父から会社を継ぐ話が、ようやく具体的に動き出した。株式のことは税理士に相談を始めた。
ところが、会社で払い続けている保険の証券は、金庫に入ったままになっている。いつ、何のために入ったのかを説明できる人が、社内に一人もいない。
そんな状態ではないでしょうか。
結論から申し上げます。承継の前にやるべきことは、保険の入り直しではなく、いま入っている契約の点検です。
出版社には、他の業種にない事情があります。著者との関係を、社長や編集長が一手に握っていることが多いからです。
その人が倒れれば、企画は止まります。それでも、すでに払った制作費は戻ってきません。
- 親族内承継を控えた出版社の後継者の方
- 先代が入れた法人保険の中身を知らない方
- 社長不在で刊行が止まる不安をお持ちの方
- 運転資金をどこまで備えるか迷っている方
- 保険の点検を誰に頼めばよいか分からない方
- 出版社の法人保険が事業承継とずれていく理由と、放置したときに起きること
- 承継の前に点検する3つの観点と、それぞれの見どころ
- 契約目的・被保険者・受取人・保険金額・財務への影響を洗い出す保険の点検の手順
- 委託販売の入金サイクルから、刊行延期に耐える運転資金を逆算する考え方
- 2019年の通達改正後、法人保険の税制上の取扱いをどう捉えるか
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、法人支援150社以上の実績で承継の全体設計に伴走してきました。事業承継専属の保険代理店でもあります。
読み終えるころには、金庫から出した証券のどこを見ればよいかが分かります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約も、保険をおすすめする電話もありません。まずは、いま入っている契約の一覧をお聞かせください。
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出版社の法人保険が事業承継とずれていく理由と、放置したときに起きること

結論から申し上げます。ずれる原因は、保険が悪くなったからではありません。会社と社長の状況が、加入した当時から変わったからです。
出版社では、その変化が「刊行が続くかどうか」に直結します。理由を順に見ていきます。
出版社の法人保険とは、会社が契約者になってかける保険のこと
出版社の法人保険とは、会社が契約者となり、社長や役員などを被保険者としてかける保険のことです。
保険料を払うのは会社です。保険金や解約返戻金を受け取るのも、原則として会社になります。
個人で入る生命保険とは、目的がまったく違います。会社の保険は、家族の生活費のためではなく、事業を止めないために持つものです。
著者との関係が社長に集中していると、刊行延期がそのまま損失になる
刊行延期とは、企画や制作の途中で発売日を先へずらすことです。出版社にとっては、日常的に起こりうる出来事です。
問題は、その原因が「人の不在」だったときに起こります。
中小の出版社では、著者との交渉、企画の決裁、装丁の最終判断を社長や編集長が担っていることが少なくありません。長年の信頼関係が、その人個人に紐づいているからです。
その人が急に倒れると、次の3つが同時に起こります。
- 進行中の企画が止まる。原稿の督促も、著者への説明も引き継げません。
- 制作費だけが先に出ていく。原稿料、組版、装丁、印刷は前に払っています。
- 刊行予定が崩れ、翌期の売上計画が組み直しになる。
ここが出版社の難しさです。売れるはずだった本が出ないまま、支出だけが確定して残るという形で危機が来ます。
社長がいれば、著者に頭を下げて日程を組み直せたかもしれません。その説明ができる人がいないことが、いちばんの弱点になります。
委託販売のため、手元資金の必要額が読みにくい
運転資金とは、日々の事業を回すために必要な手元のお金のことです。出版社では、この必要額が読みにくいという特徴があります。
取次を通した委託販売では、書店に置かれた本が返品される可能性が残ります。出荷した時点では、売上がまだ確定しません。
入金は後から来て、返品は先の期に来ることもあります。制作費の支払いは、その前に済んでいます。
つまり、帳簿の数字と手元の現金が同じ動きをしません。いくら備えれば安心なのかを、決算書だけから読み取ることが難しい業種です。
この読みにくさが、保険の金額を決めるときの迷いにつながります。
先代が加入したまま放置された契約は、いまの事業規模と合っていないことがある
多くの契約は、加入した当時の会社に合わせて設計されています。
