型枠工事がコンパネ高騰で特定技能を受入れる3つの秘訣

三冠バッチ

型枠工事会社が特定技能の受入れについて、加入している一般社団法人建設技能人材機構(JAC)に相談したところ、「コンパネ高騰で決算が厳しいのは分かりますが、債務超過のままでは受入れの手続きを進められません。企業評価書を用意してください」と言われた。

債務超過の原因は、コンクリート型枠用合板(コンパネ)の価格高騰にあります。コンパネは輸入材への依存度が高く、円安や産地の需給変化の影響を受けて原価だけが先に膨らみやすい構造です。

このまま企業評価書を用意できなければ、今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ新しい現場の型枠工事を受けられず、受注を逃せば人手はさらに余り、最悪の場合、会社そのものが立ち行かなくなります。

そんな状態で外国人技能実習・特定技能の受入れを申請すると、出入国在留管理機関から「改善の見通しについて評価を行った書面」=企業評価書の提出を求められることがあります。結論から言えば、赤字・債務超過であっても、客観的な企業評価書を用意できれば受入れの道は開けます。ただし、誰に・どう依頼するかで結果が変わります。

このまま手をこまねいていると、型枠大工の高齢化はさらに進み、受注をこなせる人手そのものが先細りしていきます。あなただけが特別に経営が下手なわけではありません。資材高騰と人手不足という業界構造の問題です。決算書を見るたびに憂うつになる、金融機関との面談が怖い、そんな状態から抜け出すには、まず現状を正しく数字で把握することから始まります。

この記事はこんな方におすすめです

  • コンパネ高騰で原価が読めず利益が残らない方
  • 型枠大工の高齢化・人手不足で受注をこなせない方
  • 赤字決算で特定技能の受入れ審査が不安な方
  • 企業評価書を誰に頼めばいいか分からない方
この記事で分かること

  • 型枠工事会社が債務超過に陥る3つの構造的な原因
  • 特定技能を受入れる3つの秘訣(企業評価書の作り方)
  • 中小企業診断士に企業評価書を依頼する流れと注意点
  • 受入れ後に型枠工事会社が手に入れる未来

この記事は、法人支援150社以上の実績を持つ中小企業診断士・認定経営革新等支援機関であるKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史の知見に基づいて作成しています。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。

型枠工事会社が債務超過に陥る本当の理由と、放置した場合のリスク

型枠工事会社の債務超過に関する悩み

型枠工事は、鉄筋コンクリート造の建物や橋りょうなどの躯体をつくるうえで欠かせない専門工事です。コンクリートを流し込むための型枠(せき板)を、コンパネと呼ばれる合板や支保工で組み立て、硬化後に解体するまでを担います。工程の川上に位置するため、資材価格の変動と工期の遅れが、そのまま原価に跳ね返りやすい特徴があります。

型枠工事会社の赤字・債務超過には、共通した3つの原因があります。ポイントは、どれも「経営者の努力不足」ではなく「構造の問題」だということです。

原因具体的な内容
資材原価の上昇コンパネ(型枠用合板)は輸入材への依存度が高く、円安や産地の需給変化の影響を受けやすい資材です。見積り時と施工時で原価が変わり、粗利が読めなくなります。
人件費・外注費の増加型枠大工の高齢化と人手不足で、応援職人への依存や外注費が膨らみます。
価格転嫁の遅れ重層下請け構造の中で、資材高騰分を元請けへ転嫁しづらく、しわ寄せが型枠工事会社側に残ります。

この状態を裏づける公的データもあります。国土交通省の調査によれば、建設技能労働者は1997年の464万人をピークに2024年には303万人まで減少し、ピーク比で約65%の水準まで落ち込みました。55歳以上が全体の約34%を占める一方、30歳未満はわずか約11%にとどまり、若手の担い手不足は深刻です。とりわけ型枠大工・鉄筋工は高度な技術と経験が求められる職種であり、新規参入も交代要員の確保も難しいとされています。

帝国データバンクの倒産集計でも、建設業の倒産件数は資材価格の高騰や人手不足を背景に増加傾向が続いており、2026年3月時点では前年同月比で11.7%増加し、2025年度で最多となりました。「うちだけが特殊な状況」ではなく、業界全体が同じ壁に直面しているということです。

型枠工事には、他の建設分野にはない特有の事情もあります。天候に左右されやすいコンクリート打設のスケジュールに合わせて資材と職人を手配するため、悪天候による工期の後ろ倒しがそのまま原価上昇に直結します。繁忙期には型枠材のリース費用や応援職人の日当も跳ね上がり、閑散期には固定費だけが重くのしかかる季節変動の大きさも、資金繰りを苦しくする要因です。

