
顧問先の資金繰りが少しずつ苦しくなっている。試算表の数字はそれを語っているのに、税務業務の合間ではそこまで手が回らない。そんなもどかしさを抱えている先生は、決して少なくありません。
これは先生おひとりの力不足の問題ではありません。税務申告と経営改善支援は、必要な時間も専門性も立場も、まったく別のものだからです。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 顧問先の資金繰り悪化に気づいても、経営改善まで手が回らない
- 顧問単価を上げたいが、税務業務の延長では付加価値を示しにくい
- 経営コンサルティングを広げたいが、ノウハウとマンパワーが足りない
結論から申し上げます。顧問先の財務を早期に立て直し、事務所の付加価値を高める最短の道は、認定経営革新等支援機関との連携で役割分担を設計することです。税務は貴所、経営改善は認定支援機関という組み方であれば、先生の実務負担を最小限に抑えたまま、顧問先の資金繰り改善に踏み込めます。
本記事では、認定経営革新等支援機関との連携で他事務所と差をつけるための考え方を、実務目線で整理します。筆者はKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史(中小企業診断士)。認定経営革新等支援機関として、法人支援実績150社以上を重ねてきた立場からお伝えします。
この記事で分かること
- なぜ税務業務の延長だけでは顧問先の資金繰りが改善しにくいのか
- 課題を先送りしたとき、顧問先と事務所に何が起きるのか
- 認定支援機関との連携で差をつける3つの条件
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という連携の軸
- 認定経営革新等支援機関と組む事務所が手に入れる未来
先生方と認定経営革新等支援機関が手を組む相手は、顧問先ではありません。共通の相手は、資金繰り悪化と、課題を先送りしてしまう現状維持の空気です。まずは連携の全体像を、気軽にご相談ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善は認定支援機関という役割分担です。
なぜ税務業務の延長だけでは顧問先の資金繰りは改善しないのか

結論をお伝えします。税務業務の延長線上では、顧問先の資金繰り改善に届きにくいのが実情です。理由は、税務と経営改善では求められるものがまったく違うからです。
税務は、確定した過去の数字を正確に処理する仕事です。一方で経営改善は、これから先の資金繰りを予測し、行動計画へ落とし込む仕事です。時間軸が過去と未来で逆を向いています。この違いを見過ごすと、良い顧問税理士であるほど経営改善から距離が生まれてしまいます。
立ちはだかる3つの壁
顧問先の経営改善に踏み込もうとすると、多くの事務所が同じ壁に突き当たります。壁は大きく分けて3つです。
| 壁 | 中身 | 起きること |
|---|---|---|
| ノウハウの壁 | 計画策定・金融機関対応の実務経験が積みにくい | 改善の方向性を示せても、実行支援まで踏み込めない |
| 時間の壁 | 申告期・決算期に業務が集中する | 腰を据えた伴走支援に割く時間が確保しづらい |
| 立場の壁 | 税務の相談相手という関係が定着している | 経営改善の話を切り出しにくく、顧問先も身構える |
具体例で考えてみます。惣菜製造工場を営む顧問先で、原材料の高騰により利益率がじわじわ下がっているとします。試算表を見れば異変には気づけます。しかし、損益分岐点を割り出し、値決めと固定費を組み替え、資金繰り表に落とすところまでは、通常の顧問業務の枠には収まりません。
ここが分かれ道です。数字を見抜く力と、経営改善を実行する力は別物だからこそ、その実行部分を担う相手が必要になります。それが認定経営革新等支援機関です。
要するに、税務業務の質が高いことと、顧問先の資金繰りを立て直せることは、イコールではありません。だからこそ、経営改善の実務を分担できる連携の設計が効いてきます。
課題を先送りしたとき、顧問先と事務所に起きること

