
建設業の依頼者から、特定技能や技能実習の受入れ相談を受けたとき、直近決算が赤字・債務超過だと知って手が止まった経験はないでしょうか。
債務超過の受入れ企業には、企業評価書(改善見通しに関する評価書面)が求められます。しかしこの書面は、行政書士の先生ご自身が作成できるものではありません。
型枠工事や鉄筋施工、足場架設(とび)の会社は、受注の波や資材高騰で財務が振れやすい業種です。そのため受入れ審査の場面で、財務の裏付けを問われる依頼者が少なくありません。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 建設業の依頼者が債務超過で、受入れ審査が不安な方
- 企業評価書が必要だが、自所では作成できない方
- 作成できる専門家の当てがなく、受任機会を逃しそうな方
これは先生おひとりの問題ではありません。財務の改善見通しを書面で示す実務は、そもそも行政書士の専門領域の外にあるからです。
結論を先にお伝えします。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成は中小企業診断士という役割分担で組めば、債務超過の依頼者でも受任機会を逃さずに前へ進められます。
この記事は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史が執筆します。認定経営革新等支援機関として、法人支援150社以上の実績をもとに、建設業の受入れ審査に備える考え方を整理しました。ただし、その全体像はこの先で順に解き明かします。
この記事で分かること
- 建設業の債務超過案件で、受任機会を逃しやすい理由
- 受入れ審査に備えるべき3つの理由(本記事の核心)
- 企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する流れ
- 連携が貴所にもたらす、面談の質・時間・信頼の変化
- 依頼者を奪わない役割分担のかたち
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
なぜ建設業の債務超過案件で受任機会を逃しやすいのか

建設業の債務超過案件で受任機会を逃しやすいのは、企業評価書という「作成資格の壁」があるからです。
理由は明確です。債務超過の受入れ企業には企業評価書が求められますが、この書面を作れるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士の先生は在留資格の申請の専門家であって、財務の評価書面の作成者ではありません。
建設業では、この場面に出会う頻度がとりわけ高いのが実情です。
建設業で債務超過が起きやすい構造
建設業は、財務が振れやすい業種です。理由は、業界特有の資金の動き方にあります。
- 受注の波が大きく、工期のズレで売上が期をまたぎやすい
- 資材価格や労務費の高騰が、利益を直接圧迫する
- 元請への依存度が高く、支払サイトの長さで資金繰りが逼迫しやすい
- 重機や車両の設備投資で、借入と減価償却の負担が重い
型枠工事や鉄筋施工の会社では、一つの現場の採算悪化が決算に響きやすくなります。工期が数か月に及ぶため、想定外の手戻りや天候不順が、そのまま赤字要因になるからです。
左官・塗装工事の会社でも、人手不足を補う外注費の増加が利益を削ります。足場架設(とび)や内装仕上げの会社は、繁忙期と閑散期の差が大きく、資金繰りが月ごとに揺れやすい特徴があります。
加えて建設業では、機械設備や車両の借入が重くのしかかります。減価償却と返済が続くなかで、一時的な受注減が重なると、自己資本が薄くなり債務超過に転じやすいのです。
その結果、会社の実力とは別に、決算の数字だけが独り歩きしてしまいます。受入れ審査で財務の裏付けを問われ、企業評価書の準備を迫られる依頼者が、建設業では次々と生まれます。
企業評価書の作成資格という壁
ここで壁になるのが、企業評価書の作成資格です。誰が何を担えるのかを整理すると、役割分担がはっきりします。
| 業務 | 担い手 | 行政書士による作成 |
|---|---|---|
| 在留資格(特定技能・技能実習)の申請 | 貴所(行政書士) | 可 |
| 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の作成 | 中小企業診断士など | 不可 |
| 決算・税務の処理 | 顧問税理士 | 不可 |
この表のとおり、企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門資格者に限られます。行政書士・税理士は作成できません。
だからこそ、作成できる専門家の当てがないまま相談を受けると、書面が用意できず案件が止まります。要するに、建設業の債務超過案件は「連携先の有無」で受任の成否が分かれるのです。
建設業の債務超過と受入れ審査に備えるべき3つの理由

