そろそろ本気で決めないといけない。そう思いながら、もう三年が過ぎていないでしょうか。
息子は継ぐとも継がないとも言わない。番頭は頼りになるが、株を買う資金があるとは思えない。かといってM&Aは、まだ気が進まない。
結論から申し上げます。事業承継の種類に、優劣はありません。
会社の状態と残された時間によって、最適な相手は変わります。だから先に決めるべきは相手ではなく、決め方の順番です。
この記事では、親族内承継・役員従業員承継(MBO)・第三者承継(M&A)の3類型すべてを、同じものさしで並べて比べます。
どれか1つを勧める記事ではありません。3つを机の上に並べ、社長ご自身の言葉で選べる状態をつくる記事です。
決めないまま時間が過ぎると、選べたはずの型から順に消えていきます。
- 誰に会社を渡すか決めきれない方
- 子どもに継ぐ意思があるか分からない方
- 番頭に渡したいが資金が心配な方
- M&Aを一度は考えたことがある方
- 何から相談すべきか分からない方
- 事業承継の種類3つを同じ項目で比べた一覧表
- 親族内承継・従業員承継・第三者承継それぞれの判断基準
- 相手を決める前に確かめる3つの順番
- 事業の棚卸しで自社の状態を見立てる具体的な進め方
- 税理士・弁護士との役割の切り分け方
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として承継の設計に伴走してきました。法人支援は150社以上になります。
読み終えるころには、今月どの確認から手をつければよいかが分かります。
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事業承継の種類を決めきれないまま、時間だけが過ぎる構造

決めきれない原因は、社長の優柔不断ではありません。3つの型を同じ土俵で比べた資料を、誰も持ってきてくれないからです。
この記事で扱うのは、親族内承継・役員従業員承継(MBO)・第三者承継(M&A)の3類型すべてです。どれかを推す立場では書きません。
情報が型ごとに分かれて届く
社長のもとに届く情報は、たいてい片方だけです。
税理士からは株式の贈与と相続の話が来ます。金融機関からはM&Aの提案が来ます。
それぞれ正しい情報です。けれど3つを並べて比べた話は、どこからも届きません。
比べられなければ、決められません。決められないから、また来年に持ち越されます。
「継ぐ意思」を確かめないまま前提にしている
最も多いのが、後継者候補の意思を確かめないまま話を進めている状態です。
「長男はいずれ継ぐだろう」と社長は思っている。長男は「父は自分に継がせる気がないのだろう」と思っている。
この行き違いは、驚くほどよく起きます。しかも双方とも、確かめるのが怖くて口に出しません。
意思の確認が5年遅れれば、準備そのものが5年遅れます。土台が空白のまま、上に計画だけを積んでいる状態です。
自社の状態を数字で把握していない
もうひとつの原因は、自社の現在地が分からないことです。
借入がいくら残り、個人保証がどの契約に付いていて、株式が誰に何株分散しているか。この3点を即答できる社長は多くありません。
現在地が分からなければ、地図があっても進む道は選べません。
放置したときに、選択肢は順番に消えていく
先送りの怖さは、失敗することではありません。選べたはずの型が、静かに1つずつ減っていくことです。
実際に起きる順番は、おおむね決まっています。
- 後継者候補が他社で地位を得て、戻る理由がなくなる
- 右腕の役員が年齢を重ね、株式の買取資金を借りる期間が取れなくなる
- 設備投資が止まり、業績が落ちて、譲渡先の候補が減る
- 社長が体調を崩し、判断そのものができなくなる
- 相続が起きて、株式が親族に分かれてしまう
1番から4番までは、まだ打ち手があります。
5番まで進むと、会社を動かすのに親族全員の同意が要る状態になります。
「まだ元気だから」は理由になりにくい
元気なうちに動くほうが、選べる型は多く残ります。逆から言えば、元気でなくなってから動くと選択肢は限られます。
健康なうちに決めた社長ほど、結果として引き継ぎ後も長く関われています。早く決めることは、早く引退することではありません。
要するに、この章の答えはひとつです。決めきれないのは情報の並べ方の問題であり、並べ直せば決められます。
事業承継の種類の選び方|親族内承継・従業員承継・第三者承継の判断基準

