
工場の土地も、本社の建物も、登記上の名義は社長個人のまま。会社はそこで長年、当たり前のように事業を続けてきた——そんな会社は少なくありません。
後継者は息子に決めた。自社株の引き継ぎは顧問税理士と話し始めた。それでも「社長名義の不動産をどうするか」だけは、誰からも聞かれないまま残っている、という状態ではないでしょうか。
実は、親族内承継で見落とされやすいのが、この「株式以外の事業用資産」です。社長名義の工場や本社は会社の帳簿には載らない個人の財産で、放っておけば社長の相続財産として、後継者以外の相続人にも権利が生まれます。
すると、工場の土地を兄弟で分ける話になる。話がまとまらず土地が共有になる。会社は地代を求められ、場合によっては売却や立ち退きを迫られる。事業の土台そのものが揺らいでいきます。
ただし、この問題は「現状の把握」「整理の選択肢」「後継者へ確実に残す仕組み」という3つの手順で、社長が元気なうちに整理できます。
- 工場や本社の土地建物が社長個人名義のままの経営者
- 親族内承継で不動産の引き継ぎ方に迷っている社長
- 相続で会社の不動産が分散しないか不安な後継者の方
- 自社株の話は進めたが不動産は手つかずという方
- 社長名義の事業用不動産を放置すると起きること
- 不動産を後継者へ引き継ぐ3つの手順と選択肢
- 遺産分割・遺留分から事業用不動産を守る考え方
- 税理士・司法書士と診断士の役割分担
私たちKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、法人のお客様150社以上の事業承継をご支援してきました。この記事では、親族内承継における社長名義の不動産の整理を、専門用語を使わずに順序立てて解説します。読み終えた頃には、自社の不動産をどの形で残すべきか、次に何を確認すればよいかが分かります。
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親族内承継で社長名義の工場・本社が事業承継の落とし穴になる理由

中小企業では、会社が使っている土地や建物が社長個人の名義になっているケースが珍しくありません。創業時に社長が個人で土地を買い、そこに工場を建てた。自宅の隣に本社を構えた。そうした経緯で、会社と個人の財産が混ざったまま何十年も経っています。
会社はその不動産を使って売上を上げていますが、不動産そのものは会社の貸借対照表に載っていません。だから、決算書を見ながら承継の話をしても、社長名義の不動産は議題に上がりにくいのです。
自社株の引き継ぎは、事業承継税制や株価の話題とセットで語られるため、税理士との打ち合わせでも自然と話に出ます。一方、社長名義の不動産は「個人の相続の話」として切り分けられ、株の話と不動産の話が別々に進みがちです。
ここに、親族内承継ならではの落とし穴があります。社長名義の不動産は、何もしなければ社長の相続財産となり、後継者以外の相続人にも法律上の取り分が生まれます。会社が使い続けている事実は、相続の場面では何の保証にもなりません。
放置したときに起きる4つのこと
社長名義の事業用不動産を放置した場合に起きることを、順に言葉にしていきます。
1つ目は、遺産分割で工場の土地が「分ける対象」になることです。社長が亡くなると、不動産は預金や自社株と同じ相続財産の一つとして扱われます。後継者以外の子も相続人であれば、その土地に対して権利を主張できます。
2つ目は、分割協議がまとまらず、土地が相続人の共有になることです。共有になると、売却や建て替え、担保の差し替えといった重要な判断に、共有者全員の同意が必要になります。会社が使い続けるだけなら当面は動きますが、何かを変えようとした瞬間に止まります。
3つ目は、後継者以外の相続人から地代の請求や売却の要求を受けることです。「兄が会社を継いだのだから、土地の分は現金でほしい」という要求は、親族内承継の現場で実際に起きる話です。後継者に資金がなければ、事業に必要な土地を手放す選択を迫られかねません。
