
観光旅館の依頼者が特定技能の受入れについて、加入している出入国在留管理庁に相談したところ、「直近決算が債務超過となっており、このままでは受入れの許可が出せません。企業評価書を提出してください」と言われた。
債務超過の原因は、コロナ禍の打撃が決算に残っていることにあります。落ち込んだ需要を埋めるための借入や、繰越損失が自己資本を圧迫し、稼働が戻っても数字はすぐには戻りません。
このまま企業評価書を用意できなければ、今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ客室を回せる人手を確保できず、客室を回せなければ売上は作れません。最悪の場合、依頼者のホテルそのものが立ち行かなくなります。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 依頼者のホテルが債務超過で、受入れ審査が不安な方
- 企業評価書が必要だが、自所では作成できない方
- 作成できる専門家の当てがなく、受任を逃しそうな方
結論から申し上げます。審査を一発で通す企業評価書は中小企業診断士などの専門資格者と連携すれば用意できます。役割分担は明確です。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKが担います。
本記事は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史が執筆します。中小企業診断士として、法人支援の実務に携わってきた立場から解説します。
- 債務超過の宿泊業案件で受任機会を逃す本当の理由
- 企業評価書で受任を逃さない5つの注意点
- 特定技能の受入れで企業評価書が必要になる場面
- 中小企業診断士とKICKが連携する実務の流れ
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
なぜ債務超過の宿泊業案件で受任機会を逃すのか

結論をお伝えします。宿泊業の債務超過案件で受任を逃す原因は、企業評価書という壁を事前に想定していないからです。
理由は明快です。宿泊業は特定技能や技能実習の受入れが多い業種です。しかしコロナ禍以降、観光旅館やリゾートホテルには赤字や債務超過を抱える会社が少なくありません。
債務超過の会社が外国人材を受け入れようとすると、受入れ審査で追加の書面が求められます。それが企業評価書です。
企業評価書が求められる場面
企業評価書は、正式には「改善見通しに関する評価書面」と呼ばれます。外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類で、別紙②-1・番号20に位置づけられています。
この書面は、申請企業が債務超過のときに求められます。財務が健全な会社には不要です。つまり、宿泊業の依頼者が債務超過だと分かった時点で、企業評価書の準備が必要になります。
具体例を挙げます。あるビジネスホテル運営会社が、特定技能の外国人材を採用しようとしたとします。直近決算が債務超過であれば、受入れ審査を通すために改善の見通しを客観的に示す書面が要ります。ここで企業評価書が登場します。
作成資格の壁という見落とし
ここに大きな落とし穴があります。企業評価書は誰でも作成できるわけではありません。作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られます。
在留資格の申請を扱う行政書士も、この企業評価書は作成できません。ここを見落とすと、依頼者から相談を受けても「では、この書面はどなたが作るのか」という問いに答えられなくなります。
役割の分かれ目を表で整理します。
| 業務 | 担い手 |
|---|---|
| 在留資格の申請サポート | 行政書士事務所(貴所) |
| 受入れ企業との窓口・調整 | 行政書士事務所(貴所) |
| 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の作成 | 中小企業診断士など(KICK) |
| 財務分析・改善見通しの整理 | 中小企業診断士など(KICK) |
要するに、宿泊業の債務超過案件で受任を逃すのは、企業評価書の必要性と作成資格の壁を事前に想定できていないからです。逆にいえば、この壁を越える体制さえ持てば、受任機会は逃しません。
宿泊業の企業評価書で受任を逃さない5つの注意点

