
「介護報酬が上がらないのに、人件費だけが増えていく」。
そんな状況で、決算書を見るたびに気が重くなっていないでしょうか。
特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスを運営する経営者・総務担当の方から、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)には「外国人材を受け入れたいが、直近の決算が債務超過で審査が通るか不安」という相談が増えています。
同じ悩みを抱える介護事業者は、あなただけではありません。
結論から言えば、債務超過であっても、中小企業診断士による客観的な「改善見通しに関する評価書面(企業評価書)」を用意すれば、外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受入れ審査を進める道は残されています。
ただし、企業評価書には押さえるべき条件があり、様式や進め方を誤ると審査が長引く原因になります。この記事では、介護業界特有の赤字構造から、審査を通すための具体的な条件まで、実務目線で整理します。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、法人支援実績150社以上、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、財務の見える化を通じた経営改善支援を行っています。介護業界特有の報酬制度や人員基準を踏まえた実務目線で、最後までお付き合いします。
この記事はこんな人におすすめです。
- 介護報酬の据え置きで収支が厳しい方
- 人手不足で特定技能の受入れを急ぎたい方
- 直近決算が赤字・債務超過で不安な方
- 企業評価書を誰に頼めばよいか分からない方
- 受入れ審査で失敗したくない方
- 介護事業者が赤字・債務超過に陥る本質的な原因
- 放置した場合に起きる経営リスク
- 特定技能・育成就労の受入れ審査を通す4つの条件
- 企業評価書を依頼してから受入れまでの流れ
- 中小企業診断士に相談するメリット
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
介護報酬の据え置きと人手不足が生む「静かな赤字」の構造

介護業界の赤字は、派手な失敗の結果ではありません。
介護報酬が据え置かれる一方で、人件費や光熱費だけが上がり続ける。この「じわじわ型の赤字」こそが、介護施設の経営を静かに蝕む本質です。
東京商工リサーチによると、2025年の「介護事業者」倒産は176件で、2年連続で過去最多を更新しました。
なかでも訪問介護は91件と3年連続で最多を更新し、報酬のマイナス改定と人手不足の板挟みが浮き彫りになっています。人手不足を理由とした倒産は29件で、前年比45.0%増と急増しました。倒産にまで至らない「休廃業・解散」も653件と、4年連続で過去最多です。
「うちはまだ倒産していないから大丈夫」と思うのは危険です。数字に表れる前の赤字・債務超過の段階こそ、手を打つべき局面だからです。
帝国データバンクの調査でも、2025年の「老人福祉事業者」倒産は139件に上り、人手不足を要因とする倒産の増加が目立つ結果となっています。集計対象や定義は調査機関によって異なりますが、複数の一次情報が同じ傾向を示している点は見過ごせません。
施設形態ごとに現れる「じわじわ型の赤字」
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス運営会社。施設形態が違えば、赤字の出方も少しずつ異なります。
| 施設形態 | 赤字が現れやすい局面 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 職員不足で満床にできず、稼働率が伸び悩む |
| 有料老人ホーム | 手厚い人員配置が求められ、人件費比率が高止まりする |
| グループホーム | 小規模ゆえ職員一人の離職が収益に直結しやすい |
| デイサービス運営会社 | 送迎・人員体制の維持コストが利用者数に対して重い |
本質原因は3つに整理できる
施設形態は違っても、赤字に陥る原因は共通しています。
| 原因 | 内容 | 経営への影響 |
|---|---|---|
| ① 介護報酬の据え置き・実質減収 | 物価上昇に報酬改定が追いつかない | 売上が伸びず利益率が下がる |
| ② 人件費・光熱費の高騰 | 採用コスト・処遇改善加算後も基本給水準は上昇 | 固定費が先に膨らむ |
| ③ 人手不足による稼働率低下 | 職員が確保できず利用者を受け入れきれない | 機会損失・売上の頭打ち |
この3つが同時に進むと、「頑張って現場を回しているのに、決算は赤字」という状態が生まれます。経営者の努力不足ではなく、業界構造そのものが厳しくなっているのです。