このまま何も手を打たなければ、次のようなことが起こり得ます。

  • 原価上昇分を吸収できず、赤字が翌期以降も継続する
  • 債務超過の状態で特定技能・技能実習の受入れを申請し、審査で足止めされる
  • 型枠大工の高齢化が進み、受注をこなせる人手がさらに減る
  • 金融機関からの評価が下がり、運転資金の調達が難しくなる

外国人技能実習(育成就労)・特定技能を受け入れる際、出入国在留管理機関やOTIT(外国人技能実習機構)への提出書類の中には、財務状況を確認するものが含まれます。直近の決算が債務超過の場合、別紙②-1・番号20に該当する「改善の見通しについて評価を行った書面」(企業評価書)の提出を求められることがあります。この書面を自社の決算書だけで済ませようとすると、客観性を欠くと判断され、審査が長期化する原因になります。

技能実習制度は、2027年4月に育成就労制度へ移行する予定です。制度が変わっても、外国人材が長く現場に定着できるかどうかを判断するために、受入れ企業の財務の健全性を確認するという考え方の根本は変わらないとみられます。今のうちに財務を見える化し、改善計画を数字で説明できる体制を整えておくことは、制度が変わっても無駄になりません。

型枠工事会社が特定技能を受入れる3つの秘訣|企業評価書の作り方

特定技能受入れの手順

債務超過の型枠工事会社が特定技能・技能実習の受入れ審査を通すには、次の3つの秘訣があります。いずれも「実務レベルで数字を示す」ことが共通点です。

  1. 秘訣1:管理会計で原価の実態を”見える化”する
    現場ごとの原価(材料費・外注費・労務費)を分解し、どの工程・どの現場で利益が削られているかを数字で把握します。どんぶり勘定のままでは、改善計画の説得力が生まれません。
  2. 秘訣2:改善計画を具体的な数値目標で示す
    「頑張って改善します」ではなく、「原価率を〇%改善する」「受注構成を見直し、粗利率の低い案件比率を下げる」など、具体的な数値目標を伴う改善計画に落とし込みます。
  3. 秘訣3:第三者による客観的な企業評価書を用意する
    自社の決算書や事業計画だけでは、審査側から見て客観性に欠けます。中小企業診断士など第三者の専門家が、財務分析に基づいて改善の見通しを評価した書面を作成することで、説得力が大きく変わります。

企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士です。顧問税理士に依頼できると誤解されがちですが、税理士は制度上、企業評価書を作成できません。「誰に頼めばいいか分からない」まま自己流で書面を作り、審査で差し戻しになるケースは少なくありません。

現場でよくある失敗パターンは、決算書の数字をそのまま転記しただけの書面で提出してしまうことです。数字の羅列だけでは、審査側は「本当に改善できるのか」を判断できません。原価上昇の要因(コンパネ高騰・人手不足・価格転嫁の遅れ)を整理したうえで、それぞれに対する具体的な打ち手と数値目標をセットで示すことが欠かせません。

例えば、現場ごとの粗利率を分解してみると、「A現場は資材の仕入れタイミングが悪く原価率が想定より高い」「B現場は応援職人への支払いが多く労務費率が高い」といった違いが見えてきます。どの現場のどの費目が赤字の主因かを数字で特定できれば、改善計画は一気に具体性を増します。このプロセスを経ずに「全体を頑張って改善します」とだけ書いた書面は、審査側にも金融機関にも響きません。

実務では、特定技能・技能実習の企業評価書作成支援を専門とする中小企業診断士に、決算書・試算表・受注状況などをもとにヒアリングから任せる進め方が一般的です。財務分析から改善計画の言語化まで一括して依頼できるため、経営者自身が慣れない書面作成に時間を取られずに済みます。

企業評価書のサンプルやフォーマットは案件ごとに調整が必要です。型枠工事会社特有の「重層下請け構造」「季節変動」を踏まえた書き方でなければ、審査側に実態が伝わりにくくなります。

「特定技能 企業評価書 サンプル」で検索して、ひな形をそのまま流用しようとする経営者もいますが、他業種向けのひな形をそのまま当てはめると、型枠工事特有の原価構造(資材費の変動幅の大きさ、応援職人への依存度)が反映されず、かえって審査側に疑問を持たれることがあります。自社の数字を、自社の言葉で説明できる書面に仕上げることが何より重要です。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは決算の状況だけでもお聞かせください。