ここからが本題です。宿泊業の企業評価書で受任を逃さないために押さえるべき注意点は、次の5つです。
結論を先に述べます。受任前の準備と役割分担を明確にしておけば、債務超過の依頼者でも安心して受任できます。ひとつずつ具体的に見ていきます。
受任前の決算状況の確認
最初の注意点は、受任前に依頼者の決算状況を確かめることです。
理由は単純です。企業評価書が必要かどうかは、決算が債務超過かどうかで決まります。受任してから債務超過と判明すると、対応が後手に回ります。
具体的には、観光旅館やリゾートホテルの相談を受けたら、まず直近の決算書を確認します。純資産がマイナスであれば債務超過です。この時点で企業評価書の準備が視野に入ります。
宿泊業は設備投資が大きく、借入も膨らみやすい業種です。売上が回復していても、過去の赤字の蓄積で債務超過のままという会社は珍しくありません。だからこそ、決算の確認を最初の関門として習慣づけることが受任の安定につながります。
企業評価書を作成できる専門家の確認
2つ目の注意点は、企業評価書を作成できる専門家を確認しておくことです。
前述のとおり、企業評価書を作成できるのは中小企業診断士などの専門資格者に限られます。行政書士も税理士も作成できません。
ここで大切なのは、作成を担う専門家の当てを、相談を受ける前から持っておくことです。相談を受けてから探し始めると、時間がかかり依頼者を待たせます。
例えばビジネスホテルの経営者から「特定技能の人材を採りたい」と相談された場面を想像してください。その場で「企業評価書の作成は連携先の中小企業診断士が担います」と言えれば、依頼者は安心します。この一言が受任の決め手になります。
反対に、その場で答えられず「作れる人を探してみます」と持ち帰ってしまうと、依頼者の不安は残ります。宿泊業の経営者は繁忙期までの時間を気にしています。即答できる連携先を持っているかどうかが、受任の分かれ目になるのです。
別紙②-1番号20の提出タイミングの把握
3つ目の注意点は、企業評価書の提出タイミングと要件を押さえることです。
企業評価書は、外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類で別紙②-1・番号20にあたります。申請企業が債務超過のときに求められる書面です。
特定技能や技能実習の受入れでは、申請の準備段階でこの書面が必要になります。準備が遅れると、申請全体のスケジュールが後ろにずれます。宿泊業は繁忙期と閑散期の差が大きく、人材を入れたい時期が決まっているため、遅れは致命的です。
また、育成就労制度は2027年4月に施行が予定されています。技能実習からの移行が進むなかで、受入れ企業の財務状況を問われる場面はむしろ増えると考えられます。提出タイミングを早めに見積もることが、宿泊業の依頼者を待たせない鍵になります。
宿泊業特有の収益構造の反映
4つ目の注意点は、宿泊業ならではの収益構造を改善見通しに反映することです。
企業評価書は、単に赤字だという事実を書くものではありません。今後どう改善していくかという見通しを客観的に示す書面です。ここで宿泊業の特性を踏まえた分析が生きます。
宿泊業には次のような特有の事情があります。
- 季節による稼働率の変動が大きい
- 客室改装など設備投資の負担が重い
- インバウンド需要の回復が業績を左右する
- 人手不足が稼働の上限を決めてしまう
例えばリゾートホテル運営会社なら、繁忙期の稼働率上昇や単価改善を改善見通しに織り込みます。観光旅館なら、外国人材の確保による受入れ客室数の拡大を見込みます。こうした宿泊業らしい改善のストーリーを、財務の裏付けとともに描くことが評価書の説得力を高めます。
同じ宿泊業でも、会社の種別によって改善見通しの描き方は変わります。整理すると次のようになります。
| 会社の種別 | 収益構造の特徴 | 改善見通しで示す軸 |
|---|---|---|
| 観光旅館 | 季節変動が大きく、繁忙期に売上が集中する | 人材確保による受入れ客室数の拡大 |
| ビジネスホテル | 稼働率と客室単価が業績を左右する | 稼働率の安定と運営効率の改善 |
| リゾートホテル運営会社 | 設備投資が重く、インバウンドの影響が大きい | 繁忙期の単価改善と投資回収の見通し |
このように、宿泊業のなかでも収益の構造は一様ではありません。特定技能の人材を受け入れることで、稼働の上限が上がり、売上の回復につながるという道筋を示せると、企業評価書の説得力は一段と高まります。
この分析は財務の専門領域です。だからこそ、中小企業診断士など企業評価書の作成に慣れた専門家が担うべき部分といえます。宿泊業の現場感と財務の数字を結びつける作業には、相応の経験が要ります。
作成を担う専門家との連携体制の準備
5つ目の注意点は、作成を担う専門家との連携体制を受任前に用意しておくことです。
これまでの4つを支える土台が連携体制です。決算を確認し、作成資格を理解し、タイミングを把握し、宿泊業の事情を反映する。そのすべては、信頼できる専門家との連携があって初めて回ります。
KICKコンサルティングでは、企業評価書の作成を中小企業診断士が担います。行政書士事務所は在留資格の申請サポートに専念できます。この分担がはっきりしているため、貴所が財務の専門領域を抱え込む必要はありません。
企業評価書の作成体制について詳しく知りたい方は、企業評価書作成支援の詳細をご覧ください。
要するに、宿泊業の企業評価書で受任を逃さない鍵は、受任前の準備と役割分担の明確化です。この5つの注意点を押さえれば、債務超過の依頼者でも自信を持って受任できます。
連携のご相談に、売り込みは一切ありません。依頼者を奪うこともありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
気づかず進めると宿泊業の依頼者と事務所に起きること

