
「技能実習から特定技能へ移行したい」「新たに外国人材を受け入れたい」——そう相談に来た顧客企業の直近決算が債務超過だった。在留資格の申請書類はそろえられるのに、受入れ機関の財務要件という一点で手続きが止まってしまう。行政書士事務所を営む先生方なら、この場面に一度は直面したことがあるはずです。
問題は、財務が理由で申請が前に進まないとき、多くの事務所が「これは当所では対応できません」と受任そのものを見送ってしまうことにあります。せっかく相談に来た依頼者を、財務の壁の前で取りこぼす。これほどもったいない機会損失はありません。
ですが、これは先生おひとりの力不足ではありません。財務の立て直しと「改善見通しに関する評価書面」の作成は、そもそも行政書士の専管業務ではないからです。本当の敵は、先生の実力ではなく「財務が絡むと案件を丸ごと諦める」という受任の慣習のほうにあります。
結論から申し上げます。在留資格の申請は先生の事務所が受任したまま、企業評価書の作成だけを中小企業診断士に任せる——この役割分担を持てば、債務超過の顧客でも受任を手放さずに済みます。本記事では、認定経営革新等支援機関であるKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・中小企業診断士の松本昌史が、その具体的な連携のかたちを解説します。
この記事で分かること
- 特定技能・育成就労の受入れ審査で「企業評価書」がなぜ求められるのか
- OTIT 別紙②-1など、財務要件が問われる具体的な場面
- 企業評価書を作成できる資格は誰か(作成資格の正しい理解)
- 在留資格の申請は貴所、企業評価書はKICKという役割分担のかたち
- 連携で先生の事務所が得られる受任機会と、依頼者満足の高まり
先にお伝えします。ご相談いただいても、先生の依頼者を奪うことは一切ありません。在留資格の申請と依頼者との関係は貴所のまま、企業評価書の作成だけをKICKが担う役割分担です。売り込みや連携の強制もありません。
1. なぜ債務超過の顧客で在留資格の申請が止まるのか

特定技能や育成就労の受入れは「人の生活と人生を預かる制度」であり、受入れ機関に安定した経営基盤が求められます。だからこそ、財務が申請の関門になります。ポイントは3つです。
1-1. 受入れ審査では「経営の継続性」が問われる
技能実習(育成就労)や特定技能で外国人材を受け入れる企業は、労働者を安定して雇用・処遇できる経営基盤があることが前提とされます。直近の決算が赤字や債務超過だと、「本当に継続して受け入れられるのか」という点が受入れ審査で確認されます。
先生が在留資格の申請実務をどれだけ完璧に整えても、受入れ機関の財務健全性という土台に不安があれば、審査はそこで足踏みします。書類の巧拙ではなく、企業の実態そのものが問われる領域だからです。
とりわけ、技能実習に代わる育成就労の制度が動き出すこれからは、外国人材の受入れを長期の雇用として設計する企業が増えます。長く雇うということは、その分だけ経営の継続性がより厳しく問われるということでもあります。財務が申請の関門になる場面は、今後さらに増えると見ておくのが自然です。
1-2. 財務が問われる典型的な場面(OTIT 別紙②-1など)
財務面の説明を求められやすいのは、次のような場面です。外国人技能実習機構(OTIT)に提出する別紙②-1など、実習実施者の財務状況を確認する書面で、債務超過や連続赤字が把握されたときが典型です。
| 場面 | 財務が問われる理由 |
|---|---|
| 技能実習の新規申請・OTIT 別紙②-1の提出 | 実習実施者の財務状況を確認する欄で債務超過・連続赤字が把握される |
| 特定技能の受入れ・定期届出 | 所属機関の経営基盤の安定性が確認され、財務に不安があると説明を求められる |
| 育成就労への移行を見据えた受入れ拡大 | 継続的な受入れ体制として、より長期の経営継続性が問われる |
1-3. 求められているのは「改善見通しに関する評価書面」
財務に不安がある場合に求められるのが、通称「企業評価書」——制度上は「改善見通しに関する評価書面」と呼ばれる書面です。これは決算書の要約ではなく、「なぜ今後は改善するといえるのか」を、企業評価の専門家が第三者の目線で評価した資料です。
言い換えれば、審査側は「事業をやめてください」と言っているのではなく、「続けていける根拠を第三者の言葉で示してください」と求めているのです。ここを正しく用意できれば、申請は前に進みます。逆に言えば、書面が用意できないだけで、本来は進められたはずの受入れが止まってしまうということでもあります。
要するに、債務超過そのものが受入れを不可能にするのではなく、「改善見通しに関する評価書面」の有無が申請を止めるか進めるかを分ける、ということです。
2. 特定技能の企業評価書は「誰が」作れるのか

