
「清掃スタッフの時給を上げないと人が集まらない。でも赤字続きで、これ以上の人件費アップは正直きつい」——ビルクリーニング業を営む経営者の方から、こうしたお声を伺う機会が増えています。
人手不足で最低賃金は上がり続ける一方、清掃委託料の価格転嫁はなかなか進みません。気づけば決算が赤字続きで、貸借対照表は債務超過寸前——そんな状況で「特定技能の外国人材を受け入れたいが、審査を通過できるのか」という不安を抱えるあなただけではありません。
結論からお伝えすると、赤字や債務超過があっても、中小企業診断士による客観的な企業評価書を用意することで、特定技能人材の受入れ審査を通過できる可能性は十分にあります。ただし、書面の作り方や進め方を誤ると、審査が長期化したり、差し戻しになったりするケースもあります。
ビルクリーニング業は、床清掃・ガラス清掃・共用部管理など、オフィスビルや商業施設の衛生環境を支える欠かせない仕事です。それにもかかわらず、業界全体の賃金水準の低さと人手不足が重なり、経営体力を削られている会社が少なくありません。「人が足りないから受注を絞る」「無理な人員配置で品質が落ちる」という悪循環に陥る前に、経営の立て直しと外国人材の受入れを同時に進める視点が必要です。
この記事はこんな方におすすめです。
- 人手不足で特定技能の受入れを急ぎたい方
- 人件費高騰で赤字・債務超過が続く方
- 企業評価書を誰に頼めばいいか分からない方
- 審査に落ちるリスクを避けたい総務担当の方
- 清掃業界で「人件費が上がっても赤字」が起きる本当の理由
- 債務超過でも特定技能を受入れるための4つのポイント
- 企業評価書を整えた先に清掃会社が手に入る未来
- 自社だけで進める場合の限界と専門家に頼るべき理由
- 企業評価書に関するよくある質問への回答
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士を中心に法人支援150社以上の実績を持つ認定経営革新等支援機関です。この記事を読み終えたとき、あなたは「自社の決算状況でも、特定技能の受入れに向けて何をすべきか」が具体的に分かる状態になっています。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは決算状況をお聞かせください。
清掃業界で「人件費高騰なのに赤字」が起きる本当の理由

ビルクリーニング業(清掃業)の決算が赤字化する原因は、単なる「人件費が上がったから」ではありません。価格転嫁が追いつかないまま人件費だけが先行して上がる構造にこそ、本質的な問題があります。
最低賃金の上昇スピードに、契約単価の見直しが追いつかない
地域別最低賃金は毎年のように引き上げられており、全国加重平均は2023年10月以降で1,004円まで上昇しました(厚生労働省)。一般清掃のパート従業員の平均時給も、2023年度には1,020円に達したとされる業界調査があります。一方で、清掃業務の多くはビルオーナーや管理会社との複数年契約であり、単価の見直しは年1回程度にとどまるのが実情です。この「賃金は毎年上がるのに、単価は据え置き」というズレが、じわじわと利益を圧迫します。
特に都市部では、最低賃金の上昇幅が地方よりも大きい傾向があり、東京・大阪などでビルクリーニング業を営む会社ほど、このズレの影響を強く受けます。契約更新のタイミングを逃すと、次の見直しまで1年近く赤字圧力を抱え続けることになるため、早めの交渉開始が欠かせません。
若手が集まらず、採用コストと教育コストがかさむ
ビルクリーニング業の正社員平均年収は約371万円、初任給は21万円程度とされ、都市部の生活費を考えると若年層にとって魅力的な水準とは言いにくいのが現状です。夜間・早朝の勤務が多く体力面の負担も大きいため、離職率が高く、採用と教育を繰り返すコストが積み上がります。人が定着しないまま次の採用に費用をかける状態が、利益を残らせない構造をつくります。
求人媒体への出稿費、面接・研修にかかる人件費、そして育った人材が数か月で離職してしまうことによる機会損失——これらを積み上げると、1人の採用・定着にかかる実質コストは、経営者が想定している以上に大きくなっているケースが多く見られます。