企業評価書を整えた型枠工事会社が手に入れる未来

特定技能受入れ後の成果

企業評価書を整え、特定技能の受入れ審査を通した型枠工事会社には、3つの変化が生まれます。

ひとつ目は数字の変化です。原価の見える化と改善計画の実行により、現場ごとの粗利率を把握できるようになり、赤字案件を早期に見極められるようになります。コンパネの仕入れ単価や外注費の変動を都度チェックする習慣がつけば、見積り段階での価格転嫁の判断も早くなります。

ふたつ目は時間の変化です。客観的な企業評価書をあらかじめ整えておくことで、審査対応にかかる時間が大きく圧縮されます。急な提出要請にも慌てず対応でき、現場管理や見積り対応に本来使うべき時間を確保できます。

みっつ目は関係性の変化です。型枠大工として定着した外国人材が現場を支え、元請けからは「安定して人を確保できる会社」として評価されるようになります。金融機関に対しても、改善計画に沿って実行している事実は信用材料になり、運転資金の相談もしやすくなります。

資材高騰と人手不足という業界構造は、一社の努力だけでは変えられません。しかし、自社の財務を正しく見える化し、外国人材という新しい戦力を迎え入れる体制は、今日からでも整えられます。

型枠大工の担い手が全国的に不足していくなかで、外国人材を戦力として育てられる会社と、そうでない会社の差は、これから一層はっきりしていきます。企業評価書の作成は、単に審査を通すための作業ではなく、自社の財務体質を見直すきっかけにもなります。この安定した経営基盤を、共に手に入れましょう。

自社だけで進める限界と、中小企業診断士による伴走支援

KICKコンサルティング株式会社の支援

企業評価書は、決算書の数字を並べるだけの書面ではありません。財務分析の専門知識に加え、審査側がどこを見ているかという実務経験が求められます。自社の総務担当だけで対応しようとすると、専門性の壁・時間コスト・判断ミスのリスクという3つの壁にぶつかります。

  • 専門性の壁:財務分析の手法や、改善計画に必要な要素の判断が難しい
  • 時間コストの壁:本業の見積り・現場管理と並行して書面を仕上げる余裕がない
  • 判断ミスのリスク:内容が不十分なまま提出し、審査で差し戻しになる

だからこそ、企業評価書の作成を中小企業診断士に任せる型枠工事会社の経営者が増えています。「決算の内容を人に見せるのは恥ずかしい」と感じる経営者も少なくありませんが、赤字・債務超過そのものは業界構造の問題であり、恥じることではありません。大切なのは、そこからどう改善するかを客観的に示せるかどうかです。

KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、代表・松本昌史(MBA・中小企業診断士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士)が、法人支援150社以上の実績と認定経営革新等支援機関としての知見をもとに、決算書のヒアリングから財務分析、改善計画の言語化、企業評価書の作成まで一気通貫で支援しています。申請そのものの代行ではなく、経営の実態を客観的に整理し、審査側に伝わる形へ落とし込む支援です。

支援の進め方は、おおむね次の流れです。

  1. 決算書・試算表・受注状況のヒアリング(現状の財務構造を把握する)
  2. 原価(コンパネ・外注費・労務費)の分解と管理会計での見える化
  3. 改善計画の数値目標への落とし込み(原価率・受注構成の見直し)
  4. 企業評価書の作成と、提出先とのやり取りに関する助言

型枠工事という業種特性(重層下請け構造・季節変動・天候リスク)を踏まえたうえで書面を作成するため、業種特性を理解しない専門家に依頼するより、審査側に実態が伝わりやすくなります。

また、企業評価書の作成だけで支援が終わるわけではありません。管理会計の仕組みを一度整えておけば、翌期以降の決算でも同じ枠組みで数字を確認でき、金融機関への説明や、次の受入れ・更新の際の準備も格段に楽になります。一度きりの書面作成ではなく、経営が数字で回る状態をつくることが、伴走支援の本来の目的です。

特定技能は在留期間の更新や定期報告がある制度です。受入れ後に決算が悪化した場合、その都度あらためて財務状況の説明を求められることもあります。一度きりで終わらせず、継続的に数字を確認できる体制を整えておくことが、長い目で見た安心につながります。

相談のきっかけは、決算内容そのものより「このままでいいのか分からない不安」であることがほとんどです。まずは決算書と受注状況を見せていただき、どこにボトルネックがあるかを一緒に整理するところから始めます。企業評価書の作成を急ぐ前に、自社の状況を客観的に把握するだけでも、次の一手が見えてくることがあります。

