
10月に入り、下期がスタートしました。人手不足への対策を年内に動かしたいと考える顧問先も多い時期ではないでしょうか。
顧問先が鉄道の保線・車両整備・駅業務などを担う会社で、特定技能や技能実習による外国人材の受入れを検討している——そんな相談を受けた税理士の先生は少なくないはずです。
資金繰りの相談や決算対応で信頼関係を築いてきた顧問先だからこそ、この相談にも力になりたいと思うのは自然なことです。
ところが、直近の決算が赤字や債務超過だと、審査の前提として「改善の見通しに関する評価書面(企業評価書)」の提出を求められることがあります。
この書面は、貴所では作成できません。中小企業診断士など専門の資格者だけが作成できる書類だからです。
先生おひとりの問題ではありません。同じ壁にぶつかっている税理士事務所は全国に数多くあります。
相手は「債務超過という数字」と「作成資格の壁」という状況であり、先生の力不足ではありません。
結論から言えば、中小企業診断士と連携して企業評価書を用意する体制を作れば、この壁は乗り越えられます。ただし、その進め方には押さえるべき順序があります。
この記事はこんな方におすすめです
- 顧問先の鉄道関連会社が特定技能受入れを検討中の方
- 直近決算が赤字・債務超過で審査が不安な方
- 企業評価書を誰に頼めばよいか分からない方
- 顧問先を他の専門家に奪われたくない方
この記事で分かること
- 鉄道業で特定技能の受入れに企業評価書が必要になる理由
- 企業評価書を誰が作成できるかという資格の壁
- 貴所とKICKの役割分担の具体像
- 受任機会を逃さないための連携の始め方
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
なぜ鉄道業の債務超過案件で受任機会を逃しやすいのか

鉄道の保線・車両整備・駅業務受託・車両製造といった会社は、慢性的な人手不足を抱えています。
2024年3月に鉄道分野が特定技能の対象へ加わり、外国人材の受入れが可能になりました。区分は次の5つです。
- 軌道整備(線路の建設・改良・補修・検査)
- 電気設備整備(信号・通信・電気設備の保守)
- 車両整備(車両の点検・修繕)
- 車両製造(車両の製造・組立)
- 運輸係員(駅係員・車掌等の運輸業務)
運輸係員は日本語N3以上に加え専門用語や非常時対応の評価試験も必要ですが、それ以外の区分はN4程度で足ります。派遣は認められず、直接雇用が前提であることも押さえておきたい点です。
顧問先の経営者からすれば、渡りに船の制度です。しかし、直近の決算が赤字や債務超過だと、審査の前提として企業評価書の提出を求められる場合があります。
設備投資がかさむ鉄道関連の会社では、車両更新や災害復旧工事の負担で一時的に債務超過へ陥ることが珍しくありません。黒字か赤字かではなく、直近の貸借対照表の状態が審査の起点になる点に注意が必要です。
受入れには協議会への加入も必要
鉄道分野で特定技能人材を受け入れるには、受入れ企業が鉄道分野特定技能協議会に加入することも条件になります。派遣ではなく直接雇用が前提である点とあわせて、顧問先へ事前に説明しておきたいポイントです。
制度面の要件を整理する役割は貴所が担い、財務面で必要になる企業評価書はKICKが担う——この線引きを最初に共有しておくと、顧問先の理解もスムーズになります。
「税理士に頼めば作れる」という誤解
顧問先の経営者の中には「顧問税理士に頼めば評価書も作ってもらえる」と考えている方もいます。この誤解を放置すると、直前になって受入れが止まってしまいます。
早い段階で「評価書の作成は専門の資格者に限られる」と伝え、KICKのような連携先を案内できるかどうかが、信頼を守れるかどうかの分かれ目になります。
逆に、この誤解を先回りして解いておける先生は、顧問先から「頼りになる」という印象を強く持たれます。小さな一言が、信頼を左右するのです。
ここで先生の事務所が直面するのが「税務の専門家ではあっても、企業評価書は作成できない」という現実です。
企業評価書の作成資格の壁
企業評価書は、企業評価を行う能力を有すると認められる専門の資格者が作成する書面です。税理士・行政書士は作成できません。
作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。この壁を知らないまま顧問先を待たせてしまうと、他の専門家へ相談が流れてしまいます。
| 立場 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 貴所(税理士) | 税務顧問・決算対応・資金繰り相談 | 企業評価書の作成 |
| KICK(中小企業診断士) | 財務分析・企業評価書の作成・申請サポート | 顧問先の税務代理 |
ノウハウ・時間・立場という3つの壁が重なるほど、受任機会は逃げやすくなります。
相談されても答えられないという焦り
顧問先から「企業評価書を用意してほしい」と頼まれても、貴所では作成できません。かといって、その場で断ってしまうのも気が引ける——そんな板挟みを感じた先生も多いはずです。
次章で、この状態を放置した場合に何が起きるかを見ていきます。
企業評価書の基本を先に押さえたい方へ
企業評価書が必要になる条件、作成できる専門家、混同されやすい「評価調書」との違いを、中小企業診断士が1本の記事にまとめています。
このまま何もしなければ何が起きるか

