

建設業における「黒字倒産」の落とし穴

「試算表を見たら営業利益が3,000万円出ていたはずなのに、先月末に資金ショートが発生して、銀行にリスケジュールを申し込むはめになった」——こうした相談を顧問先の建設業経営者から受けた経験はありませんか。
税理士の皆様が提供する試算表は、発生主義に基づいた「利益」の情報です。しかし建設業の経営者が日々直面する危機は、むしろ「現金(キャッシュ)」の不足です。利益と現金は全く別の概念——にもかかわらず、この差異を正確に説明し、対策を打つ力を持つ税理士は実は少数派です。
建設業で「黒字倒産」が頻繁に発生する理由は、構造的にシンプルです。
- 元請けからの入金は工事完成から1〜2ヶ月後(遅延サイト)
- 下請け・労務費の支払いは着工時~進行中(先行支払い)
- 材料・外注費も現場ニーズで前払いが必要
結果として、売上規模が大きくなるほど、現金が枯渇する逆説的な構造が成立します。
あなたの顧問先がこうした危機に直面した時、「試算表は黒字です」というだけでは、経営者からの信頼を失うだけでなく、事務所の責任も問われかねません。
重要: 建設業の顧問先を守るには、発生主義ベースの試算表だけでなく、現金主義ベースの資金繰り管理体制の構築が不可欠です。そしてそれを現場で実行させ、銀行からの信用を勝ち取るツールが「早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)」なのです。
早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)の基本を先に押さえたい方へ
国の支援を使って資金繰り改善の計画をつくる早期経営改善計画の仕組みと進め方を解説しています。
なぜ試算表では気づけないのか

建設業会計では、「未成工事支出金」や「進行基準」といった特殊な処理が存在します。これらは税務上・財務報告上は正当な手法ですが、現場の「現金フロー」の実態を隠すという副作用があります。
例えば、年商10億円の建設会社を想定してください。
| 項目 | 試算表(発生主義) | 実際の現金フロー |
|---|---|---|
| 売上高 | 10億円 | 8億円(未入金工事含む) |
| 施工原価 | 8億円 | 8.5億円(先行支払い分) |
| 営業利益 | 2億円(黒字) | -5,000万円(現金ショート) |
税理士が報告する試算表では「営業利益2億円の優良企業」に見えますが、実際には毎月の現預金が5,000万円のペースで減少している状態です。こうした齟齬を放置すれば、銀行との信用関係も悪化し、やがて資金繰りに詰まります。
さらに厄介なのは、金融機関が提供する経営改善の相談窓口でさえ、こうした建設業特有の「見かけの利益」と「実際の現金」のギャップを軽視することが多いという点です。だからこそ、税理士自身が「現金管理の専門家」になり、顧問先に対して先手の手を打つ必要があるのです。
推奨アクション: 現在顧問されている建設業の顧問先について、直近3期分の決算書から「試算表上の営業利益」と「実際の現預金の増減」を突合してみてください。乖離が大きければ大きいほど、その企業は資金繰り危機に陥りやすい構造を抱えています。
放置した場合の経営危機シナリオ

もし現在、あなたの顧問先の建設業経営者が「試算表は黒字だから大丈夫」と勘違いしているとしたら、次のようなシナリオが現実になる可能性は極めて高いです。
| 時間軸 | 発生する事象 | 顧問先および税理士への影響 |
|---|---|---|
| 現在~1ヶ月 | 現預金が月次ペースで減少。銀行からの入金関係の問い合わせが増加 | 経営者の心理的不安が高まり始める。税理士への相談頻度が急増 |
| 1〜3ヶ月 | 現預金がボトム水準に低下。2〜3ヶ月分の運転資金しか手元にない状況 | 経営者が独断で銀行に「緊急融資」を申し込む。対応が遅すぎる場合がほとんど |
| 3〜6ヶ月 | 資金ショートの危機。リスケジュールやつなぎ融資の申請。経営者の判断力低下 | 「なぜ試算表が黒字なのに現金がないのか説明してほしい」という経営者からの責任追及 |
| 6ヶ月以上 | 不渡り、倒産、または企業格付の大幅低下。経審(経営事項審査)の財務評点がY評点で大きく下がる | 税理士への信頼失墜。顧客解約リスク。他の建設業顧問先への悪評も波及 |
特に建設業にとって致命的なのは、経審(経営事項審査)の財務評点低下です。これにより公共工事の入札で不利になり、受注機会を失うおそれがあります。
こうした危機を避けるには、「今すぐ」対策を打つ必要があります。幸いなことに、国は中小企業の経営改善を強力に支援するプログラムを用意しています。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)とは

