
「森林組合や造林業者への外注費は年々上がるのに、丸太の販売価格は思うように上がらない」——そんな悩みを抱えていませんか。
燃料費や資材費の高騰が続くなか、林業経営は厳しい局面にあります。気づけば決算が赤字続きで、純資産がマイナス(債務超過)になっていたという素材生産業者・森林組合も少なくありません。
一方で、林業分野は2024年度に特定技能の対象に加わり、深刻な人手不足を補う担い手として外国人材への期待が高まっています。ところが、直近決算が赤字や債務超過だと、受け入れ審査で立ち止まってしまう企業が後を絶ちません。
素材生産業者(伐採・集材会社)、森林組合、造林・育林専門会社——どの立場であっても、悩みの本質は同じです。「担い手が足りないのに、財務状況を理由に受け入れが進まない」というジレンマを抱えているのではないでしょうか。
- 木材価格の低迷で赤字が続く経営者の方
- 燃料費・資材費の高騰で採算が悪化した方
- 特定技能で人手不足を解消したい方
- 債務超過で受入れ審査が不安な総務担当の方
結論から言えば、直近決算が債務超過であっても、改善の見通しを客観的に示す「企業評価書」を用意すれば、特定技能の受け入れを前に進められます。放置すれば、担い手不足はさらに深刻化し、事業継続そのものが危うくなりかねません。
- 林業が赤字・債務超過に陥る3つの構造的な原因
- 企業評価書を用意する4つの鉄則
- 特定技能の受け入れで手に入る未来
- 自社対応の限界と専門家に頼むメリット
本記事は、法人支援150社以上の実績を持つ中小企業診断士が、林業特有の事情を踏まえて解説します。読み終える頃には、自社が今すぐ着手すべきことが明確になっているはずです。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
林業が赤字・債務超過に陥る構造と、放置したときに起きること

林業の収益構造には、売上(丸太の販売価格)を自社でコントロールしにくいという特徴があります。これが赤字化・債務超過の根本原因です。
惣菜製造や金属加工など他業種のように、自社ブランドで価格を決められる余地は限られています。市場相場と外部コストの両方に挟まれる構造そのものを理解した上で、対策を考える必要があります。
原因(1) 木材価格の下落・変動
国産材(スギ・ヒノキ等)の価格は、需給や為替、輸入材の動向に左右され、下落局面が続いてきたと林野庁の森林・林業白書は指摘しています。素材生産業者(伐採・集材会社)にとって、丸太の販売価格は取引先の相場に合わせるほかなく、自社の裁量で決められる余地は小さいのが実情です。
丸太の販売価格が下がっても、伐採・搬出のコストはすぐには下がりません。売上が落ちても経費は据え置きという状態が、利益を圧迫します。森林組合が受託する造林・育林・保育作業も、単価が固定化しやすく、資材費が上がった分だけ利幅が薄くなる構造は同じです。
原因(2) 燃料費・資材費の高騰
高性能林業機械(ハーベスタ・フォワーダ・プロセッサ等)は、稼働に軽油等の燃料を大量に使います。燃料価格の高騰は、そのまま経費の増加に直結します。
林野庁が燃油高騰対策を打ち出すほど、燃料費は林業経営を圧迫する重い負担になっています。造林・育林専門会社では、苗木や下刈り用の資材費も上がっており、売上原価が年々かさむのに販売価格は据え置きという板挟みの状態が続きます。
加えて、林業機械は導入から更新までの投資額が大きく、修繕・部品調達のコストも見過ごせません。老朽化した機械を無理に使い続ければ、故障や事故のリスクも高まります。
原因(3) 担い手不足・高齢化による生産性の伸び悩み
林業就業者の高齢化は他産業より進んでいるとされ、若い担い手の確保が長年の課題です。人手が足りないまま無理に現場を回せば、事故のリスクや生産性の低下も招きます。
季節や天候による作業の中断も多く、繁忙期に人手を厚くできないと、受注できる仕事量そのものが頭打ちになります。人が足りないから受注を絞る、受注が減るから利益が出ないという悪循環に陥っている素材生産業者・森林組合も少なくありません。
季節変動と稼働率の低さも利益を圧迫する
林業は積雪や降雨の影響を受けやすく、年間を通じて稼働率が一定しません。稼働できない期間も機械のリース料や保険料、人件費の固定費は発生し続けます。
造林・育林専門会社では、下刈りや植栽の作業が特定の時期に集中するため、その時期だけ人手を確保できないと、年間の受託件数そのものが減ってしまいます。繁忙期に必要な人数を安定して確保できるかどうかが、年間収益を大きく左右します。
