
「顧問先から資金繰りや経営改善の相談を受けるが、計画策定まで手が回らない」「早期経営改善計画策定支援やバリューアップを、自事務所のサービスに加えたい」「経営力向上計画の税制メニューまで踏み込んで提案したい」。顧問先の期待が広がるなか、税務・会計にとどまらない経営支援を、外部の中小企業診断士と協業して提供する動きが広がっています。
この記事は次のような税理士・公認会計士の先生におすすめです
- 顧問先に早期経営改善計画策定支援(バリューアップ)を提供したい先生
- 経営力向上計画の税制メニューまで踏み込んで提案したい先生
- 計画策定の実務を、信頼できる中小企業診断士と協業したい先生
- 顧問先への付加価値を高め、関与先との関係を深めたい先生
早期経営改善計画策定支援(通称バリューアップ)とは、資金繰り管理や経営状況の把握といった基本的な経営改善に取り組む中小企業が、認定経営革新等支援機関の支援を受けて資金繰り計画やアクションプランなどを策定する際、その費用の2/3が補助される国の事業です。税理士・公認会計士の先生と、中小企業診断士であるKICKが協業することで、顧問先へより手厚い支援を届けられます。
本記事では、認定経営革新等支援機関であるKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)の視点から、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ)と経営力向上計画の制度概要、税理士・公認会計士との協業モデル、その進め方までを、一次情報にもとづいて解説します。結論から申し上げれば、計画策定の実務を診断士と分担することで、先生は顧問先との関係を保ちながら、支援メニューを大きく広げられます。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ)とは?制度概要

早期経営改善計画策定支援は、中小企業庁の事業で、通称「ポストコロナ持続的発展計画事業」、実務では「バリューアップ」とも呼ばれます。資金繰りや経営状況の把握など、基本的な経営改善に早めに取り組む中小企業を対象とした、予防的な計画策定の支援制度です。
中小企業庁の資料によれば、対象となる中小企業者等は、国が認定した税理士などの専門家である認定経営革新等支援機関の支援を受けて、資金繰り計画、ビジネスモデル俯瞰図、アクションプラン、損益計画、資金繰表といった内容の経営改善計画を策定します。そして、その費用の2/3が補助される仕組みです。申請の窓口は中小企業活性化協議会で、利用申請書を提出して手続きを進めます。
ここで先生方に注目していただきたいのが、この事業が「認定経営革新等支援機関の支援」を前提としている点です。多くの税理士・公認会計士の先生は、すでに認定支援機関の登録をお持ちでしょう。その資格を活かし、計画策定の実務を中小企業診断士と協業すれば、顧問先に補助を活用した経営改善支援を、無理なく提供できます。制度の詳細や最新の要件は、中小企業庁の公表資料や中小企業活性化協議会でご確認ください。
早期経営改善計画のメリット・デメリット|補助率・上限・通常枠

早期経営改善計画を顧問先に提案するうえで、そのメリットと注意点、そして補助率や上限といった条件を押さえておきましょう。中小企業庁が公表する通常枠の条件は次のとおりです。
| 支援枠 | 補助対象経費 | 補助率・上限 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 計画策定支援費用 | 2/3(上限50万円) |
| 通常枠 | 伴走支援費用 | 2/3(上限30万円) |
最大のメリットは、専門家の支援費用の3分の2が補助されるため、顧問先の費用負担を抑えながら、本格的な計画策定に取り組めることです。資金繰り表やアクションプランを整えることで、顧問先は自社の数字を「見える化」でき、金融機関との対話もしやすくなります。また、計画策定後も専門家が伴走し、進捗確認や金融機関への報告を支援します。
一方で、注意点もあります。補助を受けるには、中小企業活性化協議会への申請や、決算後のモニタリング報告といった手続きが必要です。また、2023年4月以降の利用申請分は、「収益力改善支援に関する実務指針」に沿った取組が求められます。こうした手続きや実務の負担を、先生おひとりで抱え込むのは大変です。だからこそ、計画策定の実務に慣れた中小企業診断士との協業が、有効な選択肢になります。
405事業(経営改善計画策定支援)との違い