「早期経営改善計画策定支援」は、中小企業庁の公的支援制度で、「バリューアップ支援事業」とも呼ばれます。認定経営革新等支援機関の支援を受けて早期経営改善計画を策定する場合に、専門家費用の3分の2を国が補助する制度です。金融支援(リスケ等)を前提とせず、経営課題の兆候が出た早い段階で使えるのが特徴です。目的は、事業者自身がPDCAサイクルを構築し、自走できる体制を整えることにあります。
建設業の場合、資金繰り悪化は「経営の落ち度」ではなく、業界構造に起因する必然的な現象です。だからこそ、この制度は建設業事業者にとって最も有効なセーフティネットになるのです。
制度の基本スキーム
- 対象経費: 経営改善計画の策定に要する費用(コンサルティング費用、外部専門家への委託費等)
- 補助額: 専門家費用の3分の2(計画策定費用は上限50万円、伴走支援費用は上限30万円)
- 自己負担: 対象経費の3分の1
- 対象機関: 認定経営革新等支援機関(中小企業診断士、税理士、金融機関等)
追加オプション(企業概要書作成10万円・金融機関交渉10万円)を加えると、補助上限は最大100万円です。顧問先の自己負担額や支援費用の具体額は、支援内容によって異なります。
この制度を活用しない手はありません。
費用の3分の2を国が補助する仕組みの具体例

制度の補助の枠組みを、顧問先に説明しやすい形で整理します。
| 区分 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 計画策定費用 | 専門家費用の3分の2 | 50万円 |
| 伴走支援費用(1〜3年後) | 専門家費用の3分の2 | 30万円 |
| 追加オプション | ― | 企業概要書作成10万円・金融機関交渉10万円 |
| 合計 | ― | 80万円(オプションを含め最大100万円) |
ここで重要な点は、この制度が金融支援(リスケ等)を前提としないということです。資金繰りの悪化が顕在化する前、試算表では黒字に見えている段階から使えます。計画書の提出をきっかけに、顧問先と金融機関が資金繰り・課題・将来展望を共有し、目線を合わせて信頼関係を築けます。
税理士が顧問先に対して「専門家費用の3分の2を国が補助する制度があります」と説明すれば、経営者の重い腰も上がりやすくなります。
【重要】早めの判断が顧問先を守ります
資金繰り悪化した顧問先との経営改善計画策定は、一刻を争う判断です。「来月でいいか」と先延ばしにすれば、その間も現預金は減少し続けます。1事務所ごとに時間をかけてご相談をお受けするため、月あたりのご相談数には限りがあります。
建設業特有の資金繰り改善フロー

早期経営改善計画策定支援を活用して、建設業の顧問先の資金繰りを改善する手続きは、次のステップで進行します。重要なのは、税理士と中小企業診断士が役割を分担する点です。
ステップ1:財務診断と現状把握(税理士主導)
直近3期分の決算書から、売上高対施工原価率、外注費比率、自己資本比率、および月次推移を算出します。税理士が蓄積している「正確な財務データ」は、ここで最大の武器になります。
ステップ2:資金繰り予定表の作成(診断士と共同)
向こう12〜24ヶ月の「月次資金繰り予定表」を作成します。建設業では、実行予算管理に基づいた現場ごとの完工・入金予測がポイントになります。税理士がこの過程に関与することで、データの精度が格段に高まります。
ステップ3:経営改善アクションプラン策定(診断士主導)
資金繰り予定表の乖離を埋めるための「具体的なアクション」を策定します。例えば
- 下請け・外注先への支払サイト延長交渉(現金支出を遅延させる)
- 元請けからの前金金率の引き上げ交渉(現金入金を加速させる)
- 運転資金が過剰に発生する時期への短期継続融資の手配
- 採算性の低い工事の見直し(限界利益を改善させる)
ステップ4:経営改善計画書の作成と申請
資金繰り予定表とアクションプランをまとめた「経営改善計画書」を、認定支援機関として作成・申請します。この文書は銀行への重要な説得材料になります。
ステップ5:伴走モニタリング(両者で定期確認)
計画策定後、毎月(または四半期ごと)に試算表と実績を突合し、計画からのズレを検出・修正します。この「生きた改善」こそが、顧問先の信頼を勝ち取る最大のポイントです。
このフロー全体を、顧問先のために一貫して進められる税理士は、競合他社との差別化において圧倒的なアドバンテージを持つことになります。
経営改善計画の策定を自社で行うリスク