結論から書きます。3つの型を5つの項目で比べ、そのうえで「人・会社・時間」の順に確かめるのが、迷いを断つ最短の道です。
まず、3つの型の定義を短く揃えます。用語の意味がずれたまま比べても、答えは出ません。
- 親族内承継とは、子や配偶者など親族に株式と経営を引き継ぐことです。
- 役員従業員承継(MBO)とは、社内の役員や従業員が株式を買い取り、経営を引き継ぐことです。
- 第三者承継(M&A)とは、社外の会社や個人に株式や事業を譲り渡すことです。
3つの型を同じ5項目で比べる
比べる項目は、株式の移転方法・必要な資金・個人保証の扱い・従業員への影響・必要な期間の5つです。
この5つは、どの型を選んでも必ず向き合う項目です。だから同じものさしになります。
| 比べる項目 | 親族内承継 | 役員従業員承継(MBO) | 第三者承継(M&A) |
|---|---|---|---|
| 株式の移転方法 | 贈与・相続・売買を組み合わせる | 後継者や持株会社への売買が中心 | 譲渡先への売買(株式譲渡・事業譲渡) |
| 必要な資金 | 後継者側の資金負担は小さいことが多い。納税資金の準備が論点 | 後継者側に買取資金が要る。借入や持株会社の活用を検討 | 後継者側の資金負担はない。社長側に譲渡対価が入る |
| 個人保証の扱い | 後継者へ引き継がれる場合がある。解除交渉が必要 | 後継者へ引き継がれる場合が多い。最大の関門になりやすい | 譲渡先が引き受け、社長の保証が外れることが多い |
| 従業員への影響 | 体制が続くため動揺は小さい | 社内から出るため納得を得やすい | 説明の仕方と時期の設計が要る |
| 必要な期間 | 育成を含めて長め(数年単位) | 資金と保証の調整に時間が要る | 相手探しと調査を含めて中程度 |
表を見ると分かるとおり、どの型にも重い項目と軽い項目があります。
親族内承継は資金が軽い代わりに時間が要ります。第三者承継は時間と保証が軽い代わりに、従業員への説明設計が要ります。
優れた型を選ぶのではなく、自社が耐えられる重さの型を選ぶという発想に切り替えてください。
親族内承継を選ぶときの判断基準
親族内承継が現実的なのは、次の3つが揃っているときです。
- 後継者候補に「継ぐ」という自分の言葉での意思がある
- 引き継ぎと育成に使える時間が、数年単位で残っている
- 他の相続人との間で、株式の分け方の見通しが立つ
特に3番目を軽く見ないでください。後継者に株式を集めれば、他の相続人の取り分は減ります。
ここで説明を尽くさないと、承継後に家族の争いが会社に持ち込まれます。株式の分け方は税務と法律が絡む論点です。
逆に、後継者候補が明確に断っているなら、この型は選べません。返事を保留したままの状態も、実質的には同じです。
役員従業員承継(MBO)を選ぶときの判断基準
MBOが現実的なのは、次の3つが揃っているときです。
- 取引先や現場から信頼されている役員・幹部がいる
- その人が経営者になる覚悟を、自分の言葉で語れる
- 株式の買取資金と個人保証の見通しが立つ
MBOでつまずく理由は、ほぼ資金と保証の2つに集約されます。
後継者は給与所得者です。会社の株式を買う自己資金を、個人で持っていることはまれです。
後継者の年齢が上がるほど、買取資金を借りる期間は取りにくくなります。
だからMBOは「いつかやる」と言い続けるほど成立しにくくなる型です。候補者が50代後半に差しかかっているなら、判断を早めてください。
第三者承継(M&A)を選ぶときの判断基準
第三者承継が現実的なのは、次の3つが揃っているときです。
- 社内にも親族にも、経営を担える候補がいない
- 技術・許認可・取引先など、社外から見て価値のあるものがある
- 従業員の雇用を守ることを、条件の中心に置ける
M&Aは「後継者がいないから仕方なく」の選択ではありません。従業員の雇用と取引先を守るための、前向きな手段のひとつです。
ただし相手が付くかどうかは、会社の状態に左右されます。決算書だけでなく、現場の強みが説明できる状態にしておく必要があります。
個人保証を外しやすいのは、この型の大きな利点です。
選ぶ順番は「人・会社・時間」の3段階
3つの型を並べたら、次は順番です。順番を守ると、迷いが一気に減ります。
- 後継者候補の有無と意思を確かめる|親族と社内の両方に、実際に聞く
- 会社の状態を事業の棚卸しで確かめる|借入・個人保証・株主構成・強みを洗い出す
