
「特定技能の在留期間更新が近いのに、直近の決算が赤字になってしまった」——依頼者からそう相談を受けて、次に何をすべきか迷ったことはないでしょうか。
初回の受入れ審査は無事に通過した依頼者でも、数年後の更新のタイミングで業績が悪化しているケースは珍しくありません。円安・原材料高・人件費高騰は、どの業種の企業にも等しく重くのしかかります。
更新の時期は迫っているのに、財務の裏付けをどう用意すればよいか分からない——これは先生おひとりの悩みではありません。全国の行政書士事務所が同じ壁にぶつかっています。
課題を先送りにする風土や「前回通ったから今回も大丈夫だろう」という思い込みこそが、更新不許可という最悪の結果を招く共通の敵です。
結論から言えば、更新時の業績悪化には、中小企業診断士など専門の資格者と連携した企業評価書の準備が有効です。ただし、初回受入れ時とは着眼点が異なります。その具体的な進め方は本文で順に解説します。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 依頼者の更新時期が近いのに、直近決算が赤字・債務超過になっている
- 前回提出した計画と実績が乖離しており、理由書の書き方が分からない
- 企業評価書を誰に依頼すればよいか、更新のたびに手探りになっている
- 特定技能の更新審査で、初回受入れ時と何が違うのか
- 業績悪化を放置した更新申請で起こりやすいトラブル
- 中小企業診断士と連携して企業評価書を用意する具体的な手順
- 更新対応を仕組み化して受任機会を守る事務所の実例的な考え方
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者・顧問先との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
なぜ「更新」時の業績悪化で受任機会を逃しやすいのか

特定技能の更新審査は、初回の受入れ審査とは前提が異なります。ここを見落とすと、対応が後手に回ります。
初回審査では「これから受け入れて問題ないか」が問われます。一方、更新審査では「受入れ後の経営状態が安定しているか」に加えて「前回示した見通しどおりに進んでいるか」まで確認されます。直近決算が債務超過であれば、改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)の提出を求められる点は初回と共通ですが、更新特有の論点が加わります。
| 論点 | 初回受入れ時 | 在留期間更新時 |
|---|---|---|
| 審査の視点 | これから安定して雇用できるか | 実績が計画どおり進んでいるか |
| 前回計画との関係 | なし(初回のため) | 乖離があれば理由書を求められやすい |
| 依頼者の心理 | 受入れへの期待が大きい | 「前回通ったから今回も」という油断が生じやすい |
特に見落とされやすいのが、前回の企業評価書で示した数値計画と実績が食い違っているケースです。売上や利益が計画に届かなかった場合、その理由をきちんと説明できないと、審査側の心証は悪くなります。
企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士や税理士がこの書面を自所で作成することはできません。この事実を踏まえずに更新の相談を受けてしまうと、直前になって対応先を探すことになり、依頼者を待たせてしまいます。
依頼者は「前回通ったから今回も」と思い込みやすい
依頼者の多くは、在留資格の専門家ではありません。初回の受入れ審査を通過した経験があると、更新も同じ感覚で乗り越えられると考えがちです。
しかし、決算の中身は毎年変わります。円安による原材料費の高騰、電気代・燃料費の上昇、人件費の増加は、業種を問わず利益を圧迫しています。前回は黒字だった依頼者が、今回は債務超過に転落しているケースは、決して珍しくありません。
だからこそ、更新の数か月前に決算の状況を確認する一言が、貴所と依頼者の双方を守る備えになります。
更新前に確認しておきたいポイント
更新申請の準備に入る前に、次の点を依頼者に確認しておくと、対応の抜け漏れを防げます。
- 直近決算の純資産がマイナス(債務超過)になっていないか
- 前回提出した計画の数値と、実際の決算数値に大きな差がないか
- 売上・利益の悪化があった場合、その要因を依頼者自身が把握できているか
この3点のいずれかに該当する場合は、更新申請の準備と並行して、企業評価書の準備に早めに着手するのが安全です。
このまま何もしなければ、何が起きるか