お断りいただいても構いません。費用は一切かかりません。1社ごとに時間をかけて向き合うため、月あたりのご相談数には限りがありますが、まずは現状をお聞かせください。

よくある質問

企業評価書に関するよくある質問

Q. 企業評価書とはどんな書類ですか

A. 正式には「改善の見通しについて評価を行った書面」といい、OTIT提出書類の別紙②-1・番号20に該当します。直近決算が債務超過の企業が、特定技能・技能実習の受入れ審査で提出を求められる書面です。単なる決算の説明ではなく、財務分析に基づいて今後の改善の見通しを第三者が客観的に評価する点が特徴です。

Q. 型枠工事会社でも企業評価書は必要ですか

A. 型枠施工は特定技能「建設」分野の対象職種の一つです。型枠工事会社であっても、直近決算が赤字・債務超過であれば、他業種と同様に企業評価書の提出を求められる可能性があります。

Q. 企業評価書は税理士に依頼できますか

A. できません。企業評価書を作成できるのは中小企業診断士または公認会計士に限られます。顧問税理士に依頼できると誤解しているケースがありますが、制度上、税理士は作成できません。

Q. 企業評価書のサンプルやフォーマットはありますか

A. 決まった全国共通の様式があるわけではなく、企業ごとの財務状況・業種特性に応じて内容を組み立てます。型枠工事会社の場合、重層下請け構造や季節変動を踏まえた記載が求められます。

Q. 債務超過の理由書と企業評価書は同じものですか

A. 混同されがちですが別物です。理由書は債務超過に至った経緯の説明が中心であるのに対し、企業評価書は財務分析に基づき、今後の改善の見通しを第三者が客観的に評価する書面です。

Q. 企業評価書の作成にはどのくらいの期間がかかりますか

A. 決算書・試算表の準備状況やヒアリングの進み方によって変わりますが、財務分析から書面の完成までには一定の準備期間が必要です。書類が揃っていて、ヒアリングへの回答がスムーズな場合ほど短期間で仕上がる傾向があります。審査の締切が迫っている場合は、できるだけ早めの相談をおすすめします。

Q. 特定技能の定期報告でも企業評価書は必要になりますか

A. 受入れ後の決算が悪化した場合、定期報告のタイミングで改めて財務状況の説明を求められることがあります。受入れ時だけでなく、更新・報告のたびに財務の見える化を続けておくことが安心につながります。

Q. 育成就労制度になっても企業評価書は必要ですか

A. 技能実習制度から育成就労制度への移行後も、債務超過企業の財務状況を客観的に説明する必要性は変わらないと見込まれます。育成就労制度は2027年4月の施行が予定されており、制度の詳細は今後も更新されるため、最新情報の確認が必要です。

Q. 型枠工事会社は特定技能の何号を利用できますか

A. 建設分野の特定技能1号は、一定の技能水準と日本語能力を確認したうえで受け入れる制度です。型枠施工を含む建設分野の職種区分で技能評価試験に合格するなどの要件を満たす人材が対象になります。詳しい要件は制度の最新情報を確認したうえで進める必要があります。

Q. 企業評価書は自社で作成してもよいですか

A. 自社のみで作成した書面は客観性の面で評価されにくい場合があります。中小企業診断士など第三者の専門家が財務分析に基づいて作成することで、審査側への説得力が高まります。

Q. 型枠工事以外の建設分野でも同じように企業評価書が必要ですか

A. 必要になり得ます。建設業には型枠施工のほか、とび・鉄筋施工・内装仕上げなど複数の職種区分があり、いずれの職種であっても、直近決算が債務超過であれば企業評価書の提出を求められる可能性があります。

まとめ

型枠工事会社の赤字・債務超過は、経営者の努力不足ではなく、コンパネ高騰・人手不足・価格転嫁の遅れという構造的な原因によるものです。この構造を数字で見える化し、改善計画に落とし込めば、赤字であっても特定技能の受入れ審査を通す道は開けます。

ポイントは、感覚や経験則ではなく、客観的な企業評価書という「数字の裏付け」を用意することです。型枠大工の高齢化が進む今こそ、外国人材という新しい戦力を迎え入れる準備を始める時期といえます。

「特定技能 企業評価書 サンプル」「企業評価書 フォーマット」を自分で探して手探りで作るより、業種特性を理解した中小企業診断士に相談したほうが、結果として審査対応の時間もコストも抑えられます。丸投げに近い形で相談したいという気持ちに、安心感を持って寄り添うのがKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)の役割です。

コンパネ高騰や型枠大工の人手不足は、今後もすぐには解消しない構造的な課題です。だからこそ、財務の見える化と企業評価書の準備を早めに整えた会社から、外国人材の受入れという次の一手を打てるようになります。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。まずは決算の状況とお悩みをお聞かせください。

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