
依頼者の造船会社から相談を受けたところ、その会社が加入している外国人技能実習機構(OTIT)から、「直近決算が債務超過のままでは、特定技能の受入れ審査が通りません。企業評価書がないと先に進められません」と言われていた。
決算が赤字・債務超過に振れる原因は、受注時期と検収時期のズレにあります。船体ブロック製造や艤装工事は、鋼材や船舶用エンジン機器の仕入れが先行するため、一時的に資金繰りと決算の数字が悪化しやすい構造です。
このまま企業評価書を用意できなければ、依頼者は今いる特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ受注済みの造船案件を回せず、案件を回せなければ次の受注も取れず、最悪の場合、依頼者の経営そのものが立ち行かなくなります。
特定技能の受入れ審査で企業評価書が急に必要になったとき、審査を一発で通す備えをどう整えるか、この記事で3つの落とし穴として整理します。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 依頼者の造船会社が赤字・債務超過で、審査が不安
- 企業評価書が必要だが、自所では作成できない
- 作成できる専門家の当てがなく、受任を逃しそう
先に結論をお伝えします。造船業の特定技能で企業評価書が要る場面は、中小企業診断士など専門資格者との連携で乗り切れます。
在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)が担う。この役割分担なら、貴所の負担を増やさずに受任を守れます。
本記事は、認定経営革新等支援機関で法人支援150社以上のKICK代表・松本昌史(中小企業診断士)が執筆しています。制度の根拠にも触れながら、実務目線で解説します。
- 造船業の特定技能で企業評価書が急に必要になる理由
- 行政書士が慌てやすい企業評価書「3つの落とし穴」
- 何もしないと審査や受任がどうなるか
- 中小企業診断士と連携して企業評価書を用意する流れ
- 依頼者を奪わない役割分担と相談の進め方
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
造船業の特定技能で企業評価書が急に必要になる理由

造船業の特定技能で企業評価書が求められるのは、依頼者の財務が一定の状態にあるときです。まずこの前提を押さえると、備えの全体像が見えます。
理由は、受入れ審査で財務の健全性が確認されるからです。特に直近決算が債務超過のとき、改善見通しを示す企業評価書の提出が求められます。
別紙②-1・番号20という提出書類
この企業評価書は、正式には「改善見通しに関する評価書面」と呼ばれます。外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類で、別紙②-1・番号20にあたる書面です。
申請企業が債務超過のときに求められる書類です。造船業の特定技能でも、受入れ企業がこの状態にあれば同じ扱いになります。
つまり、依頼者の決算内容によっては、在留資格の申請の途中で企業評価書が突然必要になります。これが「慌てる」原因の入口です。
造船業は決算が振れやすいという事情
造船業は、企業評価書が必要になりやすい業種です。理由は決算が振れやすいからです。
造船所や船体ブロック製造会社は、大型案件の受注時期と検収時期がずれます。鋼材や船舶用エンジン機器の仕入れも先行します。そのため一時的に赤字や債務超過になることがあります。
艤装工事会社も、工事の進行と入金のタイミングで資金繰りが波打ちます。事業自体は健全でも、決算書の一時点だけを見れば債務超過に見える。造船業ではこうした場面が起こりやすいのです。
船舶用エンジン機器製造工場では、設備投資の負担が決算に重くのしかかる時期があります。大型の加工設備を入れた直後は、償却の負担で利益が圧迫されます。事業の中身は堅調でも、数字の見え方は厳しくなります。
このように、造船業の受入れ企業は「一時点の決算」と「事業の実力」がずれやすい業種です。だからこそ、改善見通しを財務の言葉で説明する企業評価書が、審査の場面で意味を持ちます。特定技能の申請を扱う先生にとって、この業種特性の理解は欠かせません。
作成できる資格には壁がある
ここで壁になるのが、企業評価書の作成資格です。この書面を作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られます。
行政書士や税理士は、在留資格の申請や税務の専門家ですが、企業評価書そのものは作成できません。役割の線引きを表で整理します。
| 役割 | 担い手 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 在留資格の申請 | 貴所(行政書士) | 特定技能の申請サポート・書類一式の取りまとめ |
| 企業評価書の作成 | KICK(中小企業診断士など) | 財務分析・改善見通しに関する評価書面の作成 |
| 受入れ企業の経理 | 顧問の税理士 | 決算・記帳など日常の税務 |
要するに、造船業の特定技能で債務超過に直面したら、企業評価書は中小企業診断士などの専門家に委ねるのが前提です。この構造を先に知っておくことが、最大の備えになります。
造船業の特定技能で慌てる企業評価書3つの落とし穴