更新時の業績悪化を放置すると、依頼者・貴所の双方に具体的な不利益が生じます。順番に見ていきましょう。
更新が長引き、依頼者の現場が止まる
企業評価書の準備が間に合わないまま申請すると、追加資料の提出を求められ、審査が長期化します。その間、依頼者は特定技能人材の就労継続に不安を抱えることになります。
理由書の説明が不十分で心証を損なう
前回計画と実績の乖離について、根拠のない説明や場当たり的な理由書では、審査側の信頼を得られません。数値の裏付けがない理由書は、かえって心証を悪化させかねません。
依頼者が別の窓口に流れる
更新の相談に十分応えられない事務所は、依頼者から見れば「頼りにならない」と映ります。次の更新、あるいは別の在留資格の相談から、依頼者が離れていくおそれがあります。
在留資格そのものが更新できないおそれ
最も深刻なのは、更新自体が認められないケースです。特定技能人材の就労が継続できなくなれば、依頼者の事業運営に直接の支障が出ます。人手不足を理由に受け入れたはずの人材を失うことは、依頼者にとって経営そのものを揺るがす事態です。
定期報告のタイミングでも同じ論点が浮上する
特定技能の受入れ機関には、四半期ごとの定期報告の義務があります。この定期報告でも、受入れ企業の経営状況が確認される場面があり、財務の悪化が明らかになれば、更新を待たずに対応を求められることもあります。
更新のタイミングだけを見ていると、この定期報告の局面で慌てることになりかねません。年間を通じて依頼者の決算スケジュールを把握しておくことが、備えの第一歩です。
これらはすべて、業績悪化への備えを更新の直前まで先送りした結果として起こります。裏を返せば、早めに専門家と連携する体制さえあれば、防げるリスクです。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢

結論として、更新時の業績悪化には、中小企業診断士など専門の資格者と連携して企業評価書を準備するのが現実的な選択肢です。
企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類 別紙②-1・番号20で位置付けられている書面であり、申請企業が債務超過のときに求められます。特定技能の受入れ審査でも、直近決算が債務超過であれば同様の説明資料が実務上求められる場面があります。作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られ、行政書士・税理士は作成できません。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)では、更新時特有の論点にも対応した財務分析を行います。具体的には、次の流れで進めます。
- 直近決算と前回計画の差異をヒアリングし、乖離の要因を整理する
- 損益計画・資金繰り計画を再構築し、債務超過の解消見通しを数値で示す
- 理由書に添える根拠資料として、企業評価書と分析結果を取りまとめる
特に重要なのが1番目の「乖離の要因整理」です。ここが曖昧なままだと、いくら数値計画を作り込んでも説得力を持ちません。原材料費の高騰なのか、主要取引先の発注減なのか、人件費の増加なのか。要因を特定して初めて、改善見通しに根拠が生まれます。
この流れであれば、貴所は在留資格の更新申請という本来の専門業務に専念できます。財務分析と評価書の作成はKICKコンサルティング株式会社が担うため、貴所の実務負担は最小限で済みます。
企業評価書に盛り込む数値計画は、思いつきの数字では認められません。通常は3〜5年程度の計画期間で、各年度の売上高・原価・販管費・営業利益・経常利益・純資産を数値で示し、債務超過が何年度に解消される見通しかを明示する必要があります。更新時はこれに加えて、前回計画の実績との比較が求められる点が特徴です。
| 企業評価書に盛り込む主な項目 | 更新時に加わる視点 |
|---|---|
| 売上高・原価・販管費の年度別計画 | 前回計画の該当年度実績との差異 |
| 営業利益・経常利益の推移 | 乖離が生じた要因の説明 |
| 純資産・債務超過解消の見通し | 解消時期の再設定と根拠 |
早期に相談するほど選択肢が広がる
更新の申請直前に相談を受けると、できる分析にも限りが出てきます。決算確定から数か月の余裕があれば、複数年の資金繰り計画まで含めた、説得力のある企業評価書を用意できます。
貴所が依頼者の決算月を把握し、更新の半年前を目安に一声かける仕組みを作っておくと、毎回慌てずに対応できるようになります。
更新申請は出入国在留管理庁への提出書類であり、決算資料に加えて、依頼者の事業計画・改善見通しの説明資料が求められる場面があります。企業評価書はその中核となる資料です。数値の裏付けがあるかどうかで、審査側の受け止め方は大きく変わります。
士業連携の枠組みについては、士業連携(提携)の詳細もあわせてご確認いただけます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
先生の事務所が手に入れる未来

