「会社は継ぎたい。でも、個人保証だけは背負えません」
長年一緒に働いてきた役員や従業員に会社を託そうとした場面で、こう言われて言葉に詰まった経営者は少なくありません。
結論から申し上げます。経営者保証の解除は、金融機関に頼み込む交渉ではなく、自社を整える準備から始まります。
準備のないまま「保証を外してほしい」とだけ伝えても、話は前に進みません。その結果、後継者が承継そのものを辞退してしまう例があります。
- 役員や従業員へ会社を渡したい経営者の方
- 後継者に個人保証をためらわれている方
- 引退後も保証が残ることが不安な方
- 金融機関との話し方が分からない方
- 保証を理由に承継を迷っている後継者の方
- 経営者保証が事業承継で最大の壁になる仕組み
- 経営者保証ガイドラインが示す3つの考え方の中身
- 経営者保証の解除へ向けて踏む5つの手順と順序
- 前経営者と後継者の二重の保証を避けるための考え方
- 金融機関との交渉で用意しておく資料と伝え方
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、法人支援150社以上の実績で承継の全体設計に伴走してきました。
読み終えるころには、自社がいまどの段階にいて、次に何から手をつければよいかが分かります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは借入と保証の現状をお聞かせください。
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事業承継で経営者保証の解除が進まない構造と、放置して起きること

この記事で扱うのは役員・従業員承継です。親族ではなく、社内の役員や従業員へ会社を引き継ぐ場面を前提にしています。
結論を先に述べます。経営者保証の解除が進まない一番の理由は、金融機関が冷たいからではありません。
多くの場合、会社側が「保証を外せる状態」を用意しないまま話を持ちかけていることにあります。逆に言えば、整えれば道は開けます。
経営者保証とは何か
経営者保証とは、会社が金融機関から借入をするときに、社長個人が会社の債務を保証する契約のことです。
会社が返せなくなった場合、社長個人の預金や自宅などの財産で返済を求められます。個人保証とも呼ばれます。
会社と個人の財布は本来別ですが、保証契約を結ぶことで、この二つが実質的につながります。
中小企業の借入では長く一般的な慣行でした。ただし近年は、保証に頼らない融資を広げる方向で仕組みが整えられてきています。
役員・従業員承継で個人保証が最大の壁になる理由
役員・従業員承継では、後継者に二つの負担が同時にのしかかります。
一つは株式を買い取る資金です。もう一つが、会社の借入に対する個人保証です。
後継者の多くは、給与所得で暮らしてきた方です。会社の借入額は、その方の生涯年収を超えていることも珍しくありません。
創業者であれば「自分が起こした会社だから」と腹をくくれます。しかし雇われてきた立場では、家族に説明がつかないのです。
この心理的な壁を軽く見ると、承継の話は最後の最後で止まります。
なお、この壁は親族内承継でも同じように立ちはだかります。子どもが「継ぎたくない」と言う理由の一つが保証だった、という相談は数多くあります。
承継の型ごとに起きやすいこと
承継の型によって、保証をめぐる論点は少しずつ違います。整理すると次のようになります。
| 承継の型 | 経営者保証をめぐって起きやすいこと |
|---|---|
| 役員・従業員承継 | 株式取得資金と個人保証が同時にのしかかり、後継者が決断できない |
| 親族内承継 | 家族の生活を守る立場から、配偶者や子が保証の引受けに強く反対する |
| 第三者への譲渡 | 譲渡の実行と同時に整理されることが多いが、前経営者の保証の扱いが論点になる |
どの型でも共通しているのは、保証の話を後回しにすると、条件を詰める段階で必ず戻ってくるという点です。
放置したときに起きる3つのこと
保証の論点を先送りすると、次の三つが起こりやすくなります。
- 後継者が承継を辞退し、候補者探しが振り出しに戻る
- 代表交代だけ済ませ、保証は前経営者に残ったままになる
- 前経営者に万一のことがあり、保証債務が相続の話に絡む
二つ目は特に多い形です。名刺の肩書きは変わったのに、金融機関との関係だけが旧体制のまま残ります。
この状態では、前経営者は本当の意味で引退できません。後継者も、重要な資金の判断を自分で下せません。
要するに、経営者保証の解除は「いつかやること」ではありません。承継の日程を決める前に着手すべき、最初の宿題です。
