小企業診断士が行えるのは申請サポート・申請支援であり、申請手続そのものを代わって行うことはできません。役割を正しく理解した上で、財務分析と評価書面の作成、そして申請書類の準備支援に集中する。これが最短ルートです。
ご相談は無料です。お断りいただいても、その後の連絡は一切いたしません。
放置した先の未来と、手に入れる未来

このまま何もしなかった場合に起きること
期限が迫った状態で「書けません」と言われてから探し始めると、何が起きるか。
- 申請の受理が翌四半期にずれ込み、入国が半年遅れる
- 監理団体との調整が振り出しに戻り、送り出し機関側の候補者が他社へ移る
- 人員不足のまま繁忙期に突入し、受注辞退か外注費増加のどちらかを選ばされる
- 外注費が膨らみ、翌期の決算でさらに純資産が削られ、翌年の申請がもっと難しくなる
帝国データバンクの調査が示すとおり、人手不足倒産441件のうち約75%が従業員10人未満の小規模企業です。1人の退職、1人の採用失敗が、会社の存続を左右する。放置は、最も高くつく選択です。
しかも、この悪循環には終点があります。人が採れないから外注に頼る。外注費が原価を押し上げる。粗利が薄くなり、決算がまた赤字になる。純資産のマイナスが深まり、翌年の申請はもっと難しくなる。銀行の目線も厳しくなる。1年放置するごとに、同じ結果を出すために必要な労力が倍になっていくという構造です。逆に言えば、今期のうちに手を打てば、来期は同じ苦労をしなくて済みます。
手に入れる、具体的な未来
現場の未来。朝礼に立つ人数が増えます。ベテランが1人で背負っていた型枠や鉄筋の段取りを、育成中の若い技能者が横で覚えている。工期に追われて日曜も出ていた班長が、月2回の休みを取り戻します。
数字の未来。外注に流していた工程を内製化できれば、外注費が下がり、粗利率が回復します。償却前利益の黒字が積み上がり、2期、3期と続けば純資産のマイナスは着実に縮小します。銀行との面談で、社長が守りではなく攻めの話をできるようになります。
会社の未来。技能を継承した人材が3年、5年と定着し、育成就労制度(2027年4月施行予定)を見据えた中長期の人員計画が描けます。地元の発注者から「あそこは人がいるから任せられる」と言われる会社になる。事業承継の話も、人がいて初めて成り立ちます。
この未来は、夢物語ではありません。人手不足倒産441件という数字の裏側には、同じ地域、同じ規模で、人を確保できたから生き残った会社が確かに存在します。分かれ目は経営者の能力ではなく、正しい順番で、正しい相手に相談したかどうかという一点でした。
この3つの未来を、共に手に入れましょう。
自社対応の限界と、企業評価書に関するよくある質問

