
「依頼者の運送会社が、来期も外国人ドライバーを受け入れたいと言っている。ところが直近決算は赤字で、資産より負債が大きい。このままでは受入れ審査が通らないかもしれない——」。そんな相談を受けて、次の一手に迷っていないでしょうか。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 依頼者の運送会社が赤字・債務超過で、特定技能の受入れ審査が不安な方
- 企業評価書が必要と分かったが、自所では作成できない方
- 作成できる専門家の当てがなく、受任機会を逃しそうな方
先生おひとりの悩みではありません。トラックドライバー不足と燃料費・人件費の高騰で、運送業の顧問先の決算が厳しくなっている事務所は少なくありません。問題は依頼者の経営状況ではなく、「決算が悪化した依頼者を、審査の入口で足止めさせる仕組みの薄さ」という状況そのものです。
結論から言うと、この壁は中小企業診断士との連携で越えられます。詳しいやり方は本文で順に説明します。
- 運送業の顧問先で受任機会を逃しやすい理由
- 何もせず放置した場合に起きること
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する方法
- 連携によって先生の事務所が手に入れる未来
- 自所だけで抱えず、認定支援機関と組む考え方
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者・顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
なぜ運送業の顧問先で受任機会を逃しやすいのか

結論から述べます。運送業の顧問先が特定技能のドライバーを受け入れようとするとき、決算が赤字・債務超過であれば、企業評価書という追加書類が求められます。そして、この企業評価書は税理士が作成できる書類ではありません。
理由は資格の壁にあります。企業評価書(改善見通しに関する評価書面)は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる書類です。作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られ、税理士は作成できません。
ここで多くの事務所が同じ壁にぶつかります。次の表で整理します。
| 項目 | 貴所(税理士)ができること | 貴所ではできないこと |
|---|---|---|
| 決算・税務申告 | 対応できる | – |
| 資金繰り・経営相談 | 対応できる | – |
| 企業評価書の作成 | – | 中小企業診断士など専門資格者に限定 |
さらに運送業には、他の業種にはない事情が重なります。トラックドライバーの荷待ち時間や長時間労働は、燃料費・人件費の上昇とともに顧問先の収益を圧迫してきました。加えて、自動車運送業分野は特定技能の受入れにあたり「働きやすい職場認証制度」で一つ星以上の認証取得と、業界団体の協議会への加入が求められます。決算面と制度面、両方のハードルが同時に立ちはだかる業種なのです。
受任機会を逃す典型的な流れ
相談を受けた税理士が「企業評価書は分からない」と伝え、依頼者が自力で専門家を探す。探している間に、他の窓口(行政書士や人材紹介会社)が先に受任してしまう。これが典型的な機会損失の流れです。
- 依頼者が受入れを急いでいるのに、対応できる専門家が見つからない
- 探している間に競合の事務所や窓口へ相談が流れる
- 「頼りにならない事務所」という印象が残ってしまう
要するに、企業評価書という一枚の書類が用意できるかどうかで、依頼者からの信頼と受任機会の両方が左右されます。
運送業は外国人材の受入れが特に多い業種のひとつ
特定技能・技能実習の外国人労働者は、飲食料品製造業・製造業・建設業・介護業の上位4業種に集中していますが、自動車運送業(一般貨物自動車運送会社、路線バス会社、タクシー会社など)も、人手不足の深刻さから受入れの相談が増えている業種です。
依頼者が一般貨物自動車運送会社であれば、荷主からの運行スケジュールを守るためにドライバー数の確保が経営の生命線になります。依頼者が路線バス会社やタクシー会社であれば、地域の生活インフラを維持するために人員確保が欠かせません。業態は違っても、共通しているのは「決算の悪化が、そのまま受入れの遅れに直結する」という構造です。
2024年問題が運送業の決算を押し下げている
2024年4月以降、トラックドライバーの時間外労働に上限規制がかかりました。同じ荷物量を運ぶために、より多くの人員と車両が必要になっています。人件費・燃料費が上がる一方で、運賃への価格転嫁は簡単に進みません。
