
「保険には昔から入っている。でも、それが今の会社に合っているかは正直分からない」。役員や幹部社員への従業員承継を進める経営者から、KICKコンサルティングにはこうした声がよく届きます。
創業当初やご自身が単独で株式を持っていた頃に加入した法人保険が、契約内容を見直さないまま何年も続いている。中小企業ではよくあることです。しかし従業員承継(MBO・EBO)が進むと、被保険者・受取人・保障の目的が、承継後の会社の実態とズレたままになっていることがあります。
結論から言うと、法人保険は「入っているかどうか」ではなく「今の承継フェーズに合っているかどうか」で見るべきものです。契約を減らすことが目的ではなく、過不足を可視化したうえで守るべきところを守り直す。それが、承継期の法人保険との向き合い方です。
お盆休みや夏季休業で、少し会社のペースが落ち着く8月。社長室や金庫の中を片付けるついでに、契約証券を一度まとめて確認してみるには良いタイミングです。決算月が12月の会社であれば、ちょうど8月末は法人税の中間申告・中間納付の期限にもあたり(3月決算の会社では11月末が期限です)、資金繰りに向き合う機会と重なる方も多いのではないでしょうか。お金の流れを見直すこの時期に、法人保険もあわせて点検しておくと、承継の準備が一段と進みます。
- 役員・幹部社員への従業員承継を進めている社長
- 法人保険に入っているが目的があいまいな方
- MBO・EBOで後継者が決まり、次の準備を考えたい方
- 承継後も前経営者のままの契約が気になる方
- 保険の見直しで営業されるのが不安な方
- 従業員承継後に法人保険がズレたままになる理由
- 法人保険を見直す3つの視点
- 役員退職金の準備と法人保険の関係の整理の仕方
- 見直しをやり切った先に手に入る未来
- 自社だけで進める限界と、事業承継専属の保険代理店としての支援
この記事は、法人支援150社以上の実績を持つKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史の知見をもとに、従業員承継を進める経営者向けにまとめました。読み終える頃には、自社の法人保険をどこから点検すればよいかが見えているはずです。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
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従業員承継(MBO・EBO)で法人保険がズレたままになる理由

役員や幹部社員への従業員承継は、株式の買取資金や個人保証の整理に意識が向きがちです。その一方で、会社が契約している法人保険は、いつの間にか点検の優先順位から外れてしまいます。
株式や資金の話は、後継者候補との話し合いの中で自然と俎上に上がります。しかし法人保険は、契約書が引き出しの奥にしまわれたまま、誰かが「そういえば」と言い出さない限り、話題にすら上がりません。意識して確認しにいかない限り、承継の最後まで手つかずのままになりやすいのが、法人保険という論点の特徴です。
被保険者が「前経営者のまま」という問題
法人保険の多くは、契約当時の経営者を被保険者(保険の対象となる人)として設計されています。従業員承継が進み、経営の実権が後継者に移っても、保険契約上の被保険者はあなたのままになっているケースが少なくありません。この状態では、万一の際に保険金が想定どおりの目的で使われるとは限らず、承継後に必要な保障と、実際の契約内容がかみ合わなくなります。
「過剰」と「不足」が同時に起きる
契約内容を見直さないまま時間が経つと、会社にとって過剰な保障と本来必要な保障の不足が同時に起きていることがあります。たとえば、すでに役割を終えた古い契約に保険料を払い続ける一方で、後継者の株式買取資金や、あなた自身の退任後の生活設計に必要な備えが手つかずのまま、ということも珍しくありません。
| 状態 | 承継期に起きやすいこと |
|---|---|
| 被保険者が前経営者のまま | 承継後の実態と保障目的がずれる |
| 契約目的を見直していない | 過剰な保障と不足した保障が同時に存在する |
| 法人・個人の保険がバラバラ | 役割分担が不明確なまま重複・漏れが生じる |
「入っているから大丈夫」という思い込みのまま承継が進むと、いざという時に保障が機能しないリスクがあります。逆に言えば、承継のタイミングで一度棚卸しをするだけで、過不足はかなり見えるようになります。次の章で、具体的な見直しの視点を見ていきます。