早期経営改善計画とよく比較されるのが、「405事業」と呼ばれる経営改善計画策定支援です。両者は名前も似ていますが、対象とする局面が異なります。先生方が顧問先に提案する際、この違いの理解は欠かせません。
もっとも大きな違いは、金融支援を計画に盛り込むかどうかです。早期経営改善計画(バリューアップ)は、リスケジュールなどの金融支援を前提とせず、資金繰りに大きな問題が生じる前の、早い段階で予防的に取り組む計画です。一方、405事業は、返済条件の変更(リスケジュール)や借換えといった金融支援を伴う、より本格的な経営改善計画で、金融機関の関与が前提となります。
つまり、顧問先の状況によって、使い分けが必要になります。「まだ大きな問題はないが、早めに手を打ちたい」段階なら早期経営改善計画、「すでに返済が重く、金融機関との調整が必要」な段階なら405事業、というイメージです。それぞれ補助の内容や要件が異なるため、詳細は中小企業庁の資料でご確認ください。どちらの局面でも、財務に強い診断士が計画策定を担えば、先生は顧問先の窓口として最適な提案ができます。より本格的な再生局面については、事業再生支援のサービスもご参照ください。
「顧問先にどう提案すればいいか」からご相談いただけます。
税理士・公認会計士との協業モデル|顧問先に選ばれる付加価値

それでは、税理士・公認会計士の先生と中小企業診断士は、具体的にどう協業するのでしょうか。役割を整理すると、それぞれの強みを活かした分担が見えてきます。
先生方は、顧問先との強固な信頼関係と、日々の財務データという、何にも代えがたい強みをお持ちです。一方、中小企業診断士は、事業性の分析やアクションプランの策定、市場環境を踏まえた計画づくりを専門としています。先生が顧問先の窓口と財務情報を担い、診断士が計画策定の実務を担う——この分担が、協業モデルの基本形です。顧問先から見れば、いつもの先生を通じて、より専門的な経営改善支援が受けられることになります。
この協業には、先生の事務所にとっても大きな意味があります。第一に、計画策定の実務負担を抱えずに、支援メニューを広げられること。第二に、認定経営革新等支援機関としての関与を通じて、顧問先への付加価値を高められること。第三に、経営改善や設備投資といった前向きなテーマで関与先と関わることで、顧問契約の枠を超えた、深い信頼関係を築けることです。税務・会計の枠にとどまらず、経営そのものに踏み込む支援は、これからの会計事務所の大きな差別化要因になります。
協業のもう一つの武器|経営力向上計画の支援

協業で扱えるのは、早期経営改善計画だけではありません。もう一つの有力なメニューが、経営力向上計画です。これは、中小企業等経営強化法にもとづき、人材育成・コスト管理・設備投資などを通じて経営力を高める計画で、認定を受けると税制や金融の支援を受けられます。
とりわけ顧問先の関心が高いのが、設備投資に関する税制優遇です。経営力向上計画の認定を受け、要件を満たすと、中小企業経営強化税制により、対象設備の即時償却または取得価額の一定割合の税額控除を選択できる場合があります。類型はA・B・D・Eに分かれ、それぞれ証明書や確認書の取得が必要です。設備投資を検討する顧問先にとって、この制度は税負担の軽減につながる有力な選択肢です。ただし、具体的な償却率や控除率、対象設備、適用期限は改正で変わるため、最新の内容は中小企業庁の手引きや税務の専門家でご確認ください。
経営力向上計画も、認定経営革新等支援機関のサポートが想定される制度です。設備投資の税制メニューを、財務に強い診断士と協業して提案できれば、顧問先の前向きな投資を強力に後押しできます。なお、固定資産税の特例は経営力向上計画ではなく先端設備等導入計画で措置されている点に注意が必要です。制度の詳細は経営力向上計画のサービスもあわせてご覧ください。設備投資と税制を組み合わせた提案は、顧問先の満足度を大きく高めます。
協業の流れ|相談から計画策定・モニタリングまで

実際に協業を始める場合、どのような流れで進むのでしょうか。早期経営改善計画を例に、一般的なステップを整理します。先生と診断士が役割を分担しながら、二人三脚で進めていきます。
- 顧問先の課題共有:先生から顧問先の状況をうかがい、早期経営改善計画や経営力向上計画の活用可否を一緒に検討します。
- 方針の決定・申請準備:中小企業活性化協議会への利用申請など、必要な手続きの方針を固めます。
- 計画の策定:財務データをもとに、資金繰り計画やアクションプランを診断士が中心となって策定します。
- 計画の実行・伴走支援:策定した計画にもとづき、顧問先の取組を継続的に支援します。
- モニタリング・報告:進捗と実績の差異を確認し、金融機関等への報告まで対応します。
この流れのなかで、先生は顧問先との窓口と財務情報の提供を、診断士は計画策定と実務の推進を担うため、どちらか一方に負担が偏りません。顧問先にとっては、信頼する先生を通じて、専門的な支援がシームレスに受けられます。モニタリングまで含めた継続的な関与は、顧問先の経営を着実に前進させます。資金繰りそのものの立て直しが必要な場合は、経営改善計画策定支援(405事業)のサービスもご検討ください。
KICKと協業する強み|オンライン対応・診断士・スピード