結果として、これまで黒字だった運送会社の決算が赤字に転じる例が増えています。依頼者の経営努力が足りないわけではなく、業界全体が構造的に厳しい局面にあります。だからこそ、決算内容だけを理由に受入れを諦めさせない仕組みが必要です。
次に、放置した場合に何が起きるかを具体的に見ていきます。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、企業評価書への対応を先送りすると、審査の停滞・依頼者離れ・事務所の評判低下という三つの悪化が同時に進みます。
まず審査が停滞します。企業評価書が用意できないまま申請の準備だけを進めても、書類がそろわず提出できません。ドライバー不足に悩む依頼者にとって、受入れの遅れは事業運営に直結する痛手です。
次に依頼者離れが起きます。運送業は経営者同士のつながりが強い業界です。「あの事務所は特定技能の相談に乗ってくれなかった」という話は、思っている以上に早く広がります。地域の運送会社の集まりや、業界団体の会合で名前が挙がることも珍しくありません。
- 受入れ準備が止まり、依頼者の事業計画が遅れる
- 依頼者が別の窓口に相談し、税務以外の相談ごと離れていく
- 「経営の相談には応えてくれない事務所」という評判が広がる
- 顧問報酬(ストック収入)の維持そのものが難しくなる
さらに、事務所全体の評判にも影響します。運送業の経営者は横のつながりが強く、良い評判も悪い評判も広まりやすいものです。一件の対応の遅れが、他の顧問先からの紹介機会まで失わせることがあります。
ここまでの悪化シナリオは、特別な事務所だけに起きることではありません。企業評価書という専門外の書類に、ひとりで抱え込んで対応しようとした結果として起きる、構造的な問題です。
依頼者にとっての機会損失はさらに大きい
依頼者である運送会社にとって、受入れの遅れは売上機会の損失に直結します。ドライバーが確保できなければ、受注できる荷物量に上限がかかります。競合他社が先に外国人材の受入れを進めれば、荷主からの信頼も差がついていきます。
依頼者が「相談してよかった」と感じるか、「他を探せばよかった」と感じるかは、最初の相談への応え方ひとつで決まります。企業評価書への対応力は、依頼者にとっての事務所の価値そのものを左右します。
「分からない」で終わらせないために
ここまでの悪化シナリオを避ける方法は、実はシンプルです。企業評価書を自所で作ろうとせず、作成できる専門家につなぐ。この一手間があるかどうかだけで、結果は大きく変わります。
次章では、その具体的なつなぎ方を説明します。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢

結論は明快です。企業評価書の作成を中小企業診断士に任せ、税務は貴所が担う。この役割分担であれば、専門外のリスクを負わずに受任機会を守れます。
企業評価書という書類の位置づけ
企業評価書は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる書類です。依頼者の直近決算が債務超過のときに、改善の見通しを第三者の専門家が評価する書面として求められます。
この書類を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。依頼者が債務超過でも、企業評価書によって改善の見通しを示せれば、受入れの審査は前に進みます。決算が悪いからといって、受入れそのものを諦める必要はありません。
運送業ならではの追加ハードル
自動車運送業分野は、特定技能の対象17分野に2024年3月に加わった比較的新しい分野です。育成就労制度は運転免許の取得を伴うことなどから、運送業は対象に含まれていません。つまり運送業の受入れは、当面は特定技能の枠組みだけで進めることになります。
加えて、受入れ企業には「働きやすい職場認証制度」で一つ星以上の認証取得と、業界団体が運営する協議会への加入が求められます。企業評価書の準備と並行して、これらの制度面の要件も満たす必要があります。次の表に、確認すべき項目をまとめます。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の在留資格 | 特定技能(自動車運送業)。育成就労は対象外 |
| 職場認証 | 働きやすい職場認証制度・一つ星以上 |
| 団体加入 | 自動車運送業特定技能協議会への加入 |
| 財務要件 | 債務超過の場合は企業評価書の提出 |