造船業の特定技能で企業評価書が絡む案件では、行政書士が慌てやすい落とし穴が3つあります。先に3つを挙げ、順に掘り下げます。
理由は、どれも「申請の途中で気づく」ことが多いからです。着手前に知っておけば、いずれも回避できます。
落とし穴 決算の赤字・債務超過を後回しにする
1つ目の落とし穴は、依頼者の決算内容の確認を後回しにすることです。
特定技能の相談では、まず在留資格の要件や人数の話が中心になります。財務の状態は後段で確認しがちです。しかし造船業では、この決算の確認こそが最初の分岐点になります。
船体ブロック製造会社の決算が債務超過だと分かるのが着手後だと、企業評価書の準備が丸ごと後ろにずれます。財務の確認は初回面談で先に済ませるのが安全です。
確認すべきは、直近決算が債務超過かどうかという一点です。ここが分かれば、企業評価書が要るか要らないかの見当がつきます。造船業では特に、決算書の純資産の状態を早めに押さえておきましょう。着手前に一言確認するだけで、後半の慌ただしさが大きく減ります。
落とし穴 企業評価書を自所で作れると思い込む
2つ目の落とし穴は、企業評価書を自所で作成できると思い込むことです。
財務資料の取りまとめは行政書士の実務でも行います。その延長で「評価書面も自分で書けるのでは」と考えてしまう。ここに誤認があります。
改善見通しに関する評価書面は、中小企業診断士など専門資格者が作成する書面です。造船業の特定技能でこの点を取り違えると、提出直前に作り直しが発生します。着手時に作成の担い手を決めておくことが肝心です。
財務資料の「取りまとめ」と、改善見通しの「評価」は別の作業です。前者は貴所でも扱えますが、後者は財務分析の専門領域です。造船業の資金繰りや設備投資の意味を読み解いたうえで、改善の道筋を書面にする。ここに専門資格者が要る理由があります。この線引きを最初に共有しておけば、二度手間を避けられます。
落とし穴 作成できる専門家の当てがない
3つ目の落とし穴は、企業評価書を作れる専門家の当てがないことです。
1つ目と2つ目を回避しても、依頼できる中小企業診断士がいなければ止まります。急いで探しても、造船業の財務に慣れた専門家がすぐ見つかるとは限りません。
結果として、申請のスケジュール全体が遅れます。連携先を平時に決めておくことが、この落とし穴の唯一の対策です。造船業の特定技能を扱うなら、企業評価書の相談先をあらかじめ持っておきましょう。
3つの落とし穴を一覧で整理します。案件着手前のチェックにお使いください。
| 落とし穴 | 起きやすい場面 | 備え |
|---|---|---|
| 決算の後回し | 在留資格の話が先行し財務確認が後になる | 初回面談で債務超過かを確認 |
| 自所で作れる誤認 | 資料の取りまとめの延長で評価書面まで抱える | 作成の担い手を着手時に決める |
| 専門家の当てなし | 提出直前に依頼先を探し始める | 連携先を平時に確保しておく |
このまま備えないと造船業の受入れ案件で何が起きるか

3つの落とし穴を放置すると、造船業の特定技能の案件で具体的な不利益が起きます。ここでは何が起きるかを直視します。
理由は、企業評価書が用意できないと、申請そのものが前に進まないからです。困るのは先生おひとりではなく、依頼者も同じです。共通の敵は、債務超過や審査への不安、そして受任機会の逸失という状況そのものです。この状況に、先生とKICKが同じ側に立って向き合う。そう考えると、備えの意味がはっきりします。
審査が止まり、受入れが遅れる
まず、審査が止まります。債務超過の造船会社で企業評価書が出せなければ、受入れ手続き全体が停滞します。
造船所は納期に追われています。人手の確保が遅れれば、船体ブロックの製造や艤装工事の工程に響きます。依頼者の事業計画にも影響が出ます。
特定技能の人材を前提に工程を組んでいた場合、受入れの遅れは現場の稼働そのものを左右します。企業評価書が一枚間に合わないだけで、造船業の生産計画が後ろ倒しになる。依頼者にとっては死活問題です。
依頼者の信頼が揺らぐ
次に、依頼者の信頼が揺らぎます。「相談したのに前に進まない」という印象は、事務所への評価を下げます。
特定技能は一度きりの手続きではありません。造船業では複数年にわたり継続の相談が続きます。最初の案件でつまずくと、その後の受任にも影を落とします。
受任機会そのものを逃す
最後に、受任機会を逃します。企業評価書を用意できないと分かった時点で、依頼者が別の事務所を探し始めることもあります。
本来なら受けられた造船業の特定技能の案件が、備えがないだけで手から離れる。これは避けたい事態です。落とし穴を先回りで潰しておけば、こうした損失は防げます。
逆に言えば、企業評価書の連携先を持っているだけで、これらの不利益はまとめて避けられます。審査は止まらず、依頼者の信頼は保たれ、受任も守れる。備えの有無が、そのまま結果の差になります。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する選択肢

