
受入れ企業の経営者が技能実習や特定技能の受入れについて、加入している監理団体に相談したところ、「この決算内容のままでは、債務超過の理由書と、改善の見通しについて評価を行った書面がなければ、受入れの手続きを進められません」と言われた。
債務超過の原因は、主要取引先の倒産による売掛金の貸し倒れなど、一時的な特別損失にあることが少なくありません。原因を数字で特定できなければ、審査担当者は「回復の見込みが立たない会社」と受け取ってしまいます。
このまま理由書と評価書面を用意できなければ、今いる技能実習生・特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ現場の体制を維持できず、体制が崩れれば受注をこなせず、最悪の場合、会社そのものが立ち行かなくなります。
何をどの順で書けば審査に通るのか分からず、白紙の書式を前に固まってしまう。そんな受入れ企業の経営者は、あなただけではありません。
結論から言うと、債務超過の理由書は「なぜそうなったか」より「一時的な要因であり、回復の道筋がある」ことを数字で示せるかどうかで通り方が変わります。書式そのものは難しくありません。難しいのは、審査担当者が納得する順序と根拠の組み立て方です。
この記事は、法人支援実績150社以上・中小企業診断士の松本昌史が代表を務めるKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)が、実務で使っている、審査を一発で通す理由書の型と文例、盛り込むべき数値の考え方を、そのまま書き写せるレベルまで開きます。
- 技能実習・特定技能で債務超過のときに理由書の提出を求められる仕組み
- 債務超過 理由書の構成要素と、通すための書く順序
- そのまま使える債務超過 理由書 サンプル(文例の型)
- 理由書に盛り込むべき数値の考え方と、企業評価書との関係
- 理由書を誰が作れるのか(中小企業診断士・公認会計士と税理士の違い)
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは債務超過の現状と、求められている書面の内容をお聞かせください。
なぜ債務超過だと技能実習・特定技能で理由書を求められるのか

まず、なぜ理由書という一枚の書面がそこまで重く扱われるのかを整理します。ポイントは3つです。
外国人材の受入れでは「財務の健全性」が審査される
技能実習の実習実施者も、特定技能所属機関(受入れ企業)も、外国人材を受け入れるには一定の要件を満たす必要があります。その一つが、報酬をきちんと支払い続けられるかという財務の健全性です。
この確認のために、決算書(貸借対照表・損益計算書)が提出書類に含まれます。出入国在留管理庁や外国人技能実習機構は、この決算内容を見て「安定して雇用を続けられる会社か」を判断します。
ここで直近期が債務超過(純資産がマイナス)だと、そのままでは健全性の要件に疑義があると受け取られやすいのです。だからこそ、事情を説明する理由書と、改善の見通しを裏づける書面の出番になります。
債務超過そのものが「不許可」を意味するわけではない
誤解されがちですが、債務超過だから即座に受入れ不可、更新不可、というわけではありません。技能実習 債務超過であっても、特定技能 債務超過であっても、道は残されています。
審査側が知りたいのは、その債務超過が一時的なものか、構造的で回復の見込みが乏しいものかという一点です。ここを説明する文書が「債務超過 理由書」であり、専門家の評価で裏づける文書が「改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)」です。
「改善の見通しについて評価を行った書面」は、入管の運用上で使われる正式な呼び方です。実務では企業評価書と呼ばれ、債務超過の会社が外国人材の受入れ・更新を進めるときの鍵になります。
放置すると起きること(このまま何もしなければ)
求められた理由書を出さない、あるいは中身が弱いまま提出すると、次のような流れに進みやすくなります。
| 段階 | 起きやすいこと | 受入れ企業への影響 |
|---|---|---|
| 書面を出さない | 審査が止まる・追加資料の再要求 | 受入れ・更新の時期が数か月ずれ込む |
| 理由書の中身が弱い | 「改善の見通しが不明」と判断される | 企業評価書の追加提出を求められる |
| 説明が不十分なまま | 不許可・不認定のリスクが高まる | 予定した人員計画が崩れ、現場が回らない |
外国人材の受入れは、募集から入国、配属まで時間がかかります。理由書の準備が1か月遅れれば、現場に人が入るのはそれ以上に遅れます。だからこそ、最初の一枚を的確に書ききることが、結果的に一番の近道になります。