契約が複数の会社に分散しているケースも多い
長年経営を続けてきた会社ほど、法人保険の契約が一社にまとまっておらず、複数の保険会社にまたがって分散しているケースをよく見かけます。加入の経緯や担当者が変わるたびに契約が積み重なり、全体像を把握している人が社内に誰もいない、という状態になっていることも珍しくありません。
この状態のまま承継が終わると、後継者は「よく分からない契約の束」をそのまま引き継ぐことになります。あなたが「付き合いで入った」と説明できるうちに整理しておくことが、後継者への何よりの引継ぎになります。
従業員承継では、後継者はあなたほど契約の経緯を知りません。だからこそ、あなたが経営している間に一度、全体を棚卸ししておくことが、後継者への引継ぎをスムーズにする第一歩になります。
「保険は税理士や保険会社に任せているから大丈夫」の落とし穴
顧問税理士は決算・税務の専門家であり、法人保険の契約内容そのものを日常的に点検する立場ではないことがほとんどです。保険会社の担当者も、自社が扱う商品の範囲では丁寧に対応してくれますが、他社で加入した契約や、承継計画全体との整合性まで踏み込んで見てくれるとは限りません。
結果として、「税理士に任せているから」「保険会社の担当者が定期的に来るから」という理由で、契約全体を俯瞰する機会がないまま承継の時期を迎えてしまう会社は少なくありません。
従業員承継の法人保険を見直す3つの視点

法人保険の見直しは、契約を減らすか増やすかという発想ではなく、健康診断のように、いまの契約を一件ずつ点検して見える形にすることから始めます。KICKコンサルティングが従業員承継のご相談で伴走する際も、次の3つの視点で棚卸しします。
- 契約目的を一つずつ洗い出す。それぞれの契約が「役員退職金の準備」「株式買取資金の備え」「万一の際の事業継続資金」のうち、どの目的で加入したものかを一件ずつ確認します。目的が分からなくなっている契約こそ、見直しの優先度が高いものです。
- 被保険者・受取人が承継後の実態と合っているか確認する。被保険者が前経営者のままの契約、受取人の指定が古いままの契約がないかを点検します。承継後の役割分担に合わせて、名義や受取人の見直しが必要かどうかを整理します。
- 過剰と不足を可視化し、優先順位をつける。洗い出した契約を、承継後に必要な目的(役員退職金・株式買取資金・納税資金・事業継続資金)と照らし合わせ、過剰な部分・不足している部分を可視化します。すべてを一度に見直すのではなく、優先度の高いものから手をつけます。
ここで大切なのは、「減らすための見直し」ではなく「守るための再設計」という順序です。保障を安易に削ってしまうと、万一のときに事業継続や家族の生活に影響が出かねません。商品ありきで考えるのではなく、事業承継計画全体との整合性を優先しながら整理することが欠かせません。
優先順位のつけ方
すべての契約を一度に見直そうとすると、作業が止まってしまいます。まずは金額の大きい契約と目的が分からなくなっている契約の2つから手をつけるのが現実的です。金額の大きい契約は、承継後の資金計画への影響も大きく、目的が分からなくなっている契約は、そもそも「なぜ入っているか」を確認すること自体に価値があります。
役員退職金の準備という目的との関係
20年、30年と育ててきた会社は、あなたにとって我が子と変わらない存在だと思います。休みの日も頭から会社が離れず、資金繰りに眠れない夜もあった。従業員の生活を背負い、取引先に頭を下げ、ご家族との時間を後回しにしてきた年月があったはずです。
その会社を、自分の手で選んだ後継者に託す。寂しさもある一方で、経営者人生の一つの完成でもあります。だからこそ、バトンを渡した後の第二の人生は、これまで頑張ってきた分だけ豊かであってほしいと考えています。長年支えてくれた奥さんとゆっくり旅行に出かける、孫の行事に予定を気にせず顔を出す。そうした時間を心置きなく過ごすための土台が、役員退職金です。
だからこそ従業員承継では、退任するあなた自身の役員退職金をどう準備するかも大切な論点になります。法人保険は退職金準備の選択肢の一つとして使われることがありますが、保険料の税務上の取扱いは契約内容や加入時期によって区分が変わるため、具体的な取扱いは税理士に確認しながら進める必要があります。「保険料は入っていれば全額損金になる」といった一般論ではなく、契約ごとに確認する姿勢が大切です。