「うちの事務所で全部やれば、費用も節約できるし、顧問先との関係も密になるのでは」——こう考える税理士の先生も少なくありません。
しかし、次の理由により、完全内製化はお勧めできません。
理由1:時間コストの過大負担
建設業の資金繰り予定表を精緻に作成するには、受注残の進捗状況、完工予測、支払先との交渉記録など、現場のリアルタイムデータが不可欠です。税理士が直接現場に足を運び、経営者と何度も打ち合わせを重ねるコストは、想像以上に大きくなります。
理由2:申請手続きの煩雑さ
早期経営改善計画策定支援は、中小企業活性化協議会への手続きや所定の様式に沿った計画づくりが必要です。申請が却下されれば、顧問先に二重の失望を与えることになります。認定支援機関として経験豊富な診断士に一任することで、こうしたリスクを回避できます。
理由3:「客観性」が失われる危険
税理士が計画書を丸ごと代筆すると、経営者が「その根拠」を理解しないまま銀行に提出することになりがちです。銀行の質問に「え、これはなぜこんな数字なんですか?」と経営者が困惑する場面は珍しくありません。
経営改善計画は、経営者自身が「覚悟を決めて」実行するものです。専門家が強引に押し付ける計画は、モニタリング段階で破綻します。
理由4:銀行対応の説得力が低下する
「税理士事務所だけでこの計画を作りました」と銀行に報告するのと、「税理士と中小企業診断士が共同で、複数の建設業支援実績に基づいて策定しました」と報告するのでは、銀行からの信頼度が全く異なります。
顧問先を次のステップへ導く具体的な未来像

もし今、あなたが建設業の顧問先に対して「早期経営改善計画策定支援を活用した経営改善」を提案し、実行に移すことができたら、その顧問先にはどのような未来が訪れるでしょうか。
目に見える変化
経営者の表情が変わります。毎月末の資金繰りに頭を抱える姿勢から、「今月は計画通り」「来月の完工に向けて〇〇を打つ」といった、前向きで自信に満ちた姿勢へシフトします。現場の職人たちも「経営がしっかりしている」という空気を感じ取り、定着率の向上にもつながります。
通帳の変化と銀行対応の改善
資金繰り予定表の精度が高まれば、経営者は「いつ現金が足りなくなるのか」を事前に把握できます。その結果、銀行との交渉タイミングが格段に良くなります。「困ってから相談に来る」のではなく、「計画に基づいて、金融機関にプロアクティブに提案する」という高度な経営スタイルへの転換です。
後継者への影響と企業価値の向上
何より重要なのは、「経営の透明化」が後継者への教育になるという点です。親経営者が「毎月の現金管理」と「長期的な経営計画」をどう結びつけるのか、その現場を子息が目の当たりにすることで、次世代の経営判断力が鍛えられます。
また、こうした経営改善計画は「企業評価書」の根拠資料にもなります。事業承継や外部資金調達の際に、「根拠のない楽観的な事業計画」ではなく、「財務と現場のデータに基づいた堅牢な戦略」として評価されるようになるのです。
つまり、経営改善計画の策定は、単なる「資金繰りの一時的な危機回避」ではなく、その企業の「経営品質そのもの」を次のステージへ引き上げるターニングポイントなのです。こうした全体像を顧問先と共に手に入れるなら、あなたの税理士としての価値もまた、変わります。
自社対応の限界を超えるための専門家連携

