
特定技能の受入れ企業が受入れの手続きについて、出入国在留管理庁の審査を受けたところ、「決算が債務超過のままでは、受入れや在留期間の更新の審査を進めることができません。企業評価書が必要です」と言われた。
債務超過の原因は、単年度の赤字ではなく、赤字が数期にわたって積み重なったことにあります。負債の総額が資産の総額を上回り、純資産がマイナスになっている状態が、そのまま「継続できる体制なのか」という審査側の不安につながります。
このまま企業評価書を用意できなければ、今いる特定技能人材の継続雇用すらできなくなります。継続雇用できなければ現場の人手を確保できず、人手が足りなければ受注をこなせず、最悪の場合、会社そのものが立ち行かなくなります。
赤字や債務超過を理由に、決算書の提出を求められた経営者や登録支援機関の担当者は、決して少なくありません。あなただけが悩んでいるわけではありません。
結論から言えば、債務超過でも在留資格「特定技能」の受入れ・更新は可能です。相手にすべきは「債務超過」という数字そのものではなく、「このままでは受入れ体制が続かないのでは」という審査側の不安です。その不安を正面から解く鍵が「企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)」です。
この記事はこんな人におすすめ
- 赤字・債務超過で特定技能の受入れ審査が不安な方
- 次の在留期間更新が通るか心配な経営者
- 定期報告で財務を問われないか気になる方
- 特定技能の企業評価書を誰に頼めるか分からない方
- 登録支援機関として受入れ企業を支えたい方
この記事で分かること
- 債務超過でも特定技能を受け入れられる理由と条件
- 定期報告・在留期間更新のどこで財務が問われるか
- 企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)の役割
- 決算書の見せ方と改善計画のつくり方
- 誰に相談すべきか(中小企業診断士・公認会計士の役割)
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士である代表・松本昌史のもと、法人支援実績150社以上の経験から、債務超過や赤字の企業評価書作成を支援しています。読み終えるころには、次に何をすればよいかがはっきり見えているはずです。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは自社の決算の状況をお聞かせください。
特定技能は債務超過でも受入れできるのか

まず結論をお伝えします。在留資格「特定技能」は、債務超過であっても受入れ・更新ができます。制度は「債務超過の会社は一律で不可」とは定めていません。ポイントは大きく2つあります。
審査で本当に見られているのは「継続できる体制」
出入国在留管理庁は、受入れ機関(特定技能所属機関)が、外国人材を継続して雇用し、支援を最後まで果たせる体制にあるかを審査します。財務はその一部です。
債務超過とは、負債の総額が資産の総額を上回り、純資産がマイナスになっている状態を指します。赤字が続いた結果として起こることが多く、それ自体がただちに「受入れ不可」を意味するわけではありません。
審査側が心配しているのは、「途中で賃金が払えなくなる」「支援が続かない」「外国人材が路頭に迷う」といった事態です。ここを客観的な資料で払拭できれば、道は開けます。
債務超過だと「追加の書面」を求められやすい
債務超過や連続赤字の会社では、通常の提出書類に加えて、財務の立て直しについての説明を求められることがあります。代表的なのが、直近の決算文書(貸借対照表・損益計算書)と、後述する企業評価書です。
| 財務の状況 | 審査での位置づけ | 求められやすい書面 |
|---|---|---|
| 黒字・純資産プラス | 財務面の懸念は小さい | 通常の決算文書のみ |
| 単年度の赤字 | 理由と一時性の説明が要る | 決算文書+理由の説明 |
| 債務超過・連続赤字 | 継続性を客観資料で示す必要 | 決算文書+企業評価書+改善計画 |
つまり、債務超過の会社に必要なのは「ごまかす」ことではなく、改善の見通しを第三者の目で示すことです。ここを外すと、審査は前に進みません。
放置すると起きること
「更新のときに考えればいい」と後回しにするのは危険です。債務超過を説明する準備をしないまま更新期限や定期報告の時期を迎えると、書類の追加提出で時間を取られ、審査が長引きます。
最悪の場合、次の在留期間更新が認められず、採用・育成にかけた費用が無駄になります。人手不足の現場で、頼りにしていた戦力を失うことにもなりかねません。相手にすべき共通の敵は、あなたでも外国人材でもなく、「準備不足のまま迎える期限」です。