顧問先が特定技能の受入れを進めたくても、企業評価書が準備できなければ審査は前に進みません。
採用予定の外国人材の入国や配属が遅れれば、現場の人手不足はさらに深刻化します。
受入れが遅れるほど、顧問先の焦りは大きくなります。その焦りの矛先が、相談に乗ってくれなかった貴所へ向かうこともあります。
「税務のことしか相談できない事務所」という評価が定着すると、次の相談ごとから声がかからなくなります。
実際、企業評価書を作成できる専門家を知らないまま、行政書士や他の税理士事務所を経由して中小企業診断士へたどり着く依頼者は少なくありません。
その経路の途中で、顧問契約そのものを見直されてしまうケースもあります。顧問料という安定したストック収入が、静かに失われていくのです。
現場の人手不足はさらに悪化する
受入れが遅れれば、保線や車両整備の現場は人手不足のまま稼働を続けることになります。安全確保のための点検・補修が後手に回るリスクも高まります。
顧問先の経営者が本当に相談したいのは「どうすれば審査を前に進められるか」という一点です。税務の話だけで終わってしまうと、その本音に応えられません。
金融機関からの見られ方にも影響する
債務超過の状態を放置したまま外国人材の受入れも進まないとなると、金融機関からの評価はさらに厳しくなりかねません。
逆に、改善の見通しを整理した企業評価書を用意できれば、金融機関との対話でも「改善に向けて動いている会社」という印象を示せます。
同業他社に先を越される
人手不足は鉄道関連の会社に共通する悩みです。特定技能の受入れをスムーズに進められた同業他社が採用面で優位に立つ一方、審査が止まったままの顧問先は現場の疲弊が続きます。
「うちの税理士は税務以外も相談に乗ってくれる」という評判が広がるか、「税務のことしか聞けない」という評判が広がるかは、この一件への対応で分かれます。
逆に言えば、企業評価書の相談にきちんと応じられる体制さえあれば、この流出は防げます。次章でその具体的な選択肢を見ていきます。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意するという選択肢