「すべて自分たちでやりたい」という気持ちは理解できます。しかし建設業の経営改善計画策定には、税理士には難しい領域があります。
専門性の必要領域
- 現場管理知識: 工事の進捗、完工予測、作業員配置といった現場知識なしに、精緻な資金繰り予定表は作成不可能
- 外注先・下請け交渉: 支払サイトの変更交渉は、下請け法などの法的知識とコミュニケーション力が必須
- 銀行折衝の実績: 複数の銀行と折衝し、最適な融資スキームを組み立てる経験
- 建設業経営の実務知識: 「机上の計画」ではなく「現場で実行可能な改善策」を設計する力
これらの領域に精通した「認定経営革新等支援機関=中小企業診断士」と連携すれば、顧問先へのサービス品質は飛躍的に向上します。
そして重要な心理的効果として、「税理士と診断士が二人で来た」というだけで、経営者は「本気度」を感じ取ります。これは営業上の付加価値そのものです。
早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)をまとめて確認したい方へ
国の支援を使って資金繰り改善の計画をつくる早期経営改善計画の仕組みと進め方を解説しています。
建設業の資金繰り対策|税理士が毎月確認する5つの項目

建設業の資金繰り対策とは、工事の原価の支払いが先に出て、工事代金の入金が後になる「時間差」を管理し、現金が不足する月を事前に見つけて手を打つことです。試算表の利益が出ていても、入金が遅れれば現金は足りなくなります。
税理士が毎月確認する5つの項目
次の表のとおり、見る資料と危険サインをセットで確認すると、試算表では見えない資金の動きを早く捉えられます。
| 確認項目 | 見る資料 | 危険サイン |
|---|---|---|
| 完成工事未収入金 | 売掛金の回収一覧 | 入金が支払いより遅れている |
| 未成工事支出金 | 実行予算と原価の差 | 原価が先行して膨らんでいる |
| 下請・材料の支払い | 支払予定表 | 特定の月に支払いが集中している |
| 借入の返済 | 返済予定表 | 返済額が毎月の現金の増加を上回る |
| 現預金の残高 | 月次の資金繰り表 | 数か月先の残高がマイナスになる |
建設業の資金繰りが苦しくなる主な原因と対策
建設業の資金不足は、原因ごとに打ち手が異なります。税理士が月次で見つけた危険サインを、次の表で原因と対策に結びつけると、顧問先との会話が具体的になります。
| 主な原因 | 起きること | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 入金の遅れ | 完成工事未収入金が積み上がり、現金が入らない | 入金条件の確認と、請求・回収の管理 |
| 原価の先払い | 着工から入金までの間、材料費や外注費を立て替える | 工事ごとの資金繰り予定表の作成 |
| 工事の採算割れ | 実行予算を原価が上回り、利益が残らない | 工事別の採算管理と見積もりの見直し |
| 支払いの集中 | 特定の月に下請・材料の支払いが重なる | 支払予定の平準化と、不足月の事前把握 |
| 借入返済の重さ | 返済額が毎月の現金の増加を上回る | 返済計画を含めた数値計画の見直し |
どの原因も、試算表の利益だけを見ていると気づきにくいものです。現金の動きを工事ごと・月ごとに追うことが、建設業の資金繰り対策の出発点になります。
建設業の資金繰り対策|工事の段階別チェック表
建設業の資金繰り対策は、工事の段階ごとに「いつ現金が出て、いつ入るか」を確かめることが基本です。税理士が顧問先に声をかけるタイミングも、工事の段階に合わせると具体的になります。
| 工事の段階 | 現金の動き | 税理士が確認すること |
|---|---|---|
| 受注時 | まだ動かない | 入金条件と支払条件 |
| 着工時 | 材料費・外注費の支払いが始まる | 前受金・中間金の有無 |
| 工事中 | 原価の支払いが先行する | 実行予算と原価の差 |
| 完成・引渡し | 請求はできるが入金は後 | 完成工事未収入金の回収予定 |
| 入金後 | 現金が戻る | 次の工事の支払いとの重なり |
建設業の資金繰り表のつくり方
建設業の資金繰り表は、会社全体の表だけでなく、工事ごとの入金と支払いを月別に並べると不足の月が見えやすくなります。
- 進行中と受注済みの工事を一覧にする
- 工事ごとに入金予定の月と金額を書く
- 工事ごとに材料費・外注費・労務費の支払予定を書く
- 借入の返済と固定費を加える
- 月末残高がマイナスになる月に印をつける
印がついた月が、顧問先と対策を話し合うべき月です。数か月前に分かれば、打てる手は多く残っています。
建設業の財務で税理士が押さえる勘定科目の早見表
建設業の財務・資金繰りを読み解くには、建設業特有の勘定科目と、それが現金の動きとどう結びつくかを押さえることが近道です。一般の会社の科目と対応させると、顧問先の社長にも説明しやすくなります。
| 建設業の勘定科目 | 一般の会社でいうと | 資金繰りで見るポイント |
|---|---|---|
| 完成工事高 | 売上高 | 入金の時期は計上の時期と一致しないことが多い |
| 完成工事原価 | 売上原価 | 工事ごとの実行予算との差 |
| 完成工事未収入金 | 売掛金 | 回収が遅れるほど現金が足りなくなる |