こうした契約目的の洗い出しから、被保険者・受取人の見直し、承継計画全体との整合性の確認まで、事業承継専属の保険代理店としての法人保険の見直しの中で伴走しています。特定の商品への加入を前提にした提案ではなく、まず現状を可視化するところから始めます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは今の契約内容の棚卸しだけでもお聞かせください。
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法人保険の見直しをやり切った先に手に入る未来

契約目的の洗い出しと再設計を終えた先に、経営者が実際に手にするものを3つの軸で見てみましょう。
承継後の資金の安心という軸
役員退職金や株式買取資金といった、承継の局面で必要になる資金の準備状況が可視化されるため、「足りているのか、足りていないのか分からない」という不安から抜け出せます。必要な備えがどこまで整っているかが具体的に見える状態は、それ自体が安心材料になります。
経営リスクが見える化される軸
被保険者や受取人が承継後の実態と合っているかを点検することで、万一の際に保障が本来の目的どおりに機能するかどうかを、事前に確認できるようになります。気づかないまま放置していたズレを、承継が完了する前に解消できることは、経営の安定に直結します。
あなたと家族の暮らしという軸
退任後の生活設計と、会社に必要な保障を切り分けて考えられるようになるため、法人としての備えと、あなた個人・ご家族の生活設計の両方を、無理なく両立させやすくなります。
この3つの軸は、順番に積み上がっていくものです。契約目的が可視化されるからこそ資金の見通しが立ち、資金の見通しが立つからこそ経営リスクが減り、経営リスクが減るからこそ、あなた自身も家族も安心して次の生活を描けるようになります。地道な棚卸し作業一つひとつが、最終的にこの3つすべてにつながっています。
承継後の資金の安心、経営リスクの見える化、そしてあなたと家族の暮らし。この3つを、契約の棚卸しという地道な作業の先に共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、事業承継専属の保険代理店としての支援

法人保険の見直しを自社だけで進めようとすると、いくつかの壁にぶつかります。
まず、加入している契約の数が多い会社ほど、契約目的の洗い出し自体に時間がかかります。証券を引っ張り出して一件ずつ内容を確認する作業は、日々の経営と両立させるのが簡単ではありません。次に、保険の見直しには税務・法務・承継計画全体の整合性という複数の視点が必要で、保険単体で判断すると、承継計画全体とちぐはぐな見直しになってしまうことがあります。個別の税務上の取扱いの確認は、税理士の領域であることも忘れてはいけません。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、事業承継専属の保険代理店として、契約目的の洗い出しから、被保険者・受取人の点検、事業承継計画全体との整合性の確認まで伴走します。特定の保険会社・商品を前提にした提案ではなく、まず現状を可視化し、承継計画に合わせて過不足を整理するという順序を大切にしています。税務上の個別判断が必要な場面では、税理士と役割分担しながら進めます。
保険代理店であり、事業承継の専門家でもある立場
一般的な保険の見直し相談は、保険という一つの分野だけを切り取って行われることが多く、承継計画全体との整合性までは踏み込まないことがあります。逆に、事業承継の相談窓口が保険の詳細まで踏み込めないケースもあります。KICKコンサルティングは、中小企業診断士・事業承継士として承継全体を設計する立場と、事業承継専属の保険代理店という立場を併せ持っているため、株式・資金・保険を切り離さずに、一つの計画として整理できることが特徴です。
ご相談いただいた際は、まず現在加入している契約の証券を確認するところから始めます。会社の規模や契約数によって進め方は変わりますが、「何が分かれば安心できるか」を一緒に整理すること自体が、最初の一歩になります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状の契約件数だけでもお聞かせください。
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よくある質問|事業承継期の法人保険の見直しの疑問を解消

Q. 法人保険はどのタイミングで見直せばよいですか