更新時の業績悪化に落ち着いて対応できる体制が整うと、貴所には次の3つの変化が訪れます。
目に見える変化
依頼者との面談で「更新のときはどうすればいいですか」と聞かれても、迷わず答えられます。前回計画との差異も、専門家の裏付けとともに落ち着いて説明できるようになります。
通帳と時間の変化
更新のたびに対応先を探す時間がなくなります。連携先が決まっていることで、依頼を受けてから提出まで見通しが立ち、事務所の稼働時間にゆとりが生まれます。
周囲からの変化
「更新まで見据えて相談できる事務所」という評判は、依頼者からの紹介につながります。財務が不安定な企業ほど、長く付き合える専門家を求めているからです。
特定技能人材を複数名受け入れている依頼者ほど、更新のたびに不安を抱えています。その不安に一つひとつ答えられる事務所は、同業他社と比べても選ばれる存在になります。既存の依頼者からの継続受任だけでなく、経営者同士のつながりから新しい相談が舞い込むことも珍しくありません。
先延ばしにしない事務所ほど、依頼者の信頼を得ている
更新の相談を後回しにする事務所と、決算のタイミングで一声かける事務所とでは、依頼者から見た印象が大きく変わります。前者は「言われるまで動かない」事務所、後者は「先回りして守ってくれる」事務所です。
財務が不安定な依頼者ほど、この差を敏感に感じ取ります。更新対応を仕組み化しておくことは、依頼者との信頼関係そのものを強くする投資でもあります。
目先の申請だけでなく、依頼者の在留資格を数年単位で守り抜く体制を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

更新時の財務分析まで自所で抱え込もうとすると、専門外のリスクと時間コストの両方がのしかかります。損益計画・資金繰り計画の妥当性は、財務の専門家でなければ客観的に示せません。
だからこそ、更新対応まで見据えて中小企業診断士と連携する事務所が増えています。KICKコンサルティング株式会社は、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として、法人支援実績150社以上の財務分析・企業評価書作成のノウハウを持ちます。代表の松本昌史は、中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)の資格を持ち、中小企業事業再生マネージャーの認定も受けています。全国オンライン対応のため、来社の必要はありません。
初回受入れから更新まで一貫して見られる強み
KICKコンサルティング株式会社は、初回の受入れ審査だけでなく、更新・定期報告まで見据えた財務分析を行っています。一度分析した依頼者の財務状況は記録として残るため、二回目以降のご相談では、過去の計画と実績を踏まえたスムーズな対応が可能です。
行政書士・税理士それぞれの立場から寄せられるご相談にも、資格を問わず対応しています。貴所が税務顧問と行政書士のどちらであっても、企業評価書の作成という専門業務の部分だけを、安心して任せていただけます。
初回の受入れ時から継続してご相談いただいている依頼者であれば、前回の財務分析結果を踏まえた分析ができるため、更新のたびの説明もスムーズになります。もちろん、更新のタイミングから新たにご相談いただくことも可能です。
費用については、依頼者の決算状況によって分析の内容が変わるため、詳細はサービスページにてご確認ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
よくある質問