- 時間の制約から逆算する|社長の年齢と体力、後継者の年齢、借入の返済年数
1番を飛ばして2番から始める会社が非常に多いのですが、順番が逆です。人がいるかどうかで、必要な調査の中身が変わります。
後継者候補の意思は「聞き方」で結果が変わる
意思の確認は、食事の席の雑談では終わりません。次の3点を、言葉にして聞いてください。
- 経営者として会社を背負う気持ちがあるか
- 個人保証を引き受ける可能性を理解しているか
- いつまでに答えを出せるか
断られたときのために、聞く前に「断ってもよい」と伝えておくことも大切です。
逃げ道のない問いかけは、あいまいな返事しか生みません。あいまいな返事は、決めない時間をまた延ばします。
事業の棚卸しとは、会社の中身を第三者の目で確かめること
事業の棚卸しとは、会社の事業・組織・取引・リスクを、第三者の目で調べて整理することです。デューデリジェンスの一部にあたります。
M&Aの買い手が行う調査という印象があるかもしれません。けれど事業の棚卸しは、渡す側が先に自分でやるほど効果があります。
渡す型を決める前に確かめるのは、おおむね次の項目です。
- 株主名簿と実際の株主が一致しているか
- 借入の残高と、個人保証が付いている契約はどれか
- 取引先の集中度と、社長個人に依存している関係はどれか
- 許認可・資格者の要件を、代表交代後も満たせるか
- 法人保険の契約目的と受取人が、いまの承継計画と合っているか
- 就業規則・役員退職慰労金規程などの社内規程が整っているか
この棚卸しをすると、選べる型が絞り込まれます。たとえば社長個人への依存が強い会社は、そのままでは譲渡先が付きにくいと分かります。
逆に、資格者が社内に複数いて取引先も分散していれば、3つの型すべてが選べます。調べることは、選択肢を増やす作業です。
この一連の設計は、事業承継の種類ごとに道筋を描くコンサルティングとしてご相談を受けています。
時間の制約から逆算する
最後に時間です。ここは冷静な引き算になります。
社長が「この年齢までには退きたい」という時期を決めてください。そこから、型ごとに必要な期間を引きます。
この3段階を踏むと、多くの場合は自然に候補が1つか2つに絞られます。ゼロから悩むのではなく、消去法で残す形です。
比べて絞り込むところまでは、費用をかけずにできます。その先で迷ったときだけ、外の目を入れれば十分です。無理にお勧めはしません。
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事業承継の種類を決めた先に手に入る、3つの未来

型が決まると、会社の景色は変わります。変わるのは、次の3つの軸です。
社長個人に返ってくるもの
まず、判断の負荷から解放されます。
「誰に渡すか」が決まっていない間、社長は設備投資も採用も決めきれません。渡す相手が変われば、正解が変わるからです。
型が決まれば、投資の判断がその型に沿って一本化されます。会議の空気が変わったと言われる社長は少なくありません。
加えて、個人保証と個人資産の扱いに見通しが立ちます。自宅を担保に入れたままで終わらせない道筋が描けます。
従業員と取引先に返ってくるもの
2つめは、社内の落ち着きです。
従業員は、社長が思っている以上に承継の行方を気にしています。何も言われない期間が長いほど、不安は想像で膨らみます。
型が決まり、伝える順番と時期が設計できれば、噂ではなく事実が伝わります。
取引先も同じです。「次はどなたが」と聞かれたときに答えられる状態は、それ自体が信用になります。
家族と株式に返ってくるもの
3つめは、家族の関係が守られることです。
株式は、放っておけば相続で分かれます。分かれた株式は、会社の意思決定を止めます。
渡す型が決まれば、株式をどう集めるか、他の相続人にどう説明するかを、社長が生きているうちに設計できます。
争いを止める一番の方法は、社長本人が元気なうちに順番を決めておくことです。
会社の未来と、社長ご自身の生活と、家族の関係。この3つを同時に守れる状態を、共に手に入れましょう。
自社だけで事業承継の種類を選ぶ限界と、事業承継士による伴走支援

ここまでの手順は、社内だけでも進められます。ただし、2か所でつまずきやすい場所があります。
身内には本音を聞けないという限界
1つめは、後継者候補の意思確認です。
親子であるほど、本音は出てきません。息子は父を落胆させたくないと考え、父は断られるのが怖くて核心を避けます。