経営者保証の解除へ向けて事業承継で踏む5つの手順

結論を先に述べます。経営者保証の解除は、次の5つの手順を順番に踏むことで前に進みます。
- 借入と保証の全体像を棚卸しする
- 法人と経営者の資産・経理を明確に分ける
- 財務基盤を強くし、返済の裏付けを示す
- 情報開示の型をつくり、続けられる形にする
- 承継計画とセットで金融機関に相談する
この順番には理由があります。手順1から4は自社で整える準備であり、手順5がその成果を伝える場だからです。
準備を飛ばして手順5から入ると、「では何を改善すればよいのか」という話になり、結局手順1に戻ります。
経営者保証ガイドラインが示す3つの考え方
手順の背骨になるのが、経営者保証に関するガイドラインです。
経営者保証に関するガイドラインとは、日本商工会議所と全国銀行協会を事務局とする研究会がまとめた、経営者保証の取扱いに関する自主的なルールのことです。2013年12月に公表され、2014年2月から適用が始まりました。
法律のような強制力はありません。ただし、金融機関が尊重して取り組むことが求められている、実務上の共通のものさしです。
このガイドラインは、保証に依存しない融資を検討する際の考え方として、次の3つを挙げています。
| 3つの考え方 | 自社で確かめること |
|---|---|
| 法人と経営者の資産・経理の明確な分離 | 役員貸付金、社長個人名義の事業用資産、私的な経費の混在がないか |
| 財務基盤の強化 | 本業の利益と手元資金で、借入の返済に無理がない形になっているか |
| 金融機関への適時適切な情報開示 | 試算表や資金繰りの見通しを、求められる前に自ら出せているか |
三つを完璧に満たす会社はほとんどありません。大事なのは、自社がいまどの段階にいるかを正直に把握することです。
借入と保証の全体像を棚卸しする
最初にやるのは、資料を集めて一覧にすることです。ここを飛ばすと、あとの話がすべて曖昧になります。
金融機関ごとに、次の項目を並べます。
- 借入の残高と返済期日、当初の借入目的
- 保証人は誰か(前経営者・配偶者・その他)
- 担保の有無と対象、信用保証協会の保証が付いているか
- 特定の借入だけの保証か、継続的な取引をまとめて保証しているか
驚かれるかもしれませんが、社長本人が保証の全体像を把握していない会社は多くあります。
古い契約が残っていたり、すでに完済した借入の保証だけが宙に浮いていたりします。
一覧にすると、「実はこの一本だけが論点だった」と分かることもあります。全体像が見えるだけで、話は具体的に動き始めます。
法人と経営者の資産・経理を明確に分ける
3つの考え方のうち、最も手を付けやすく、効果が見えやすいのがこの分離です。
金融機関がここを見るのには理由があります。会社と個人のお金が混ざっていると、会社の数字が実態を映さなくなるからです。
よく論点になるのは次のような状態です。
- 役員貸付金が長年計上され、返済の予定が決まっていない
- 社長個人名義の土地・建物を会社が使い、賃貸借の契約書がない
- 個人的な支出が会社の経費に混ざっている
- 社長個人の口座と会社の口座で、資金のやり取りが日常化している
一つずつ、契約書と社内規程で形を整えます。個人名義の不動産を使っているなら、賃貸借契約を結び、適正な賃料を定めます。
役員貸付金は、返済計画を作って実際に減らしていきます。時間はかかりますが、減っている事実そのものが説明材料になります。
経費の混在は、経理処理の話であると同時に税務の話でもあります。個別の税務判断や申告は税理士の領域ですので、顧問税理士と一緒に整理を進めてください。
財務基盤を強くし、返済の裏付けを示す
財務要件と呼ばれる部分です。ここは一朝一夕にはいきません。
ただ、考え方はいたって素直です。保証がなくても返済に無理がないと説明できる状態を目指す、ということです。
具体的な水準は金融機関ごとに考え方が異なりますので、この記事で数値の基準を示すことはしません。代わりに、見られている観点を挙げます。
- 本業でどれだけ利益とお金を生み出せているか
- 自己資本が積み上がり、赤字に耐える厚みがあるか
- 手元の資金で、当面の支払いに困らない状態か
- 利益とお金の流れが、一時的でなく続く見込みがあるか
大切なのは、いまの数字そのものより方向性です。改善に向かっている会社と、横ばいの会社では受け取られ方が変わります。
そのために、承継までの数年をどう使うかという計画が要ります。ここは事業計画の設計そのものであり、承継の設計と切り離せません。