ここが先生方にとって最も重要な論点です。企業評価書は「決められた欄を埋めれば通る書類」ではなく、「誰が作ったか」という作成資格が要件になっています。順に見ていきます。
2-1. 作成資格は中小企業診断士・公認会計士
特定技能・技能実習の企業評価書で想定されているのは、中小企業診断士・公認会計士など、企業の経営評価を行う能力を有すると認められる専門家が、改善の見通しについて客観的に評価することです。
とりわけ中小企業診断士は、経営全般の分析と改善計画の策定を専門とする国家資格であり、財務だけでなく「事業としてどう立て直すか」まで踏み込んで評価できる点に強みがあります。作成資格を満たすことは、企業評価書が受理されるための大前提です。
2-2. サンプルの穴埋めでは通らない理由
顧客企業が自力で「企業評価書 サンプル」「フォーマット」を探して自作しようとするケースがあります。しかし企業評価書は、書式の体裁ではなく「なぜ改善するといえるのか」という根拠の説得力が本質です。同じ債務超過でも、原因や改善の道筋は会社ごとに違います。
ひな形の文言をそのまま流用しても、自社の実態に合った根拠になっていなければ評価としての意味を持ちません。加えて、作成資格を満たさない自作は、そもそも評価書面として認められない可能性があります。
先生の立場からすると、ここは大きな注意点です。顧客が「サンプルを見つけたので自分で書きます」と言い出したとき、そのまま任せてしまうと、差し戻しで在留資格の申請ごと期限に間に合わなくなる恐れがあります。財務要件が絡む案件ほど、早い段階で作成資格を持つ専門家につなぐことが、結果として先生の受任を守ることにつながります。
2-3. 中身は「現状・原因・改善の見通し」の三段構え
企業評価書に盛り込む中身は、おおむね次の流れで構成します。この三段を、企業評価の専門家が客観的に評価するのが企業評価書です。
- 現状の把握:直近の財務状況(債務超過額・赤字の程度など)を正確に示す
- 原因の分析:なぜその状態に至ったのか、一時的要因か構造的要因かを掘り下げる
- 改善の見通し:今後どの施策で、いつ頃までに、どの程度改善するのかを数値の裏付けとともに示す
財務 改善見通しの説得力は、その土台となる経営改善計画の質に左右されます。だからこそ、財務の立て直しまで一気通貫で扱える専門家が作ると、書面の強度が変わってきます。
要するに、特定技能の企業評価書は「中小企業診断士・公認会計士という作成資格」と「改善の根拠の説得力」の両方を満たして初めて機能する、ということです。
3. 在留資格の申請は貴所、企業評価書はKICK

債務超過の顧客を取りこぼさない鍵は、案件を丸ごと抱え込むことでも、丸ごと手放すことでもありません。「在留資格の申請は貴所、企業評価書はKICK」という明確な役割分担です。
3-1. 受任を手放さずに、財務の壁だけを越える
この連携のかたちなら、先生は在留資格の申請という本来業務を受任したまま、財務要件という一点だけを企業評価の専門家に委ねられます。これまで「財務が絡むから」と見送っていた案件を、受任機会として拾い直せるのです。
この分担が優れているのは、双方が自分の専門に集中できる点です。先生は在留資格の申請という国家資格の専管領域に専念し、KICKは企業評価という国家資格の専管領域に専念する。どちらの領域も、片方が無理に踏み込むより、それぞれの資格者が担うほうが依頼者の利益になります。役割分担を表にすると、境界線が明確になります。
| 担当 | 貴所(行政書士) | KICK(中小企業診断士) |
|---|---|---|
| 在留資格の申請 | 受任・申請書類の作成・行政対応 | 関与しない |
| 企業評価書の作成 | 関与しない(作成資格の対象外) | 改善見通しに関する評価書面の作成 |
| 依頼者との窓口 | 貴所が一貫して保持 | 貴所を通じて連携(依頼者を奪わない) |
3-2. 依頼者は奪いません、という約束
先生方が連携で最も気にされるのは、「依頼者や案件を奪われるのではないか」という不安でしょう。ここははっきりお約束します。KICKは在留資格の申請業務には関与せず、依頼者との窓口は貴所が一貫して保持します。KICKが担うのは企業評価書の作成という一点のみです。
行政書士 特定技能の実務を最もよく分かっているのは先生方です。財務という別領域だけを専門家に任せ、依頼者にとっては「先生に相談すれば、財務が絡む案件でも最後まで進む」という信頼が積み上がります。連携の詳細は、士業の先生方との連携のご案内でもご確認いただけます。
3-3. スピードが受任機会を守る
受入れの申請や定期届出には期限があります。顧客が自作を試みて差し戻され、書き直しを繰り返すうちに、採用予定者の入国時期や在留期限に間に合わなくなる——これは先生の受任機会そのものを失う事態でもあります。財務 改善見通しを最初から要件を満たす形で整えることが、結果的に最も早く、確実です。
ご相談いただいても、依頼者を奪うことはありません。在留資格の申請と依頼者との関係は貴所のまま。連携や契約の義務もなく、お断りいただいて構いません。まずは役割分担のかたちだけでもお聞きください。
4. 連携で先生の事務所が手に入れる未来