逆に言えば、早めに準備を始めれば、債務超過そのものは大きな障害になりません。決算の数字は一朝一夕には変わりませんが、その数字をどう説明し、どう立て直すかは、今日からでも組み立てられます。まだ余裕があるうちに動くことが、いちばんの近道です。
債務超過でも通す鍵は企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)

債務超過でも特定技能の受入れ・更新を通すうえで、中心になる書面が企業評価書です。正式には「改善の見通しについて評価を行った書面」と呼ばれます。ここでは、その中身と作り方を実務レベルで整理します。
企業評価書とは何か
企業評価書とは、専門家が会社の財務内容を分析し、「この会社は改善が見込める」という見通しを客観的に評価した書面です。債務超過や赤字の会社が、外国人材の受入れや更新を申請する際に、財務の懸念を打ち消す立証資料として使います。
大切なのは、単なる決算書の要約ではない点です。なぜ債務超過になったのか、どう立て直すのか、その計画に実現性があるのかを、根拠とともに説明します。
企業評価書を作れるのは中小企業診断士か公認会計士
ここは間違えやすい重要な点です。企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士です。税理士は、この評価書面を作成できません。
「決算を見てもらっている税理士に頼めばいい」と考えて時間を失う会社が多いのが実情です。日ごろの記帳や申告は税理士の役割ですが、改善の見通しを評価する書面は、経営全体を分析する中小企業診断士か、会計監査の専門家である公認会計士が担います。誰に頼むかを最初に押さえてください。
自社の状況に合わせた債務超過に対応した企業評価書の作成支援を活用すれば、審査で通用する形に整えられます。
企業評価書に盛り込む4つの要素
審査で通用する企業評価書には、次の4つが要ります。抽象論ではなく、数字と根拠で埋めていきます。
- 財務の現状分析 直近の決算文書をもとに、債務超過の金額や赤字の推移を正確に示す
- 債務超過に至った理由 一時的な要因か、構造的な要因かを切り分けて説明する
- 改善計画 売上・原価・経費・資金繰りをどう立て直すか、時間軸を付けて示す
- 改善の見通しの評価 計画の実現性を専門家が客観的に評価し、根拠を添える
決算書の「見せ方」で結果は変わる
同じ決算書でも、伝え方で審査側の受け取り方は変わります。ここで言う「見せ方」とは、数字を偽ることではありません。事実を、審査側が知りたい順番と粒度で正しく説明することです。
たとえば、設備投資や一時的な特別損失で債務超過になったのであれば、その一時性を明確にします。本業の利益(営業利益)が出ているなら、そこを前面に出します。逆に、返済の見込みや資金繰り表を添えないと、審査側は最悪のケースを想定してしまいます。
決算書は「良く見せる」のではなく「誤解されないように見せる」。一時的な赤字なら一時性を、本業の底力があるならその根拠を、数字で添えることが要点です。
改善計画は「絵に描いた餅」にしない
企業評価書の心臓部は改善計画です。ただし、根拠のない数字を並べただけの計画は、審査側にすぐ見抜かれます。売上を来年から急に2倍にする、といった計画は、かえって信頼を損ないます。
実現性のある計画には、次の3点が要ります。第一に、売上や利益の目標に「なぜそうなるのか」という具体的な打ち手を結びつけること。第二に、資金繰り表で当面の支払いに問題がないことを示すこと。第三に、時間軸を区切り、いつ債務超過を解消できるかの見通しを描くことです。
KICKコンサルティングでは、これらを経営者への聞き取りと決算数値の両面から組み立てます。現場の実態に合わない計画は、いくら体裁を整えても審査で通用しないからです。数字と現場の両方を知る中小企業診断士だからこそ、地に足のついた計画を描けます。
お断りいただいて構いません。費用は一切かかりません。無理な勧誘や、その場での契約を迫ることはありません。まずは決算書を見ながら、企業評価書で通せる状態かどうかだけでも確かめてみませんか。
定期報告・在留期間更新のフェーズで財務が問われる場面

特定技能は「一度受け入れたら終わり」ではありません。受入れ後も、定期報告と在留期間更新という節目が続きます。債務超過の会社は、この各フェーズで財務を問われる可能性があります。備えの全体像を押さえておきましょう。
定期届出と随時届出のタイミング
特定技能所属機関には、出入国在留管理庁への届出義務があります。大きく分けて、定期的に出す「定期届出」と、事由が起きたときに出す「随時届出」があります。
| 種類 | 主な内容 | タイミング |
|---|---|---|
