【税理士向け】先端設備等導入計画|認定前の発注を防ぐ5つの視点

三冠バッチ

顧問先の社長から、決算の打ち合わせの席でこう告げられる。「来月、新しい加工機を入れる。もう発注は済ませたよ」。

先生が見積書を確認したのは、契約書に判が押された後でした。あとから、市区町村の窓口で「認定前に取得した設備は、固定資産税の軽減の対象になりません」と分かる。そんな場面に心当たりはないでしょうか。

10月は下期が始まり、最低賃金の改定も重なる時期です。賃上げと設備投資を同時に考える顧問先が増えます。先生方は年末調整の準備で忙しい中、その相談まで受け止めることになります。先生おひとりの問題ではありません。

結論から言うと、設備の発注前に「先端設備等導入計画」を提案し、確認書と計画策定を認定経営革新等支援機関のKICKに任せるのが、事務所の負担を最小にして顧問先の利益を守る道です。ただし、確認すべき順番があります。その全貌は本文で順に示します。

あなたはこのような悩みはありませんか?

  • 設備を先に発注してしまう顧問先がいる方
  • 確認書をどこに頼めばよいか聞かれた方
  • 賃上げ中の顧問先に優遇制度を案内したい方
この記事で分かること

  • 設備投資の優遇が「取得の順番」で決まる理由
  • 認定前に発注した顧問先に起きること
  • 計画に載せる項目と、認定までの4ステップ
  • 経営力向上計画との違い(比較表つき)
  • 事務所の負担を抑えて連携する具体的な進め方

執筆は、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上のKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史(中小企業診断士)です。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。固定資産税の申告は貴所、計画策定と確認書の発行・市区町村への申請サポートはKICKという役割分担です。

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なぜ税務業務の延長だけでは、設備投資の優遇を活かせないのか

先生方は、決算書と試算表を通じて顧問先の設備の動きを一番早く知る立場です。それでも、優遇を活かせないことがあります。理由は、優遇の成否が「取得の順番」で決まるからです。

先端設備等導入計画は、設備を導入する市区町村の認定を受ける計画です。設備の取得は計画の認定後でなければなりません。税務申告の時期には、設備はすでに取得済みです。ここに、税務の延長線だけでは越えられない壁があります。

壁を3つに分けて整理します。

壁中身先生方への影響
時間の壁認定の前に、計画策定と確認書の準備が必要。審査の標準処理期間の目安は30日発注予定日から2〜3か月前に動く必要があり、決算期の繁忙と重なる
ノウハウの壁労働生産性を年平均3%以上向上させる計画と、投資利益率の見込みを数字で示す税務の計算とは別の、事業計画の作り込みが必要
立場の壁確認書は認定経営革新等支援機関にしか発行できない一般のコンサルタントでは発行できず、依頼先を探す手間が生じる

ここで大切なのは、先生方の力不足ではなく、役割の違いだという点です。税務は貴所、計画策定と確認書は認定支援機関。この分担が、いちばん自然な形です。

「相談が遅い」ことは、先生の責任ではない

顧問先の社長にとって、設備の購入は事業の判断です。税理士に相談するのは、お金の話が出てからになりがちです。先生方が動いても、見積書が届くのが契約後なら、間に合いません。

だから必要なのは、先生方の努力を増やすことではありません。相談が届く時期を前倒しする仕組みと、計画を実際に組み立てる専門の相手です。この2つがそろえば、先生方は本来の税務に集中できます。

顧問先が「知らないまま」進めてしまう3つの理由

  • 設備メーカーの営業は、制度より納期を優先して話を進める
  • 社長は「税理士の先生に見積書を見せるのは契約後」と考えている
  • 制度の名前は聞いたことがあっても、認定が先という順番は知らない

つまり、先生方が制度を知っていても、相談が届く時期が遅いのです。だからこそ、顧問先が設備を検討し始める段階で、先生の側から声をかける仕組みが要ります。

先生が発注前に確かめる5つの質問

専門的な判断は要りません。決算や面談の場で、次の5つを聞くだけで、取りこぼしはほぼ防げます。

  1. 今後1年で、機械や検査工具などを入れる予定はありますか。
  2. 見積書は、もう取っていますか。契約や発注の予定日はいつですか。
  3. 1台・1基あたりの金額は、最低取得価額を超えそうですか。
  4. 来期は、賃上げを予定していますか。
  5. 設備は新品ですか。ソフトウエアだけの導入ではありませんか。