現場の高齢化が進み、将来の担い手が見えにくい
ビルクリーニング業界では、現場の中核を担う人材の高齢化も進んでいます。長年勤めてきたベテラン社員が引退時期を迎える一方で、若手の補充が追いつかず、現場の技術・ノウハウの継承が難しくなっている会社も少なくありません。人手不足は「今の人員が足りない」だけでなく、「数年後の現場を誰が支えるのか」という中長期の経営課題でもあります。
このまま放置すると起きること
人件費先行・価格転嫁の遅れを放置すると、次のような悪化シナリオが現実味を帯びてきます。
| 経過年数 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 1年目 | 営業利益率が悪化し、単年度赤字に転落 |
| 2〜3年目 | 赤字の累積で純資産が目減りし、債務超過が視野に入る |
| 3年目以降 | 金融機関からの追加融資が難しくなり、資金繰りが逼迫 |
債務超過に近づくと、金融機関の評価だけでなく、外国人材の在留資格審査にも影響が及びます。技能実習(育成就労)や特定技能では、直近の決算が赤字・債務超過の場合、経営が安定的・継続的に行えるかどうかを示す「改善の見通しについて評価を行った書面」(企業評価書)の提出を求められることがあるためです。この書面は、外国人技能実習機構(OTIT)が定める提出書類の様式にも位置づけられており、任意の添付資料ではなく、審査上重要な位置づけを持つものです。要するに、人件費高騰の放置は、経営面と受入れ審査の両面でリスクを大きくします。
債務超過でも特定技能を受入れる4つのポイント

結論から言えば、赤字・債務超過があっても特定技能人材の受入れは実現可能です。ポイントは4つあります。
ポイント1 決算の数字と赤字の原因を正しく開示する
まず必要なのは、決算書の数字を隠さず正しく開示することです。人件費高騰・価格転嫁の遅れといった赤字の原因を経営者自身が言語化できていないと、企業評価書の説得力も落ちます。「なぜ赤字なのか」を数字で説明できる状態をまず整えましょう。
ここで大切なのは、赤字の原因を「景気が悪いから」「業界全体が厳しいから」といった曖昧な言葉で終わらせないことです。人件費率が何パーセント上昇したのか、契約単価の改定はいつ・何件行えたのか、といった具体的な数字を手元の資料からひとつずつ拾い上げていく作業が、企業評価書の土台になります。
ポイント2 中小企業診断士による客観的な企業評価書を用意する
企業評価書は、企業評価を行う能力を有すると認められる資格者が作成する書面です。作成できるのは中小企業診断士です。第三者の専門的な視点で「今後3〜5年で経営状況が改善する見通しがある」ことを客観的に示すことが、審査突破の核心になります。
経営者自身がどれだけ「立て直せる」と考えていても、それだけでは審査における客観性を満たせません。財務分析の専門資格を持つ第三者が、決算の実態と改善計画の両方を評価し、書面として残すことに意味があります。自己申告ではなく第三者評価であることが、企業評価書の本質的な価値です。
企業評価書の作成支援については、外国人技能実習・特定技能の企業評価書作成支援で詳しくご案内しています。
ポイント3 管理会計で3〜5年の改善計画を数値化する
企業評価書の説得力を高めるには、勘と経験ではなく管理会計に基づいた改善計画が欠かせません。人件費率・粗利率・損益分岐点といった指標を用いて、「いつ、何をすれば、どれだけ改善するか」を数値で示します。抽象的な「頑張ります」ではなく、具体的な数字の裏付けが審査官の納得につながります。
ポイント4 価格転嫁と最低賃金対応をセットで進める
人件費だけを見直しても、収益構造は改善しません。清掃委託契約の更新時期に合わせて、原価の変動を根拠に単価交渉を進めることが重要です。「最低賃金が上がったから」ではなく「原価が上がったから」という説明のほうが、発注側にも伝わりやすい傾向があります。企業評価書の改善計画に、この価格転嫁の道筋を盛り込むことで、計画の実現可能性が一段と高まります。