これらの要件は、依頼者だけで整えるにはハードルが高いものです。税務は貴所が、制度面の書類整備は行政書士が、企業評価書はKICKが担うという役割分担で進めれば、依頼者の負担を最小限に抑えられます。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)の財務分析の流れ
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)では、次のような流れで企業評価書の作成を進めます。
- 直近決算期の決算書・試算表を確認し、財務状況を把握する
- 資金繰り・収益構造を分析し、改善の方向性を整理する
- 改善の見通しを企業評価書としてまとめ、貴所・依頼者に共有する
財務分析では、損益分岐点分析を軸に、燃料費・人件費・運賃収入のバランスを確認します。どこまで運賃を確保できれば黒字化できるのか、依頼者にも分かりやすい形で見通しを示します。
この間、貴所は税務・決算対応に専念できます。財務分析と評価書の作成はKICKが担うため、貴所の実務負担は最小限で済みます。KICKからの資料依頼や進捗共有はメール・オンライン面談で完結するため、日々の業務を圧迫することもありません。
制度・費用の詳しい内容は企業評価書作成支援の詳細でご確認いただけます。費用の具体額はサービスページにてご案内していますので、依頼者からのご質問には、まずそちらをご案内ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者・顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
先生の事務所が手に入れる未来

企業評価書の連携が整うと、先生の事務所には具体的な変化が訪れます。三つの軸で見ていきましょう。
面談の雰囲気が変わる
「決算のことだけでなく、受入れの相談にも応えてくれた」。依頼者からそう言われる場面が増えます。これまで決算報告だけで終わっていた面談が、次の一手を一緒に考える前向きな時間に変わります。依頼者の表情も、不安げなものから頼もしいものへと変わっていきます。
通帳と時間の変化
企業評価書はKICKが作成するため、貴所が専門外の書類作成に時間を割く必要はありません。次のような変化が期待できます。
- 受任の間口が広がり、顧問契約の継続率が安定する
- 専門外の対応に追われる時間が減り、本来の税務業務に集中できる
- 依頼者からの急な相談にも、連携先を案内するだけで対応できる
- 顧問料の支払いが滞りがちだった依頼者の資金繰りが安定し、回収も安定する
浮いた時間を、他の顧問先の税務相談や、新しい依頼者の開拓に充てられます。
依頼者・周囲からの信頼が高まる
「在留資格まわりも相談できる事務所」という評判は、運送業界のつながりの強さゆえに、他の依頼者への紹介にもつながります。決算だけでなく経営全体を支える事務所として見られるようになります。金融機関からも、経営課題に踏み込んで対応する事務所として評価されやすくなります。
この三つの変化を、依頼者と共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

結論として、企業評価書を自所だけで用意しようとするのは現実的ではありません。理由は二つあります。
一つ目は資格の壁です。すでに述べたとおり、企業評価書は中小企業診断士など専門の資格者にしか作成できません。二つ目は時間コストです。仮に対応方法を一から調べたとしても、財務分析から評価書の作成まで一人で進めるのは大きな負担になります。
だからこそ、認定経営革新等支援機関の中小企業診断士と連携する事務所が増えています。認定経営革新等支援機関は、中小企業庁が経営改善支援の実務能力を確認したうえで認定する機関です。国の制度を扱う信頼性の裏付けとして、依頼者への説明でも安心材料になります。
KICKコンサルティング株式会社の支援内容
KICKコンサルティング株式会社は、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、法人支援実績150社以上の実績があります。代表の松本昌史は、MBA(経営管理修士)・中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)を持ち、金融検定協会の「中小企業事業再生マネージャー」認定も受けています。全国オンライン対応のため、来社の必要はありません。
費用の具体額は、ここでは触れません。詳しい内容は企業評価書作成支援の詳細にてご確認いただけます。
また、KICKは士業の先生方との連携を、企業評価書に限らず幅広く受け付けています。連携の全体像は士業連携(提携)の詳細からご確認いただけます。