1つでも「はい」なら、発注の前にKICKへつなぐ。この動きだけで、顧問先の損失は防げます。決算の打ち合わせ表に、この5問を1行ずつ足しておくと、職員の方も同じ対応ができます。

製造業・建設業の顧問先で起きやすい場面

  • 受注が増え、加工機や検査機器を急いで入れたい
  • 人手不足を補うため、作業を自動化する機械を検討している
  • 古い設備の更新時期が来て、複数台をまとめて入れ替える
  • 最低賃金の改定に合わせ、生産性を上げて賃上げの原資をつくりたい

どの場面も、設備の見積もりが動き出した時が、最初のチャンスです。契約書に判が押される前に、先生の一言が間に合うかどうかが分かれ目になります。

先端設備等導入計画の基本を先に押さえたい方へ

固定資産税の軽減を受けるための要件と、設備投資で失敗しないポイントを解説しています。

このまま何もしなければ、何が起きるか

認定前に設備を取得した顧問先は、固定資産税の軽減を受けられません。取得済みの設備は対象外です。あとから取り戻す方法はありません。

悪化の流れを、一つずつ書き出します。

  1. 顧問先が、認定前に機械装置を発注・取得する
  2. 固定資産税の軽減が受けられず、納税の負担が数年続く
  3. 社長が「先生は教えてくれなかった」と感じ始める
  4. 顧問料の見直しや、他の事務所への相談につながる
  5. 事務所のストック収入が減り、提案の機会も失われる

制度を知らなかった顧問先の損失は、そのまま先生方への信頼の傷になります。

賃上げに取り組む顧問先ほど、この差は大きくなります。人件費が増える中で、固定資産税まで重くなれば、資金繰りは一気に苦しくなります。設備投資は前向きな判断のはずなのに、順番の誤りひとつで、負担だけが残ってしまいます。

反対に、発注前に一言添えるだけで、顧問先は次のように動けます。

  • 設備の取得日を、認定の後にずらす判断ができる
  • 賃上げの表明とセットで、軽減期間の長い区分を狙える
  • 取得価額が最低ラインに届くかを、契約前に確かめられる

対象になる設備と、1台・1基あたりの最低取得価額は次のとおりです(新品のみが対象です)。

設備の種類最低取得価額(1台・1基あたり)
機械装置160万円以上
測定工具・検査工具30万円以上
器具備品30万円以上
建物附属設備60万円以上

ソフトウエアは、固定資産税の特例の対象外です。この点も、契約前に確認しておくと行き違いを防げます。

先端設備等導入計画という選択肢

先端設備等導入計画は、中小企業等経営強化法に基づく計画です。労働生産性を年平均3%以上向上させる計画を立て、設備を導入する市区町村の認定を受けます。計画期間は3・4・5年のいずれかです。

労働生産性は、(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量で表します。認定を受けると、新規設備の固定資産税の課税標準が、最大で25%に軽減されます(地方税法・令和7年度税制改正後)。

賃上げの表明で、軽減の内容が変わる

賃上げの表明軽減の期間課税標準
1.5%以上3年間50%
3.0%以上5年間25%

対象は、令和9年3月31日までに取得した設備です。賃上げ方針の表明は、新規申請時のみ行えます。

数字のイメージも示します。取得価額2,000万円の機械装置で賃上げ3.0%を表明した場合、5年間で約105万円の軽減になります。これは取得価額2,000万円・標準税率1.4%・評価額の低下を考慮しない簡易試算です。実際の額は、顧問先ごとに異なります。

計画書は、どんな構成になるのか

「計画」と聞くと重く感じます。実際は、次の5つの項目で構成されます。

項目記載する内容
現状認識事業概要と経営状況
取組内容設備導入で何を変えるのか
労働生産性現状値と目標値
導入設備の明細設備名・型式・導入時期・所在地・金額
必要資金金額と調達方法