結論を申し上げます。企業評価書の壁に気づかないまま進めると、受任機会も依頼者の信頼も失いかねません。
理由は、対応の遅れが連鎖するからです。ひとつのつまずきが、申請全体の停滞を招きます。宿泊業では人材の受入れ時期が決まっているため、停滞は経営に直結します。
審査の停滞と依頼者離れ
債務超過の依頼者に企業評価書が必要だと後から気づくと、そこから専門家を探すことになります。その間、受入れ審査は前に進みません。
具体例を挙げます。あるビジネスホテルが、繁忙期に向けて特定技能の外国人材を採ろうとしていたとします。企業評価書の準備が遅れれば、繁忙期に人が間に合いません。依頼者は「この事務所では対応が遅い」と感じ、他所へ移ってしまうおそれがあります。
宿泊業の経営者は横のつながりが強い業界でもあります。ひとつの受任機会の逸失が、紹介の途絶えにつながることも考えられます。ある観光旅館で対応が遅れれば、その評判は同じ地域の旅館やホテルにも伝わりかねません。
さらに、外国人材の採用が間に合わなければ、依頼者であるホテルは客室を十分に稼働できません。せっかくの繁忙期に人手が足りず、機会損失を出してしまいます。これは依頼者の経営そのものに響く問題です。事務所の対応の遅れが、依頼者の売上まで左右してしまう構図です。
受任機会の逸失が積み重なる構造
問題は、これが一度きりで終わらない点です。宿泊業は債務超過を抱える会社が一定数あります。そのたびに企業評価書の壁で受任を逃していては、機会損失が積み重なります。
逆に、企業評価書に対応できる体制があれば、他の事務所が断る債務超過案件をむしろ強みに変えられます。「あの事務所は難しい案件も受けてくれる」という評判が、宿泊業の依頼者を引き寄せます。
要するに、企業評価書の壁に気づかないことは、目の前の一件だけでなく将来の受任機会まで失うことにつながります。だからこそ、事前の備えが大切です。
中小企業診断士と連携して企業評価書を用意する選択肢と手に入れる未来

結論です。中小企業診断士と連携すれば、債務超過の宿泊業案件でも企業評価書を用意し、受任につなげられます。
理由は、役割分担によって貴所の負担が小さくなるからです。専門外の財務分析を抱え込まず、在留資格の申請サポートに専念できます。
KICKが担う企業評価書作成の流れ
KICKコンサルティングが企業評価書を作成する流れは、実務レベルで次のように進みます。
- 貴所から依頼者(宿泊業の会社)の状況を共有いただく
- 直近の決算書をもとに財務状況を分析する
- 宿泊業の特性を踏まえ、改善見通しを整理する
- 別紙②-1番号20に沿った企業評価書を作成する
- 作成した書面を貴所へお渡しし、申請に使っていただく
この流れのなかで、依頼者との窓口は一貫して貴所です。KICKは財務と評価書の作成という専門領域を裏方として支えます。
先生の事務所が手に入れる未来
この連携で、貴所は3つの未来を手にできます。
ひとつ目は、面談の質の向上です。債務超過の相談を受けても、その場で「企業評価書は連携先の中小企業診断士が作成します」と答えられます。依頼者に安心を与える面談ができます。
ふたつ目は、時間と受任の安定です。財務分析に時間を取られず、本来の申請サポートに集中できます。特定技能の案件を安定して受任できるようになります。
みっつ目は、依頼者と周囲からの信頼です。難しい宿泊業の案件にも対応できる事務所として、継続受任や紹介が生まれます。
債務超過という状況に振り回されず、受任機会を確実にものにする。その未来を、KICKと共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と連携が増える理由