| 原因 | 経営への影響 |
|---|---|
| 木材価格の下落・変動 | 売上が不安定になり、利益計画が立てにくい |
| 燃料費・資材費の高騰 | 固定費・変動費ともに増加し、利益率が下がる |
| 担い手不足・高齢化 | 生産性が伸びず、受注を増やせない |
このまま放置すればどうなるでしょうか。赤字が続けば純資産はさらに目減りし、債務超過が深刻化します。金融機関からの評価が下がれば、新たな機械投資のための資金調達も難しくなります。
そして、担い手不足を補うはずの特定技能の受け入れも、財務状況が理由で立ち止まってしまいます。悪循環から抜け出すには、まず現状を客観的な数字で把握することが出発点です。
債務超過でも特定技能を受入れる4つの鉄則

直近決算が債務超過でも、特定技能の受け入れを諦める必要はありません。ポイントは「改善の見通しを客観的に示す」ことです。次の4つの鉄則を押さえましょう。
- 鉄則1 現状の財務を正しく可視化する 決算書・試算表をもとに、赤字・債務超過の原因を項目ごとに分解します。
- 鉄則2 改善計画を数値で組み立てる 伐採コスト・燃料費・人件費など改善余地のある項目を洗い出し、数年先までの改善見通しを数値で示します。
- 鉄則3 第三者による企業評価書を用意する 中小企業診断士等の資格者が、改善見通しを客観的に評価した書面(企業評価書)を作成します。
- 鉄則4 受入れ機関としての体制を整える 特定技能外国人の生活支援体制や登録支援機関との連携も、審査で確認される重要な要素です。
鉄則1の実務 どの資料から着手するか
まず着手すべきは、直近3期分の決算書・試算表・資金繰り表の整理です。素材生産業者であれば伐採・搬出別の原価、森林組合であれば受託事業ごとの採算を分けて見ると、赤字の発生源が見えてきます。
「なんとなく厳しい」を「どの部門がいくら赤字か」まで分解することが、改善計画の精度を左右します。
鉄則2の実務 改善計画に必ず入れる3つの視点
改善計画は、感覚ではなく数値で組み立てます。特に次の3点は、審査で必ず確認される項目です。
- 売上(受注量・単価)を今後どう伸ばすか
- 燃料費・資材費・人件費をどう抑えるか
- 債務超過をいつ・どこまで解消できるか
鉄則3の実務 企業評価書に盛り込む内容
企業評価書とは、外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受け入れにあたり、直近決算が債務超過の企業に求められる書面です。中小企業診断士または公認会計士のみが作成できます。
財務状況の分析結果、赤字・債務超過に至った要因、そして改善計画の実現可能性についての評価が、客観的な根拠とともに記載されます。数字の裏付けがあるかどうかが、審査を通過できるかの分かれ目です。「頑張って改善します」という言葉だけでは、審査を通過する根拠にはなりません。
鉄則4の実務 受入れ体制もあわせて点検する
財務面の準備と並行して、外国人材の住居手配や生活支援、日本語学習のサポートなど、受入れ機関としての体制も点検しておきましょう。登録支援機関に委託する場合は、早めに相談しておくと準備がスムーズです。
山間部に現場を持つ素材生産業者や造林・育林専門会社では、通勤手段や住居の確保が課題になりやすい点にも注意が必要です。財務の見通しだけでなく、生活支援の実務まで含めて準備を進めることで、審査後の受け入れもスムーズに進みます。
受け入れ後の定着支援も見据え、日本語でのコミュニケーションが難しい現場での安全教育の方法まで、事前に検討しておくと安心です。
4つの鉄則を進める順序の目安
4つの鉄則は、必ずしも一つずつ順番に進める必要はありません。実務では、財務の可視化と改善計画の数値化を並行して進め、方向性が固まった段階で企業評価書の作成に着手するのが効率的です。
| 段階 | 主な作業 |
|---|---|
| 準備 | 決算書・試算表・資金繰り表の整理(鉄則1) |
| 計画 | 改善計画の数値化、売上・原価・債務超過解消時期の設定(鉄則2) |
| 評価 | 中小企業診断士等による企業評価書の作成(鉄則3) |
| 体制 | 受入れ機関としての生活支援体制の整備(鉄則4) |
自社の改善計画を、こうした債務超過企業向けの企業評価書作成支援に相談すれば、必要書類の準備から審査対応まで一貫して進められます。