認定までの流れは、次の4ステップです。

  1. 適用できるかの確認(規模・設備・取得時期)
  2. 計画の策定
  3. 確認書の発行と、賃上げ表明の準備
  4. 市区町村への認定申請

制度の全体像と対象範囲は、次のページにまとめています。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。固定資産税の申告は貴所、計画策定と確認書の発行・市区町村への申請サポートはKICKという役割分担です。

\設備の発注前に、まずご相談ください/

確認書は2種類ある。混同しない

申請には、認定経営革新等支援機関の「事前確認書」が必須です。労働生産性が年平均3%以上向上する見込みを確認するものです。

さらに、税制優遇を受けるには、投資利益率が年平均5%以上の投資計画について「投資計画に関する確認書」も必要です。どちらも、一般のコンサルタントでは発行できません。

顧問先が出す資料は、決算書、設備の見積書、売上・営業利益の見込みの根拠資料が中心です。先生方が日頃お持ちの資料と、多くが重なります。

経営力向上計画との違い(混同注意)

よく似た制度に、経営力向上計画があります。優遇される税金も、認定する主体も異なります。次の表で整理してください。

比較項目先端設備等導入計画(本記事の対象)経営力向上計画
優遇される税金固定資産税(地方税)法人税など(国税)
認定する主体設備を導入する市区町村国(事業分野別の主務大臣)
主な数値要件労働生産性 年平均3%以上向上労働生産性等の経営指標の向上
設備取得のタイミング認定後の取得が必須例外的に取得後の申請も可(要件あり)
併用要件を満たせば両制度の併用が可能同左

設備の取得時期が決まっている顧問先には、この表を見せると話が早く進みます。どちらを使うか、併用するかは、設備の取得日を基準に一緒に整理できます。

先生の事務所が手に入れる未来

連携が動き出すと、事務所の景色は3つの面で変わります。

目に見える変化

決算の打ち合わせで、「今期は設備を入れる予定はありますか」と先生から切り出せるようになります。社長の返事が「まだ決めていない」なら、発注前に間に合います。面談の会話が、過去の数字の説明から、来期の投資の相談へ変わります。

通帳と時間の変化

顧問先の固定資産税の負担が軽くなれば、手元の現金が残ります。資金繰りが安定すれば、顧問料の支払いも安定します。計画書づくりの時間は、KICKが担うため、貴所の業務時間はほとんど増えません。

月々の業務の変化

先生方の作業は、増えるどころか整理されます。設備の予定を聞く、KICKへつなぐ、認定後に取得日を確認する。この3つが、貴所の役割の中心です。計画書の下書き、数字の組み立て、確認書の作成は、KICKに任せられます。

年末調整や決算の繁忙期にも、追加の残業は生まれません。むしろ、顧問先が「相談してよかった」と感じる場面が増え、面談が前向きな時間になっていきます。

周囲からの変化

顧問先からは「制度まで気にかけてくれる先生」と見られます。職員の方には、制度の調べ物を抱え込まなくてよいという安心が生まれます。設備投資と賃上げを同時に進める顧問先には、金融機関への説明材料も増えます。

顧問先の利益が増えれば、貴所には高度な税務や組織再編の提案の土台もできます。守りの顧問から、頼られる顧問へ。その変化を共に手に入れましょう。

自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

先端設備等導入計画は、書式そのものは難しくありません。難しいのは次の3点です。

  • 労働生産性の目標値を、根拠のある数字で組み立てること
  • 投資利益率の見込みを、確認書に耐える形で示すこと
  • 市区町村ごとの窓口の運用に合わせて、申請を進めること

いずれも、繁忙期の事務所が片手間で対応するには重い作業です。だから、認定経営革新等支援機関の中小企業診断士と連携する事務所が増えています。

KICKコンサルティング株式会社は、中小企業庁の認定を受けた認定経営革新等支援機関で、法人支援実績は150社以上です。代表の松本昌史は、MBA(経営管理修士)、中小企業診断士、事業承継士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持っています。