先に結論です。資金繰り悪化を先送りすると、損をするのは顧問先だけではありません。先生の事務所の経営基盤そのものが少しずつ削られていきます。
理由はシンプルです。顧問先の業績は、事務所のストック収入と直結しているからです。顧問先が弱れば、顧問報酬という収入源も弱ります。課題の先送りは、両者にとって共通のリスクなのです。
顧問先に起きる悪化の連鎖
資金繰りの問題は、放っておくほど選べる手が狭まります。兆候の段階なら打てた手が、悪化が表に出てからでは間に合わなくなります。典型的な流れは次のとおりです。
- 利益率の低下に気づかず、値決めや固定費の見直しが後手に回る
- 運転資金が細り、借入への依存が強まる
- 金融機関との対話材料がなく、資金調達の条件が厳しくなる
- 経営者が数字から目を背け、現場が疲弊していく
金属プレス加工会社のような製造業では、設備投資の負担も重なりやすく、この連鎖が加速しがちです。早い段階で資金繰りと収益構造に手を入れられるかどうかが、その後を大きく分けます。
事務所に跳ね返る3つの損失
顧問先の悪化は、時間差で事務所側にも跳ね返ります。見過ごされやすい損失が3つあります。
- ストック収入の消失。顧問先の廃業や顧問契約の解約で、安定収入が失われる
- 提案基盤の喪失。業績が細ると、高度税務や組織再編を提案する土台そのものが崩れる
- 評判への影響。「困ったときに頼りにならなかった」という印象は、紹介の流れを止めてしまう
反対に、資金繰り悪化の兆候をとらえて先手を打てる事務所は、顧問先からの信頼を厚くします。経営改善に踏み込めるかどうかが、事務所の評価を分ける時代になっています。
つまり、課題の先送りは顧問先と事務所の双方にとって静かに進む損失です。だからこそ、早期に動ける連携の型をあらかじめ持っておく意味があります。
認定支援機関との連携で差をつける3つの条件

結論からお伝えします。認定経営革新等支援機関との連携で他事務所に差をつける鍵は、「早く動く」「役割を分ける」「制度を使いこなす」という3つの条件を満たすことです。理由は、この3つがそろって初めて、先生の負担を抑えたまま顧問先の経営改善が前に進むからです。
この章では、その3つの条件を一つずつ掘り下げます。タイトルどおり、条件は次の3個です。
条件その一・兆候の段階で早く動く
1つ目の条件は、資金繰り悪化が表面化する前に動くことです。経営改善は、着手が早いほど選べる手が多く、成果も出やすいからです。
認定経営革新等支援機関の支援を活かせる場面の多くは、危機が顕在化する前の「兆候」の段階にあります。利益率のわずかな低下、運転資金の目減り、こうしたサインを試算表からいち早くとらえられるのは、日頃から数字を見ている顧問税理士です。
ここに先生ならではの強みがあります。最も早く異変に気づける立場にいるのが顧問税理士だからこそ、認定支援機関との連携で「気づいたら即動く」体制を組めば、それだけで他事務所と差がつきます。介護業のグループホームのように、報酬改定や人件費の影響を受けやすい業種では、この早さがとりわけ効いてきます。
条件その二・税務と経営改善の役割を分ける
2つ目の条件は、役割分担を明確に設計することです。理由は、一つの事務所が税務も経営改善も抱え込もうとすると、時間も専門性も足りず、結局どちらも中途半端になりやすいからです。
おすすめの型はシンプルです。税務は貴所、計画策定と金融機関対応は認定経営革新等支援機関、という分担です。この線引きがあると、先生は本業に集中したまま、顧問先には経営改善という新しい価値を届けられます。
建設業の型枠工事会社を例にとります。日々の記帳・申告・税務相談は貴所が担い、資金繰り計画の策定や金融機関との対話は認定支援機関が主導する。それぞれが得意分野に専念することで、顧問先が受け取る支援の質は一段上がります。役割分担の詳細は、士業連携(提携)の詳細もあわせてご覧ください。
条件その三・使える制度を使いこなす
3つ目の条件は、認定経営革新等支援機関だからこそ使える制度を活用することです。理由は、同じ経営改善でも、制度を土台にすると顧問先の費用負担を抑えながら本格的に取り組めるからです。
その代表が、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)です。認定経営革新等支援機関の支援を受けて早期経営改善計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。この制度は、認定経営革新等支援機関の関与が前提です。だからこそ、連携している事務所とそうでない事務所とで、顧問先に示せる選択肢に差が生まれます。
制度の詳しい仕組みは次の章で整理します。ここで押さえていただきたいのは、制度を使える連携相手を持つこと自体が、事務所の付加価値になるという一点です。
要するに、「早く動く」「役割を分ける」「制度を使いこなす」の3つがそろえば、先生の事務所は経営改善に強い事務所として自然と差別化されます。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という連携の軸