当時と今とで、借入残高も、社員数も、刊行点数も変わっているはずです。それでも、契約はそのまま走り続けます。
加入した当時と現在で、どこがずれやすいのかを整理します。
| 点検する項目 | 加入した当時 | いま起きていること |
|---|---|---|
| 被保険者 | 先代の社長が現役だった | 実務は後継者が回しているのに、保障は先代のまま |
| 保険金額 | 当時の借入残高に合わせた | 借入が減った一方、制作費の先行支出は増えた |
| 受取人 | 個人の相続を意識して決めた | 会社の資金繰りを守る目的と噛み合っていない |
| 契約目的 | 退職金の準備と説明された | 役員退職慰労金規程が整備されないまま残っている |
| 保険料の負担 | 利益が出ていた時期に決めた | 刊行点数の変動で、支払いが重く感じる期がある |
この表を見て「うちも当てはまる」と感じたなら、それは異常なことではありません。多くの会社で同じことが起きています。
放置したときに起きる、3つの具体的な困りごと
点検しないまま承継を迎えると、次のような場面で困ります。
- 万一のときに保険金が出ても、受取人が想定と違い、会社の資金繰りに使えない
- 後継者に保障がなく、承継後に同じリスクをそのまま抱え続ける
- 解約返戻金の積み上がりが自社株の評価に関わり、承継の設計とちぐはぐになる
3つめについて補足します。解約返戻金は会社の資産として積み上がるため、自社株の評価と無関係ではありません。
ただし、評価方法の選択や個別の税額の判断は税理士の領域です。ここでは「保険と株式の話は切り離せない」という点だけ押さえてください。
要するに、問題は保険そのものではなく、目的と現状のずれが放置されていることにあります。
出版社の法人保険を事業承継の前に点検する3つの観点

結論から申し上げます。点検の観点は3つです。目的、資金、そして守る相手の3つを順に見ます。
この順番には理由があります。目的が定まらないまま金額の話をすると、多いか少ないかを判断できないからです。
観点1 契約の目的が、いまの事業規模と合っているか
最初に見るのは、金額ではなく目的です。「この契約は、何が起きたときに、誰の何を守るために入ったのか」を一件ずつ言葉にします。
この作業を、私たちは保険の点検と呼んでいます。
保険の点検とは、いま加入している契約の目的・被保険者・受取人・保険金額・財務への影響を一枚に並べて、過不足を見える形にする作業のことです。
並べる欄は次のとおりです。
| 並べる項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 契約目的 | 事業継続なのか、退職金の準備なのか、納税資金なのかを一つに絞る |
| 被保険者 | いま会社を実際に動かしている人が対象になっているか |
| 受取人 | 会社と個人のどちらか。目的と受取人が噛み合っているか |
| 保険金額 | 刊行が止まった期間の支出と、借入の残りに見合うか |
| 財務への影響 | 保険料の負担と、解約返戻金の積み上がりが決算に与える影響 |
| 承継時の役割 | 承継の前後で、その契約が担う役割が変わらないか |
手順は次の4段階で進めます。
- 証券と契約内容の一覧を集める。法人契約と個人契約を分けて並べます。
- 一件ずつ、加入時の目的を書き出す。分からないものは「不明」と書いて構いません。
- いまの事業計画と突き合わせ、過剰な保障と足りない保障を色分けする。
- 承継のスケジュールに乗せ、いつ何を組み直すかを決める。
「不明」と書ける勇気が大切です。分からないものを分からないと認めた時点で、点検は半分終わっています。
目的が重複している契約が見つかることもあります。逆に、誰も守っていない空白が見つかることもあります。
観点2 刊行が止まったときの運転資金を、どこまで備えるか
2つめの観点は、金額の根拠です。感覚ではなく、自社の入金サイクルから逆算します。
出版社の場合、次の順で考えると数字が出しやすくなります。
- 社長が不在になってから、刊行が再開できるまでの月数を仮に置く
- その間に出ていく固定費を積む。人件費、家賃、倉庫料、在庫の保管費など
- すでに動いている企画の未払い分を足す。原稿料、組版、装丁、印刷の残り
- その期間に入ってくる入金を引く。委託販売の入金の遅れと返品を控えめに見る
- 差額が、手元に用意しておきたい金額の目安になる
ここで大事なのは、正確な一円を出すことではありません。話し合いの土台になる数字を、社内で共有することです。