債務超過 理由書の書き方|構成要素と通す順序

ここが本題です。技能実習 債務超過 理由書も、特定技能の理由書も、通る書面は同じ骨格でできています。要点は「原因の説明」より「回復の道筋を数字で示す」ことに重心を置くことです。
理由書に必ず入れる6つの構成要素
通る理由書は、次の6つの要素をこの順で並べます。順序そのものが、読み手を納得させる論理になっています。
- 現状の事実 いつの決算で、純資産がいくらのマイナスか。金額と時点を最初に明記する
- 債務超過に至った原因 何が・いつ・どれだけ影響したかを具体的に分解する
- それが一時的である根拠 構造的な赤字体質ではないことを示す事実を添える
- すでに着手している対策 値上げ・経費削減・不採算事業の整理など、実行済みの手を挙げる
- 今後の改善計画と数値見通し いつ債務超過を解消できるかを年度単位で示す
- 雇用維持の裏づけ 外国人材の報酬を継続して支払える資金の見通しを述べる
多くの理由書は、1と2ばかり厚く、5と6が薄くなります。しかし審査担当者が本当に見たいのは、「このまま雇い続けられるのか」という未来の部分です。分量の重心を後半に置くだけで、印象は大きく変わります。
盛り込むべき数値の考え方
「数字を入れましょう」と言われても、どの数字を出すか迷います。債務超過 理由書に載せるべき数値は、次の4種類に整理できます。
| 数値の種類 | 具体例 | 示したいこと |
|---|---|---|
| 債務超過の大きさ | 純資産 △〇〇〇万円 | 問題の規模を正直に開示する |
| 原因のインパクト | 特別損失 〇〇〇万円(前期) | 一時的な要因だと数字で示す |
| 回復の力(フロー) | 営業利益 〇〇〇万円/減価償却前利益 〇〇〇万円 | 本業では利益が出ていることを示す |
| 解消までの年数 | 約〇年で純資産をプラス転換 | いつ終わるかの見通しを与える |
特に効くのが3つ目の減価償却前の利益(簡易な営業キャッシュフロー)です。会計上は赤字でも、現金を生む力が残っていれば、借入の返済も報酬の支払いも続けられます。この一点を数字で示せると、「一時的な債務超過」という主張に説得力が出ます。
数値は決算書と必ず一致させます。理由書に書いた金額と提出した決算書がずれていると、それだけで書面全体の信頼が失われます。丸めるのは構いませんが、事実を変えてはいけません。
そのまま使える債務超過 理由書 サンプル(文例の型)
骨格が分かっても、いざ文章にするのは難しいものです。そこで、穴埋めで使える文例の型を示します。〔 〕を自社の事実に置き換えてください。数値はあくまで記入の見本です。
これらは当期限りの一時的な要因であり、本業の収益力によるものではありません。実際、〔営業利益は〇〇〇万円の黒字〕を確保しており、〔減価償却前の利益は〇〇〇万円〕と、返済および人件費の支払いに必要な資金を生み出しています。
すでに〔主要製品の価格改定(平均〇%)〕と〔不採算部門の縮小〕に着手しており、〔次期以降は年〇〇〇万円の利益改善〕を見込んでいます。この結果、〔約〇年〕で債務超過を解消できる見通しです。
以上により、外国人材の報酬を継続して支払う資金的な裏づけは十分にあると考えております。何とぞ、実情をご賢察のうえご審査くださいますようお願い申し上げます。
この型のまま、原因(過去)を短く、改善計画(未来)を厚くするのがコツです。審査は「反省文」ではなく「回復の計画書」を求めています。
ありがちな3つの失敗
債務超過 理由書でつまずく会社には、共通する失敗があります。書き始める前に、次の3つだけは避けてください。
- 原因を書きすぎる 過去の説明が長いほど「立て直せない会社」に見えてしまう
- 改善計画があいまい 「努力します」だけで、金額も年数も入っていない
- 決算書と数字がずれる 理由書の金額と決算書が食い違い、信頼を落とす
逆に言えば、原因を簡潔に、改善計画を数字で、決算書と一致させる。この3点を守るだけで、通る理由書にぐっと近づきます。技能実習 債務超過でも特定技能 債務超過でも、審査担当者が確認したい論点は変わりません。
そして、この理由書の説得力を専門家の立場から裏づけるのが企業評価書です。KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)では、債務超過でも改善の見通しを第三者として示す債務超過の改善見通しを裏づける企業評価書の作成支援を行っています。理由書と評価書をセットで整えることで、審査担当者の判断材料がそろいます。
お断りいただいて構いません。費用は一切かかりません。まずは決算書と、求められている書面の内容を見せてください。理由書に何を書けば通りやすいか、その場で方向性をお示しします。
企業評価書 債務超過|誰が作れるのか(税理士との違い)