企業評価書の連携は、目の前の一件を進めるだけの話ではありません。先生の事務所に、次の3つの変化をもたらします。
4-1. 見送っていた案件が「受任できる案件」に変わる
これまで「財務が債務超過だから」と入り口で見送っていた相談が、受任できる案件に変わります。断らずに済む相談が増えるほど、事務所の受任機会は静かに積み上がります。特定技能・育成就労という伸びる分野で、財務を理由にした取りこぼしがなくなるのです。
4-2. 依頼者との会話と、事務所の評価が変わる
「財務が心配で」と口ごもっていた顧客に、「その部分は連携先の中小企業診断士が企業評価書を作成しますので、申請は進められます」と即答できる。この一言が、面談の空気を変えます。依頼者からは「難しい案件でも最後まで面倒を見てくれる事務所」という評価が生まれ、紹介や再依頼につながります。
4-3. 財務対応の負担を負わずに、対応領域だけが広がる
財務の分析・改善見通しの評価という重い実務は、作成資格を持つKICKが担います。先生は自所のマンパワーを在留資格の申請に集中させたまま、対応できる案件の幅だけを広げられます。外国人材 受入れの相談が増えるこれからの時代に、事務所の競争力そのものが強くなります。
財務という不慣れな領域を無理に抱え込む必要はありません。決算書を前に「これは改善の見通しを書けるのか」と悩む時間を、先生が本来最も価値を発揮できる在留資格の申請実務に振り向けられます。得意な領域に集中しながら、扱える案件だけが増える——これが連携の一番の効き目です。
財務の壁を理由に依頼者を手放す事務所と、連携で受任し続ける事務所。この差は年々広がります。財務が絡む案件でも受任し続けられる事務所という未来を、KICKと共に手に入れましょう。
5. 連携の流れと、なぜ中小企業診断士のKICKか

連携は難しくありません。先生の受任を起点に、KICKが企業評価書の作成だけを担う流れです。手順とKICKを選ぶ理由を整理します。
5-1. 連携の流れ(4ステップ)
- 先生が受任:在留資格の申請を貴所が受任し、財務が関門になりそうな案件をKICKに共有する
- 現状の確認:KICKが決算内容を確認し、企業評価書の作成が可能か、改善の見通しを立てられるかを診断する
- 企業評価書の作成:中小企業診断士が「改善見通しに関する評価書面」を作成し、必要に応じ経営改善計画も整える
- 申請へ:完成した企業評価書を先生が申請書類に組み込み、貴所が受入れ機関の手続きを進める
依頼者との窓口は一貫して貴所です。KICKは財務・企業評価の裏方に徹します。先生は「財務の部分は連携先が対応します」と依頼者に伝えるだけで、案件を止めずに前へ進められます。
5-2. なぜ中小企業診断士のKICKなのか
企業評価書は、作成資格を満たすだけでなく、財務の立て直しまで見据えられるかで書面の強さが変わります。KICKは次の体制で先生方の連携を支えます。
- 代表・松本昌史は中小企業診断士・MBA(経営管理修士)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 認定経営革新等支援機関(中小企業庁)/法人支援実績150社以上
- 企業評価書の作成に加え、土台となる経営改善計画の策定・資金繰り改善まで一気通貫で対応
- 東京・銀座本社。金融機関対応や早期の経営改善にも精通
書類だけを整える対応ではなく、財務・経営の裏付けまでワンストップで支えられる点が、先生方に安心して連携いただける理由です。中小企業診断士 企業評価書の作成体制の詳細は、企業評価書作成サービスのご案内でご確認ください。
ご相談は無料です。売り込みは一切ありません。在留資格の申請も依頼者との関係も貴所のまま、企業評価書の作成だけをKICKが担う役割分担です。連携の義務はなく、一件だけのご相談でも歓迎します。
よくある質問(FAQ)