4つ目は、金融機関との関係が複雑になることです。社長名義の不動産が会社の借入の担保になっている場合、名義が相続で分散すると、担保の扱いをめぐって金融機関との調整が必要になります。承継のタイミングで融資の見直しが重なれば、後継者の負担はさらに大きくなります。
遺言があっても安心とは限らない
「遺言で後継者に不動産を残すと書いてあるから大丈夫」と考える社長もいます。ところが、遺言だけでは解決しない論点があります。それが遺留分です。
遺留分とは、配偶者や子といった一定の相続人に法律で保障された、最低限の取り分のことです。遺言で後継者に不動産と自社株を集中させると、他の相続人の取り分がこの最低限を下回ることがあります。
その場合、他の相続人は後継者に対して、不足分を金銭で支払うよう請求できます。工場の土地と自社株を後継者が受け取れば受け取るほど、他の相続人へ支払うべき金額も大きくなるという構造です。
後継者の手元に支払う現金がなければ、結局は不動産を売る、自社株を手放す、あるいは会社から無理に資金を引き出すことになります。事業を守るための承継が、事業を弱らせる結果になりかねません。
要するに、社長名義の不動産は「株とは別の論点」であり、「遺言があれば済む話」でもありません。株式の引き継ぎとあわせて、不動産をどの形で誰に残すかを、社長が元気なうちに設計しておく必要があります。
事業承継の基本を先に押さえたい方へ
親族内・従業員・M&A(第三者)承継の進め方と、使える税制・補助金を1本の記事にまとめています。
事業承継で社長名義の不動産を後継者へ引き継ぐ3つの手順

社長名義の事業用不動産は、次の3つの手順で整理していきます。順番が大切で、現状を把握しないまま選択肢を選ぶと、後から手戻りが生じます。
- 現状の把握|名義・契約・担保を洗い出す
- 整理の選択肢|3つの形から自社に合うものを選ぶ
- 後継者へ確実に残す仕組み|遺言と遺留分への備え
現状の把握|名義・契約・担保を洗い出す
1つ目の手順は、事業に使っている不動産の現状を、一つずつ確かめることです。長年の慣れで「分かっているつもり」になっている点ほど、登記や契約書で確認する価値があります。
確認する項目は、主に次の5つです。
- 土地と建物それぞれの名義(社長個人か、会社か、両方が混ざっているか)
- 会社と社長個人の間に賃貸借契約があるか、契約書は残っているか
- 地代・家賃の水準と支払いの実績(無償で使わせている場合も含む)
- 会社の借入の担保(抵当権・根抵当権)になっているか
- 固定資産税や修繕費を、会社と個人のどちらが負担しているか
意外に多いのが、土地は社長名義、建物は会社名義というように、名義が分かれているケースです。この場合、土地の使用権をどう整理するかが論点になります。
また、契約書がないまま無償で使わせている状態(使用貸借)と、地代を払う賃貸借とでは、法律上の扱いも税務上の扱いも異なります。「契約書はない」「地代はもらっていない」という状態自体が、整理の出発点になる大切な情報です。
整理の選択肢|3つの形から自社に合うものを選ぶ
2つ目の手順は、不動産を最終的にどの形で持つかを決めることです。大きく分けて、次の3つの選択肢があります。
| 選択肢 | 不動産の名義 | 主な特徴と注意点 |
|---|---|---|
| 個人所有のまま後継者へ相続・贈与 | 社長個人から後継者個人へ | 会社の資金を使わずに済む。遺言と遺留分への備えが必須。後継者個人の税負担は税理士の確認事項 |
| 会社へ譲渡または現物出資 | 社長個人から会社へ | 相続財産から切り離せる。社長側の譲渡所得、会社側の取得資金や登記費用、株価への影響を検討 |
| 賃貸借契約を整えて個人所有を継続 | 社長個人のまま | 契約書と適正な地代で会社の使用権を安定させる。将来の相続対策は別途必要 |
1つ目の「個人所有のまま後継者へ」は、会社の資金を動かさずに済む方法です。反面、相続財産のままなので、遺留分への備えが欠かせません。後継者が代表者として引き継ぐなら、事業用の宅地に関する相続税の取扱いの検討も必要になります。