理由書は自社で書けます。では、その理由書を裏づける「改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)」は、誰に頼めばよいのでしょうか。ここは間違えやすい部分なので、正確に説明します。
企業評価書を作成できるのは中小企業診断士または公認会計士
「改善の見通しについて評価を行った書面」は、第三者の専門家が会社の財務と改善計画を評価して作成する書面です。この評価書を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士とされています。
ここで多くの経営者が誤解します。普段の決算や申告をお願いしている税理士は、この企業評価書を作成できません。税務の専門家である税理士と、経営改善の評価を行う専門家とでは、担える役割が異なるためです。
顧問税理士に相談したら「うちでは書けない」と言われて時間を失う、という例は少なくありません。企業評価書 債務超過の書面が必要になったら、最初から中小企業診断士または公認会計士に相談するのが確実です。
理由書と企業評価書はセットで力を発揮する
理由書は当事者である会社の説明、企業評価書は第三者の専門家による評価です。両方がそろって初めて、審査担当者は「当事者もそう言い、専門家も裏づけている」と判断できます。
| 書面 | 誰が作るか | 役割 |
|---|---|---|
| 債務超過 理由書 | 受入れ企業(自社) | 原因と改善計画を自ら説明する |
| 企業評価書(評価書面) | 中小企業診断士・公認会計士 | 改善の見通しを第三者として評価する |
| 決算書・改善計画 | 会社(診断士が確認) | 数値の裏づけとなる資料 |
債務超過 改善計画は、企業評価書の土台になります。理由書に書いた「約〇年で解消」という見通しは、この改善計画の数字と一致していなければなりません。書面同士が矛盾しないよう、全体を一本の筋で通すことが大切です。
逆に言えば、理由書だけを一生懸命に書いても、それを裏づける企業評価書と改善計画がなければ、審査担当者は判断の材料を持てません。技能実習 債務超過 理由書を求められた場面は、同時に「改善の見通しについて評価を行った書面」も準備する場面だと考えておくと、後戻りが減ります。三つの書面を最初から一組で設計することが、遠回りに見えて一番の近道です。
理由書が通った先に手に入る未来

債務超過の理由書と企業評価書を的確に整えると、受入れ企業には具体的な変化が訪れます。抽象論ではなく、3つの軸でお伝えします。
数字の面(人員計画が崩れない)
審査が予定どおり進めば、募集から配属までの計画がずれません。現場に必要な人数が、必要な時期に入る。この当たり前を守れることが、受注のキャンセルや納期遅延という数字の損失を防ぎます。
時間の面(書き直しの往復が消える)
理由書の中身が弱いと、追加資料の要求と再提出が何度も往復します。この往復には、経営者本人の時間が数十時間単位で奪われます。最初から通る書面を用意できれば、その時間を本業に戻せます。
関係性の面(金融機関からの見え方も変わる)
債務超過の原因と改善計画を整理する作業は、そのまま金融機関への説明資料にもなります。理由書と改善計画を作りきった会社は、銀行との対話でも「自社の数字を語れる会社」として信頼を得やすくなります。
債務超過は、正しく向き合えば「弱み」ではなく「立て直しの起点」に変わります。技能実習・特定技能の受入れを止めず、金融機関との関係も前に進める。その状態を、私たちと共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

ここまで書き方の型を開いてきました。それでも、自社だけで理由書と企業評価書を仕上げるのは、想像以上に負担が大きい作業です。
自社だけで進めると生じる3つの壁
- 専門性の壁 改善計画の数値をどう組み立てれば「一時的」と評価されるか、判断が難しい
- 時間の壁 本業のかたわら、決算の読み込みと文章化に何十時間もかけられない
- 第三者性の壁 企業評価書は自社では作れず、中小企業診断士か公認会計士の関与が必要になる
だからこそ、外部の専門家に任せる受入れ企業が増えています。特に企業評価書は作成できる資格者が限られるため、最初から診断士に相談したほうが結果的に早く、確実です。
KICKコンサルティングの支援内容
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士の松本昌史が代表を務め、法人支援実績150社以上を持つ認定経営革新等支援機関です。債務超過の受入れ企業に対して、次の支援を行っています。
- 債務超過 理由書の構成づくりと文章化のサポート