結論です。先生と認定経営革新等支援機関の連携の中心に据えたいのが、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)です。理由は、この制度が「早期の経営改善」と「顧問先の費用負担軽減」を両立させる、連携にちょうど良い入口だからです。
制度の仕組みと補助の枠組み
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)は、資金繰りや収益構造に課題の兆しが出た段階で、簡易な経営改善計画を策定するための制度です。中小企業庁が枠組みを定めています。数字で押さえておきたい点をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 専門家費用の3分の2を国が補助 |
| 補助上限 | 計画策定50万円+伴走支援30万円。オプションを加えて最大100万円 |
| 伴走支援 | 計画策定後、最初の決算から3年間、年最低2回のモニタリングと報告 |
| 留保の扱い | 補助金の半分を協議会が預かる2分の1留保は廃止済み |
この制度は、金融支援(リスケ等)を前提としません。計画書の提出をきっかけに、資金繰り・課題・将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築くことを狙いとしています。悪化してからの立て直しではなく、早めの一手だという点が特徴です。
認定支援機関が担う実務と管理会計
連携の場面で認定経営革新等支援機関が担うのは、計画策定と伴走支援の実務です。ここが先生の負担を最も軽くする部分になります。具体的には次のような支援を主導します。
- 損益分岐点分析による、値決めと固定費構造の見直し
- ローカルベンチマークを使った、財務・非財務の現状の見える化
- 資金繰り表とアクションプランへの落とし込み
- 金融機関との対話の場づくりと、伴走支援による定期的なモニタリング
制度の目的は、単なる計画づくりではありません。経営者自身がPDCAサイクルを回し、自走できる体制を整えることにあります。内部管理体制や経営の透明性確保に向けたガバナンスの整備も、重要な支援と位置づけられています。早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細もあわせてご確認ください。
要するに、この制度を軸に連携すれば、先生は税務に専念しながら、顧問先には本格的な経営改善という価値を届けられます。連携の入口として、まずは気軽にご相談ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。顧問先を横取りすることは決してなく、顧問契約はそのまま貴所に残ります。税務は貴所、経営改善は認定支援機関という役割分担です。
認定経営革新等支援機関と組む事務所が手に入れる未来

結論です。認定経営革新等支援機関と連携する事務所は、顧問先の財務改善と、事務所自身の付加価値向上を同時に手に入れます。理由は、自所だけで抱える限界を、連携が補ってくれるからです。
自所だけで抱える限界
経営改善を事務所単独でやり切ろうとすると、3つの負担が重くのしかかります。計画策定の専門性、伴走にかかる時間コスト、そして金融機関対応の労力です。この3つを本業と並行して担うのは、現実にはかなり難しいものです。
だからこそ、計画策定と金融機関対応を認定経営革新等支援機関に任せ、税務に専念する事務所が増えています。KICKコンサルティング株式会社は、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上を重ねてきました。計画策定・金融機関対応の実務を主導するため、先生の実務負担とマンパワー消費は最小限で済みます。
先生の事務所が手に入れる3つの変化
連携が回り始めると、事務所には具体的な変化が現れます。抽象論ではなく、日々の景色として次の3つが変わります。
- 面談の質が変わる。数字の報告だけだった面談が、将来の打ち手を一緒に考える時間に変わる。顧問先の表情が前向きになる
- 通帳と時間が変わる。顧問先の資金繰りが安定し、顧問料の回収が読めるようになる。経営改善の実務は認定支援機関が担うため、貴所の時間にゆとりが生まれる
- 周囲からの評価が変わる。顧問先からは頼れる相談相手として、金融機関からは前向きな事務所として、職員からは成長できる職場として見られる
顧問先の利益が改善すれば、高度税務・組織再編といった新たな提案の基盤も整います。これは事務所の売上アップにもつながります。こうした未来を、ぜひ認定経営革新等支援機関との連携で共に手に入れましょう。
費用と役割分担のご案内
費用については、顧問先の状況によって取り得る選択肢が変わります。制度の補助を活かせる場面も多く、具体的な費用感は早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)のサービスページにてご確認ください。連携のかたちは、貴所のご意向に合わせて柔軟に設計します。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先を奪うことは決してなく、税務は貴所、経営改善は認定支援機関という役割分担を守ります。1事務所ごとに丁寧に対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。
よくある質問