| 定期届出 | 受入れ状況・支援の実施状況・活動状況 | 四半期ごと(年4回)に提出 |
| 随時届出 | 雇用契約や支援計画の変更、受入れ困難の発生など | 事由の発生から14日以内 |
| 在留期間更新 | 引き続き雇用・支援できる体制の確認 | 在留期限ごと(1年・6か月・4か月) |
特定技能1号の在留期間は、1年・6か月・4か月のいずれかで、更新を重ねながら通算5年まで働けます。つまり、受け入れた人材を戦力として育てるほど、更新の重みは増していきます。
更新時に財務が問われる理由
在留期間更新は、単なる手続きの継続ではありません。「引き続き、この会社は雇用と支援を続けられるか」を確認する場です。受入れ時に債務超過だった会社や、受入れ後に業績が悪化した会社は、更新のタイミングで改めて財務の説明を求められることがあります。
ここで慌てないために、受入れ時に企業評価書を整えた会社は、更新時にも同じ枠組みで説明を更新できます。改善計画がどこまで進んだかを示せれば、審査側の安心につながります。
更新に向けた準備の手順
更新をスムーズに通すために、次の手順で早めに動くことをおすすめします。期限の直前ではなく、余裕をもって準備することが要点です。
- 直近2事業年度の決算文書を手元にそろえる
- 債務超過や赤字の理由を、一時性・構造性で切り分ける
- 改善計画の進み具合を数字で振り返る
- 中小企業診断士か公認会計士に企業評価書の更新を相談する
- 更新申請の書類一式に、評価書面と改善計画を添える
特に注意したいのは、受入れ後に業績が悪化したケースです。受入れ時は黒字でも、その後の環境変化で赤字や債務超過に転じることは珍しくありません。この場合、次の更新で初めて財務の説明を求められ、準備が間に合わないという事態が起こりがちです。日ごろから決算の動きを把握し、悪化の兆しが見えた段階で相談しておくと、あわてずに済みます。
登録支援機関として複数の受入れ企業を支える立場でも、同じ枠組みが使えます。受入れ企業ごとに債務超過の理由と改善計画を整理しておけば、更新のたびに一から作り直す手間を減らせます。企業評価書の作成そのものは中小企業診断士か公認会計士に委ね、支援機関は書類全体の管理に集中するという役割分担も有効です。
債務超過を乗り越えた先に手に入る未来

企業評価書を整え、債務超過の説明ができる状態になると、あなたの会社には具体的な変化が生まれます。抽象的な安心ではなく、数字・時間・関係性の3つの軸で見ていきましょう。
数字の軸 審査の不確実性が下がる
債務超過を客観的に説明できる資料がそろうと、追加書類のやり取りが減り、審査の見通しが立ちやすくなります。受入れや更新にかかる時間の読みが立ち、採用計画を前に進められます。
時間の軸 本業に集中できる
期限が近づくたびに書類集めに追われる状態から抜け出せます。改善計画という一本の軸ができれば、更新のたびに一から悩む必要がなくなり、経営者は本来の仕事である現場づくりと売上づくりに時間を使えます。
関係性の軸 人材との信頼が続く
在留が安定すれば、外国人材は安心して腰を据えて働けます。技能を身につけた戦力が定着し、教える側とのあいだに信頼が積み上がります。人手不足の現場にとって、これは何よりの財産です。
債務超過という数字の裏側で止まっていた時間を動かし、採用の安心と現場の戦力、そして立て直しへの道筋を、共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

ここまで読んで、「やることは分かったが、自社だけでできるだろうか」と感じた方もいるはずです。正直にお伝えすると、企業評価書を自力で仕上げるのは簡単ではありません。
自社だけで進めるときの3つの壁
- 専門性の壁 財務分析と改善計画には、経営全体を読み解く専門知識が要る
- 時間の壁 資料づくりに追われ、本業の時間が削られる
- 判断ミスのリスク 見せ方を誤ると、かえって審査側の不安を強めてしまう
だからこそ、債務超過の局面ほど、経営全体を見る専門家に相談する経営者が増えています。決算書を良く見せる小手先の技術ではなく、改善の道筋そのものを一緒に描く相手が必要だからです。
KICKコンサルティングの支援内容
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・松本昌史のもと、次の支援を行っています。
- 債務超過・赤字の企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)の作成支援
- 財務の現状分析と、実現性のある改善計画づくり
- 決算書の見せ方の整理と、審査で通用する立証資料の組み立て
- 受入れ時から更新・定期報告まで見据えた継続的な伴走
