
「資金繰りが厳しくて、来月の職員の給与が払えるか不安です」——介護事業を営む顧問先から、そう打ち明けられたことはないでしょうか。
試算表を見ると、売上はそれほど落ちていない。それでも手元の現金は目に見えて減っていく。介護報酬という公定価格の中で、人件費だけが重くのしかかる。そんな構造に、税務の知識だけで応えるのは簡単ではありません。
9月は、算定基礎届の結果を踏まえた社会保険料が反映される月でもあります。人件費比率の高い介護事業者にとって、この固定費の増加がそのまま資金繰りに響きます。
先生おひとりの問題ではありません。介護事業者を顧問先に持つ多くの税理士事務所・公認会計士事務所が、同じ壁にぶつかっています。
この記事はこんな方におすすめですあなたはこのような悩みはありませんか?
- 介護事業の顧問先から資金繰りを相談されても、答えに詰まる方
- 税務の延長だけでは、顧問先の経営改善まで手が回らない方
- 経営コンサルティングを広げたいが、ノウハウも人手も足りない方
結論から言えば、介護事業者の顧問先が抱える資金繰りの課題は、税理士・公認会計士事務所だけで抱え込む必要はありません。認定経営革新等支援機関と連携し、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)を活用することで、貴所の実務負担を抑えながら顧問先の資金繰りを立て直せます。
どのような仕組みで、どこまで貴所の負担が軽くなるのか。その全貌は本文で順に解説します。
この記事で分かること
- 税務業務の延長だけでは介護事業者の顧問先の資金繰りが改善しない理由
- 何もしなければ顧問先と貴所に起きるリスク
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組みと使い方
- 顧問先の資金繰りが安定したとき、貴所に起きる変化
- 認定経営革新等支援機関と連携するときの役割分担
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
なぜ税務業務の延長だけでは、介護事業者の顧問先の資金繰りが改善しないのか

介護事業には、他の業種にはない構造的な特徴があります。売上の単価にあたる介護報酬は国が定める公定価格で、貴所の顧問先が自社の判断で値上げすることはできません。
一方で、費用の中心を占める人件費は、サービス種別ごとに定められた人員配置基準の影響を受けます。稼働率が落ちても、基準を満たす人員は簡単には減らせません。
この「収益は動かせない、費用は下げにくい」という構造を理解しないまま試算表の説明だけを続けても、顧問先の資金繰りは改善しません。理由は、ノウハウ・時間・立場という3つの壁があるからです。
| 壁の種類 | 現場で起きること |
|---|---|
| ノウハウの壁 | 介護報酬という公定価格の構造や、人員配置基準を踏まえた資金繰り予測は、税務とは別の専門知識が必要 |
| 時間の壁 | 申告期・年末調整期は、顧問先ごとの資金繰り対策に時間を割く余裕がない |
| 立場の壁 | 税務の顧問という立場のままでは、経営そのものへの深い提言をしにくい |
この3つの壁は、貴所の努力不足ではありません。介護事業という業態の収益構造と、税理士・公認会計士事務所という業態の構造、両方が重なった結果として生まれるものです。
介護報酬には、入金までのタイムラグもある
介護報酬は、サービス提供から実際の入金まで、一定のタイムラグが生じます。
人件費や光熱費といった固定費は毎月決まったタイミングで支払いが必要なのに対し、収入のほうは後払いになりやすい。この時間差が、資金繰りを読みにくくする一因です。
「売上は悪くないのに、なぜか手元にお金が残らない」という顧問先の相談は、この入金のタイムラグと人件費の重さが同時に起きているサインです。
試算表の説明だけでは、相談相手になれない
月次の試算表を正確に作り、税務申告をきちんとこなす。これは税理士・公認会計士事務所として当然の仕事です。
しかし、顧問先の社長が本当に知りたいのは「来月、再来月の資金繰りがどうなるか」という先の見通しです。過去の数字の説明だけでは、この問いに答えられません。
だからこそ、経営改善の実務を専門家に任せ、貴所は税務という強みに集中する体制が有効になります。その体制が整えば、顧問先との会話が「過去の報告」から「これからの打ち手」へ変わり始めます。
このまま何もしなければ、顧問先の介護事業者に何が起きるか