KICKでは、株式・保険・後継者育成までを一体で見る経営者保証の解除まで見据えた事業承継コンサルティングとして、この設計に伴走しています。
情報開示の型をつくり、続けられる形にする
3つ目の考え方が、適時適切な情報開示です。ここは中小企業が最も差を付けやすい部分です。
決算書を年に一度渡すだけ、という関係では、金融機関は会社の実態を一年遅れでしか知りません。
やることはシンプルです。
- 月次の試算表を、決まった時期に出せる体制にする
- 資金繰りの見通しを数か月先まで自社で作る
- 決算の内容を、社長か後継者の言葉で説明する場を持つ
- 悪い数字が出たときこそ、早めに理由を添えて伝える
四つ目が肝心です。都合の悪い話を先に出せる関係になると、信頼の質が変わります。
この積み重ねは、後継者にとっての練習にもなります。数字を説明できる後継者は、それだけで評価されます。
承継計画とセットで金融機関に相談する
準備が形になってきたら、いよいよ相談です。ここで重要なのは、保証の話を単独で持ち出さないことです。
誰に、いつ、どう引き継ぎ、その後どう経営するのかを示したうえで、保証の扱いを相談します。
持参する資料の例を挙げます。
- 後継者の経歴と、これまで担ってきた役割
- 承継の時期と、代表交代までの段取り
- 株式をどう移すか(贈与・譲渡など)の方針
- 承継後3〜5年の事業計画と、返済の見通し
- 資産・経理の分離について、整えた内容と残っている課題
ここで押さえておきたいのが、事業承継時に焦点を当てた経営者保証に関するガイドラインの特則です。
この特則は2019年12月に公表され、2020年4月から適用されています。事業承継の場面では、前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めることを原則としない取扱いが示されています。
つまり「後継者に保証を求めるなら、前経営者の保証は解除を検討する」という考え方です。あわせて、保証が承継の妨げになり得ることも踏まえて判断することが求められています。
また、金融機関が保証を求める場合には、どの点が十分でないのか、どう改善すれば解除の可能性が高まるのかを具体的に説明することが求められています。
ですから、その場で「難しい」と言われても、そこで終わりにする必要はありません。何が足りないのかを具体的に教えてもらい、次回までの宿題として持ち帰るのが正しい進め方です。
なお、金融機関を相手方として身構える必要はありません。保証に頼らない融資を広げる方向は、金融機関側も共有している流れです。
ただし、解除できるかどうかは最終的に金融機関の判断です。「必ず外せる」と約束できる立場の人は、どこにもいません。
それでも、準備を整えた会社と、何もしていない会社では、話の進み方がまったく違います。
相談は無料です。売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。5つの手順のどこでつまずいているかだけでも、お聞かせください。
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経営者保証の解除が進んだ会社が手に入れる三つの未来

準備を積み上げた会社には、保証の扱いが変わる以上のものが残ります。三つの軸で見ていきます。
後継者が腹を決められる
一つ目は、後継者が自分の意思で「継ぐ」と言えるようになることです。
個人保証への不安が薄れると、後継者の目線は自然と前を向きます。「守るか、逃げるか」ではなく「どう伸ばすか」を考え始めます。
役員・従業員承継では、この変化が特に大きく出ます。雇われる側から、会社を背負う側へ、本人の中で立場が切り替わるからです。
家族の反対も和らぎます。配偶者にとって、家を担保に取られる可能性の有無は、承継への賛否を分ける決定的な要素です。
結果として、承継の話し合いが感情論から離れ、事業の中身の議論に移っていきます。
前経営者と家族が、安心して次の人生へ進める
二つ目は、渡す側の安心です。
代表を降りても保証だけが残っている状態は、経営から離れきれない状態を意味します。会社の資金繰りが気になり、口も出したくなります。
保証の整理が進めば、その線引きがはっきりします。前経営者は会長や顧問として、助言の立場に落ち着けます。
相続の面でも意味があります。保証債務という不確かなものが減れば、財産の姿がはっきりし、家族に説明しやすくなります。
あわせて、法人保険の役割も見直しどきです。借入の返済や納税の資金を保険で備えている場合、承継の前後で必要な保障の形は変わります。