2つ目の「会社へ譲渡または現物出資」は、不動産を社長の相続財産から切り離せる方法です。ただし、譲渡なら社長個人に譲渡所得の課税が生じ得ますし、会社には買い取る資金が必要です。現物出資は資金を要しない代わりに、会社法上の手続きや不動産の価額の証明が必要になる場合があります。
3つ目の「賃貸借契約を整えて継続」は、今すぐ名義を動かさず、まず会社の使用権を安定させる方法です。契約書を交わし、相場に見合った地代を払う形にしておくと、相続の場面でも会社が使い続ける根拠が明確になります。
どの選択肢が合うかは、不動産の評価額、会社の資金力、後継者以外の相続人の状況、借入の担保の有無で変わります。税務上の判断は税理士、登記の手続きは司法書士の領域です。その手前で「どの形を目指すか」を決めるのが、この手順の役割です。
後継者へ確実に残す仕組み|遺言と遺留分への備え
3つ目の手順は、選んだ形を相続の場面で崩されないようにすることです。個人所有を続ける選択肢では、この手順が事業継続を左右します。
まず、公正証書による遺言で、事業用不動産と自社株を後継者に承継させる意思を明確にします。次に、遺留分への備えです。他の相続人には、不動産以外の財産や金銭で取り分を用意し、「後継者だけが得をする」という不公平感を残さない設計にします。
資金の準備には、社長個人の預金や生命保険を使う方法があります。会社の借入の担保になっている不動産については、名義の変更に金融機関の承諾が必要になるため、事前の相談が欠かせません。
なお、経営承継円滑化法には、後継者と他の相続人が合意することで、自社株を遺留分の計算から除外できる制度(遺留分に関する民法の特例)があります。自社株が中心の制度ですが、要件を満たせば、あわせて事業用の財産を対象にできる場合もあります。適用の可否は個別の事情で変わるため、弁護士や税理士との確認が必要です。
親族内承継で自社株をどう引き継ぐかについては、次のページでまとめています。
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3つの手順を実際に進めるときの流れを、進め方と成果物のイメージとして整理すると、次のようになります。
| 進め方 | 主な内容と成果物 |
|---|---|
| 現状把握 | 登記事項証明書・賃貸借契約書・借入の担保の状況を集め、事業用不動産の一覧表を作る |
| 対策設計 | 3つの選択肢を比較し、自社株の承継方針と合わせて「誰が・いつ・どの形で持つか」の方針書にまとめる |
| 専門家との連携 | 税務の判断は税理士、登記は司法書士、遺留分の設計は弁護士へ、方針書をもとに依頼する |
| 実行・届出 | 契約書の締結、遺言の作成、必要に応じた名義変更や税務署への届出を、期限から逆算して進める |
大切なのは、いきなり名義を動かすことではなく、「事業に必要な不動産を、誰がどの形で持てば事業が止まらないか」という方針を先に決めることです。方針が決まれば、各専門家への依頼も一本の線でつながります。
ここでもう一度お伝えしますが、無理な提案や契約の押し付けは一切いたしません。不動産の一覧表を作るところから、気軽にご相談いただけます。
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社長名義の不動産を整えた先に手に入る親族内承継の未来

社長名義の不動産を先に整理しておくと、親族内承継は次の3つの点で大きく変わります。
事業の土台が揺るがない安心
工場や本社を誰がどの形で持つかが決まっていれば、相続が起きても会社はそのまま操業を続けられます。「土地の話がまとまるまで設備投資ができない」といった停滞を避けられ、後継者は経営そのものに集中できます。
金融機関にとっても、担保となる不動産の行き先が明確な会社は評価しやすく、承継後の融資の相談も進めやすくなります。
後継者が資金繰りに追われない引き継ぎ
遺留分への備えを先に用意しておけば、後継者は相続の直後に多額の現金を求められて慌てる事態を避けられます。不動産を手放す、自社株を分散させる、といった苦しい選択を迫られることもありません。
