
ビルクリーニング業の受入れ企業から、特定技能の相談を受けたとき。「直近の決算が赤字だが、受入れ審査は通るのか」と問われ、言葉に詰まった経験はないでしょうか。
債務超過の企業が特定技能で外国人材を受け入れる場合、企業評価書(改善見通しに関する評価書面)が急に必要になります。しかし、この書面は行政書士事務所では作成できません。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 受入れ企業が赤字・債務超過で、審査が不安な方
- 企業評価書が必要だが、自所では作成できない方
- 作成できる専門家の当てがなく、受任を逃しそうな方
結論から申し上げます。企業評価書は、中小企業診断士などの専門資格者と連携すれば、慌てずに用意できます。先生おひとりで抱える問題ではありません。
本記事は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史(中小企業診断士)が、行政書士の先生方に向けて執筆します。ビルクリーニング業の特定技能で企業評価書が急に必要になる場面への備えを、5つのポイントで整理します。
この記事で分かること
- ビルクリーニング業の特定技能で企業評価書が必要になる理由
- 備えを怠ったときに起きる受任機会の逸失
- 慌てないための企業評価書5つのポイント
- 中小企業診断士と連携して備える体制と役割分担
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
ビルクリーニング業の特定技能で企業評価書が急に必要になる理由

まず結論です。受入れ企業が債務超過だと、特定技能の受入れ審査で企業評価書が求められます。ビルクリーニング業は、この場面に出会いやすい業種です。
理由は、業界の収益構造にあります。ビルクリーニング業は労働集約型で、人件費の割合が高く、利益率が薄くなりがちです。清掃機材や消耗品の負担も重く、数字が振れやすい業種です。
加えて、契約単位で売上が動くのもこの業種の特徴です。大口のビル清掃契約が一件外れるだけで、年間の収支が一気に傾きます。人手不足で外注費がかさむ年もあります。こうした振れ幅が、決算を債務超過へ押し下げる要因になります。
そして人手不足そのものが、特定技能の受入れを急がせます。つまりビルクリーニング業では、「人が足りず外国人材を受け入れたい」という需要と、「債務超過で企業評価書が要る」という課題が、同時に起きやすいのです。行政書士の先生が相談を受けたとき、この二つが重なって現れます。
債務超過だと審査で問われる財務の健全性
特定技能の受入れでは、受入れ企業が外国人材を安定して雇用できるかが問われます。判断材料のひとつが、財務の健全性です。
直近の決算が赤字・債務超過だと、この健全性に疑問符が付きます。そこで、財務の改善見通しを客観的に示す書面が必要になります。それが企業評価書です。
具体例で考えてみましょう。商業施設清掃を請け負う会社が、人手不足で特定技能の受入れを急ぎたい。しかし、コロナ禍以降の受注減で直近決算が債務超過だった、という場面です。この会社は、企業評価書がなければ受入れの土俵に立てません。
企業評価書は別紙②-1番号20の書面
企業評価書は、正式には「改善見通しに関する評価書面」と呼ばれます。外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類では、別紙②-1・番号20にあたります。
この書面は、申請企業が債務超過のときに求められます。財務の現状と、今後どう改善していくかの見通しを、専門家が客観的に評価して示すものです。
ビルクリーニング業では、次のような会社で必要になりやすいと考えられます。
| 会社の種類 | 企業評価書が必要になりやすい背景 |
|---|---|
| 商業施設清掃会社 | 大型テナントの入替えや契約減で受注が変動し、決算が振れやすい |
| オフィスビルメンテナンス会社 | 設備更新や機材投資の負担が重く、単年度で赤字になりやすい |
| ホテル客室清掃の受託会社 | 宿泊需要の波を受けやすく、稼働が落ちた年に債務超過へ傾きやすい |
要するに、ビルクリーニング業では債務超過が特別な事態ではありません。だからこそ、企業評価書が急に必要になる場面への備えが効いてきます。
このまま備えなければ何が起きるか