社内の役員も同じです。社長から直接「継ぐ気はあるか」と聞かれて、その場で正直に答えられる人は多くありません。
第三者が間に入ると、この会話は驚くほど進みます。断る自由が保証されるからです。
自社の弱みは自社では見えないという限界
2つめは、事業の棚卸しです。
毎日見ている景色の中に、リスクは埋もれます。社長個人への依存も、株主名簿のずれも、社内では当たり前になっています。
外から同じ資料を見ると、まったく違う指摘が出ます。それが第三者の目を入れる価値です。
専門家の役割を切り分ける
承継には複数の専門家が関わります。誰が何をするかを取り違えると、判断が止まります。
| 担い手 | 担当する領域 |
|---|---|
| 税理士 | 個別の税務判断・税務申告・税額計算。株式の評価や課税関係の最終判断 |
| 弁護士 | 契約書の作成と法律判断。相続・遺留分などの紛争対応 |
| 司法書士 | 役員変更・組織再編などの登記 |
| 行政書士 | 許認可の手続き |
| KICK(中小企業診断士・事業承継士) | 3類型の比較と選択、事業の棚卸し、承継全体の設計と伴走、法人保険の再設計 |
税務の個別判断は税理士、契約と法律判断は弁護士の領域です。KICKがその代わりを務めることはありません。
私たちの役割は、全体の設計図を持ち、各専門家に渡す順番を整えることです。
KICKが伴走で行うこと
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、次の場面に伴走します。
- 3類型を自社の数字に当てはめて比べる資料づくり
- 後継者候補との対話の設計と、同席しての意思確認
- 事業の棚卸しによる株主構成・個人保証・強みの洗い出し
- 時間から逆算した承継スケジュールの作成
- 法人保険の目的と受取人が承継計画と合っているかの点検
法人保険については、事業承継専属の保険代理店として関わります。減らすための見直しではなく、守るための再設計という立場です。
保障を削りすぎれば、万一のときに事業の継続や家族の生活に影響が出ます。いまの目的と合っているかを点検する価値がある、という温度でお話しします。
認定経営革新等支援機関として、法人支援150社以上の現場に立ち会ってきました。他の専門家を否定することはありません。
「まだ何も決まっていない」段階こそ、いちばんお役に立てます。売り込みは一切なく、その場でのご契約もありません。話した結果「自社だけで進められそうだ」となっても構いません。
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事業承継の種類に関するよくある質問

Q. 事業承継の種類は何種類ありますか
A. 大きく3種類です。親族内承継、役員従業員承継(MBO)、第三者承継(M&A)に分かれます。
この3つは、株式を誰に移すかで区分されています。事業譲渡や会社分割といった手法の違いは、この3類型の中の進め方の違いです。
まずは3つのどれを目指すかを決め、手法の選択はその後に回してください。
Q. 親族内承継と第三者承継はどちらが得ですか
A. 条件によって変わるため、一律にどちらが得とは言えません。
後継者に意思があり時間も残っているなら、親族内承継のほうが従業員の動揺は小さく済みます。候補がいない、あるいは個人保証を早く外したいなら、第三者承継が現実的です。
比べるときは、この記事の5項目(株式の移転方法・資金・個人保証・従業員への影響・期間)で並べてください。
数字の当てはめまで進めたい場合は、無料相談でご一緒に整理できます。
Q. 後継者候補がはっきり返事をしないときはどうすればよいですか
A. 期限を決めて、断ってよいと伝えたうえで、もう一度聞いてください。
あいまいな返事の多くは、迷いではなく遠慮です。断る自由がないと感じている限り、答えは出ません。
「半年後までに答えを聞かせてほしい。断ってくれても構わない」と伝えるだけで、会話が進むことがあります。
それでも進まないときは、第三者を同席させる方法があります。親子だけの場では出ない話が出てきます。
Q. 従業員承継では株式の買取資金をどう用意しますか
A. 後継者個人の借入、持株会社を使う方法、段階的に買い取る方法などを組み合わせます。
一括で全株式を買い取れることはまれです。まずは経営権を確保できる範囲を先に移し、残りを時間をかけて移す設計が現実的です。