Q. 連携すると、依頼者や案件を奪われませんか
A. 奪いません。KICKは在留資格の申請業務には関与せず、依頼者との窓口は貴所が一貫して保持します。KICKが担うのは企業評価書の作成という一点のみです。
Q. 企業評価書は行政書士が作成できませんか
A. 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の作成は、中小企業診断士・公認会計士など企業評価の専門資格を持つ第三者が想定されており、行政書士の業務範囲ではありません。だからこそ、資格を持つ専門家との役割分担が自然な解決策になります。
Q. 顧客が債務超過だと、そもそも受入れは無理ですか
A. 一律に不可ではありません。改善見通しに関する評価書面を用意することで、受入れを進められる場合があります。まずは現状の診断が第一歩です。
Q. OTIT 別紙②-1で財務を指摘されました。対応できますか
A. 対応の相談を承ります。実習実施者の財務状況を確認する場面で債務超過や連続赤字が把握されたとき、改善の見通しを第三者が評価した書面が有効になります。詳しい状況をお聞かせください。
Q. 育成就労への移行を見据えた案件でも連携できますか
A. できます。育成就労は継続的な受入れ体制として、より長期の経営継続性が問われます。財務の改善見通しを早めに整えておくほど、移行後の手続きも進めやすくなります。
Q. 先生の事務所側の実務負担はどの程度ですか
A. 財務の分析・企業評価書の作成という重い実務はKICKが担うため、先生は在留資格の申請に集中できます。窓口は貴所のまま、財務要件の対応だけを委ねるかたちです。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 案件の状況によって異なります。具体的な費用は、企業評価書作成サービスのご案内にてご確認ください。まずは無料相談で、企業評価書の作成が可能かどうかの診断から承ります。
Q. 税理士とはどう違いますか
A. 税理士は税務・会計の専門家です。企業評価書は「今後どう立て直すか」という改善の見通しの評価が核心であり、経営全般を専門とする中小企業診断士・公認会計士が作成資格として想定されています。
Q. 遠方の顧客でも連携できますか
A. 対応できます。決算資料や事業の状況をオンラインで共有いただければ、企業評価書の作成は地域を問わず進められます。先生の事務所がどちらにあっても、在留資格の申請は貴所、企業評価書はKICKという役割分担は変わりません。
Q. 継続的に相談できる連携先を探しています
A. 歓迎します。特定技能・育成就労の案件は今後も繰り返し発生します。一件ごとの単発でも、財務が絡む案件が出るたびの継続的な連携でも、先生の事務所の運び方に合わせて対応します。まずは一件のご相談から始めていただけます。
まとめ

債務超過の顧客が来たとき、案件を丸ごと諦める必要も、丸ごと抱え込む必要もありません。要点を振り返ります。
- 特定技能・育成就労の受入れ審査では、経営の継続性(財務)が問われる
- 財務に不安があると、OTIT 別紙②-1などの場面で「改善見通しに関する評価書面」を求められる
- 企業評価書の作成資格は中小企業診断士・公認会計士。行政書士の業務範囲ではない
- だからこそ「在留資格の申請は貴所、企業評価書はKICK」の役割分担が有効
- 連携すれば、財務を理由に見送っていた案件を受任機会として拾い直せる
財務の壁の前で依頼者を取りこぼすのは、これで終わりにできます。在留資格の申請という先生の本来業務はそのままに、財務という一点だけを専門家に任せる。それだけで、これまで諦めていた受任機会が事務所に戻ってきます。
ご相談いただいても、依頼者を奪うことは一切ありません。在留資格の申請も依頼者との関係も貴所のまま、企業評価書の作成だけをKICKが担います。連携の強制も、しつこい営業もありません。財務が絡む一件からでも、お気軽にご相談ください。







コメント