結論として、資金繰りの課題を先送りにすると、顧問先と貴所の双方に不利益が及びます。
理由は、人件費比率の高い介護事業では、資金繰りの悪化が他業種よりも早く経営全体に響くからです。
具体的には、次のような悪化シナリオが想定されます。
- 職員の給与支払いを優先するあまり、納税や社会保険料の支払いが後手に回る
- 金融機関への説明が場当たり的になり、追加融資の相談がしづらくなる
- 人員基準を満たせず、サービス提供そのものを縮小せざるを得なくなる
- 顧問料(ストック収入)の支払いが遅れ、最終的に契約自体が失われる
資金繰りの悪化が進む順序
資金繰りの悪化は、ある日突然に起きるわけではありません。
人件費の上昇と介護報酬の伸び悩みが続き、支払いが先延ばしになり、金融機関への説明が後手に回る、という順序で進みます。
この間、顧問先は「相談したいが、何をどう相談すればいいか分からない」という状態に置かれます。貴所への相談も、税務の質問に限られたものになりやすく、経営の本音は共有されにくくなります。
職員の定着にも影響が及ぶ
介護業界は、もともと人手の確保そのものが難しい業界です。資金繰りの悪化が続くと、昇給や賞与の原資が確保しにくくなり、既存の職員の定着にも影を落とします。
職員が辞めれば、残った職員の負担が増え、さらに人件費の調整が難しくなる。この悪循環に入ると、経営改善の打ち手そのものが狭まっていきます。
資金繰りの課題は、経理の数字だけの問題ではなく、現場の人員体制にも直結する経営課題だという理解が、税理士・公認会計士事務所の側にも求められます。
見過ごされやすい「静かな悪化」
介護事業の資金繰り悪化は、飲食業や小売業のように売上が急減して分かるものとは異なり、静かに進むことが少なくありません。
利用者数が横ばいのまま、じわじわと現金だけが減っていくケースでは、経営者自身が異変に気づくのが遅れがちです。
気づいたときには選べる打ち手が限られている、という事態も起こりえます。
共通の敵は、顧問先でも貴所でもありません。課題を先送りにする現状維持そのものです。この構造を変えるきっかけとして、次に紹介する制度が役立ちます。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という選択肢

結論として、この悪化シナリオを止める現実的な選択肢が、認定経営革新等支援機関と連携して活用する早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)です。
理由は、業績が深刻化する前の「兆候が出た段階」で着手できる、簡易な計画づくりの制度だからです。
認定経営革新等支援機関の支援を受けて計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。補助上限は計画策定費用50万円、伴走支援費用(1〜3年後)30万円で、合計80万円です。企業概要書作成・金融機関交渉のオプションを加えると、最大100万円まで補助対象になります。
以前は補助金の半分を協議会が預かる「2分の1留保」がありましたが、この制度は廃止されました。2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件は、留保なしで支払われます。
405事業(経営改善計画策定支援)との違い
似た名前の制度に405事業がありますが、対象とする局面が異なります。バリューアップ支援事業は金融支援を前提としない、早めの段階での資金繰り改善を想定した制度です。混同すると顧問先への説明を誤ってしまうため、次の表で整理します。
| 項目 | バリューアップ支援事業 | 405事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 前提としない | 金融支援(リスケ等)が前提 |
| 計画書の規模 | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) |
| 補助上限 | 計画策定50万円+伴走30万円(3分の2補助) | 上限300万円(3分の2補助) |
| 着手のタイミング | 早め(兆候が出た段階) | 悪化が顕在化してから |
介護事業者の顧問先は、業績が深刻に悪化してから動く405事業よりも、兆候が出た早い段階で着手できるバリューアップ支援事業のほうが相性が良いケースが多くあります。人件費という固定費の重さゆえに、早めの手当てが効きやすいためです。
経営改善計画書は、実際どんな中身になるのか
「計画書」と聞くと、専門的で分厚い書類を想像するかもしれません。実際にはKICKが認定経営革新等支援機関として主導するため、貴所が一から作成する必要はありません。おおまかな構成は次のとおりです。
| 構成項目 | 記載内容のイメージ |
|---|---|
| 現状分析 | 財務・非財務の両面から、人件費比率や資金繰りの現状を見える化する |
| 数値計画 | 損益分岐点分析をもとに、今後の資金繰り・利益の見通しを数値で示す |
| アクションプラン | 誰が・いつまでに・何をするかを具体的な行動レベルまで落とし込む |
財務・非財務の特色を見える化する「ローカルベンチマーク」というツールを使い、対話型の現状分析を行うのも特徴です。経営者自身が数字の意味を腹落ちしたうえで計画を作るため、絵に描いた餅になりにくいという利点があります。
計画策定後は、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングと協議会への報告が続きます。このモニタリングを怠ると、費用の返還を求められる場合があります。目的は単なる計画づくりではなく、事業者自身がPDCAサイクルを構築し、自走できる体制を整えることです。
この制度は金融支援を前提としません。計画書の提出をきっかけに、資金繰り・課題・将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築く狙いがあります。詳しい支援内容は次のページにまとめています。
中小企業診断士 · 認定経営革新等支援機関 資金繰りの不安、 悪化する前に手を打てていますか。 「何とかなっている」うちに動くことが、経営改善の鉄則です。 KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、国の補助制度を活用した早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)の策...
ご相談は無料で、その場での契約を迫ることはありません。顧問先を横取りするような営業は一切行いません。あくまで貴所の顧問先を守るための後方支援です。
\バリューアップ支援の詳細/
先生の事務所が手に入れる未来