ここが本記事の核心です。建設業の依頼者について、あらかじめ企業評価書の連携体制を整えておくべき理由は3つあります。
理由は、建設業という業種の特性と、企業評価書の制度、そして作成資格の3点が重なるからです。順に見ていきます。
建設業は債務超過に陥りやすく企業評価書が求められやすい
1つ目の理由は、建設業が構造的に債務超過へ陥りやすく、企業評価書が求められる場面が多いことです。
前章のとおり、建設業は受注変動・資材高騰・元請依存で財務が振れます。足場架設(とび)や内装仕上げの会社では、繁忙と閑散の差が資金繰りに直結します。
その結果、決算が一時的に赤字・債務超過となり、受入れ審査で改善見通しの説明を求められる依頼者が生まれます。備えがなければ、そのたびに慌てて専門家を探すことになります。
具体例で考えます。型枠工事の会社が、大型現場の完成前に決算期を迎えたとします。売上の計上が翌期にずれ込み、当期は先行費用だけが残って赤字になる。これは会計上のタイミングの問題で、事業そのものは健全です。
しかし決算書だけを見れば、債務超過の会社に映ります。こうした「実力と数字のギャップ」を客観的に説明する書面こそ、企業評価書です。建設業では、このギャップが起きやすいのです。
要するに、建設業を扱う先生ほど、企業評価書の場面に出会う確率が高いということです。だから事前の備えが効きます。
特定技能・育成就労の受入れ拡大で財務の裏付けが不可欠になる
2つ目の理由は、特定技能・育成就労の受入れが広がるほど、財務の裏付けが不可欠になることです。
建設業は、特定技能の受入れが活発な分野です。人手不足が深刻で、外国人材への期待が大きいためです。
さらに、技能実習に代わる育成就労制度が2027年4月に施行予定です。この移行で受入れの窓口が広がれば、相談はさらに増えると見込まれます。
受入れが増えるほど、審査で企業の継続性や財務の健全性が問われる場面も比例して増えます。債務超過の依頼者にとって、企業評価書は受入れの可否を左右する重要な書面です。
建設業は、そもそも外国人材の受入れが最も活発な分野のひとつです。鉄筋施工や型枠工事の現場では、技能を持つ人材の確保が事業の生命線になっています。
だからこそ、財務が振れやすい建設業と、受入れ拡大という追い風が重なると、企業評価書の需要が集中します。相談が来てから対応するのでは、増える案件をさばききれません。
- 特定技能の受入れは建設業で拡大が続いている
- 育成就労制度への移行で受入れの裾野がさらに広がる見込み
- 受入れ増に伴い、財務の裏付けを問われる案件も増える
要するに、制度の追い風がある建設業ほど、財務面の備えを先に固めておく価値が高いのです。
企業評価書の作成資格が限られ備えの有無が受任を左右する
3つ目の理由は、企業評価書の作成資格が限られており、備えの有無がそのまま受任の成否を分けることです。
すでに述べたとおり、企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門資格者だけです。行政書士の先生が自所で用意することはできません。
連携先が決まっていなければ、相談を受けてから探し始めることになります。その間に依頼者は不安を募らせ、別の事務所へ流れる恐れがあります。
逆に、連携体制が整っていれば「作成できる専門家がいます」と即答でき、その場で受任へつなげられます。依頼者は不安を抱えたまま待たされず、貴所への信頼を深めます。
建設業の依頼者は、現場を止めたくないという切迫感を抱えています。人手が足りず、一日でも早く受入れを進めたいからです。そのスピード感に応えられるかどうかは、備えの有無で決まります。
要するに、建設業・特定技能・企業評価書という3つの要素が重なる今、備えのある事務所だけが機会を確実にものにできるのです。連携先を探してからでは、間に合わないこともあります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。依頼者を奪うことはありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。まずは連携できるかどうかだけ、お気軽にご確認ください。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢

3つの理由を踏まえた最善の備えは、企業評価書を中小企業診断士と連携して用意することです。
理由は、制度上も実務上も、財務の評価書面は専門資格者が主導するのが確実だからです。ここでは制度と作成の流れを実務レベルで整理します。
企業評価書が求められる制度上の位置づけ
企業評価書(改善見通しに関する評価書面)は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたります。
この書面は、申請企業が債務超過のときに求められます。建設業の依頼者が受入れ審査に進む際、決算が債務超過だと、この番号20の書面が必要になる場面があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書面の名称 | 改善見通しに関する評価書面(企業評価書) |
| 位置づけ | OTIT提出書類 別紙②-1・番号20 |
| 求められる場面 | 申請企業が債務超過であるとき |
| 作成できる人 | 中小企業診断士など専門資格者 |
この番号20の書面は、専門知識のない者が体裁だけ整えても意味を持ちません。改善見通しに具体的な根拠が伴っていなければ、審査の場で説得力を欠くからです。だからこそ、作成できるのは中小企業診断士など専門資格者に限られています。
制度の出典は外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類です。要件は変わりうるため、最新の取扱いは案件ごとに確認します。建設業の場合は、業種の事情を踏まえた記載が求められる点にも注意が必要です。
KICKが担う財務分析と評価書作成の流れ
KICKでは、建設業の実情を踏まえて財務分析を行い、企業評価書を作成します。流れは大きく次のとおりです。
- 決算書・試算表をもとに、財務の現状と債務超過の要因を分析する
- 受注状況や資金繰りから、改善の見通しを組み立てる
- 改善見通しに関する評価書面(企業評価書)を作成する
- 在留資格の申請を担う貴所と、内容と時期をすり合わせる
財務・改善見通しの実務は、中小企業診断士のKICKが主導します。そのため、貴所の実務負担と専門外リスクは小さく抑えられます。
建設業の分析では、業種特有の視点が欠かせません。完成工事高と工事原価の関係、未成工事支出金の扱い、元請からの入金サイトなど、一般の製造業とは資金の流れが異なるからです。
KICKはこうした建設業の勘定科目の特性を踏まえ、決算書の数字の背景まで読み解きます。単なる赤字ではなく「なぜ赤字なのか」「今後どう改善するのか」を、根拠を示して評価書に落とし込みます。
役割分担は明確です。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICK。この線引きで、建設業の債務超過案件も止めずに前へ進みます。
企業評価書作成の具体的な流れは、建設業の企業評価書作成支援の詳細でご確認いただけます。費用の考え方もサービスページにまとめています。
要するに、専門資格者が主導する連携なら、債務超過の建設業案件でも確実な備えができるのです。
連携で先生の事務所が手に入れる未来

連携体制を整えると、先生の事務所は3つの変化を手に入れます。面談の質、時間と受任の安定、そして信頼です。
理由は、企業評価書という不安要素を先に片づけられるからです。3つの軸で具体的に見ていきます。
面談の質が上がる
1つ目は、面談の質が上がることです。
建設業の依頼者が「うちは債務超過だが受入れできるか」と尋ねたとき、その場で道筋を示せます。「企業評価書は中小企業診断士と連携して用意できます」と答えられるからです。
不安に即答できる先生は、依頼者にとって頼れる存在になります。面談が「断りの説明」ではなく「解決の設計」に変わります。
時間と受任が安定する
2つ目は、時間と受任が安定することです。
財務の評価書面をゼロから抱え込む必要がなくなります。専門外の作業に時間を奪われず、在留資格の申請という本業に集中できます。
債務超過を理由に案件を手放すこともなくなります。型枠工事や鉄筋施工の依頼者を、財務を理由に逃さずに済むのです。
これまで「財務が絡む案件は難しい」と身構えていた場面でも、受けられる案件の幅が広がります。結果として、事務所全体の受任件数と売上が安定します。
依頼者と周囲からの信頼が高まる
3つ目は、信頼が高まることです。
「在留資格まわりで頼れば、財務が絡む難しい案件も前に進む」という評判は、継続受任と紹介につながります。
足場架設や内装仕上げの現場は、横のつながりが強い業界です。ひとつの信頼が、次の依頼者を呼び込みます。この3つの未来を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