削りすぎれば、万一のときに事業継続や家族の生活に影響が出ます。減らすための見直しではなく、守るための再設計という順番で考えることが大切です。
会社そのものの体質が変わる
三つ目は、会社が強くなることです。
ここまで見てきた手順は、突き詰めれば「まっとうな会社の姿」を整える作業でした。
- 会社と個人のお金が分かれている
- 本業で利益とお金を生めている
- 数字を自分の言葉で説明できる
この三つがそろった会社は、保証の話を抜きにしても評価が上がります。取引先や採用の場面でも、説明できる会社は信用されます。
そして何より、後継者が数字を語れるようになります。これは承継後の10年を支える、目に見えない資産です。
保証を外すことは目的ではなく、通過点にすぎません。その先にある、後継者が安心して経営に集中できる会社の姿を、共に手に入れましょう。
自社だけで金融機関との交渉を進める限界と、KICKの支援

ここまで読んで、「自社でもできそうだ」と感じた方もいると思います。実際、手順の多くは自社で進められます。
それでも、多くの会社が途中で止まります。理由は能力ではなく、構造にあります。
自社だけで進めるときにぶつかる壁
よくあるのは次の三つです。
- 日々の仕事に追われ、準備が後回しになる
- 誰に何を頼めばよいか分からず、話が分断される
- 金融機関に何をどう伝えるかの型が分からない
二つ目は特に根が深い問題です。税理士は税務を、保険の担当者は保障を、金融機関は融資を見ています。
それぞれが正しいことを言っているのに、全体としてつながらない。誰も悪くないのに、時間だけが過ぎていきます。
共通の相手は、人ではありません。バラバラのまま何年も動かない、その状況そのものです。
KICKがやること、やらないこと
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、承継全体の設計と伴走を担います。認定経営革新等支援機関でもあります。
具体的には次のようなことを行います。
- 借入と保証の棚卸し、承継の全体像の整理
- 3つの考え方に照らした現状評価と、課題の順序づけ
- 承継計画と事業計画の設計、金融機関に示す資料の組み立て
- 事業承継専属の保険代理店として、法人保険の役割の再設計
- 税理士・弁護士・司法書士など、専門家との間をつなぐ調整
同時に、やらないことも明確にしています。
- 個別の税務判断・税務申告・税額計算は税理士の領域です
- 法的な判断や紛争の対応は弁護士の領域です
- 登記は司法書士、許認可は行政書士の領域です
- 保証を解除するかどうかを決めるのは金融機関です
私たちは他の専門家を置き換える存在ではありません。それぞれの力が一つの方向を向くように、全体を設計する役目です。
相談していただくときのお約束
初回のご相談で、契約をお願いすることはありません。話を聞いたうえで「今回は自社で進めます」と言っていただいて構いません。
実際、棚卸しの結果「論点は一本の借入だけだった」と分かり、そのまま自社で進められた会社もあります。
売り込む相手ではなく、状況を一緒に見る相手として使っていただくのが、いちばん役に立てる形です。
ご相談いただいても、その場で契約を迫ることはありません。しつこい営業もいたしません。決算書と借入の一覧をお手元に置いて、現状をお聞かせください。
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経営者保証ガイドラインと個人保証のよくある質問

Q. 経営者保証は事業承継のときに必ず外せますか
A. 必ず外せるとは申し上げられません。解除するかどうかを判断するのは金融機関だからです。
ただし、判断の材料は会社が用意できます。資産・経理の分離、財務基盤、情報開示の3つを整えるほど、検討の土俵に乗りやすくなります。
まずは借入と保証の一覧を作り、取引金融機関に現状の考え方を尋ねるところから始めてください。
Q. 経営者保証の解除にはどのくらいの期間がかかりますか
A. 会社の状況によって大きく変わります。数か月で整理が進む会社もあれば、数年かけて財務を立て直す会社もあります。
期間を左右するのは、資産・経理の分離と財務基盤の状態です。役員貸付金の解消などは、時間をかけて減らすほかありません。
だからこそ、承継の日程から逆算して早く始めることが有効です。準備の年数そのものが、説明材料になります。
Q. 従業員承継でも経営者保証を外すことはできますか
A. 承継の型によって扱いが変わるわけではありません。従業員承継でも、考え方は同じです。