あわせて、清掃範囲や作業頻度の見直しによる生産性の向上も、改善計画の説得力を高める材料になります。「単価を上げてほしい」という要望だけでなく、「効率化によって同じ品質をより少ない工数で維持できる」という提案をセットで示せると、発注元との交渉が前向きに進みやすくなります。
要するに、開示・専門家の評価・数値計画・価格転嫁という4つを揃えることが、債務超過でも特定技能の受入れを実現する道筋です。
その場でのご契約や、しつこい営業は一切ありません。1社ごとに時間をかけてお話を伺うため、まずは決算状況と受入れ時期の見通しをお聞かせください。
企業評価書を整えた先に、清掃会社が手に入る未来

企業評価書を整え、改善計画を実行に移した先には、次の3つの軸で具体的な変化が見えてきます。
数字の軸 人件費率が適正化し、利益が残る決算に近づく
価格転嫁と管理会計に基づく改善計画を実行することで、人件費率が売上に対して適正な水準に近づき、赤字体質からの脱却が見えてきます。「忙しいのに儲からない」状態から、少しずつ利益が残る決算へと変わっていきます。売上を追うのではなく、利益が残る構造そのものを手に入れることが、経営の安定につながります。
時間の軸 採用審査に費やす時間と不安が減る
企業評価書を早めに整えておけば、特定技能人材の受入れ審査で慌てて資料を用意する必要がなくなります。人手不足に直面してから対応するのではなく、計画的に採用スケジュールを組めるようになります。急な欠員や繁忙期の人手不足に振り回される経営から、一歩先を見据えた人員計画へと切り替えられます。
関係性の軸 金融機関・発注元との関係が安定する
改善計画を数値で説明できる会社は、金融機関からの評価も変わります。清掃委託契約の発注元に対しても、価格転嫁の根拠を論理的に示せることで、対等な交渉ができる関係性に近づきます。現場で働く外国人材にとっても、経営基盤が安定した会社は長く働き続けたいと感じられる職場になります。人手不足時代を乗り越える経営基盤を、共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

ここまで4つのポイントをお伝えしましたが、実際には自社だけで進めるのが難しい領域でもあります。
専門性の壁 企業評価書は誰でも作成できるわけではない
企業評価書を作成できるのは、企業評価を行う能力を有すると認められる資格者に限られます。日々の清掃業務や現場管理で手一杯の経営者・総務担当の方が、財務分析から改善計画の策定までを独力で行うのは現実的ではありません。
時間コストの壁 審査期限に間に合わないリスク
外国人材の受入れには準備期間が必要です。企業評価書の作成に着手するのが遅れるほど、採用したい時期に人材が確保できないリスクが高まります。「まだ大丈夫」と先延ばしにするほど、選択肢は狭まります。
判断ミスの壁 根拠の弱い計画は審査で問われやすい
改善計画の数字に根拠が乏しいと、審査の過程で追加の説明や資料を求められることがあります。特に、赤字や債務超過の原因を「一時的な要因」として片付けてしまうと、改善の実行可能性が疑われ、書面の説得力が下がることがあります。だからこそ、財務分析と経営改善の実務に精通した専門家に任せる経営者が増えています。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・MBA(経営管理修士)である代表が、決算分析から企業評価書の作成、改善計画の策定までを一気通貫で支援します。「申請サポート」ではなく、数字を見える化し利益が残る構造へ転換する伴走支援を大切にしています。
これまで150社以上の法人支援を行ってきた実務経験をもとに、建設業・製造業・宿泊業など、業種ごとに異なる収益構造を踏まえた改善計画をご提案しています。ビルクリーニング業についても、人件費率・契約単価・稼働人数といった業界特有の指標を踏まえて、実行可能な改善計画に落とし込みます。決算書をお預かりしてから、企業評価書の骨子をご提示するまでの流れも、初めての方に分かりやすくご説明します。
お断りいただいても構いません。費用は一切かかりません。ビルクリーニング業ならではの決算状況を踏まえて、率直な見立てをお伝えします。
よくある質問