Q. 依頼者を奪われることはありませんか
A. ありません。KICKコンサルティング株式会社の業務範囲は財務分析と企業評価書の作成に限定しています。在留資格の申請業務は貴所が担当するため、依頼者との関係はそのまま維持されます。
Q. 更新のたびに毎回相談する必要がありますか
A. 依頼者の決算状況によります。前回から財務が安定していれば不要な場合もありますが、債務超過や大きな減益があるときは、早めのご相談をおすすめします。
Q. 貴所(行政書士事務所)の実務負担はどの程度ですか
A. 依頼者の決算書等の資料をKICKコンサルティング株式会社へお渡しいただくのが中心です。財務分析・計画の数値化・企業評価書の作成はKICKコンサルティング株式会社が担当します。
Q. 企業評価書は誰が作成できるのですか
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士・税理士が自所で作成することはできません。この点を誤って案内すると、申請自体が認められないおそれがあるため注意が必要です。
Q. 債務超過でも更新は可能ですか
A. 改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)を適切に用意できれば、更新の申請自体は可能です。重要なのは、実現可能な数値計画を示せるかどうかです。
Q. 前回の計画と実績が違う場合、どう説明すればよいですか
A. 乖離の要因(売上減・原価高騰など)を数値で整理し、今後の改善見通しとあわせて理由書に反映します。根拠のない説明ではなく、財務分析に基づいた説明が求められます。
Q. 決算書のどこを見て相談すべきか判断すればよいですか
A. 貸借対照表の純資産がマイナス(債務超過)かどうか、損益計算書の営業利益・経常利益が大きく悪化していないかが目安です。判断に迷う場合は早めのご相談をおすすめします。
Q. 特定技能以外(技能実習・育成就労)でも対応できますか
A. 対応できます。技能実習・育成就労も、直近決算が債務超過の場合は同様に改善の見通しについて評価を行った書面が必要になります。2027年4月に施行予定の育成就労制度への移行もあわせてご相談いただけます。
Q. 複数の依頼者を並行して相談することはできますか
A. 可能です。貴所が抱える複数の依頼者について、決算のタイミングに合わせて順次ご相談いただけます。事務所単位での継続的な連携も歓迎しています。
Q. 分析にはどのくらいの期間がかかりますか
A. 依頼者の決算資料の準備状況や分析の範囲によって異なります。更新申請のスケジュールに間に合うよう、早めにご相談いただくほど余裕を持って進められます。
Q. 定期報告のタイミングでも相談できますか
A. 可能です。定期報告の際に財務の悪化が判明した場合も、更新を待たずに早めの財務分析をおすすめします。
Q. どのくらい前から相談すればよいですか
A. 更新申請の半年前を目安にご相談いただくと、複数年の資金繰り計画まで含めた企業評価書を余裕をもって用意できます。決算確定後、できるだけ早い段階でのご相談をおすすめします。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 依頼者の決算状況や分析の範囲によって異なるため、具体的な金額はサービスページにてご確認ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
まとめ

特定技能の更新審査は、初回受入れ時とは異なる視点で見られます。「これから受け入れて問題ないか」だけでなく「前回示した見通しどおりに進んでいるか」まで確認される点が、初回審査との決定的な違いです。前回計画との乖離や直近決算の債務超過は、放置すれば審査の長期化や依頼者離れにつながります。
一方で、中小企業診断士など専門の資格者と連携し、更新特有の論点を踏まえた企業評価書を準備できれば、依頼者の在留資格を数年単位で守り抜く体制が整います。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担のもと、貴所の実務負担を増やすことなく、更新のたびに慌てない事務所へと変わっていけます。
決算のたびに一喜一憂するのではなく、悪化の兆しが見えた段階で専門家に相談する。この一手間が、依頼者の信頼を守り、貴所の受任機会を守ります。
依頼者の更新時期が見えてきたら、決算内容を確認したうえで、早めにご相談ください。







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