企業評価書は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20に該当する書面です。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状の数字から一緒に整理しましょう。
企業評価書を整えた先に手に入る未来

企業評価書を用意し、特定技能の受け入れが前進すると、経営には次の3つの変化が生まれます。
1.人材の軸 現場の担い手が確保できる
特定技能の外国人材が加われば、伐採・造材・運搬といった現場作業の人手不足を補えます。既存の日本人スタッフの負担も軽くなり、無理な兼務や長時間労働も減らせます。ベテラン社員が若手や外国人材の指導に時間を割けるようになれば、技術の継承という長年の課題にも一歩前進できます。
担い手が増えれば、これまで人手不足を理由に断っていた受注も受けられるようになります。現場が回る体制は、売上を伸ばす土台そのものです。
2.数字の軸 資金繰りの見通しが立つ
改善計画を数値で組み立てる過程で、どこにコストがかかっているかが可視化されます。場当たり的な資金繰りから、計画的な資金繰りへ切り替わります。
燃料費や資材費の変動を見越した資金繰り表があれば、価格が急に上がった月でも慌てずに対応できます。経営者自身が「あと何か月で改善するか」を数字で説明できる状態は、大きな安心材料になります。
3.関係性の軸 金融機関からの信頼が回復する
客観的な企業評価書を金融機関に示せば、「行き当たりばったりではなく、根拠のある改善に取り組んでいる会社」という印象を与えられます。
機械の更新投資や運転資金の融資相談も、改善の見通しが数字で示せていれば話が進みやすくなります。取引先の元請けや発注元に対しても、経営の安定性をアピールできます。
| 軸 | 企業評価書を用意する前 | 企業評価書を用意した後 |
|---|---|---|
| 人材 | 人手不足で受注を絞る | 特定技能の受入れで現場が回る |
| 数字 | 資金繰りが場当たり的 | 改善計画に基づき先を見通せる |
| 関係性 | 金融機関への説明に苦慮 | 根拠を示して信頼を得られる |
木材価格に左右されにくい体質へ、そして担い手が定着する現場へ。この2つを共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、企業評価書作成の支援

企業評価書は、財務分析の専門知識が求められる書面です。自社の担当者だけで作ろうとすると、いくつかの壁にぶつかります。特に、経理担当を専任で置いていない小規模な素材生産業者や造林・育林専門会社では、決算書の数字を経営改善の材料として読み解くこと自体が負担になりがちです。
壁(1) 作成できる資格が限られている
企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士に限られます。税理士では作成できません。顧問税理士に相談しても対応できず、どこに頼めばよいか分からないまま時間だけが過ぎてしまうケースも見られます。
壁(2) 時間と手間がかかる
決算書の読み込みから改善計画の数値化まで、通常業務と並行して進めるには相応の時間がかかります。現場を止めるわけにはいかない林業の経営者にとって、負担は小さくありません。
特に伐採・搬出のスケジュールが天候に左右される時期は、財務資料を整理する時間の確保自体が難しくなります。
壁(3) 判断を誤るリスクがある
改善見通しの根拠が薄いと、審査で差し戻される可能性もあります。だからこそ、専門家に相談しながら進める経営者が増えています。
自己流で作成した資料は、数字の整合性が取れていなかったり、改善策が抽象的にとどまっていたりすることも少なくありません。客観性のある第三者の視点が、審査を一度で通過するための鍵になります。差し戻しが発生すれば、その分だけ人材の受け入れ時期も後ろ倒しになってしまいます。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士が財務状況の分析から改善計画の策定、企業評価書の作成まで一気通貫で支援します。売上や利益の数字を見える化し、精神論ではなく構造から利益が残る体質へ導きます。
認定経営革新等支援機関として、法人支援150社以上の実績があります。林業特有の季節変動や機械投資の負担も踏まえながら、実務レベルで伴走します。
管理会計の視点で「どこで利益が出ていないか」を特定する
林業経営は、伐採・搬出・造林・育林など複数の作業が混在するため、どの作業でどれだけ利益が出ているかが見えにくいという特徴があります。