A. 後継者候補が決まった段階、あるいは従業員承継の話が具体化してきた段階が、見直しを始める良いタイミングです。承継が完了してから気づくよりも、進行中に契約目的を確認しておくほうが、選べる対応の幅が広くなります。実務的には、お盆休みなど会社のペースが落ち着く時期や、中間申告・中間納付で資金繰りに向き合う時期に合わせると、着手しやすくなります。
Q. 見直すと保険料は必ず減りますか
A. そのようなことはありません。見直しの目的は保険料を減らすことではなく、契約目的と承継後の実態を合わせることです。結果として過剰な契約を整理できる場合もあれば、逆に不足していた保障を補う必要が見つかる場合もあります。
Q. 役員退職金の準備として法人保険は有効ですか
A. 目的の一つとして選択肢になり得ますが、保険料の税務上の取扱いは契約内容や加入時期によって区分が変わります。「入っていれば安心」という捉え方ではなく、契約ごとの取扱いを税理士に確認しながら、承継計画全体の中で位置づけることが重要です。功績倍率法などで退職金のおおよその水準を把握したうえで、備え方を検討する流れになります。
Q. 被保険者が前経営者のままだと、何が問題になりますか
A. 万一の際に、保険金が想定していた目的(役員退職金や株式買取資金など)に使われない可能性があります。承継後の実態に合わせて、被保険者や受取人の指定を見直す必要がないか確認することが大切です。
Q. 従業員承継(MBO・EBO)特有の注意点はありますか
A. 株式買取資金や個人保証の整理に意識が向きやすく、法人保険の見直しは後回しになりがちです。株式・保証・保険は別々の論点に見えて、実は承継計画という一つの絵の中でつながっています。並行して整理することをおすすめします。たとえば、あなたの退任時の役員退職金の準備状況は、後継者が用意すべき株式買取資金の計画にも影響することがあります。
Q. 保険会社や商品を指定して相談できますか
A. まずは現状の契約内容と目的を整理することから始めます。特定の保険会社・商品ありきでの提案は行わず、承継計画全体との整合性を優先して検討します。
Q. 法人と個人、どちらの保険を優先すべきですか
A. どちらか一方を優先するというより、法人としての備えと、あなた個人・ご家族の生活設計をそれぞれ整理したうえで、役割分担を明確にすることが大切です。法人契約だけを見直しても、個人の備えが手つかずでは片手落ちになります。
Q. 見直しにはどれくらいの時間がかかりますか
A. 契約件数や資料の整い方によって異なりますが、まず契約目的を洗い出す段階だけでも一定の時間を要します。契約が複数の保険会社に分かれている場合は、証券を集めるだけでも時間がかかることがあります。承継のスケジュールに間に合わせるためにも、早めに着手することをおすすめします。
Q. 相談すると必ず契約の変更を求められますか
A. そのようなことはありません。現状を確認した結果、「今のままで問題ない」という結論になることもあります。無理に変更を勧めることはありませんので、まずは現状の棚卸しからご相談ください。
Q. 相談すると必ず契約しなければなりませんか
A. その場での契約やしつこい営業を行うことはありません。お断りいただいても構いませんので、まずは状況をお聞かせください。
まとめ
従業員承継(MBO・EBO)が進むほど、株式買取資金や個人保証に意識が向き、法人保険は後回しになりがちです。しかし、被保険者が前経営者のままの契約や、目的があいまいなまま続いている契約は、承継が完了した後に気づいても手遅れになりかねません。
「入っているから大丈夫」という思い込みのまま承継を終えるほど、保障が機能しないリスクは見えにくくなります。今のタイミングで契約目的を洗い出すだけでも、過不足はかなり見えるようになります。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、事業承継専属の保険代理店として、契約目的の洗い出しから承継計画全体との整合性の確認まで伴走します。まずは現状の契約を整理するところから、一緒に始めましょう。
「保険はよく分からないまま入っている」という状態は、多くの中小企業に共通することであり、恥ずかしいことではありません。大切なのは、承継が完了する前に一度立ち止まって確認することです。証券を集めるところからで構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
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