むしろ従業員承継では、後継者に個人資産の余裕がないことが多いため、保証に頼らない形を検討する必要性が高くなります。
後継者がこれまで担ってきた役割や実績を、書面で整理して示すことが交渉の助けになります。
Q. 前の社長の個人保証は、代表を交代すれば自動的に消えますか
A. 自動的には消えません。保証契約は会社と金融機関の間の融資契約とは別に、個人と金融機関の間で結ばれているためです。
代表を退いても、解除の手続きを取らなければ保証は残り続けます。ここを誤解したまま何年も過ぎている例は少なくありません。
まずは契約書を確認し、どの借入にどの保証が付いているかを一覧にしてください。
Q. 経営者保証ガイドラインには法的な強制力がありますか
A. 法律ではないため、強制力はありません。中小企業と金融機関が自主的に尊重する、実務上のルールという位置づけです。
とはいえ、金融機関はこのガイドラインを踏まえた対応が求められています。実務では共通のものさしとして機能しています。
会社側も、3つの考え方に沿って自社を点検すれば、話が通じやすくなります。
Q. 財務要件では、どの数字を見られますか
A. 明確な合格ラインが公表されているわけではありません。金融機関ごとに考え方が異なります。
共通して見られているのは、本業の利益とお金の流れ、自己資本の厚み、手元資金の余裕、そして返済との釣り合いです。
数字の水準を気にするより、直近3期の推移と改善の方向を説明できる状態を先に作ってください。
Q. 金融機関から保証を求められたら、理由を聞いてもよいのでしょうか
A. 尋ねて構いません。保証を求める場合には、どの点が十分でないのか、どうすれば解除の可能性が高まるのかを具体的に説明することが求められています。
感情的にならず、「改善したいので教えてください」という姿勢で聞くことが大切です。相手も、改善に取り組む会社を歓迎します。
聞いた内容はその場で記録し、次回までに手を付ける項目として整理しておいてください。
Q. 社長個人の不動産を会社が使っている場合は、どうすればよいですか
A. まず、賃貸借の契約書があるかを確認してください。無いまま使っている状態は、資産の分離ができていない典型です。
契約書を作り、近隣の相場を踏まえた賃料を定めます。会社が買い取るという選択肢もありますが、資金と税務の検討が必要です。
賃料の設定や譲渡の税務は税理士、契約書や登記の実務は司法書士など、それぞれの専門家と進めてください。
Q. 経営者保証を外すために、費用はいくらかかりますか
A. 費用の内訳は、進め方によって変わります。金融機関との相談自体に手数料が生じるとは限りません。
一方で、財務の立て直しや契約書の整備には、専門家の関与が必要になる場合があります。何にどこまで手を借りるかで総額は変わります。
KICKの初回相談は無料です。まず何が必要かを整理してから、費用の話をされることをおすすめします。
Q. 相談するのは、決算が終わってからのほうがよいですか
A. 決算を待つ必要はありません。むしろ期中のほうが、その期の数字に手を打てる余地があります。
棚卸しや資産の分離は、決算の時期に関係なく進められます。早く始めるほど、承継までに積める実績が増えます。
手元に決算書3期分と借入の一覧があれば、初回の整理には十分です。
まとめ

経営者保証は、後継者にとって最大の心理的な壁です。役員・従業員承継では、株式取得の資金と重なってのしかかります。
この壁を越えるために踏む手順は、次の5つでした。
- 借入と保証の全体像を棚卸しする
- 法人と経営者の資産・経理を明確に分ける
- 財務基盤を強くし、返済の裏付けを示す
- 情報開示の型をつくり、続けられる形にする
- 承継計画とセットで金融機関に相談する
背骨にあるのは、経営者保証に関するガイドラインが示す3つの考え方です。資産・経理の分離、財務基盤の強化、適時適切な情報開示。
そして事業承継の場面では、前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めない取扱いが示されています。この点を知っているかどうかで、相談の入り方が変わります。
解除できるかどうかを決めるのは金融機関です。それでも、整えた会社にしか開かない扉であることは確かです。
まずは借入と保証の一覧を作ってみてください。それだけで、次にやることが見えてきます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。後継者の方とご一緒でも構いません。
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