- 改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)の作成
- 債務超過 改善計画の数値づくりと、書面同士の整合性の確認
- 金融機関への説明にも使える資料への展開
技能実習 債務超過でも、特定技能 債務超過でも、まずは現状の決算と求められている書面を拝見するところから始めます。何を用意すれば通りやすいか、道筋を具体的にお示しします。
その場でのご契約や、しつこい営業は一切ありません。相談したからといって、依頼を迫ることもありません。1社ごとに時間をかけるため、月あたりのご相談数には限りがあります。お早めにお声がけください。
よくある質問

債務超過だと技能実習や特定技能の受入れは必ず不許可になりますか
必ず不許可になるわけではありません。審査で見られるのは、その債務超過が一時的か構造的かという点です。理由書と企業評価書で「本業は黒字で、約2〜3年で解消できる」といった見通しを数値で示せれば、受入れや更新が認められる例はあります。大切なのは金額を隠さず、回復の道筋を具体的に示すことです。
債務超過 理由書はどれくらいの分量で書けばよいですか
A4で1枚から2枚が目安です。文字数でいえば800字から1600字程度に収まることが多いです。長さより中身で、原因の説明を3割、改善計画と雇用維持の裏づけを7割の重心にすると通りやすくなります。
技能実習 債務超過 理由書と特定技能の理由書は書き方が違いますか
骨格は同じです。どちらも「現状の事実・原因・一時的である根拠・着手済みの対策・改善計画・雇用維持の裏づけ」という6要素で組み立てます。制度の呼び方が違うだけで、審査側が見たい「継続して報酬を払えるか」という論点は共通です。
企業評価書は税理士に作ってもらえますか
作成できません。改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士です。顧問税理士に決算はお願いできますが、この評価書は範囲外です。書面が必要になったら、最初から中小企業診断士へご相談ください。
理由書にはどんな数字を入れると効果的ですか
4つの数字が効きます。純資産のマイナス額、原因となった特別損失などの金額、営業利益や減価償却前の利益といった本業の稼ぐ力、そして債務超過を解消できるまでの年数です。特に減価償却前の利益は、赤字でも現金を生む力を示せるため重要です。
改善計画は何年で債務超過を解消する内容にすべきですか
会社の実情によりますが、おおむね3年から5年で純資産をプラスに戻す計画が一つの目安です。無理に短く見せるより、根拠のある数字で「着実に解消する」と示すほうが信頼されます。計画の数値は理由書と企業評価書で必ず一致させてください。
決算書の数字と理由書の数字が少し違っても大丈夫ですか
金額を千円単位や万円単位に丸めるのは問題ありませんが、事実と異なる数字は書けません。決算書と食い違うと、書面全体の信頼が一気に下がります。理由書を書く前に、必ず提出する決算書と数字を突き合わせてください。
理由書や企業評価書の準備には、どれくらいの期間がかかりますか
決算書と改善計画がそろっていれば、企業評価書の作成はおおむね2週間から1か月が目安です。資料が不足していると、その分だけ延びます。受入れや更新の期限から逆算し、少なくとも1か月以上の余裕をもって準備を始めることをおすすめします。
相談すると必ず契約しなければいけませんか
その必要はありません。無料相談は現状の整理と方向性の確認のための場で、費用はかかりません。その場での契約を求めることも、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。
まとめ
債務超過の理由書は、過去の言い訳を並べる書面ではありません。「一時的な要因であり、本業には稼ぐ力が残っていて、何年で立て直せるか」を数字で示す、回復の計画書です。原因を短く、改善計画を厚く。この重心の置き方だけで、審査担当者の受け取り方は変わります。
そして、その説得力を第三者として裏づけるのが、中小企業診断士または公認会計士が作成する企業評価書です。理由書と企業評価書、そして債務超過 改善計画の数字を一本の筋で通すこと。それが、技能実習・特定技能の受入れを止めないための最短ルートです。
とはいえ、本業のかたわらでこの一式を仕上げるのは大きな負担です。書き方に迷ったら、決算書を前に一人で悩む前に、一度専門家に見せてください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは債務超過の現状と、求められている書面をお聞かせください。理由書を通すための方向性を、その場でお示しします。
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