不動産を会社へ移す選択肢を取る場合も、資金計画を承継の全体設計に組み込んでおけば、承継期の資金繰りに無理が出ません。
家族の間に不公平感が残らない状態
「後継者には会社と工場、他の子には別の財産」という配分の考え方を、社長自身の言葉で家族に伝えておけば、相続の場面での認識のズレを防ぎやすくなります。
不動産の整理をきっかけに、自社株の承継方針や家族それぞれの役割を話し合う機会も生まれます。承継は家族の合意があってこそ、後継者の力になります。
事業の土台が揺るがない安心、後継者が資金繰りに追われない引き継ぎ、家族の間に不公平感が残らない状態——この3つは、いずれも「社長が元気なうちに整理する」ことでしか手に入りません。相続が始まってからでは、選べる選択肢が大きく狭まります。
社長名義の不動産という足元の整理から、この3つの安心を共に手に入れましょう。
自社だけで不動産の整理を進める限界と、事業承継士による伴走

社長名義の不動産の整理は、税務・法務・金融・家族の合意という4つの視点を同時に見ながら進める必要があります。
税理士は譲渡所得や相続税評価、事業用の宅地に関する特例の適用可否といった税務判断の専門家です。司法書士は登記、弁護士は遺留分の設計の専門家です。それぞれの専門性は欠かせませんが、「そもそもどの形で持つのが事業にとって良いのか」という経営判断は、また別の役割になります。
税理士は税の視点で、司法書士は登記の視点で、後継者は事業の視点で、それぞれ別の論点を見ています。話が噛み合わないまま時間だけが過ぎ、気づけば社長の年齢だけが進んでいた、というケースは珍しくありません。誰か一人の専門家が悪いのではなく、全体を見渡す役割が抜けていることが原因です。
私たちKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、この「どの形で持つか」という経営判断の部分を整理します。そのうえで、税理士・司法書士・弁護士など各専門家との連携を含めた全体設計をご支援します。
もちろん、税務申告や登記手続きなど、税理士・司法書士の領域まで踏み込んで代行することはありません。不動産の一覧表を作り、選択肢を比較し、家族への伝え方まで含めて「一本の線」にするのが私たちの役割です。
また、不動産だけを単独で動かすと、自社株の承継方針や承継後の資金繰りといった、本来あわせて考えるべき論点が抜け落ちがちです。私たちは事業承継専属の保険代理店でもあります。遺留分への備えや納税資金の準備という目的に対して、法人保険がどんな役割を担えるかも、承継計画との整合性を優先しながら点検します。
「まだ何から手をつければいいか分からない」という段階でも構いません。認定経営革新等支援機関として、公的な支援策との整合性も含めて、現状の整理からご一緒します。
特例承継計画|自社株の贈与税・相続税が実質ゼロになる選択肢
親族内承継で自社株を引き継ぐなら、社長名義の不動産の整理とあわせて「事業承継税制の特例措置」も検討する価値があります。特例承継計画を提出して要件を満たすと、自社株にかかる贈与税・相続税の納税が全額(100%)猶予され、要件を満たし続ければ最終的に免除されます。自社株の税負担を実質ゼロにできる可能性がある制度です。
ただし期限があります。特例承継計画の提出は令和9年(2027年)9月30日まで、株式の贈与・相続の実行は令和9年12月31日まで(実行期限は延長されない見込み)です。提出期限が延びても実行期限は延びていないため、「まだ余裕がある」とは言えません。適用の可否は個社の要件次第で、要件を満たさなくなると猶予が打ち切られる点も含め、税務上の判断は税理士との確認が必要です。
特例承継計画書の作成は、次のページでご案内しています。
贈与税・相続税ゼロ円での事業承継を実現するには 親族や後継者へ事業を引き継ぎたいが、贈与税や相続税の負担が心配 後継者への株式移転で多額の税金が発生しそう 承継後の資金繰りや経営安定性も確保したい できるだけ早く承継計画を整えたい ...