結論から言えば、備えがないと受任機会をそのまま逃します。企業評価書を用意できず、申請が前に進まないからです。
理由は、企業評価書の作成者を探すのに時間がかかるためです。行政書士事務所では作成できず、対応できる中小企業診断士の当てもない。その間に、依頼者は別の窓口を探し始めます。
審査の停滞と依頼者の不安
企業評価書が用意できなければ、特定技能の受入れ手続きは止まります。書類が一枚欠けるだけで、審査は前に進みません。
待たされる依頼者は不安を募らせます。「本当にこの事務所で大丈夫か」という疑念です。ビルクリーニング業は現場の人手が逼迫しており、受入れの遅れは事業に直結します。
たとえば、繁忙期に向けて特定技能の人材を確保したいホテル客室清掃の受託会社。手続きが数週間止まれば、繁忙期に人員が間に合いません。依頼者の焦りは、そのまま事務所への不満に変わります。
受任機会の逸失と信頼の低下
もっとも避けたいのは、受任機会そのものを失うことです。次のような連鎖が起きます。
- 企業評価書が必要と分かるが、作成者が見つからない
- 手続きが止まり、依頼者が不安を感じる
- 依頼者が別の事務所や窓口を探し始める
- 案件が他所へ流れ、受任機会を失う
一件の案件を失うだけでは終わりません。ビルクリーニング業は同業のつながりが強く、評判が横に広がります。「あそこは債務超過の案件に弱い」という印象は、紹介の芽まで摘みかねません。
逆に言えば、企業評価書に慌てず対応できれば、それは事務所の強みになります。備えの有無が、受任と信頼を分けるのです。
慌てないための企業評価書5つのポイント

ここが本記事の核心です。ビルクリーニング業の特定技能で企業評価書に慌てないための備えは、5つのポイントに整理できます。
いずれも、案件を受ける前から準備できることばかりです。順に見ていきましょう。
受入れ企業が債務超過かを早めに見極める
最初のポイントは、企業評価書が必要になる線引きを早めに知ることです。鍵は「債務超過かどうか」です。
特定技能の相談を受けたら、まず受入れ企業の直近決算を確認します。純資産がマイナス、つまり債務超過であれば、企業評価書が必要になる可能性が高いと判断できます。
ビルクリーニング業は利益率が薄く、単年度の赤字が債務超過につながりやすい業種です。相談の初期段階で決算書に目を通す。この一手が、後の慌てを防ぎます。
見極めの目安は、貸借対照表の純資産です。純資産がマイナスなら債務超過です。判断に迷うときは、この段階で連携先の中小企業診断士に一報を入れておくと安全です。早く気づくほど、準備に使える時間が増えます。
企業評価書は中小企業診断士などしか作れないと知っておく
二つ目のポイントは、作成資格の壁を正しく理解することです。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士などの専門資格者に限られます。
行政書士も税理士も、この書面は作成できません。ここを誤解していると、いざというときに自所で抱え込み、時間だけが過ぎてしまいます。
役割分担を先に押さえておきましょう。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成は中小企業診断士。この線引きが明確なら、案件が来ても迷いません。
連携できる中小企業診断士の窓口を先に確保する
三つ目のポイントは、案件が来る前に連携先を決めておくことです。企業評価書は、必要になってから探しても間に合いにくい書面だからです。
債務超過の案件は、ある日突然やってきます。そのとき「これから作成者を探す」では、審査が止まります。連携できる中小企業診断士の窓口を、平時から確保しておくことが備えの要です。
窓口があれば、相談の初期段階で「企業評価書はこちらの専門家が作成します」と依頼者に伝えられます。それだけで、依頼者の不安は大きく和らぎます。
たとえばオフィスビルメンテナンス会社から特定技能の相談を受けたとき。決算が債務超過でも、その場で「財務の書面は連携先が担当します」と返せます。依頼者は「この事務所なら任せられる」と感じ、他所を探す動機がなくなります。窓口の確保は、受任をつなぎとめる保険です。
受入れ企業の財務資料をそろえる段取りを持つ
四つ目のポイントは、企業評価書の作成に必要な財務資料を、早めにそろえる段取りです。書面は、資料が整って初めて作れます。
企業評価書の作成では、主に次のような資料が使われます。連携先の中小企業診断士と共有する前提で、受入れ企業に案内しておくとよいものです。
| そろえる資料 | 使われ方 |
|---|---|
| 直近数期分の決算書 | 財務の現状と赤字・債務超過の程度を把握する |
| 試算表・資金繰りの状況 | 直近の資金の動きと改善の兆しを確認する |
| 受注状況・契約先の情報 | 今後の売上見通しの根拠として使う |
| 清掃現場・人員体制の概要 | 事業の実態と改善計画の妥当性を裏づける |
オフィスビルメンテナンス会社なら、契約ビルの一覧や更新見込みが有力な材料になります。段取りを持っておけば、作成着手までの時間が短くなります。
資料の多くは、受入れ企業がすでに持っているものです。ゼロから作る必要はありません。先生が「この書類をそろえておいてください」と早めに案内するだけで、作成はスムーズに進みます。逆に、資料がそろわないまま待つと、審査の期限が迫ってから慌てることになります。
役割分担を依頼者へ説明できるようにする
五つ目のポイントは、役割分担を依頼者へ言葉で説明できるようにしておくことです。誰が何をするかが伝われば、依頼者は安心します。
説明の型はシンプルです。次の一言で足ります。
「在留資格の申請は当事務所が、財務の企業評価書は連携する中小企業診断士が担当します。ですから、債務超過でも前に進められます。」
この説明ができれば、依頼者は「この事務所は債務超過の案件にも強い」と受け取ります。5つのポイントは、いずれも案件前から準備できます。備えが、慌てない対応をつくるのです。
企業評価書の作成を担う中小企業診断士との連携は、企業評価書作成支援の詳細で確認できます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、依頼者を奪うこともありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
中小企業診断士と連携して備える体制