放置すると起きること
この構造を放置すると、次の悪化シナリオが現実になります。
- 稼働率が数%下がるだけで、年間の減収は数百万円規模になり得る
- 人手不足を紹介会社や派遣に頼るほど、利益率がさらに圧迫される
- 債務超過の期間が長引くほど、金融機関からの評価が厳しくなる
- 特定技能・育成就労の受入れ審査でも「改善見通し」の説明が難しくなる
特に最後の項目は見落とされがちです。赤字が続くほど、審査で求められる改善見通しの説得力も上げなければならず、対応は後手に回りやすくなります。
「うちはまだ大丈夫」が一番危ない理由
介護報酬の改定は数年に一度のペースで行われますが、人件費や物価の上昇は毎年のように続きます。報酬と費用のズレは、一度で埋まるものではなく、じわじわと蓄積していきます。
単年度の赤字であれば金融機関の見方もそれほど厳しくなりませんが、複数期にわたって債務超過が続くと、資金調達や取引先からの評価にも影響が及びます。特定技能・育成就労の受入れ審査でも、直近1期だけでなく複数期の推移を見られる場合があるため、早めに改善見通しを整理しておくことが重要です。
介護報酬・人手不足という業界特有の構造要因は、経営者一人の努力だけでは解決できません。だからこそ、外部の専門家による客観的な評価と改善計画が必要になります。
受入れ審査を通す4つの条件(企業評価書の作り方)

債務超過の介護施設が特定技能・育成就労を受け入れるには、次の4つの条件を満たすことが実務上のポイントになります。
- 直近決算の実態を正確に把握すること。貸借対照表を整理し、債務超過の金額と原因を数字で説明できる状態にします。
- 中小企業診断士による企業評価書を用意すること。「改善見通しに関する評価書面」は、OTIT(外国人技能実習機構)提出書類の別紙②-1・番号20に該当し、客観性のある専門家の評価が求められます。
- 3〜5年の改善計画を数値で示すこと。介護報酬改定への対応、人件費の最適化、稼働率の改善など、根拠のある計画に落とし込みます。
- 提出書類の様式を過不足なく整えること。様式の不備は審査の差し戻しにつながるため、専門家によるチェックが有効です。
この4つのうち、特に経営者が一人で対応しづらいのが②の企業評価書です。中小企業診断士のように、財務分析と改善計画の両方を扱える専門家でなければ、説得力のある評価書は作れません。
条件ごとに、つまずきやすいポイント
| 条件 | つまずきやすい点 |
|---|---|
| ① 決算の実態把握 | 債務超過の金額は分かっても、原因を言語化できていない |
| ② 企業評価書の準備 | 誰に依頼すればよいか分からず、対応が後回しになる |
| ③ 改善計画の数値化 | 「頑張ります」という精神論で終わり、根拠となる数字がない |
| ④ 提出書類の整備 | 様式が古い、必要項目が漏れているなど基本的な不備が起きる |
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)では、特定技能の企業評価書作成支援を通じて、決算の分析から改善見通しの策定まで一気通貫でサポートしています。
改善見通しに関する評価書面に書くべきこと
企業評価書には、次のような要素を数字とともに盛り込みます。
- 債務超過に至った原因(介護報酬の据え置き・人件費高騰・稼働率低下など)
- 直近数期の収支の推移と、その背景にある事情
- 今後3〜5年でどのように収支を改善するかの具体策
- 特定技能・育成就労の受入れが、改善計画にどう寄与するか
「改善します」という言葉だけでは審査官には伝わりません。稼働率を何%まで戻すのか、人件費比率をどこまで抑えるのか、具体的な数字に落とし込むことが説得力につながります。
改善計画を数値化するときの視点
改善計画を作るときは、次のような指標を「現状」と「目標」の両方で示すと、根拠のある内容になります。
| 指標 | 見る視点 |
|---|---|
| 稼働率 | 特定技能・育成就労の受入れで、どこまで引き上げられるか |
| 人件費比率 | 採用コストや紹介手数料をどこまで抑えられるか |
| 粗利率 | 介護報酬改定を踏まえ、どの水準を目指すか |
この3つの指標を、施設ごとの実情に合わせて具体的な数字に落とし込むことが、説得力のある企業評価書の土台になります。
様式でよくある不備
提出書類の様式不備は、内容以前の問題で審査が止まる原因になります。よくある不備には次のようなものがあります。
- 最新版でない旧様式を使ってしまっている
- 決算書の数値と企業評価書内の数値が一致していない
- 改善計画の期間や前提条件の記載が不足している
いずれも、専門家によるダブルチェックがあれば防げる内容です。中身の説得力と、様式の正確さ。この両方がそろって、初めて審査を通過できる企業評価書になります。