造船業の特定技能で企業評価書が要るなら、中小企業診断士との連携が現実的な選択肢です。結論として、これが最も確実な備えになります。
理由は、作成資格の壁を連携で越えられるからです。貴所は在留資格の申請に集中し、企業評価書の作成はKICKが担います。役割を分ければ、債務超過の造船会社でも前に進めます。
連携というと大掛かりに感じるかもしれません。実際はそうではありません。企業評価書が必要になった案件だけ、その都度ご相談いただく形で構いません。継続的な契約を前提にする必要はありません。造船業の特定技能の案件に応じて、必要なときだけ財務の専門家を呼べる。そう考えていただくと分かりやすいです。
制度の位置づけを正しく押さえる
企業評価書は、前述のとおりOTIT提出書類の別紙②-1・番号20です。申請企業が債務超過のときに、改善見通しを示すために求められます。
この書面は財務の分析に基づいて作成します。だからこそ、中小企業診断士など専門資格者の領域になります。造船業の特定技能でも制度上の扱いは同じです。
なお育成就労制度は2027年4月に施行が予定されています。外国人材の受入れ環境は段階的に変わります。造船業でも、企業評価書が関わる場面は今後さらに増えると見込まれます。
人手不足を背景に、造船業の受入れ企業は今後も増える見通しです。受入れが増えれば、その中に決算が振れている会社も一定数含まれます。つまり、企業評価書が要る案件に先生が出会う確率も上がっていきます。今のうちに連携先を持っておくことは、将来の受任を守る備えでもあります。
KICKが担う財務分析の流れ
KICKでは、造船業の実情を踏まえて財務を分析し、改善見通しに関する評価書面を作成します。おおまかな流れを整理します。
- 依頼者の決算書など財務資料を確認する
- 造船業の事業構造と資金繰りの実態を把握する
- 改善見通しを財務の視点で組み立てる
- 企業評価書として書面にまとめる
- 貴所の在留資格の申請に合わせて提出をサポートする
財務と改善見通しの実務はKICKが主導します。そのため、貴所の実務負担や専門外のリスクは小さく保てます。造船業の特定技能に慣れていなくても、財務面はこちらで補います。
依頼者との窓口は、あくまで貴所です。KICKは財務と企業評価書の作成を後方で支える立場に徹します。先生が依頼者に「企業評価書は連携先で用意できます」と伝えられる。この一言が、造船業の受入れ相談での安心につながります。
企業評価書の作成の詳細は、企業評価書作成支援の詳細でご確認いただけます。
依頼者を奪うことはありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。連携や契約の義務はなく、相談だけでも構いません。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

造船業の特定技能の案件を自所だけで抱えると、企業評価書のところで限界が来ます。結論として、連携する事務所が増えているのはこのためです。
理由は2つあります。専門外のリスクと、時間のコストです。
専門外リスクと時間コスト
1つは専門外のリスクです。財務分析や改善見通しの評価は、中小企業診断士などの専門領域です。慣れない書面を無理に整えると、審査で通用しない恐れがあります。
もう1つは時間のコストです。造船業の財務を一から読み解くには手間がかかります。その時間は、本来の在留資格の申請に使うべき時間を奪います。
特に繁忙期は、この時間の圧迫が重くのしかかります。船体ブロック製造や艤装工事の受入れ案件が重なる時期に、慣れない財務分析まで抱えるのは現実的ではありません。専門外の作業を無理に背負うほど、本業の質が下がる恐れもあります。
連携すれば、この2つを同時に解消できます。財務はKICKが受け持ち、貴所は在留資格の申請に専念できます。
連携で先生の事務所が手に入れる未来
連携によって、先生の事務所は3つの未来を手にできます。いずれも先生ご自身の利益です。
- 面談の質が上がる。債務超過の造船会社にも「企業評価書は連携先で用意できます」と即答でき、初回面談で安心を渡せます。
- 時間と受任が安定する。財務の負担が減り、造船業の特定技能の案件を落ち着いて受けられます。
- 依頼者や周囲からの信頼が高まる。「在留資格まわりで頼れる事務所」として、継続受任や紹介につながります。
KICKは認定経営革新等支援機関で、法人支援150社以上の実績があります。全国オンライン対応で来社は不要です。造船業の受入れ企業が遠方でも進められます。
代表の松本昌史は、中小企業診断士のほかMBAや1級FP技能士の資格を持ち、企業の財務と再生に長く携わってきました。造船業のように決算が振れやすい業種でも、事業の実力を財務の言葉で説明する経験があります。だからこそ、改善見通しに関する評価書面を、審査の場面で通用する形にまとめられます。
士業連携の全体像は、士業連携(提携)の詳細でご覧いただけます。まずは知っていただくだけでも構いません。この安心を、造船業の特定技能の現場で共に手に入れましょう。
よくある質問