数ある協業先のなかで、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)を選んでいただく理由を整理します。先生の事務所と顧問先の双方にとって、価値ある協業を実現します。
- 経済産業大臣登録の中小企業診断士が直接対応。担当者任せにせず、専門家が計画策定を担います。
- 全国オンライン対応で来社不要。地域を問わず、全国の税理士・公認会計士の先生と協業できます。
- スピード対応。顧問先の申請時期に合わせ、迅速に計画策定を進めます。
- 認定経営革新等支援機関として150社以上の支援実績。経営改善・資金繰り支援の豊富な経験があります。
とりわけ、全国どこの事務所とも、オンラインで協業できる点は、地方の先生にとって大きな利点です。周囲に経営改善計画や財務に強い専門家が少ない地域でも、来社いただく必要はありません。オンラインで顧問先の状況を共有し、スピーディーに計画策定を進められます。数字に強い経営コンサルティングの視点から、先生の顧問先支援を、実務の面でしっかりお支えします。
会計事務所にとって、外部の専門家との協業は、単なる業務の外注ではありません。顧問先に提供できる価値の幅を広げ、事務所そのものの競争力を高める、戦略的な選択です。税務・会計の確かな土台を持つ先生と、経営改善・計画策定を専門とする診断士。この両者が組むことで、顧問先は「税務も、経営も、まとめて相談できる」という安心を得られます。その安心こそが、これからの時代に選ばれる会計事務所の条件になっていくはずです。
まずは、貴事務所の顧問先に合った協業のかたちをご提案します。
税理士・公認会計士との協業に関するよくあるご質問(FAQ)
Q. 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ)とは何ですか。
A. 資金繰り管理や経営状況の把握など基本的な経営改善に取り組む中小企業が、認定経営革新等支援機関の支援を受けて資金繰り計画やアクションプランを策定する際、費用の2/3が補助される中小企業庁の事業です。通常枠は計画策定支援が上限50万円、伴走支援が上限30万円です。
Q. 早期経営改善計画と405事業の違いは何ですか。
A. 早期経営改善計画は金融支援を前提とせず、早い段階で予防的に取り組む計画です。405事業はリスケジュールなど金融支援を伴う、より本格的な経営改善計画で、金融機関の関与が前提となります。顧問先の状況に応じて使い分けます。
Q. すでに認定支援機関ですが、協業するメリットはありますか。
A. あります。認定支援機関としての関与は先生が担いつつ、計画策定やアクションプランづくりの実務を中小企業診断士が担うことで、実務負担を抑えながら支援メニューを広げられます。顧問先との窓口は先生のままです。
Q. 経営力向上計画の支援も協業できますか。
A. できます。設備投資に関する中小企業経営強化税制など、税制メニューまで踏み込んだ提案を、財務に強い診断士と協業して行えます。具体的な税制の適用は、最新の要件を確認のうえ、税務の専門家と連携して進めます。
Q. 地方の事務所でも協業できますか。
A. できます。KICKは全国オンライン対応で来社不要のため、地域を問わず協業いただけます。周囲に経営改善計画や財務に強い専門家が少ない地域の先生にこそ、ご活用いただきたい体制です。
まとめ|顧問先の未来を、税理士×診断士の協業で

税理士・公認会計士の先生との協業について、重要な要点を3つに集約します。
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ)は認定支援機関の支援で費用の2/3が補助される制度。計画策定は上限50万円、伴走支援は上限30万円です。
- 経営力向上計画とあわせ、設備投資の税制メニューまで踏み込んだ提案を、診断士との協業で実現できます。
- 先生が窓口と財務を、診断士が計画策定を担う協業で、実務負担を抑えつつ顧問先への付加価値を高められます。
顧問先が会計事務所に期待するものは、税務・会計の枠を超えて広がっています。「資金繰りをどうするか」「設備投資をどう進めるか」「経営をどう立て直すか」——こうした経営そのものの相談に応えられるかどうかが、これからの事務所の価値を左右します。とはいえ、すべてを先生おひとりで抱える必要はありません。計画策定や経営改善の実務は、専門とする中小企業診断士と協業すればよいのです。先生は顧問先との信頼関係を活かし、診断士は実務を担う。この協業が、顧問先の未来を切り開きます。まずは、貴事務所の顧問先に合った協業のかたちを、一緒に考えるところから始めてみませんか。
全国どこの事務所とも、オンラインで協業できます。まずはご相談ください。





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