結論として、企業評価書は中小企業診断士と連携して用意するのが最善です。作成できるのがこの資格者に限られるからです。
KICKコンサルティングは、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、法人支援を150社以上手がけてきました。全国オンライン対応で、来社は不要です。ビルクリーニング業の企業評価書も、この体制で支援します。
企業評価書ができるまでの流れ
KICKが企業評価書を作成する流れは、実務レベルで次のように進みます。行政書士の先生の負担が小さくなるよう設計しています。
- 先生から受入れ企業の状況を共有いただく(債務超過の程度・受入れの目的)
- 決算書や資金繰りなどの財務資料を確認する
- 財務分析を行い、改善の見通しを客観的に組み立てる
- 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)を作成する
- 在留資格の申請は先生が、財務の書面はKICKが担当し、役割を分ける
財務分析や改善見通しの組み立ては、中小企業診断士のKICKが主導します。先生は在留資格の申請に専念でき、専門外の作業を抱え込まずに済みます。
やり取りは原則オンラインで完結します。全国どこのビルクリーニング会社の案件でも、先生の事務所と画面越しに連携できます。来社の手間はありません。ホテル客室清掃を手広く受託する会社のように、拠点が各地に散らばる依頼者でも対応できます。
先生の事務所が得られる3つの安心
連携によって、先生の事務所は次の安心を得られます。いずれも依頼者への価値に直結します。
- 面談の質が上がる:債務超過の相談にも「企業評価書は連携先が作成します」と即答でき、依頼者の信頼を得られます。
- 時間と受任が安定する:作成者を探す時間が消え、審査の停滞による受任機会の逸失を防げます。
- 周囲からの信頼が高まる:「債務超過の案件にも強い事務所」として、継続受任や紹介につながります。
ビルクリーニング業のように債務超過が起きやすい業種を扱う先生ほど、この体制の効果を実感できます。専門外のリスクと時間コストを抑えながら、受任の幅を広げられるのです。
連携の具体像は、士業連携(提携)の詳細でも確認いただけます。
自所だけで抱える限界と連携という選択