技能実習・育成就労は外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20、特定技能は出入国在留管理庁の審査において、直近決算が赤字・債務超過の場合にこの評価書面の提出が求められます。
作成できるのは中小企業診断士など専門の資格者に限られるため、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)のような認定経営革新等支援機関と連携する税理士事務所が増えています。
財務分析から評価書作成までの流れ
KICKの企業評価書作成は、大きく3つの工程で進みます。
- 決算書・試算表をもとにした財務分析(債務超過に至った要因の整理)
- 改善に向けた取り組み・計画のヒアリングと言語化
- 評価書面の作成と、貴所・顧問先への内容確認
財務分析では、車両更新や設備投資、災害復旧など、鉄道関連特有の支出構造も踏まえて債務超過の要因を整理します。単に「赤字だから」で終わらせず、改善に向けた具体的な取り組みまで言語化するのがKICKの進め方です。
ヒアリングは、貴所を通さず顧問先へ直接行うことも、貴所に同席いただくことも可能です。やり方は顧問先の状況に合わせて相談できます。
実際にどのような記載項目になるのか、事前にイメージを持っておくと安心です。一般的な企業評価書の構成は次のとおりです。
| 構成項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 企業概要 | 事業内容・沿革・従業員数・受入れ予定職種 |
| 財務状況と債務超過の理由 | 直近決算の数値・債務超過に至った背景(設備投資・災害対応・人件費増等) |
| 改善の見通し | 収益改善の取り組み・資金繰りの見通し・今後のアクション |
もちろん、架空の数値や事例をそのまま流用することはできません。KICKが顧問先ごとの実情をヒアリングしたうえで作成します。
技能実習・育成就労と特定技能での違い
技能実習・育成就労では、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20として評価書面が求められます。特定技能では、出入国在留管理庁の審査過程で同様の書面の提出を求められることがあります。
制度ごとに提出先や書式の呼び方は異なりますが、「改善の見通しを客観的に示す」という役割は共通しています。どちらの制度で受入れを進める顧問先でも、KICKで対応が可能です。
この記載イメージが分かると、顧問先への説明もしやすくなります。準備してもらう資料は、直近2〜3期分の決算書・試算表が中心です。貴所ですでにお持ちの資料をそのまま活用できるケースがほとんどです。
| 制度 | 評価書面の位置づけ |
|---|---|
| 技能実習・育成就労 | 外国人技能実習機構(OTIT)提出書類 別紙②-1・番号20 |
| 特定技能 | 出入国在留管理庁の審査過程で提出を求められることがある評価書面 |
詳しいサービス内容は次のページにまとめています。
外国人技能実習・特定技能の企業評価書について 社長やご担当者の方へ。“あなた”は今、このようなお悩みを抱えていませんか。 外国人技能実習制度を活用したいが、企業評価書の作成方法が分からないという方 特定技能外国人の受入れにあたり、経営改善の見通しについて評価が必要だ...
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
先生の事務所が手に入れる未来

企業評価書の相談に応じられる体制を持つと、先生の事務所には次のような変化が訪れます。
面談の質が変わる
「その相談は分かりません」ではなく「専門の診断士をご紹介できます」と即答できるようになります。
顧問先の経営者は、税務以外の相談にも乗ってくれる事務所として、先生への信頼を一段深めます。世間話のついでではなく、経営の本音を話してもらえる関係に変わります。
顧問料と時間のゆとりが生まれる
受任機会を逃さずに済めば、顧問料という安定収入が守られます。企業評価書の作成自体はKICKが担うため、貴所の実務負担はほとんど増えません。
空いた時間を、他の顧問先の決算対応や新規の相談対応に充てられます。専門外の対応に時間を奪われる心配がなくなるのは、事務所経営にとって小さくない変化です。
周囲からの評価が上がる
外国人材の受入れに強い事務所という評判は、鉄道関連に限らず同業他社からの紹介にもつながります。金融機関からの見る目も変わります。
「税務だけでなく、経営課題にも幅広く対応してくれる事務所」という評判は、職員の採用面でも良い影響をもたらします。
紹介の連鎖が生まれる
企業評価書の相談にしっかり対応した実績は、顧問先の口コミを通じて同業他社にも伝わりやすいものです。鉄道関連は業界内のつながりが強く、良い評判は着実に広がっていきます。
受入れが実現した顧問先が安定して事業を続けられれば、決算内容も改善していきます。結果として、貴所が担う税務顧問の仕事も長く安定して続けられます。
面談の質、通帳と時間、そして周囲からの評価——この3つの変化を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、中小企業診断士との連携

企業評価書の作成には、財務分析の専門性と、改善の見通しを言語化する経験が必要です。
自所で一から学ぼうとすると、時間コストが大きくかかります。専門外の業務に人手を割く余裕がある事務所は多くありません。
財務分析の手法を学んでも、企業評価書そのものは資格がなければ作成できません。時間をかけて学んでも、書面としては使えないという遠回りになりかねないのです。
だからこそ、認定経営革新等支援機関の中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
KICKコンサルティング株式会社は、代表・松本昌史(MBA・中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・中小企業事業再生マネージャー認定)が率いる認定経営革新等支援機関です。
法人支援実績は150社以上、全国オンライン対応のため来社の必要もありません。鉄道関連に限らず、建設業・製造業・宿泊業など幅広い業種での企業評価書作成支援の経験があります。
顧問先の業種が特殊だから対応できないのでは、と心配する必要はありません。業種ごとの特徴を踏まえたヒアリングで、実情に即した評価書を作成します。料金の詳細は、次のサービスページでご確認いただけます。
外国人技能実習・特定技能の企業評価書について 社長やご担当者の方へ。“あなた”は今、このようなお悩みを抱えていませんか。 外国人技能実習制度を活用したいが、企業評価書の作成方法が分からないという方 特定技能外国人の受入れにあたり、経営改善の見通しについて評価が必要だ...
士業同士の連携についても、貴所の専門分野を奪うことなく進める体制を整えています。企業評価書の案件に限らず、経営改善や資金繰りの相談でも同じ役割分担で協力できます。連携の詳しい内容は次のページにまとめています。
顧問先の「相談」に、十分に応えられていますか? 士業事務所(税理士・公認会計士、行政書士)の先生方へ。“あなた”は今、このような場面に心当たりはありませんか? ✓ ソフトウェアの登場により 新たな顧客獲得が難しく、売上じり貧... ✓ 「補助金」の相談を受けたもの...
企業評価書をまとめて確認したい方へ
企業評価書が必要になる条件、作成できる専門家、混同されやすい「評価調書」との違いを、中小企業診断士が1本の記事にまとめています。
よくある質問