結論として、企業評価書を自所だけで抱えるのは限界があります。だから連携する事務所が増えています。
理由は、専門外リスクと時間コストが無視できないからです。具体的に整理します。
自所だけで抱えたときの限界
自所だけで対応しようとすると、次の負担が生じます。
- 企業評価書は作成資格がなく、そもそも自所では作れない
- 建設業の財務分析には、業種特有の知識と時間が必要になる
- 誤った見通しを示せば、依頼者の審査に悪影響が及ぶ
- 連携先を都度探すと、受任の機会を逃しかねない
これらは、在留資格の申請を本業とする先生にとって専門外の負担です。抱え込むほど、本業の時間が削られます。
とりわけ企業評価書は、資格の壁があるため努力では埋められません。財務の勉強を重ねても、行政書士が作成者になれるわけではないからです。ここは「頑張る」問題ではなく「誰と組むか」の問題です。
だから連携する事務所が増えている
そこで、企業評価書は中小企業診断士のKICKに任せ、貴所は在留資格の申請に専念する連携が広がっています。
KICKは認定経営革新等支援機関として、法人支援150社以上の実績があります。全国オンライン対応で来社は不要のため、地方の建設業案件でも連携できます。料金の詳細はサービスページでご確認ください。
依頼者を奪うことは一切ありません。売り込みもありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で、依頼者との関係はそのまま維持されます。連携の詳しい形は、士業連携(提携)の詳細と企業評価書作成支援の詳細でご確認ください。
要するに、専門外を無理に抱えるより、専門資格者と組むほうが依頼者にも事務所にも得策なのです。
よくある質問

Q. 連携すると依頼者を奪われませんか
A. 依頼者を奪うことはありません。役割分担は明確で、在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKです。依頼者との窓口や関係は、これまでどおり貴所が持ち続けます。
Q. 貴所の負担はどの程度ですか
A. 財務分析と企業評価書の作成はKICKが主導します。貴所には、決算書などの資料の橋渡しと、申請時期のすり合わせをお願いする程度です。専門外の作業を抱え込む必要はありません。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか
A. 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)を作成できるのは、中小企業診断士など専門資格者に限られます。行政書士・税理士は作成できません。KICKの中小企業診断士が作成を担います。
Q. 債務超過でも建設業の受入れは可能ですか
A. 債務超過であっても、改善の見通しを企業評価書で客観的に示せれば、受入れ審査に進める場合があります。数字が一時的に悪くても、実力を裏づける材料はあります。まずは財務の現状を整理することが出発点です。
Q. 企業評価書が必要かどうか分かりません
A. 一般に、申請企業が債務超過のときに求められます。判断に迷う段階でご相談いただければ、決算の状況を踏まえて必要性の目安をお伝えします。無理な受注はありません。
Q. 費用はいくらかかりますか
A. 費用は案件により異なります。具体額は本記事では触れません。詳細はサービスページにてご確認いただくか、無料相談でお尋ねください。連携や契約の義務はありません。
Q. 型枠工事や足場架設など、業種が細かくても対応できますか
A. 対応できます。型枠工事・鉄筋施工・足場架設(とび)・内装仕上げ・左官塗装など、建設業の職種ごとの資金の動きを踏まえて財務分析を行います。業種特有の事情も評価書に反映します。
Q. 育成就労への移行前でも相談できますか
A. 相談できます。技能実習・特定技能の現行制度でも企業評価書の場面はあります。2027年4月施行予定の育成就労制度への移行を見据え、後ほど本格化する相談増にも備えて、今から連携体制を整えておくと安心です。
Q. 遠方の事務所でも連携できますか
A. できます。KICKは全国オンライン対応で来社は不要です。地方の建設業案件でも、資料のやり取りと打ち合わせをオンラインで進められます。
まとめ

建設業の債務超過と受入れ審査に備えるべき理由は3つでした。建設業は債務超過に陥りやすく企業評価書が求められやすいこと、特定技能・育成就労の拡大で財務の裏付けが不可欠になること、そして企業評価書の作成資格が限られ備えの有無が受任を左右することです。
企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門資格者だけです。だからこそ、在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担が、最も確実な備えになります。
建設業を扱う先生ほど、この場面に出会う頻度は高いはずです。連携先を先に決めておけば、債務超過の依頼者にも即答でき、受任機会を逃しません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、依頼者を奪うこともありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。まずは連携できるかどうかだけ、お気軽にご確認ください。







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