顧問先の資金繰りが安定していくと、貴所にも具体的な変化が現れます。抽象的な話ではなく、日々の業務で目に見える形の変化です。
目に見える変化
面談の空気が変わります。試算表を読み上げるだけの時間から、「来月の人件費をどう乗り切るか」を一緒に考える時間へ移っていきます。社長の表情も、不安げなものから前向きなものに変わっていきます。
通帳と時間の変化
顧問先の資金繰りが安定すれば、顧問料の支払いも滞りなく続き、貴所の売上(ストック収入)が安定します。計画策定や伴走支援の実務はKICKが主導するため、貴所の業務時間を大きく圧迫することもありません。
周囲からの変化
顧問先の資金繰りが安定すれば、金融機関からの評価も変わります。「この事務所が関わっている顧問先は、資金繰りの管理がしっかりしている」という評判は、金融機関の担当者を通じて、思わぬところで新規の紹介につながることもあります。
職員にとっても、変化は小さくありません。申告書を作るだけの日々から、「顧問先の資金繰りを一緒に立て直す」実務に関わることは、事務所で働くやりがいそのものを底上げします。
そして何より、顧問先の社長から「給与が払えるか不安です」と打ち明けられたときに、迷わず力になれる事務所になる。この変化を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

ここまで読んで、「自所だけで計画策定から金融機関対応まで担うのは難しい」と感じた先生も多いのではないでしょうか。実際、計画策定の専門性を身につけるには時間がかかり、金融機関対応にも独自のノウハウが必要です。
だからこそ、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と連携する事務所が増えています。KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、代表・松本昌史(MBA・中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・金融検定協会「中小企業事業再生マネージャー」認定)が主導し、法人支援実績150社以上の実務経験をもとに、計画策定・金融機関対応を主導します。
貴所は税務の専門家として顧問先との窓口であり続け、KICKコンサルティング株式会社は経営改善の実務を担う。この役割分担により、貴所のマンパワー消費は最小限で済みます。
具体的には、現状分析でのローカルベンチマーク活用、数値計画づくりでの損益分岐点分析、金融機関との面談への同席まで、計画策定・伴走支援の実務面をKICKが主導します。貴所には、顧問先の内部資料の共有や、面談日程の調整など、窓口としての役割をお願いする形になります。
連携の形も一律ではありません。顧問先ごとに、貴所がどこまで関与するかを事前にすり合わせたうえで進めるため、「思っていたより負担が大きかった」というミスマッチが起きにくい設計になっています。
介護報酬の改定など、制度そのものが変わる場面でも、財務・非財務の両面から現状を捉え直す視点は変わりません。改定のたびに顧問先の資金繰りを一から見直す必要が生じても、ローカルベンチマークによる現状分析の枠組みがあれば、対応のたびに慌てずに済みます。
費用については、制度の補助率・補助上限は本文でご紹介したとおりですが、貴所の顧問先ごとの具体的な負担額は個別に異なります。詳しい費用感はサービスページにてご確認ください。
士業連携の具体的な進め方や、支援内容の詳細については、次のページでも紹介しています。
中小企業診断士 · 認定経営革新等支援機関 資金繰りの不安、 悪化する前に手を打てていますか。 「何とかなっている」うちに動くことが、経営改善の鉄則です。 KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、国の補助制度を活用した早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)の策...
士業連携そのものの詳細(対象となる士業・連携の流れ)は、次のページにまとめています。
顧問先の「相談」に、十分に応えられていますか? 士業事務所(税理士・公認会計士、行政書士)の先生方へ。“あなた”は今、このような場面に心当たりはありませんか? ✓ ソフトウェアの登場により 新たな顧客獲得が難しく、売上じり貧... ✓ 「補助金」の相談を受けたもの...
士業連携はどの事務所でも柔軟に組める設計です。顧問先との窓口は引き続き貴所が担い、KICKコンサルティング株式会社が顧問先に直接営業をかけることはありません。
\士業連携(提携)の詳細/
よくある質問