なぜ、自社作成では通らないのか
| 比較軸 | 自社・顧問税理士で対応 | 公的資格を持つ第三者に依頼 |
|---|---|---|
| 要件充足 | 第三者性を満たさず不可 | 中小企業診断士として要件を充足 |
| 社長の稼働 | 調べ物と書き直しで数十時間 | 決算書提出とヒアリングのみ |
| 所要期間 | 数週間から数か月 | 最短3〜5営業日 |
| 判断ミスのリスク | 審査基準の理解不足で差戻し | 審査で見られる点に沿って設計 |
専門性の壁、時間コスト、そして差戻しという判断ミスのリスク。この3つを社長が一人で背負う理由はありません。だから、プロに任せる経営者が増えています。
特に見落とされやすいのが時間コストです。社長の1時間は、現場の1時間とは重みが違います。慣れない書面の調べ物に30時間を使うということは、その間、受注活動も原価管理も止まるということです。その30時間を本業に戻すだけで、書面の作成費用は十分に回収できるという計算になります。手続きを自分でやることは、節約ではなく、最も高い買い物になりかねません。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)にできること
代表の松本昌史は、MBA(経営管理修士)、経済産業大臣登録 中小企業診断士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、一般社団法人金融検定協会認定 中小企業事業再生マネージャー、事業承継士。法人支援実績150社以上、中小企業庁の認定経営革新等支援機関です。担当者に振り分けることなく、代表が直接、財務分析と評価書面の作成、そして申請書類の準備支援まで行います。
よくある質問
- Q. 債務超過だと、外国人技能実習(育成就労)や特定技能の受入れは必ず認められないのですか
- A. いいえ。OTITの提出書類一覧・確認表 別紙②-1の番号20は、債務超過の場合に第三者の評価書面を追加提出することを求めているものであり、債務超過そのものを不可としてはいません。改善の見通しを示せるかどうかが分かれ目です。
- Q. 顧問税理士に書いてもらうことはできますか
- A. 番号20の留意事項に例示されている資格は、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格です。税理士は原則として想定されていないため、事前に確認が必要です。
- Q. 群馬県や茨城県からでも依頼できますか
- A. できます。Zoom等を用いたオンライン完結型のため、全国どこからでも対応可能です。ご来社の必要はありません。
- Q. 納品までどのくらいかかりますか
- A. 標準で3〜5営業日です。監理団体やOTITから急な追加提出を求められた場合など、お急ぎの事情がある場合はお電話でご相談ください。
- Q. 何を準備すればよいですか
- A. 直近2事業年度の貸借対照表と損益計算書が基本です。加えて、繰越工事高が分かる資料、主要な工事契約書、経営事項審査の結果通知書があると精度が上がります。
- Q. 赤字が続いていても書いてもらえますか
- A. 赤字の原因を分解することが出発点です。減価償却費が要因であれば償却前利益で、原価高騰が要因であれば単価改定の実績で、改善の見通しを構成します。
- Q. 申請の手続きそのものを代わりに行ってもらえますか
- A. 中小企業診断士が行えるのは申請サポート・申請支援であり、申請手続を代わって行うことはできません。財務分析、評価書面の作成、申請書類の準備支援がKICKコンサルティング株式会社の担当範囲です。
- Q. 技能実習2号への移行時にも必要ですか
- A. 番号20は第1号・第2号のいずれについても対象です。過去3年以内に提出済みでも、年度が変わった場合は最新の書類の提出が必要とされています。
- Q. 2027年4月の育成就労制度への移行で、この書面は不要になりますか
- A. 現時点で、受入企業の財務の健全性を確認する仕組みが不要になるという公表はありません。制度の名称が変わっても、雇用継続能力の証明という考え方は残ると考えるのが自然です。
- Q. 決算書を渡すことに抵抗があります
- A. お預かりした資料は評価書面の作成以外に使用せず、外部に出すことは一切ありません。守秘は業務の前提です。
- Q. 相談したら契約しなければいけませんか
- A. 義務は一切ありません。ご相談のみで終わっていただいて構いませんし、その後の営業連絡もいたしません。
- Q. 評価書面を出せば、必ず認定されますか
- A. 認定の判断はOTITが行うため、結果を保証することはできません。できるのは、審査で見られる点を漏らさず、事実に基づいて最も正確に伝わる書面を設計することです。
まとめ
群馬・茨城の建設業が外国人採用でつまずくのは、経営が悪いからではありません。決算書という一枚の紙が、御社の本当の力を伝えきれていないだけです。繰越工事高、公共工事の反復受注、償却前利益の黒字。武器はすでに手元にあります。それを、公的資格を持つ第三者が、審査側の読み方に沿って翻訳する。必要なのは、それだけです。人が入れば現場が回り、現場が回れば数字が戻ります。順番を間違えないことが、地方建設業の生き残る道です。
債務超過を、人材確保の障壁にしない
経済産業大臣登録 中小企業診断士・松本昌史が直接対応。全国オンライン対応、来社不要、最短3〜5営業日で納品。
相談枠は毎月先着3社限定です。売り込みは一切ありません。契約の義務もありません。ご相談だけで終わっていただいて構いません。
関連記事









コメント