結論を述べます。企業評価書を自所だけで用意しようとすると、専門外リスクと時間コストという限界に突き当たります。
理由は、企業評価書が財務の専門知識を必要とする書面だからです。在留資格の申請とは求められる技能が異なります。
専門外リスクと時間コスト
行政書士事務所が企業評価書に近い書面を独力で用意しようとすると、次のような負担が生じます。
- 財務分析の知識を新たに習得する時間
- 宿泊業の収益構造を読み解く手間
- そもそも作成資格を満たさないという根本的な壁
そもそも企業評価書は中小企業診断士など専門資格者しか作成できません。この一点だけでも、自所での作成は成り立ちません。無理に近い書面を用意しても、審査で通用しない可能性があります。
だから連携する事務所が増えている
こうした限界があるからこそ、中小企業診断士と連携する行政書士事務所が増えています。専門領域を分け合えば、双方が本来の強みに集中できます。
KICKコンサルティングは、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、法人支援の実績を積み重ねてきました。全国オンライン対応で、来社は不要です。宿泊業をはじめとする受入れ企業の財務分析と企業評価書の作成を、先生方の連携先として担います。
料金の詳細はサービスページにてご確認ください。まずは連携の相談から始めていただけます。士業連携の仕組みについては、士業連携(提携)の詳細をご覧ください。
あわせて、企業評価書作成支援の詳細もご確認いただけます。
よくある質問

Q. 連携すると、依頼者を奪われませんか
A. 奪いません。依頼者との窓口は一貫して貴所です。KICKは企業評価書の作成という裏方の専門領域を担うだけです。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担を守ります。
Q. 自所の負担はどの程度になりますか
A. 財務分析や企業評価書の作成はKICKが担うため、貴所の負担は小さく抑えられます。依頼者の状況を共有いただき、完成した書面を申請に使っていただくのが基本の流れです。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか
A. 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士や税理士は作成できません。KICKでは中小企業診断士が作成を担います。
Q. 宿泊業が債務超過でも受入れは可能ですか
A. 債務超過であっても、改善の見通しを客観的に示す企業評価書を用意できれば、受入れ審査を前に進められます。だからこそ、企業評価書の準備が受任の鍵になります。
Q. 企業評価書はどんな場面で必要になりますか
A. 外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類で別紙②-1・番号20にあたり、申請企業が債務超過のときに求められます。特定技能や技能実習の受入れで、財務が振るわない宿泊業の会社によく生じる場面です。
Q. 観光旅館とビジネスホテルで対応は変わりますか
A. 基本の流れは同じです。ただし、宿泊業でも観光旅館は季節変動、ビジネスホテルは稼働率、リゾートホテルは設備投資というように収益構造が異なります。その特性を改善見通しに反映して評価書を作成します。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 費用の具体額はサービスページにてご確認ください。案件の状況によって変わるため、まずは連携の相談でお見積もりをお伝えします。
Q. 育成就労への移行で企業評価書の扱いは変わりますか
A. 育成就労制度は2027年4月の施行が予定されています。移行が進むなかでも、債務超過の受入れ企業に改善見通しの説明が求められる場面はむしろ増えると考えられます。早めの備えをおすすめします。
Q. 特定技能の申請と同時並行で進められますか
A. 進められます。貴所が特定技能の申請サポートを進める間に、KICKが企業評価書の作成を並行して行います。全体のスケジュールを後ろにずらさずに済みます。
Q. まず何から相談すればよいですか
A. 依頼者の宿泊業の会社が債務超過で、企業評価書が必要かもしれない、という段階でご相談ください。決算の状況を伺い、企業評価書が必要かどうかの見立てからお手伝いします。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。宿泊業の債務超過案件を、受任機会に変えましょう。
まとめ

宿泊業の債務超過案件で受任を逃すのは、企業評価書という壁を事前に想定できていないからです。裏を返せば、この壁を越える備えさえあれば、受任機会は確実にものにできます。
受任を逃さない鍵は、本記事で述べた5つの注意点です。受任前の決算確認、作成できる専門家の把握、提出タイミングの理解、宿泊業の収益構造の反映、そして連携体制の準備。この5つが揃えば、観光旅館もビジネスホテルもリゾートホテルも、自信を持って受任できます。
企業評価書を作成できるのは中小企業診断士などの専門資格者だけです。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で、専門外の負担を抱えずに前へ進めます。
債務超過という状況を、受任機会の逸失で終わらせない。その第一歩を、KICKと共に踏み出しましょう。







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