Q. 連携すると、顧問先を奪われるリスクはないか
A. ありません。KICKコンサルティング株式会社は計画策定・伴走支援の実務を担う立場であり、顧問先との窓口はこれまでどおり貴所が担います。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担が前提です。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度か
A. 計画策定・金融機関対応の主な実務はKICKが主導します。貴所には顧問先の情報共有や面談の同席などをお願いする場面がありますが、一から計画書を作成していただく必要はありません。
Q. バリューアップ支援事業と405事業の違いは何か
A. バリューアップ支援事業は金融支援を前提とせず、簡易な計画で早めに着手できる制度です。405事業は金融支援(リスケ等)が前提で、本格的な経営改善計画を必要とする局面で使います。補助上限もバリューアップ支援事業が最大100万円、405事業が上限300万円と異なります。
Q. どのような顧問先が対象か
A. 人件費比率が高く資金繰りに不安の兆候がある介護事業者はもちろん、業績が悪化する前の段階から着手したい顧問先にも向いています。業種による制限は特にありません。
Q. 介護報酬という公定価格の中でも、資金繰りは改善できるのか
A. できます。単価そのものは動かせなくても、損益分岐点分析やアクションプランを通じて、費用構造や資金繰りのタイミングを見直す余地は多くあります。
Q. 計画策定にはどのくらいの期間がかかるか
A. 顧問先の状況や資料の整備状況によって異なりますが、現状分析から計画書のとりまとめまで一定の準備期間を要します。具体的なスケジュール感は個別にご相談ください。
Q. 顧問先の経営者が乗り気でない場合はどうすればいいか
A. まずはローカルベンチマークなど、対話型のツールを使って現状を見える化するところから始めるのが有効です。数字を一緒に確認すると、経営者自身が課題に気づき、前向きになるケースが多くあります。
Q. 金融機関との関係が悪化することはないか
A. むしろ逆です。バリューアップ支援事業は金融支援を前提としないため、計画書の提出をきっかけに、資金繰りや将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築く機会になります。
Q. 顧問先への説明はどちらが行うのか
A. 制度の概要や役割分担について、貴所とKICKコンサルティング株式会社の双方でご説明します。顧問先に一方的な売り込みを行うことはなく、貴所が納得したうえで顧問先に紹介いただく流れが基本です。
Q. 費用はどのくらいかかるか
A. 制度としての補助率・補助上限は本文でご紹介したとおりです。顧問先ごとの具体的な費用感については、サービスページにてご確認いただくか、無料相談でお問い合わせください。
まとめ

介護事業者の顧問先が抱える資金繰りの課題は、介護報酬という公定価格と、下げにくい人件費という構造から生まれています。税務の延長だけで向き合うには、専門性の壁があります。
だからこそ、認定経営革新等支援機関との連携が、貴所と顧問先の双方にとって現実的な選択肢になります。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)を活用すれば、国の補助を受けながら、貴所の実務負担を抑えて顧問先の資金繰りを立て直していけます。税務は貴所、経営改善はKICKコンサルティング株式会社という役割分担のもと、顧問先との関係を維持したまま、事務所の付加価値を一段引き上げてみませんか。
まずは情報収集のつもりで、お気軽にお声がけください。ご相談いただいたからといって、必ず契約しなければならないわけではありません。1事務所ごとに時間をかけてご対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。
\1事務所ずつ丁寧にご相談対応/







コメント