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事業承継と社長名義の不動産のよくある質問

Q. 工場の土地が社長名義のままだと、何が問題なのですか
A. 会社が使っていても、法律上は社長個人の財産です。相続が起きると後継者以外の相続人にも権利が生まれ、遺産分割や遺留分の対象になります。会社の使用権が不安定になり、地代の請求や売却の要求につながる点が問題です。
Q. 不動産を会社に譲渡すれば、すべて解決しますか
A. 相続財産から切り離せる点では有効です。ただし、社長個人に譲渡所得の課税が生じ得ることや、会社に買い取る資金が必要なこと、会社の株価に影響し得ることも考慮が必要です。譲渡が最善かどうかは、税理士の試算をもとに判断します。
Q. 現物出資とは何ですか
A. 現金の代わりに、不動産などの財産を会社に出資して株式を受け取る方法です。会社が買い取る資金を用意しなくて済む反面、会社法上の手続きや不動産の価額の証明が必要になる場合があります。税務上の扱いは税理士、登記は司法書士に確認しながら進めます。
Q. 会社から地代をもらっていませんが、問題はありますか
A. 無償で使わせている状態は使用貸借と呼ばれ、賃貸借に比べて会社の使用権が弱いとされています。また、税務上も賃貸借と扱いが異なります。地代の水準や税務署への届出の要否は税理士の確認事項なので、契約書の有無とあわせて早めに点検する価値があります。
Q. 遺言で後継者に不動産を残せば十分ですか
A. 遺言は有効な手段ですが、他の相続人の遺留分を侵害していると、金銭での支払いを請求される可能性があります。遺言とあわせて、他の相続人への配分や資金の準備まで設計しておく必要があります。
Q. 事業用の宅地について、相続税の特例は使えますか
A. 同族会社が使う宅地を後継者が相続する場合に、評価を減額できる特例(小規模宅地等の特例)があります。ただし、会社に有償で貸していることなど細かな要件があり、無償で使わせている土地は対象外とされています。適用の可否は個別の状況で変わるため、税理士の判断が必要です。
Q. 不動産が会社の借入の担保になっている場合は、どうすればよいですか
A. 担保になっている不動産の名義を変えるには、原則として金融機関の承諾が必要です。承継の方針を決める段階で金融機関に相談し、担保の差し替えや借入の見直しとあわせて進めるのが現実的です。
Q. 自社株と不動産、どちらから手をつけるべきですか
A. 別々に進めるのではなく、あわせて設計するのが基本です。自社株の承継には事業承継税制の期限という時間の制約があるため、株の方針を先に固め、不動産をその方針に合わせて整理する流れが多く見られます。
Q. 土地は社長名義、建物は会社名義の場合はどう考えますか
A. 会社が社長の土地を借りて建物を建てている状態なので、土地の使用権(借地権)の扱いが論点になります。契約書の有無や地代の水準、税務署への届出の状況によって扱いが変わるため、現状の把握から始める必要があります。
Q. 社長名義の不動産の整理は、まず何から始めればよいですか
A. 事業に使っている不動産の名義・契約・担保を一覧にすることから始めます。それだけで「何を誰に相談すべきか」が見えてきます。一人で抱え込まず、早い段階で全体を見渡せる専門家に相談することをおすすめします。
まとめ

親族内承継で見落とされやすいのが、社長名義の工場・本社・倉庫といった、株式以外の事業用資産です。会社の帳簿に載らないまま、相続の場面で後継者以外の相続人との分け合いの対象になります。
整理の流れは3つの手順です。名義・契約・担保の現状を把握する。個人所有のまま後継者へ、会社へ譲渡・現物出資、賃貸借契約を整えて継続という3つの選択肢から選ぶ。そして遺言と遺留分への備えで、後継者へ確実に残す仕組みを作る。
社長が元気なうちに方針を決めておけば、事業の土台は揺るがず、後継者は経営に集中できます。税務は税理士、登記は司法書士の領域ですが、その手前の「どの形で持つか」という設計は、全体を見渡して決めるものです。
自社株の話は進めたのに、不動産だけが手つかず——という状態を、今のうちに整理しておきませんか。まずは事業に使っている不動産の一覧を作るところから、一歩を踏み出してみてください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
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