依頼から受入れまでの流れ
企業評価書の依頼から受入れ準備までは、おおむね次の順番で進みます。
- 決算書・試算表のヒアリングと現状分析
- 債務超過の原因整理と改善計画の骨子作成
- 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の作成
- 申請書類との整合性チェック
「企業評価書 とは何か分からない」「誰に頼めばいいか分からない」という初めての方でも、この順番に沿って進められます。ヒアリングの段階で、決算書や試算表を用意しておくと、その後の分析がスムーズです。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは決算の状況をお聞かせください。
受入れが実現した先に手に入る未来

企業評価書を整え、審査を通過した先には、どんな未来があるのでしょうか。
3つの軸で具体的に描いてみます。
数字:稼働率と収益性の安定
人手不足による稼働率の低下が止まれば、機会損失が減り、収益が安定に向かいます。介護報酬が据え置かれる環境でも、稼働率の維持は利益改善に直結します。空いていたベッドや定員枠が埋まれば、それだけで月々の収支は変わります。人件費比率の改善も、紹介会社への依存が減ることで進みやすくなります。
時間:採用と現場運営の負担軽減
慢性的な採用活動に追われる時間が減り、現場の職員が本来のケア業務に集中できるようになります。経営者自身が求人媒体の管理や面接調整に割いていた時間を、経営判断や利用者対応に振り向けられます。
関係性:金融機関・行政との信頼
客観的な企業評価書に基づく改善計画は、金融機関や入管当局に対しても「根拠のある経営」を示す材料になります。決算内容を数字で説明できる経営者は、金融機関との対話でも信頼を得やすくなります。
数字・時間・関係性の3つが整うことで、経営の土台そのものが強くなります。それは目先の受入れ審査を通過するためだけでなく、次の職員採用や設備投資の判断にも生きてきます。
介護報酬の逆風のなかでも、利用者にも職員にも選ばれる施設であり続ける未来を、共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

ここまで読んで、「必要性は分かったが、自社だけで対応できるだろうか」と感じた方もいるはずです。
正直に言えば、次の3つの壁があるため、自社だけでの対応は簡単ではありません。
- 専門性の壁:企業評価書に何を書けば審査官に伝わるのか、判断基準が分かりにくい
- 時間コスト:現場の人手不足のなか、書類作成に時間を割く余裕がない
- 判断ミスのリスク:様式の不備や説明不足で、審査が差し戻される可能性がある
だからこそ、中小企業診断士に企業評価書の作成を任せる介護事業者が増えています。特に介護業界は、報酬制度や人員基準といった業界特有の事情を踏まえた説明が求められるため、財務分析だけでなく制度への理解も欠かせません。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、法人支援実績150社以上、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、決算分析から改善計画の策定、企業評価書の作成までを一気通貫でサポートします。代表の松本昌史は、MBA(経営管理修士)・中小企業診断士として、数字の見える化と実務的な改善計画づくりを得意としています。
支援内容の全体像
| 支援内容 | 具体的なサポート |
|---|---|
| 現状分析 | 決算書・試算表から債務超過の原因を数値で整理 |
| 改善計画の策定 | 介護報酬・人件費・稼働率を踏まえた3〜5年計画の作成 |
| 企業評価書の作成 | OTIT提出書類に沿った改善見通しに関する評価書面の作成 |
| 申請書類の整合性確認 | 他の提出書類との数値・記載内容のずれをチェック |
相談が早いほど、選べる選択肢が広がる
介護報酬の据え置きも人手不足も、一朝一夕には解決しません。だからこそ、赤字・債務超過に気づいた段階で早めに相談するほど、改善計画に盛り込める打ち手の幅が広がります。
逆に、審査の直前になって慌てて企業評価書を用意しようとすると、決算資料の整理から始めることになり、時間的な余裕がなくなります。「そろそろ受入れを検討したい」と思った段階が、相談を始める最適なタイミングです。
特に介護施設の場合、人員配置基準の関係で「今すぐ人手が欲しい」という切実な事情を抱えていることが多く、時間の余裕はそもそも限られています。だからこそ、早い段階での相談が結果的に近道になります。
受入れ後も続く「伴走」の考え方