その数字を、預金・借入枠・保険の3つでどう分担するかを決めます。すべてを保険で持つ必要はありません。
逆に、預金だけで数か月分を寝かせておくのも、出版社にとっては重い選択です。その資金は、本来なら次の企画に回せたお金だからです。
この配分の設計を、事業承継計画と一体で考える伴走役として、出版社の法人保険を再設計する事業承継専属の保険代理店という選択肢があります。商品ありきではなく、承継計画との整合性を先に置く進め方です。
観点3 承継の前後で「誰を守るか」が変わることを前提に組み直す
3つめの観点が、親族内承継でいちばん見落とされます。
保障の再設計とは、保険料を減らすことではなく、守る対象と金額を承継フェーズに合わせて組み直すことです。
親族内承継では、承継の前後で守る相手が入れ替わります。整理すると次のようになります。
- 承継前 会社を回しているのは先代。守るべきは先代不在時の刊行と資金繰り
- 承継の途中 二人が並走する時期。どちらが欠けても事業が揺れる
- 承継後 実務は後継者に移る。守るべき対象も後継者側へ移る
ところが契約は、放っておけば先代を被保険者にしたまま残ります。会社を動かしている人と、保障の対象がずれた状態が続くわけです。
あわせて、目的の受け皿になる社内の書類も点検します。役員退職慰労金の準備を目的にしているなら、役員退職慰労金規程の整備と、株主総会の決議という手続きが前提になります。
規程がないまま保険だけを持っていても、支払いの根拠が社内にありません。功績倍率法という考え方をどう規程に落とすかも、承継の設計に含めて話し合います。
死亡退職金や弔慰金には、非課税として扱われる枠が制度上あります。ただし、その計算や適用の可否は個別の事情によります。具体的な税額の判断は税理士に確認するのが正しい進め方です。
税制上の取扱いは、2019年の通達改正後の考え方で見る
先代の代から続く契約では、「保険料は全額が経費になる」と説明を受けたまま記憶が残っていることがあります。
いまは、その理解のままでは足りません。2019年(令和元年)の法人税基本通達の改正により、法人向け定期保険等の保険料は、最高解約返戻率に応じて取扱いが区分されるようになりました。
つまり、契約の中身によって、資産に計上する部分と経費にできる部分の割合が変わります。「全額が損金になる」と一般化して語れるものではありません。
加えて、新しい取扱いが適用されるかどうかは、契約した時期でも分かれます。先代の代の古い契約と、最近入った契約とで扱いが違うことは珍しくありません。
出典は国税庁の「法人税基本通達」です。実際の適用や、決算への影響額の判断は税理士の領域になります。
3つの観点を通して見ると、点検の目的がはっきりします。減らすためではなく、守るために組み直す。それが承継前の保険の点検です。
いま入っている契約を、そのまま持ってきていただくだけで構いません。その場で乗り換えをすすめることはありません。目的が分からない契約があっても、一緒に読み解くところから始めます。
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保障の再設計を終えた出版社が手に入れる3つの未来

結論から申し上げます。点検を終えた会社に起きる変化は、3つの軸で表れます。刊行、説明、そして家族です。
刊行が止まらない体制になる
1つめは、事業そのものの安定です。
人が欠けたときに何か月耐えられるのかが、数字として社内に共有されます。目安が見えれば、企画の決裁も落ち着いて進められます。
点検の過程では、保険の話だけでは終わりません。著者との窓口が一人に集中していること自体が、話し合いの俎上に載るからです。
担当を二人体制にする、契約書と条件のメモを共有フォルダに移す。そうした地味な整理が、同時に前へ進みます。
資金の備えと、人の備え。この両輪がそろって初めて、刊行が止まらない体制になります。
後継者が、金融機関にも著者にも自分の言葉で説明できる
2つめは、後継者の立場の変化です。
親族内承継でいちばん重いのは、株式でも保険でもなく「信用の引き継ぎ」だと感じています。
取引金融機関は、代が替わるときに必ず会社の備えを見ます。そのときに「万一の場合、この期間はこう資金を回します」と後継者本人が説明できるかどうか。
ここで言葉が出てくる会社と、先代に電話をかける会社とでは、その後の関係が変わります。
著者との関係も同じです。編集の窓口が誰であっても、刊行の約束を守れる会社だと示せることが、次の企画につながります。
家族と社員の生活に、線が引ける
3つめは、家族の安心です。