| 未成工事支出金 | 仕掛品 | 入金前に立て替えている原価の大きさ |
| 未成工事受入金 | 前受金 | 先に入った現金を別の支払いに使っていないか |
| 工事未払金 | 買掛金 | 支払いが特定の月に集中していないか |
特に注意したいのが未成工事受入金です。前受けで現金が先に入ると、資金繰りに余裕があるように見えます。ところがその現金を他の工事の支払いに回していると、受け入れた工事の原価を払う段階で不足が表面化します。
建設業の資金繰り対策を急ぐべきサイン
税理士が月次の関与で次のような変化に気づいたら、資金繰り対策を急ぐ段階です。
- 受注残の減少
- 工事未払金の増加
- 役員からの借入の増加
- 完成工事未収入金の滞留
- 実行予算を超える工事の増加
どれか1つでも続いているなら、資金繰り表で数か月先の残高を確かめ、原因の分析に進みましょう。
経営コンサルタントと組む場面
資金繰り表で不足の月が見つかった場合、原因は工事ごとの採算、入金条件、支払い条件、借入の重さのいずれかに分かれます。原因の分析と改善計画づくりは、認定経営革新等支援機関の中小企業診断士と組むと進めやすくなります。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)なら、専門家費用の3分の2が補助され、計画策定50万円・伴走30万円が上限です(最新の要件は中小企業庁・中小企業活性化協議会の公表資料でご確認ください)。
建設業の財務・資金繰りの改善では、税理士と経営コンサルタントが次のように役割を分けると、顧問先の負担を増やさずに進められます。
| 役割 | 税理士 | 経営コンサルタント(認定支援機関の中小企業診断士など) |
|---|---|---|
| 日々の数字 | 月次試算表と資金の動きを確認 | ― |
| 兆候の発見 | 危険サインに気づき、顧問先に声をかける | ― |
| 原因の分析 | 資料の共有 | 工事別採算や入金・支払条件を分析 |
| 計画づくり | 税務の観点から確認 | 早期経営改善計画の策定を支援 |
| 金融機関との対話 | 必要に応じて同席 | 計画書をもとに説明 |
| 計画後の伴走 | 月次で数字の変化を確認 | 年最低2回のモニタリングと報告 |
中小企業診断士 · 認定経営革新等支援機関 資金繰りの不安、 悪化する前に手を打てていますか。 「何とかなっている」うちに動くことが、経営改善の鉄則です。 KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、国の補助制度を活用した早期経営改善計画(バリューアップ支援事業)の策...
建設業の資金繰りでよくある質問
Q.税理士が建設業の資金繰り対策で最初にすることは何ですか。
A.試算表の利益ではなく、現金の増減で見ることです。入金予定と支払予定を月ごとに並べ、残高がマイナスになる月を探します。
Q.黒字なのに資金が足りなくなるのはなぜですか。
A.利益は工事の完成時点や進捗に応じて計上されますが、現金は入金された時点で動くためです。原価の支払いが先行し、入金が後になる建設業では、この時間差が資金不足の原因になります。
Q.建設業の財務・資金繰りは、税理士と経営コンサルタントのどちらに相談すべきですか。
A.日々の数字の確認と兆候の発見は、顧問先を毎月見ている税理士が強みを持ちます。原因の分析と改善計画づくりは、中小企業診断士などの経営コンサルタントの専門領域です。両者が連携すれば、顧問先は相談先を分けずに済みます。
Q.経営コンサルタントに建設業の財務・資金繰りの改善を頼むと、何をしてもらえますか。
A.工事別の採算や入金・支払条件の分析、資金繰り予定表をもとにした改善計画づくり、金融機関への計画の説明などです。認定経営革新等支援機関(中小企業診断士など)であれば、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)を使った計画策定と伴走支援も担えます。
Q.建設業の資金繰り表は、どのくらい先まで作ればよいですか。
A.少なくとも、進行中の工事の着工から入金までの期間はカバーするように作ります。工事期間が長い顧問先ほど、先の月まで見通しておくと不足の月に早く気づけます。
Q.建設業の顧問先に早期経営改善計画を勧めるタイミングはいつですか。
A.資金繰り表で現金が不足する月が見つかったときや、完成工事未収入金が積み上がり始めたときです。金融支援(リスケ等)を前提としない制度のため、試算表が黒字のうちから着手できます。
Q.未成工事受入金が多いと、建設業の資金繰りは楽になりますか。
A.一時的には現金が増えますが、楽になるとは限りません。受け入れた現金は、その工事の材料費や外注費に充てる前提のお金です。別の工事の支払いに使っていると、後から不足が表面化します。工事ごとに入金と支払いを分けて管理することが大切です。
Q.建設業の資金繰り対策を経営コンサルタントに相談する前に、税理士が準備しておくとよい資料は何ですか。
A.決算書と月次試算表に加え、工事台帳、受注残の一覧、支払予定表、借入の返済予定表があると、原因の分析に早く進めます。そろっていない資料があっても、相談の中で一緒に整理できます。
早期経営改善計画策定支援に関するよくある質問