Q. 顧問先を奪われるリスクはありませんか
A. ありません。KICKコンサルティング株式会社の役割は、あくまで経営改善の実務支援です。税務顧問の契約はそのまま貴所に残ります。税務は貴所、経営改善は認定支援機関という役割分担を徹底しますので、顧問先との関係は維持されます。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度ですか
A. 最小限です。計画策定・金融機関対応・伴走支援の実務は、認定経営革新等支援機関であるKICKコンサルティング株式会社が主導します。先生には、顧問先のご紹介と、必要な場面での情報共有をお願いする程度です。日々の税務業務のペースを崩さずに連携できます。
Q. バリューアップ支援事業と405事業は何が違いますか
A. 主に着手のタイミングと計画の規模が異なります。次の表に整理します。
| 項目 | バリューアップ支援事業 | 405事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 前提としない | 金融支援(リスケ等)が前提 |
| 計画書の規模 | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) |
| 着手のタイミング | 早め(兆候が出た段階) | 悪化が顕在化してから |
顧問先の課題が兆候の段階なら、早めに動けるバリューアップ支援事業がなじみます。連携の入口としても取り組みやすい制度です。
Q. どのような顧問先が連携の対象になりますか
A. 資金繰りや収益構造に課題の兆しがある中小企業が対象です。特定の業種に限りません。惣菜製造工場のような飲食料品製造業、金属プレス加工会社のような製造業、型枠工事会社のような建設業、グループホームのような介護業など、幅広い顧問先が想定されます。まずはご相談ください。
Q. 連携にかかる費用はどのくらいですか
A. 顧問先の状況によって取り得る選択肢が変わるため、一律の金額はお示ししていません。制度の補助を活かせる場面も多くあります。詳細はサービスページにてご確認ください。初回のご相談は無料です。
Q. 公認会計士事務所でも連携できますか
A. できます。本記事は税理士事務所・公認会計士事務所の所長に向けたものです。監査やアドバイザリーを担う会計士の先生でも、顧問先やクライアントの経営改善支援として同じ枠組みで連携いただけます。
Q. 自所が認定経営革新等支援機関でなくても連携できますか
A. 問題ありません。認定経営革新等支援機関としての関与は、KICKコンサルティング株式会社が担います。貴所が認定を受けているかどうかにかかわらず連携できますので、まずはお気軽にお声がけください。
Q. 顧問先にどう切り出せばよいか分かりません
A. 切り出し方も一緒に考えます。「資金繰りを一緒に見直しませんか」という前向きな声かけから入るのが自然です。経営改善は貴所が顧問先を思う気持ちの表れですので、身構えずにお伝えいただけます。伝え方のご相談も承ります。
Q. 連携開始までの流れを教えてください
A. まずは無料相談で、貴所のご意向と顧問先の状況を伺います。そのうえで役割分担のかたちをすり合わせ、対象となる顧問先が出てきた段階で具体的な支援に入ります。段階的に進めますので、いきなり大きな契約を求めることはありません。
Q. 遠方の事務所でも相談できますか
A. ご相談いただけます。オンラインでの打ち合わせにも対応しています。銀座本社を拠点としつつ、全国の先生方と連携した実績があります。まずは連携の全体像をお聞きください。
まとめ

顧問先の資金繰りが揺らぐとき、最も早く異変に気づけるのは、日頃から数字を見ている顧問税理士です。その気づきを経営改善という成果に変える鍵が、認定経営革新等支援機関との連携です。
差をつける条件は3つでした。兆候の段階で早く動くこと、税務と経営改善の役割を分けること、そして認定経営革新等支援機関だからこそ使える制度を使いこなすこと。この3つがそろえば、先生は本業に専念したまま、顧問先に本格的な経営改善という価値を届けられます。
連携で手を組む相手は顧問先ではありません。共通の相手は、資金繰り悪化と課題を先送りする現状維持の空気です。税務は貴所、経営改善は認定支援機関という組み方で、顧問先の財務改善と事務所の付加価値向上を、共に手に入れましょう。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先を奪うことは決してなく、顧問契約はそのまま貴所に残ります。1事務所ごとに丁寧に対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。連携をお考えなら、早めにご相談ください。







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