Q. 企業評価書とは、そもそもどんな書面ですか?
A. 外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受入れにあたり、直近の決算が赤字や債務超過の場合に提出を求められることがある書面です。「改善の見通しについて評価を行った書面」とも呼ばれ、企業評価を行う能力を有すると認められる資格者が、経営状況の改善見通しを客観的に評価します。単なる決算の説明資料ではなく、今後の改善見通しを第三者の視点で裏付ける点が特徴です。
Q. 企業評価書は誰に依頼すればいいですか?
A. 中小企業診断士など、企業評価の専門性を持つ資格者に依頼します。日々の決算や税務に詳しい専門家であっても、対応できる資格者は限られるため、事前の確認が必要です。財務分析だけでなく、業界特有の収益構造を理解した専門家に相談すると、より実態に即した評価書に仕上がります。
Q. 債務超過でも特定技能の受入れは本当にできますか?
A. 債務超過があるという理由だけで一律に受入れができなくなるわけではありません。改善の見通しを客観的に示す企業評価書を整えることで、受入れ審査を進められる可能性があります。
Q. 企業評価書を自分で書けないのですが、どうすればいいですか?
A. 企業評価書は資格者による客観的な評価が前提となる書面のため、経営者ご自身で作成することは想定されていません。決算書や事業の状況をもとに、専門家へ相談するところから始めるとスムーズです。
Q. ビルクリーニング分野特有の受入れ要件はありますか?
A. ビルクリーニング分野では、建築物清掃業などの事業所登録に加え、業界の特定技能協議会への加入が必要とされています。雇用形態は直接雇用に限られ、派遣での受入れはできません(厚生労働省)。
Q. 特定技能の技能水準はどう確認されますか?
A. ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験(判断試験・作業試験)と日本語試験への合格、または技能実習2号の修了が要件とされています。作業試験では床清掃・ガラス洗浄・便器清掃などの実技が確認されます(厚生労働省)。
Q. 企業評価書の準備には、どのくらいの期間が必要ですか?
A. 決算内容の確認から改善計画の策定、書面の作成までを含めると、一定の準備期間を見込む必要があります。受入れを検討し始めた段階で早めに相談することをおすすめします。
Q. 育成就労制度が始まると、企業評価書の扱いは変わりますか?
A. 育成就労制度は2027年4月の施行が予定されており、技能実習制度からの移行が進む見通しです。制度移行後も、経営状況が悪化している企業に対して改善見通しの提示を求める考え方自体は引き継がれるとみられています。制度の詳細は今後も更新される可能性があるため、受入れを検討する時期が近づいたら最新情報を確認することをおすすめします。
Q. 企業評価書があれば、必ず受入れ審査に通りますか?
A. 企業評価書は経営改善の見通しを客観的に示すための書面であり、提出すれば自動的に審査を通過できるものではありません。決算内容や改善計画の実行可能性、その他の提出書類の内容も含めて総合的に判断されます。だからこそ、根拠のある改善計画を丁寧に積み上げることが重要です。
Q. 決算が2期連続赤字でも相談できますか?
A. 2期連続赤字であっても、ご相談いただくこと自体に問題はありません。むしろ、赤字が続いている状況こそ、早めに改善の方向性を整理しておくことで、受入れ審査への対応と資金繰りの両面で選択肢が広がります。
Q. 相談すると、すぐに契約を迫られませんか?
A. KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)では、ご相談いただいてもその場での契約や強引な営業は行っていません。まずは決算状況と受入れの目的をお聞かせいただき、対応方針を一緒に整理するところから始めます。
まとめ
ビルクリーニング業(清掃業)で赤字・債務超過が続く背景には、最低賃金の上昇スピードに価格転嫁が追いつかないという構造的な問題があります。これは経営者の努力不足ではなく、業界全体が直面している課題です。
大切なのは、赤字の原因を正しく開示し、中小企業診断士による客観的な企業評価書を整え、管理会計に基づく改善計画と価格転嫁の道筋をセットで示すことです。この4つのポイントを揃えることで、債務超過があっても特定技能人材の受入れを実現できる可能性は十分にあります。
人件費高騰は業界全体が直面している課題であり、自社だけの問題ではありません。だからこそ、経営者一人で抱え込まず、財務分析と改善計画の専門家に早めに相談することが、遠回りに見えて実は一番の近道になります。人手不足を乗り越える一歩を、専門家と一緒に踏み出してみませんか。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
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