ここで重要なのは、後継者の年齢と借入の返済期間の関係です。年齢が上がるほど、組める期間は短くなります。
資金の組み立ては金融機関との交渉が絡みます。早い段階で見通しを立ててください。
Q. 社長の個人保証は誰が引き継ぐのですか
A. 型によって違います。親族内承継とMBOでは後継者に引き継がれる場合があり、第三者承継では譲渡先が引き受けることが多くなります。
後継者が個人保証を嫌って承継を断るケースは実際にあります。だから「継ぐか」を聞く前に、保証の見通しを立てておくことが大切です。
経営者保証に関する取扱いは、金融機関との交渉で変わります。財務の状態と、法人と個人の資産の切り分けが判断材料になります。
次の一歩として、どの借入契約に保証が付いているかの一覧づくりから始めてください。
Q. 事業の棚卸しはいつ、何を見るのですか
A. 型を決める前に行い、株主構成・借入と個人保証・取引の集中度・許認可・社内規程を見ます。
買い手が行う調査という印象がありますが、渡す側が先に行うほど価値があります。選べる型が明確になるからです。
期間は会社の規模と資料の整い方によりますが、数週間から数か月をみておくと安全です。
まずは株主名簿と借入一覧、許認可の要件の3つを机の上に出すところから始められます。
Q. 事業承継の準備はいつから始めればよいですか
A. 社長が退きたいと考える時期から、逆算して決めます。
親族内承継やMBOのように育成と資金調達が要る型ほど、逆算の起点は早くなります。数年単位で見ておくほうが安全です。
「まだ元気だから」と先送りすると、選べる型が減っていきます。元気なうちに始めるほど、選択肢は多く残ります。
今日できる一歩は、退きたい時期を紙に書くことです。それだけで逆算が始まります。
Q. 従業員にはいつ伝えればよいですか
A. 型によって適切な時期が違うため、型を決めてから設計します。
親族内承継やMBOでは、後継者が社内で役割を担い始める時点で伝えるほうが自然です。第三者承継では、交渉の段階と成立後で伝える範囲が変わります。
共通するのは、噂が先に回る前に事実を伝えることです。順番を誤ると、離職や取引先の不安につながります。
伝える相手・順番・言葉を、あらかじめ紙に書いて決めておいてください。
Q. 途中で事業承継の種類を変えることはできますか
A. できます。実際、親族内承継を目指して進めた後にMBOや第三者承継へ切り替える例はあります。
ただし切り替えには時間がかかります。早い段階で見切りをつけるほど、次の型を選ぶ余力が残ります。
「決めたら変えられない」と身構えるほど、決断は遅れます。仮に決めて進めるほうが、情報が集まります。
半年ごとに見直す前提で、まず第一候補を決めてください。
Q. 税理士と弁護士のどちらに先に相談すればよいですか
A. 型が決まっているなら税理士、家族間の争いが心配なら弁護士が先になります。
まだ型が決まっていない段階なら、どちらに聞いても答えは出にくいのが実情です。税務の質問には型の前提が要り、法律の質問には論点の特定が要るためです。
先に3類型の比較と事業の棚卸しを済ませると、専門家への質問が具体的になります。結果として費用も時間も無駄になりません。
順番の整理そのものについては、KICKの無料相談でご一緒に組み立てられます。
まとめ

事業承継の種類は3つです。親族内承継、役員従業員承継(MBO)、第三者承継(M&A)。
この3つに優劣はありません。会社の状態と残された時間で、最適な相手は変わります。
選ぶときは、次の順番を守ってください。
- 後継者候補の有無と意思を、言葉にして確かめる
- 会社の状態を事業の棚卸しで確かめる
- 退きたい時期から逆算して、型ごとの必要期間を引く
比べる項目は、株式の移転方法・必要な資金・個人保証の扱い・従業員への影響・必要な期間の5つです。
税務の個別判断は税理士、契約と法律判断は弁護士の領域です。KICKは全体の設計と伴走を担います。
決めきれない時間が続くほど、選べる型は静かに減っていきます。
逆に言えば、いま動けば3つとも机の上に残っています。
迷っている状態のままで結構です。売り込みは一切なく、その場でのご契約やしつこい営業もありません。お断りいただいても構いません。まずは、決めきれずにいる理由からお聞かせください。
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