連携の進め方は、3つの段階

  1. まず無料相談で、貴所の顧問先の状況と、連携のイメージを共有する
  2. 設備投資の予定がある顧問先が出たら、発注前にKICKへつなぐ
  3. 計画の策定・確認書の発行・申請サポートを経て、認定後に取得する

連携の中身は、先生方にとってシンプルです。

  • 顧問先の設備投資の予定を、貴所からKICKに共有する
  • 計画の策定と、確認書の発行、市区町村への申請サポートはKICKが担う
  • 顧問先との窓口も、税務の関係も、貴所のまま維持される

費用については、具体額をここでは書きません。詳細はサービスページにてご確認ください。

士業との連携の枠組みも、専用のページにまとめています。

先端設備等導入計画をまとめて確認したい方へ

固定資産税の軽減を受けるための要件と、設備投資で失敗しないポイントを解説しています。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。固定資産税の申告は貴所、計画策定と確認書の発行・市区町村への申請サポートはKICKという役割分担です。

\士業連携(提携)の詳細を見る/

よくある質問

顧問先を奪われることはありませんか。

ありません。税務・申告は貴所、計画策定と確認書の発行はKICKという役割分担です。顧問先との関係はそのまま維持されます。

事務所側の実務負担はどの程度ですか。

顧問先の設備投資の予定をKICKへ共有していただくことが中心です。計画策定と確認書の作成、市区町村への申請サポートはKICKが担います。

先端設備等導入計画と経営力向上計画は、何が違いますか。

先端設備等導入計画は固定資産税(地方税)の優遇で、認定するのは設備を導入する市区町村です。経営力向上計画は法人税など(国税)の優遇で、認定するのは国です。設備の取得は、前者は認定後が必須、後者は例外的に取得後の申請も可能です。要件を満たせば併用できます。

すでに設備を発注・取得した顧問先は使えますか。

認定前に取得した設備は、先端設備等導入計画の対象外です。取得日が今後の設備がないか、あわせて確認することをおすすめします。

どのような顧問先が対象ですか。

計画認定は中小企業者が対象です。例として、製造業その他は資本金3億円まで、または従業員300人までです。固定資産税の特例は、資本金1億円までの法人等が対象です。

ソフトウエアは対象になりますか。

固定資産税の特例の対象外です。機械装置・測定工具・検査工具・器具備品・建物附属設備が対象で、新品のみです。

目標を達成できなかった場合、罰則はありますか。

罰則はありません。ただし、達成できなかった理由の検討は求められます。

いつ頃までに相談すればよいですか。

市区町村の審査の標準処理期間は、目安が30日です。発注予定日から、2〜3か月の余裕をもってご相談ください。

顧問先が賃上げを表明しない場合は、どうなりますか。

賃上げ方針の表明は、軽減の期間と課税標準を左右します。表明の内容によって、3年間・課税標準50%、または5年間・課税標準25%の区分が変わります。表明は新規申請時のみ行えるため、申請前に社長と方針を確認しておくことが大切です。

確認書は、貴所の名前で出せないのですか。

確認書は認定経営革新等支援機関が発行します。税理士の先生が認定を受けている場合もありますが、計画の数字の組み立てまで含めると負担が大きく、KICKと連携して進める先生も少なくありません。

費用はどのくらいかかりますか。

具体額はここでは記載しません。詳細はサービスページにてご確認ください。

1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。設備の発注日が決まる前に、まずお声がけください。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。固定資産税の申告は貴所、計画策定と確認書の発行・市区町村への申請サポートはKICKという役割分担です。

\無料相談(30秒で予約)/

まとめ

設備投資の優遇は、認定が先、取得が後という順番がすべてです。順番を守れるかどうかは、先生方が発注前に声をかけられるかにかかっています。

  • 認定前に取得した設備は、固定資産税の軽減の対象外
  • 賃上げ3.0%の表明で、5年間・課税標準25%まで軽減
  • 確認書は認定経営革新等支援機関にしか発行できない
  • 税務は貴所、計画策定と確認書はKICKという役割分担

顧問先の次の設備投資が、認定の後になるように。その一言を添える役目を、KICKと分け合ってみませんか。

ブランディング|KICKコンサルティング株式会社 (銀座本社)

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