管理会計の手法を使って作業区分ごとの採算を分解すると、「実は利益が出ている作業」と「赤字の原因になっている作業」が明確になります。企業評価書の改善計画も、こうした裏付けがあるほど説得力が増します。
お断りいただいても構いません。費用は一切かかりません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。まずは現状の決算内容をお聞かせください。
よくある質問

Q.企業評価書とは、どのような書面ですか。
A.外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受け入れにあたり、直近決算が債務超過の企業に求められる書面です。中小企業診断士等の第三者が、財務状況の分析結果と改善計画をもとに、経営を継続できる見通しがあるかを客観的に評価します。
Q.企業評価書は誰に依頼すればよいですか。
A.中小企業診断士または公認会計士に依頼します。税理士は作成できないため、顧問税理士がいる場合でも別途、資格を持つ専門家への相談が必要です。
Q.林業でも特定技能の受け入れはできますか。
A.可能です。林業は2024年度に特定技能1号の対象分野に加わり、育林・素材生産・林業用種苗の育成・原木生産等の業務で受け入れが進んでいます。今後数年で一定数の受け入れが見込まれています。
Q.2期連続で赤字でも受け入れられますか。
A.直近決算が債務超過であっても、改善の見通しを示す企業評価書を用意すれば、受け入れを前に進められる可能性があります。赤字が続いていること自体より、改善に向けた道筋が示せているかが重視されます。
Q.企業評価書の作成にはどれくらいの期間がかかりますか。
A.決算内容の分析量によって異なりますが、決算書・試算表などの資料が揃っていれば、比較的短期間で作成に着手できます。資料が未整理の場合は、整理の段階から一緒に進めることも可能です。
Q.森林組合でも企業評価書は必要ですか。
A.直近決算が債務超過であれば、法人格を問わず森林組合でも同様に企業評価書が必要になります。株式会社・組合いずれの形態でも、審査の考え方は変わりません。
Q.何から準備すればよいか分かりません。丸投げできますか。
A.決算書・試算表など基本資料をご提示いただければ、分析から企業評価書の作成まで中小企業診断士が伴走します。専門知識がなくても、順序立ててご案内しますのでご安心ください。
Q.相談料はかかりますか。
A.無料相談は費用がかかりません。ご相談の上で契約を迫ることもなく、内容にご納得いただけない場合はお断りいただいて構いません。
Q.特定技能以外の在留資格でも企業評価書は必要ですか。
A.技能実習(育成就労)でも、直近決算が債務超過であれば同様に企業評価書が求められます。受け入れたい在留資格に応じて、必要書類を確認しておくと安心です。
Q.すでに他社に企業評価書の作成を断られました。相談できますか。
A.赤字・債務超過の内容によって難易度は異なりますが、まずは現状の決算内容をお聞かせください。改善計画の組み立て方次第で、対応できる余地があるかを確認いたします。
Q.森林組合や造林会社の受託事業でも、改善計画は作れますか。
A.可能です。受託事業ごとの採算を分解し、単価や作業効率の改善余地を数値で示すことで、実態に即した改善計画を組み立てられます。委託元との単価交渉に使える資料になることもあります。
まとめ
木材価格の低迷、燃料費の高騰、担い手不足——林業経営を取り巻く環境は簡単ではありません。それでも、赤字・債務超過は「終わり」ではなく「見通しを示す出発点」です。
今回ご紹介した4つの鉄則を押さえ、客観的な企業評価書を用意すれば、特定技能の受け入れという次の一手を打てます。素材生産業者であれば伐採・搬出体制の強化、森林組合であれば受託事業の採算改善、造林・育林専門会社であれば繁忙期の人員確保——それぞれの課題に合わせた計画を数字で示すことが、審査を前に進める近道です。
自社だけで抱え込まず、中小企業診断士という第三者の目を入れることが、遠回りに見えて実は近道です。木材価格や燃料費といった外部要因に振り回されない経営体質を、この機会に整えていきましょう。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは無料相談で、現状をお聞かせください。
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