企業評価書は、提出して終わりではありません。改善計画に書いた数字は、受入れ後の経営でも実行し続ける必要があります。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、管理会計を活用した伴走支援を通じて、稼働率や人件費比率の推移を定期的に見える化し、計画と実績のズレを早期に把握できる体制づくりを支援します。経営改善は精神論ではなく、数字に基づく構造改善であるという考え方を、介護施設の経営にも当てはめています。
介護報酬・人手不足という業界共通の課題に対して、財務の専門家と現場の実情の両方を理解した支援を行います。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。費用は一切かかりません。
よくある質問

Q. 企業評価書とは何ですか。
A. 外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受入れ審査で、直近決算が債務超過の場合に求められる「改善見通しに関する評価書面」です。OTIT提出書類の別紙②-1・番号20に該当し、経営が今後3〜5年で改善していく見通しを客観的に示す書類です。介護業界では、報酬制度や人員体制の事情を踏まえた記載が求められます。
Q. 誰に依頼すればよいですか。
A. 中小企業診断士など、企業評価を行う専門性を持つ第三者に依頼します。税理士は企業評価書の作成主体には含まれないため、依頼先を間違えないよう注意が必要です。
Q. 介護報酬がマイナス改定でも受入れ審査を通過できますか。
A. 債務超過であっても、改善見通しを数字で示す企業評価書があれば、審査を進める道は残されています。ただし、報酬改定を前提に人件費や稼働率をどう改善するか、内容の説得力が重要になります。「報酬が下がったから仕方ない」で終わらせず、そのなかでどう収支を立て直すかを示すことが求められます。
Q. デイサービスやグループホームでも対象になりますか。
A. はい。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス運営会社など、幅広い介護施設が対象になり得ます。施設形態によって赤字の出方が異なるため、個別の状況に応じた分析が必要です。小規模な事業所ほど、職員一人の増減が収支に与える影響が大きい傾向があります。
Q. 企業評価書はどのくらいの期間で作成できますか。
A. 決算内容や資料の整い方によって変動します。まずは無料相談で現状の資料をお持ちいただくと、おおよその目安をお伝えできます。
Q. 企業評価書を「書けない」と言われたらどうすればよいですか。
A. 改善見通しの根拠が不足していると、専門家でも作成が難しくなります。決算の実態と改善策を整理するところから支援を受けるのが近道です。焦って自己流で作成すると、様式不備につながりやすい点にも注意しましょう。
Q. 特定技能と技能実習(育成就労)の違いは何ですか。
A. 技能実習は技能移転を目的とした制度で、2027年4月から育成就労制度への移行が予定されています。特定技能は即戦力人材の受入れを目的とする制度です。いずれも債務超過企業には企業評価書の提出が求められる場合があります。制度の違いによって必要書類が変わることもあるため、受入れを検討する段階で確認しておくと安心です。
Q. 費用はどれくらいかかりますか。
A. 決算の状況や必要な分析の範囲によって異なります。具体的な金額は無料相談の中で個別にお伝えしています。
Q. 一度作成した改善計画は、あとから見直せますか。
A. はい。介護報酬改定や人員体制の変化に応じて、計画は定期的に見直すことが望ましいです。作成して終わりではなく、実行と検証を重ねることが改善につながります。
Q. 企業評価書を作成すれば審査は必ず通りますか。
A. 企業評価書は審査を有利に進めるための材料であり、通過を保証するものではありません。改善見通しの根拠を積み上げることが重要です。
まとめ

介護報酬の据え置きと人手不足が同時に進む今、赤字・債務超過は特別な施設だけの問題ではありません。
大切なのは、赤字の原因を数字で把握し、特定技能・育成就労の受入れ審査を通す4つの条件を一つずつ満たしていくことです。
直近決算の実態把握、中小企業診断士による企業評価書、数値に基づく改善計画、そして提出書類の整合性。この4つを自社だけで抱え込む必要はありません。
介護報酬という業界特有の壁があるからこそ、財務の専門知識と現場への理解を兼ね備えた専門家に相談する価値があります。決算書を前に一人で悩む時間を、改善に向けて動き出す時間に変えていきましょう。
利用者と職員に選ばれ続ける介護施設であるために、まず自社の数字と向き合うところから始めてみてください。
まずは決算の状況を、専門家に話すところから始めてみませんか。
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