自所単独と連携、どちらが依頼者のためになるか
次の表で、自所単独で対応しようとした場合と、中小企業診断士と連携した場合を比べます。
| 項目 | 自所単独で対応 | 中小企業診断士と連携 |
|---|---|---|
| 企業評価書の作成 | 資格がなく対応不可 | KICKが作成し対応できる |
| 貴所の実務負担 | 対応方法を一から調べる負担が大きい | 資料共有程度で済む |
| 依頼者への回答 | 「分からない」で止まりやすい | その場で連携先を案内できる |
比べてみれば、答えは明らかです。企業評価書という専門外の書類は、無理に自所で抱えるより、専門の中小企業診断士に任せたほうが、依頼者にとっても貴所にとっても負担が小さくなります。餅は餅屋という考え方が、そのまま当てはまる場面です。
よくある質問

Q. 依頼者を奪われることはありませんか
A. ありません。役割分担は明確で、税務は貴所、企業評価書の作成はKICKが担います。依頼者との顧問関係はそのまま維持され、KICKから依頼者へ他の税務相談を持ちかけることもありません。
Q. 貴所側の実務負担はどの程度ですか
A. 決算書・試算表などの資料をKICKに共有していただく程度です。財務分析と評価書の作成はKICKが進めるため、貴所が新たに勉強する必要も、書類を作成する必要もありません。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士単独では作成できません。この点を誤って依頼者に案内すると、後で審査が通らない事態を招くため注意が必要です。
Q. 依頼者の決算が債務超過でも受入れは可能ですか
A. 可能です。債務超過そのものが受入れを一律に禁じているわけではなく、企業評価書によって改善の見通しを示すことで、審査は前に進みます。
Q. 運送業ならではの注意点はありますか
A. 自動車運送業分野は特定技能のみが対象で、育成就労は対象外です。加えて「働きやすい職場認証制度」の一つ星以上の取得と、業界団体の協議会への加入が求められます。これらは企業評価書とは別に、依頼者側で並行して進める必要がある要件です。
Q. 依頼者が特定技能ではなく技能実習を検討している場合も対応できますか
A. 対応できます。技能実習でも直近決算が債務超過の場合、同様に企業評価書が求められる場面があります。
Q. どのタイミングで相談すればよいですか
A. 決算内容が固まった段階、あるいは依頼者から受入れの相談を受けた段階で早めにご連絡いただくと、審査までの準備期間を確保しやすくなります。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 具体額はここではお伝えしていません。企業評価書作成支援の詳細にてご確認ください。
Q. オンラインだけで完結しますか
A. 完結します。全国オンライン対応のため、来社の必要はありません。
Q. 依頼者が複数の車両基地を持つ会社でも対応できますか
A. 対応できます。拠点数にかかわらず、決算書全体の財務状況をもとに企業評価書を作成します。
Q. 一度連携すれば、次回以降も同じ流れで依頼できますか
A. できます。一度お取引の流れができれば、次に依頼者が受入れを検討する際も、同じ窓口としてご相談いただけます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者・顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
まとめ
運送業の顧問先が特定技能ドライバーの受入れを考えるとき、決算が赤字・債務超過であれば企業評価書という書類が必要になります。この書類は中小企業診断士など専門の資格者にしか作成できません。
だからといって、受任機会を諦める必要はありません。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKコンサルティング株式会社という役割分担であれば、専門外のリスクを負わずに依頼者を前に進められます。
依頼者の決算が厳しいときこそ、先生の事務所の価値が試されます。企業評価書という一枚の書類を用意できる体制を、今のうちに整えておきましょう。
2024年問題以降、運送業の決算悪化は一時的な現象ではなく、しばらく続く構造的な流れです。だからこそ、いま連携の体制を整えておくことが、来期・再来期の受任機会を守ることにつながります。







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