法人契約と個人契約を分けて整理すると、会社を守るお金と、家族の生活を守るお金の線がはっきりします。
先代の引退後の生活費、後継者以外のご兄弟への配慮、社員の雇用。どれも、株式の話とは別に決めておくべきことです。
この整理ができていないと、相続の場面で「会社のお金」と「家のお金」が混ざり、話し合いが感情的になりやすくなります。
逆に、線が引けていれば、家族で話す土台ができます。保険の整理は、家族会議の準備でもあります。
刊行が止まらない体制、後継者自身の説明力、そして家族の安心。この3つを、共に手に入れましょう。
自社だけで保険の点検を進める限界と、KICKの支援

結論から申し上げます。自社だけで進めにくい理由は、知識が足りないからではありません。話す相手が分かれているからです。
「税理士・保険担当者・後継者」の話が噛み合わない
点検を始めると、多くの会社が同じ壁に当たります。
- 税理士には決算と税務の相談をしているが、保障の設計までは話題に上がらない
- 保険の担当者は契約単位で説明するため、承継全体の絵が見えない
- 後継者は両方の話を聞くが、判断の基準を持てないまま止まってしまう
それぞれが、それぞれの持ち場で正しいことを言っています。誰も間違っていません。
それでも進まないのは、全体をつなぐ人がいないからです。バラバラのまま時間だけが過ぎることが、承継における本当のリスクになります。
誰が何を担当するのかを、はじめに確認しておく
役割を最初に整理しておくと、相談の効率が上がります。
| 担当 | その専門家が担うこと |
|---|---|
| 税理士 | 個別の税務判断、税務申告、税額の計算 |
| 司法書士 | 登記の手続き |
| 弁護士 | 法律の判断、紛争への対応 |
| KICKコンサルティング | 承継全体の設計と伴走、保険の点検と保障の再設計 |
私たちは税務代理を行いません。顧問税理士の判断を土台に、承継の全体設計の中で保険の役割を組み直す立場です。
KICKコンサルティングができること
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士が代表を務める、認定経営革新等支援機関です。法人支援の実績は150社以上あります。
あわせて、事業承継専属の保険代理店でもあります。だからこそ、承継計画と保険の設計を切り離さずに見ることができます。
ご一緒する内容は次のとおりです。
- いまの契約の棚卸し。目的・被保険者・受取人・保険金額を一覧にします。
- 刊行が止まった場合の資金シミュレーション。委託販売の入金の遅れを織り込みます。
- 過剰な保障と足りない保障の可視化。削る話と足す話を同じ表の上で見ます。
- 承継スケジュールへの反映。株式の移転や役員の交代と時期を合わせます。
- 顧問税理士との連携。税務の確認が必要な論点を、整理してお渡しします。
特定の保険会社や商品を前提にした提案はしません。まず点検、次に設計、商品はいちばん最後という順序を守ります。
結果として「いまの契約のままで問題ありません」という結論になることもあります。それも一つの成果です。
ご相談の場で契約をお願いすることはありません。その場で判断を迫ることも、後から営業の電話をかけることもありません。証券が見つからない状態からでも構いません。
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出版社の法人保険と事業承継の保険についてよくある質問

後継者の方からよくいただく質問をまとめました。
Q. 出版社の法人保険は、いくら備えれば足りますか
A. 一律の正解はありません。刊行が止まる期間を仮に置き、その間の固定費と制作費の未払い分を積み上げて考えます。
そこから、入ってくる予定の入金を控えめに見て差し引きます。残った差額が、備えたい金額の目安です。
その金額を、預金・借入枠・保険の3つで分担します。まずは自社の入金サイクルを一枚の紙に書き出すところから始めてください。
Q. 先代が加入した契約は、解約したほうがよいですか
A. 目的を確かめる前に解約する判断はおすすめできません。削りすぎれば、万一のときに事業も家族も支えられなくなります。
まずは、その契約が何を守るために入ったのかを言葉にしてください。目的が今の会社と合っていれば、そのまま残す選択もあります。
目的が重複していたり、守る相手がいなくなっていたりする場合に、はじめて組み直しを検討します。
Q. 保険の点検では、具体的に何をするのですか