代表の松本は、中小企業診断士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)・事業再生マネージャーの資格を持ち、認定経営革新等支援機関として、製造業・建設業をはじめ150社以上の支援に携わってきました。数字の裏側にある事業の実態を読み解くのが役割です。
ご相談いただいても、その場でのご契約や、しつこい営業は一切ありません。1社ごとに時間をかけるため、月あたりのご相談数には限りがあります。まずは現状をお聞かせください。お断りいただいて構いません。
よくある質問

Q. 債務超過だと特定技能の受入れは必ず不可になりますか
A. いいえ。債務超過だけを理由に一律で不可になるわけではありません。継続して雇用と支援ができる体制を、決算文書と企業評価書などで客観的に示せれば、受入れ・更新は可能です。相手にすべきは数字そのものではなく、審査側の不安です。
Q. 企業評価書は税理士に作ってもらえますか
A. いいえ。改善の見通しについて評価を行った書面(企業評価書)を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士です。税理士は日ごろの記帳や申告を担いますが、この評価書面は作成できません。依頼先を取り違えると、期限が迫ってから作り直すことになりかねないため、最初に確認してください。
Q. 定期報告はどのくらいの頻度で必要ですか
A. 特定技能所属機関の定期届出は、四半期ごと(年4回)に提出します。受入れ状況・支援の実施状況・活動状況などを報告します。加えて、雇用契約の変更などが起きたときは、事由の発生から14日以内の随時届出が必要です。
Q. 定期報告で決算書の提出を求められますか
A. 定期届出そのものは受入れ・支援の状況が中心です。ただし、債務超過や業績悪化があると、在留期間更新の場面で決算文書や改善の見通しの説明を求められることがあります。定期報告の時期に合わせて、財務資料を整えておくと安心です。
Q. 在留期間更新のとき、財務はどこまで見られますか
A. 更新では「引き続き雇用と支援を続けられるか」が確認されます。特定技能1号の在留期間は1年・6か月・4か月ごとで、通算5年まで働けます。債務超過の会社は、改善計画がどこまで進んだかを示せると、審査側の安心につながります。
Q. 企業評価書はいつまでに準備すればよいですか
A. 受入れ申請や更新申請の直前ではなく、余裕をもって準備してください。直近2事業年度の決算文書をそろえ、債務超過の理由と改善計画を整理してから専門家に相談すると、無理のない日程で仕上げられます。期限直前の依頼は、選択肢を狭めます。
Q. 監理団体が債務超過でも技能実習は続けられますか
A. 特定技能に監理団体はなく、支援は登録支援機関が担います。技能実習で監理団体や実習実施者が債務超過の場合も、考え方は同じで、改善の見通しについて評価を行った書面などで継続性を示すことが求められます。制度の違いを踏まえて準備してください。
Q. 一度赤字を出しただけでも企業評価書は要りますか
A. 単年度の赤字なら、必ずしも企業評価書が必要とは限りません。ただし、その赤字が一時的なものである理由を、決算文書とあわせて説明できるようにしておくと安心です。連続赤字や債務超過に進む前に、早めに手を打つことをおすすめします。
Q. 相談すると必ず契約しなければなりませんか
A. いいえ。無料相談でその場での契約を迫ることはありません。まずは決算書を見ながら、企業評価書で通せる状態かどうかを一緒に確認します。お断りいただいて構いません。費用は一切かかりません。
まとめ
債務超過は、在留資格「特定技能」の受入れ・更新をあきらめる理由にはなりません。審査側が本当に見ているのは、純資産のマイナスという数字ではなく、「この会社は雇用と支援を続けられるか」という一点です。
その問いに答える資料が、企業評価書(改善の見通しについて評価を行った書面)です。作成できるのは中小企業診断士または公認会計士で、税理士では作成できません。受入れ時に整えておけば、四半期ごとの定期報告や、1年・6か月・4か月ごとの在留期間更新の局面でも、同じ枠組みで説明を続けられます。
大切なのは、期限に追われる前に動くことです。決算書の見せ方と改善計画を、経営全体を読む専門家と一緒に整えておけば、採用の安心と現場の戦力を守れます。あなたの会社が育ててきた人材を、財務の説明不足で失わないために、今日から準備を始めましょう。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせいただくところから始めましょう。
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