Q. 連携すると依頼者を奪われませんか
A. 奪うことはありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。依頼者との窓口は貴所のままです。売り込みも一切ありません。
Q. 自所の負担はどの程度ですか
A. 負担は小さく保てます。財務分析と改善見通しの実務はKICKが主導します。貴所は在留資格の申請と、依頼者との連絡の取りまとめに集中できます。
Q. 企業評価書は誰が作れるのですか
A. 中小企業診断士など専門の資格者が作成します。行政書士や税理士は在留資格の申請や税務の専門家ですが、企業評価書そのものは作成できません。制度上の役割が異なるためです。だからこそ連携が有効です。
Q. 造船会社が債務超過でも受入れはできますか
A. 一律に不可となるわけではありません。債務超過のときに、改善見通しに関する評価書面(企業評価書)を用意して審査に臨みます。造船業の特定技能でも、この書面が備えになります。
Q. なぜ造船業で企業評価書が必要になりやすいのですか
A. 造船業は受注や仕入れのタイミングで決算が振れやすいためです。船体ブロック製造や艤装工事では、一時的に債務超過に見えることがあります。その場合に企業評価書が求められます。
Q. 費用はどれくらいかかりますか
A. 費用の詳細はサービスページにてご確認ください。案件の内容によって異なるため、まずはご相談ください。相談だけでも構いません。
Q. 造船業の財務に不慣れでも相談できますか
A. 相談できます。造船業の事業構造や資金繰りの把握を含め、財務面はKICKが受け持ちます。先生が財務に詳しくなくても問題ありません。
Q. 育成就労への移行は連携に影響しますか
A. 育成就労制度は2027年4月施行が予定されています。制度が変わっても、債務超過のときに企業評価書が求められる考え方は続くと見込まれます。備えの重要性はむしろ増します。
Q. 全国どこの造船会社でも対応できますか
A. 全国オンライン対応で来社は不要です。造船所や船舶用エンジン機器製造工場が遠方でも、財務資料をもとに進められます。
Q. まず何から始めればよいですか
A. 依頼者の直近決算の状態を確認するところから始めてください。債務超過や赤字が見えたら、早めにKICKへご相談ください。着手前の相談ほど、慌てずに進められます。判断に迷う段階でも、まずお声がけいただければ、企業評価書が要るかどうかの見当をお伝えできます。
連携や契約の義務はありません。依頼者を奪うこともありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。造船業の特定技能で企業評価書が要る場面に、あらかじめ備えておきましょう。
まとめ

造船業の特定技能では、依頼者が債務超過のときに企業評価書が急に必要になります。これはOTIT提出書類の別紙②-1・番号20にあたる書面です。
慌てやすい落とし穴は3つでした。決算確認の後回し、自所で作れるという思い込み、作成できる専門家の当てがないこと。いずれも着手前の備えで防げます。造船業の特定技能を扱うなら、この3つを案件の入口で確認する習慣を持つだけで、慌てる場面は大きく減ります。
企業評価書を作成できるのは中小企業診断士など専門資格者に限られます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICK。この役割分担なら、造船業の受入れ案件で受任機会を逃しません。
依頼者を奪うことはなく、売り込みもありません。連携や契約の義務もありません。造船業の特定技能で企業評価書に直面する前に、連携先を持っておく。その一歩を、ここから踏み出しましょう。先生の事務所の受任機会を守る備えを、共に手に入れましょう。







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