A. いま加入している契約を一覧にして、契約目的・被保険者・受取人・保険金額・財務への影響・承継時の役割を並べます。
並べる目的は、過剰な保障と足りない保障を同じ画面で見えるようにすることです。
証券のコピーと、直近の決算書があれば着手できます。分からない項目は空欄のままで構いません。
Q. 保険料は経費として処理できますか
A. 契約の内容によって変わります。2019年(令和元年)の法人税基本通達の改正後、法人向け定期保険等は最高解約返戻率に応じて取扱いが区分されています。
そのため、「全額が経費になる」と一般化して考えることはできません。契約した時期によっても扱いが分かれます。
個別の判断と決算への反映は税理士の領域です。証券を持って顧問税理士に確認してください。
Q. 保険の点検は、いつから始めればよいですか
A. 承継の話が出た時点が始めどきです。株式の移転や役員の交代より前に着手すると、設計の自由度が残ります。
被保険者の変更や新しい保障の検討には、健康状態の確認が関わる場合があります。時間の余裕があるほど選べる幅は広がります。
まずは証券を一か所に集めることから始めてください。それだけで話が前に進みます。
Q. 被保険者を先代から後継者に変えることはできますか
A. 契約の種類によって、できる場合とできない場合があります。既存の契約をそのまま変更できないケースもあります。
その場合は、先代の契約をどう扱うかと、後継者の保障をどう用意するかを分けて考えます。
健康状態や年齢によって選べる方法が変わるため、承継のスケジュールと合わせて早めに整理しておくと安心です。
Q. 運転資金は、何か月分を見ておけばよいですか
A. 業種一律の月数ではなく、自社の刊行サイクルから決めます。
企画の決裁から刊行までにかかる期間と、委託販売の入金までの期間を足すと、目安の長さが見えてきます。返品の可能性も控えめに織り込みます。
まずは直近2期の入出金の動きを月ごとに並べてみてください。自社の資金の谷がどこにあるかが分かります。
Q. 相談すると、保険をすすめられるのではありませんか
A. その場でご契約をお願いすることはありません。点検の結果、いまの契約のままがよいという結論になることもあります。
私たちが先に見るのは、商品ではなく承継計画との整合性です。順序として、商品はいちばん最後になります。
お断りいただいて構いません。まずは現状の一覧をお持ちください。
Q. 個人で入っている保険とは、どう分けて考えますか
A. 法人契約は会社の資金繰りを守るもの、個人契約は家族の生活を守るものと役割を分けます。
両方を一枚に並べると、重なっている部分と空いている部分が見えてきます。会社の保障だけが厚く、家族側が手薄なケースもあります。
親族内承継では、この線引きが相続の話し合いにも影響します。株式の分け方と合わせて整理してください。
Q. 保険の点検には、どんな資料を用意すればよいですか
A. 保険証券のコピー、直近3期分の決算書、借入の一覧があれば十分です。役員退職慰労金規程があれば、あわせてお持ちください。
証券が見当たらない場合でも、契約している旨が分かる書類から確認を進められます。
資料がそろっていないことを理由に、点検を先送りする必要はありません。手元にあるものから始めます。
まとめ

出版社の法人保険を、事業承継の前に点検する3つの観点をお伝えしました。
1つめは、契約の目的がいまの事業規模と合っているかを確かめること。2つめは、刊行が止まったときの運転資金を入金サイクルから逆算すること。
3つめは、承継の前後で守る相手が変わる前提で、保障を再設計することです。
出版社では、著者との関係が社長や編集長に集中しがちです。その人が欠ければ刊行延期となり、制作費の先行支出だけが残ります。
委託販売による入金の遅れもあり、必要な手元資金は決算書だけからは読み取りにくいのが実情です。
だからこそ、先代が加入したまま放置されている契約が、いまの事業規模と目的に合っているかを点検する価値があります。
点検は、減らすための作業ではありません。守るために組み直す作業です。削りすぎれば、万一のときに事業も家族も支えられなくなります。
税制上の取扱いは、2019年の通達改正後の考え方で見ます。個別の税務判断は税理士に確認しながら進めてください。
証券を金庫から出す。それだけで、承継の準備は一歩進みます。
ご相談は無料です。売り込みも、その場でのご契約もありません。お断りいただいて構いません。まずは、いまの状況をそのままお聞かせください。
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