結論を先に述べます。企業評価書を自所だけで抱えようとすると、限界にぶつかります。だから、連携する事務所が増えています。
理由は二つあります。作成資格の壁と、時間コストです。順に見ていきましょう。
専門外リスクと時間コスト
企業評価書は、財務分析と改善見通しの専門知識を要します。行政書士の本来業務とは領域が異なります。無理に踏み込めば、専門外のリスクを負うことになります。
また、対応できる中小企業診断士を一から探すのは、想像以上に時間がかかります。ビルクリーニング業の債務超過案件は待ってくれません。その間に依頼者が離れれば、時間コストは受任機会の損失に変わります。
企業評価書は「必要になってから探す」書面ではなく、「あらかじめ連携先を決めておく」書面です。この発想の切り替えが、慌てない対応の前提になります。
なぜ連携する事務所が増えているのか
連携を選ぶ事務所が増えているのは、役割分担が明快だからです。在留資格の申請は先生、企業評価書の作成は中小企業診断士。互いの専門に集中できます。
依頼者から見ても、この体制は分かりやすいものです。窓口は先生のまま、財務の専門家が後ろで支える。だから、債務超過でも安心して任せられます。
ビルクリーニング業のように債務超過が起きやすい業種を扱うほど、この分担は効いてきます。企業評価書が必要な案件が来ても、先生は「連携先に回す」だけで前へ進められます。専門外の書面に時間を取られず、在留資格の申請という本来の強みに集中できるのです。
KICKは、料金の話から入ることはありません。まずは先生の事務所が抱える案件の状況を伺い、企業評価書が必要かどうかの見極めから支援します。費用の詳細はサービスページにてご確認いただけます。
依頼者・顧問先を奪うことはありません。売り込みも一切ありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で、先生の受任を後ろから支えます。
よくある質問

Q. 連携すると依頼者を奪われませんか
A. 奪うことはありません。依頼者との窓口は先生のままです。KICKは企業評価書の作成という財務の役割だけを担い、在留資格の申請には関与しません。関係はそのまま維持されます。
Q. 自所の負担はどの程度ですか
A. 負担は小さく設計しています。財務分析と改善見通しの組み立て、企業評価書の作成はKICKが主導します。先生には受入れ企業の状況共有と財務資料の橋渡しをお願いする形が基本です。
Q. 企業評価書は誰が作成できるのですか
A. 中小企業診断士などの専門資格者に限られます。行政書士や税理士は作成できません。だからこそ、作成できる中小企業診断士との連携が受任の鍵になります。
Q. 受入れ企業が債務超過でも受入れは可能ですか
A. 可能な場合があります。債務超過であっても、改善の見通しを企業評価書で客観的に示せれば、受入れ審査の土俵に立てます。まずは債務超過の程度を確認することから始めます。
Q. ビルクリーニング業に特有の注意点はありますか
A. あります。ビルクリーニング業は利益率が薄く、単年度の赤字が債務超過につながりやすい業種です。大口契約の増減で数字が振れやすい点も見落とせません。相談の初期に決算を確認し、早めに企業評価書の要否を見極めることが特に重要です。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 案件の状況によって異なります。具体的な費用は、サービスページにてご確認ください。まずは無料の相談で、企業評価書が必要かどうかの見極めからお手伝いします。
Q. 特定技能以外の在留資格でも相談できますか
A. できます。技能実習や、2027年4月に施行が予定される育成就労でも、債務超過の場面では企業評価書が求められます。制度の移行を見据えた備えとしてもご相談いただけます。
Q. どの段階で相談すればよいですか
A. 早いほど有利です。案件が来る前に連携先を決めておくのが理想です。すでに債務超過の案件を抱えている場合も、審査が止まる前にご相談ください。
Q. 全国どこでも対応できますか
A. 対応できます。KICKは全国オンライン対応で、来社は不要です。地方のビルクリーニング会社の案件でも、先生の事務所と連携して企業評価書を用意できます。
まとめ

ビルクリーニング業の特定技能では、受入れ企業が債務超過だと企業評価書が急に必要になります。この書面は行政書士事務所では作成できません。だからこそ、備えが受任を左右します。
本記事の5つのポイントを、もう一度整理します。
- 受入れ企業が債務超過かを早めに見極める
- 企業評価書は中小企業診断士などしか作れないと知っておく
- 連携できる中小企業診断士の窓口を先に確保する
- 受入れ企業の財務資料をそろえる段取りを持つ
- 役割分担を依頼者へ説明できるようにする
この5つを平時から備えておけば、債務超過の案件が来ても慌てません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成は中小企業診断士。役割を分ければ、先生は本来業務に集中できます。
ビルクリーニング業は人手不足が深刻で、特定技能の受入れ需要はこれからも続きます。債務超過の相談も、後ほど増えていくと見込まれます。だからこそ、企業評価書に慌てない体制を先に整えておく価値があります。
企業評価書に慌てない事務所は、依頼者から「債務超過でも頼れる」と信頼されます。その信頼が、継続受任と紹介につながります。備えを、KICKと共に手に入れましょう。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。依頼者・顧問先を奪うことはなく、契約の義務もありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。







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