- Q1. 補助金の上限額はいくらですか。
- A1. 計画策定費用は上限50万円、伴走支援費用(1〜3年後)は上限30万円で、合計80万円です。追加オプション(企業概要書作成10万円・金融機関交渉10万円)を加えると最大100万円です。専門家費用の3分の2を国が補助する枠組みです。
- Q2. 申請から計画完成までの標準的な期間はどのくらいですか。
- A2. 期間は顧問先の状況や計画の内容によって異なります。計画策定後も、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングが続くため、長い付き合いになる前提で準備を進めることが大切です。
- Q3. 中小企業診断士と税理士が連携する場合、顧問先はどちらに契約するのですか。
- A3. 計画策定の支援は、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士などの専門家が担います。税理士は、顧問先との日常の関係と税務を継続し、資料の共有や必要に応じた同席で関わります。顧問先との関係はそのまま維持されます。契約の形は、事前に支援の進め方とあわせて相談して決めることが重要です。
- Q4. 経営改善計画は銀行に提出する以外に、何か効果がありますか。
- A4. はい。経営改善計画は、①金融機関と資金繰り・課題・将来展望を共有するための資料、②経営者自身がPDCAサイクルを回すための道具、③後継者と経営の方針を共有する教材として役立ちます。
- Q5. 計画策定後のモニタリング期間はどのくらい続きますか。モニタリング費用は別途かかりますか。
- A5. 制度上、計画策定後、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングと協議会への報告が必要です。怠ると費用の返還を求められる場合があります。伴走支援費用は、補助上限30万円の枠で専門家費用の3分の2が補助されます。具体的な費用はサービスページでご確認ください。
- Q6. 建設業以外の業種でも、この支援制度は活用できますか。
- A6. はい。制度自体は業種に関わらず利用可能です。ただし、資金繰り悪化の原因は業種によって異なるため、改善策も異なります。製造業なら「仕掛品管理」が重要になりますし、飲食業なら「営業循環期間の短縮」が焦点になります。建設業の場合は「受注残と完工スケジュール」が最大のポイントになる点が、他業種と異なります。
- Q7. 経営改善計画に「数値目標」がない場合、銀行は評価してくれないのですか。
- A7. 銀行が最も重視するのは「定量的で実現可能な数値目標」です。「経費を削減します」という定性的な目標だけでは、銀行は信用しません。経営改善計画では必ず、「営業利益を年間〇〇万円増加させる」「現預金を〇〇万円増加させる」という、具体的な数値を記載する必要があります。この数値が「現場データに基づいているか」が、計画の説得力を左右します。
- Q8. 顧問先が「経営改善計画を作成してほしい」と言ってきた場合、税理士として最初に何をすべきですか。
- A8. まず①直近3期分の決算書と月次試算表を確保し、②現預金の推移を分析し、③実際に現場(工事現場や本社)を視察して、④経営者にインタビューして現状把握を進めます。その上で、「この企業には診断士の支援が必要だ」と判断したら、信頼できる中小企業診断士に相談することをお勧めします。診断士との連携方法(共同体か、主従関係か)も含めて、事前に打ち合わせておくことが重要です。
- Q9. 顧問先の経営状況が悪化している場合も、この制度を使えますか。
- A9. この制度は、経営課題の兆候が出た早い段階で使うことを想定しています。悪化が顕在化し、金融支援(リスケ等)が必要な状態であれば、405事業(経営改善計画策定支援)の検討対象になります。どちらが適しているかは、事前に認定支援機関と経営状況を確認したうえで判断することが重要です。
- Q10. 中小企業診断士に依頼する際、費用の相場はどのくらいですか。
- A10. 費用は規模・複雑度・関係する金融機関の数によって異なります。具体的な費用は、サービスページでご確認ください。国の補助は専門家費用の3分の2で、計画策定は上限50万円、伴走支援は上限30万円です。事前の見積段階で、診断士と費用構成をしっかり確認することが大切です。
建設業の顧問先を守る決断を