Q. 依頼者・顧問先を奪われることはありませんか?
A. ありません。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担で進めます。顧問先との関係は貴所のまま維持され、KICKから他の税務相談を持ちかけることもありません。
Q. 貴所(税理士事務所)側の実務負担はどの程度ですか?
A. 顧問先とKICKをおつなぎいただく程度です。財務分析・ヒアリング・評価書の作成はKICKが担当するため、貴所で新たに書類を作成する必要はありません。
Q. 企業評価書は誰が作成できるのですか?
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。税理士・行政書士が自ら作成することはできません。この点を知らずに時間をかけてしまう事務所も少なくありません。
Q. 債務超過でも特定技能の受入れは可能ですか?
A. 可能な場合があります。改善の見通しに関する企業評価書を提出することで、審査が前に進むケースがあります。断定はできませんが、書面を用意しないまま諦めるのは早計です。
Q. 鉄道業以外の業種でも対応してもらえますか?
A. 対応可能です。建設業・製造業・宿泊業など、幅広い業種で企業評価書の作成支援を行っています。顧問先の業種にとらわれず、まずはご相談ください。
Q. 技能実習・育成就労・特定技能のどれでも対象になりますか?
A. いずれも対象になり得ます。制度ごとに必要書類の名称や提出先は異なりますが、改善の見通しを示す評価書面が求められる点は共通しています。
Q. 育成就労制度への移行は影響しますか?
A. 育成就労制度は2027年4月の施行が予定されています。制度移行後も、財務状況に懸念がある場合の評価書面という位置づけは変わらない見込みです。
Q. 依頼から評価書の完成までどのくらいかかりますか?
A. 決算書の準備状況やヒアリングの進み方により変わります。目安の期間はサービスページでご確認いただけます。
Q. 顧問先が全国どこにあっても対応できますか?
A. 対応できます。KICKは全国オンライン対応のため、来社いただく必要はありません。北海道から沖縄まで、オンラインでヒアリングから評価書の納品まで完結します。
Q. 貴所を経由せず、顧問先とKICKが直接やり取りしても構いませんか?
A. 構いません。貴所が同席する形、顧問先へ直接お引き合わせする形のどちらにも対応できます。進め方は最初のご相談時に一緒に決められます。
Q. すでに他の専門家に相談してしまった場合でも連携できますか?
A. 状況によりご相談に応じます。作成前であれば途中からの連携も可能ですので、まずは現状をお聞かせください。
Q. 士業連携そのものに興味がある場合も相談できますか?
A. もちろんです。企業評価書の案件に限らず、士業連携全般のご相談も承っています。詳しくは士業連携の案内ページをご覧ください。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 具体的な金額はこの場ではお答えできません。詳細はサービスページにてご確認ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。
\無料相談(30秒で予約)/
まとめ

鉄道業の顧問先が特定技能の受入れを目指すとき、直近決算が赤字・債務超過であれば企業評価書が壁になります。
この壁は、貴所ひとりで越える必要はありません。税務は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担を作れば、顧問先を待たせずに済みます。
人手不足に悩む鉄道関連の顧問先にとって、外国人材の受入れは事業を続けるための現実的な選択肢のひとつです。その入口で足踏みさせないことが、顧問先との信頼を守ることにつながります。
受任機会を逃さない体制づくりは、今日の相談から始められます。まずは、顧問先の直近決算を確認するところから動き出してみてください。








コメント