建設業の経営者の多くは、自分たちが直面している資金繰り危機の本質を理解していません。「試算表が黒字だから大丈夫」という言葉を信じ、気づいた時には手遅れ——という事態は、決して珍しくありません。
その時、顧問税理士がどう動くか。それが企業の命運を分けます。
あなたが「発生主義の試算表だけでなく、現金管理の専門家として顧問先をサポートできる税理士」であれば、顧問先からの信頼は変わります。
そしてそのためには、中小企業診断士といった「現場改善と銀行対応のプロ」と連携する勇気が必要です。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、法人支援実績150社以上の認定経営革新等支援機関です。税理士の先生方が「これ以上は自分たちでは対応できない」とお感じになったケースこそが、私たちのフィールドです。
相談は完全に無料。顧問先の経営危機を一緒に乗り越えるパートナーとして、ぜひご連絡ください。
【税理士の先生へ】建設業顧問先の資金繰り改善・共同支援のご相談
「顧問先の建設会社の資金繰りが逼迫しているようだが、具体的な改善策をどう提案していいのか分からない…」
「早期経営改善計画を活用したいが、書類作成や銀行折衝のリソースが足りない…」
こうした課題を抱える税理士・公認会計士の先生方は、ぜひKICKコンサルティング株式会社にご相談ください。
弊社は、中小企業診断士(MBA・事業承継士・1級FP技能士保有)として、税理士の先生方と役割を分けて連携します。先生方が大切にしている顧問先との関係性を最優先に守りながら、建設業の「資金繰り改善フロー」を現場に落とし込み、抜本的な経営改善をサポートします。
共同での計画策定、セカンドオピニオン、現場での改善支援など、柔軟な連携スキームが可能です。
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重要: 相談は完全無料です。強引な営業や売り込みは一切ありません。建設業顧問先の経営改善について、気になることがあれば、お気軽にご連絡ください。








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