【診断士監修】事業承継で法人保険を後継者へ引き継ぐ前の5つの確認

息子への承継が、ようやく形になってきた。株式の移し方は税理士と話し始め、役員の登記も段取りが見えてきた。

ところが、会社が長年払ってきた生命保険については、誰からも話が出ません。証券は金庫にあるものの、中身を後継者に説明できる自信はない。

そんな状態ではないでしょうか。

結論から申し上げます。保険の契約は、株式や役職のように「そのまま渡せば済むもの」ではありません

契約者は会社のままでも、備えの中身は先代個人に強く結びついています。中身を確かめないまま引き継ぐと、後継者が意味の分からない支出を抱えることになります。

とはいえ、分からないからと解約してしまうのも危険です。守るために入った備えを、自分の手で外すことになりかねません。

この記事はこんな方におすすめです

  • 子や親族へ承継を進めている社長の方
  • 会社の保険の中身を知らない後継者の方
  • 保険料の負担が気になっている方
  • 先代の退職金の原資に不安がある方
  • 誰に相談すればよいか迷っている方
この記事で分かること

  • 保険契約を後継者へ引き継ぐ前に確認する5つのこと
  • 契約者・被保険者・受取人という3つの立場の意味とずれ方
  • 被保険者が先代のまま残っている契約の考え方
  • 2019年の通達改正後、法人保険の税制上の取扱いをどう見るか
  • 削りすぎたときに会社と家族が失うもの

KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、法人支援150社以上の実績で承継の全体設計に伴走してきました。事業承継専属の保険代理店でもあります。

読み終えるころには、金庫から出した証券のどこを、どの順番で見ればよいかが分かります。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約も、保険をすすめるお電話もありません。まずは今ある契約の本数だけでもお聞かせください。

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事業承継で法人保険の見直しをせずに引き継ぐと起きること

この記事が前提にするのは、親族内承継です。子や親族へ会社を引き継ぐ場面で、既にある保険契約をどう扱うかを整理します。

結論を先に書きます。保険が承継でつまずくのは、契約が悪いからではありません。契約に紐づいた「人」と「目的」が、代替わりで入れ替わるからです。

法人保険とは、会社が契約者になってかける生命保険のこと

法人保険とは、会社が契約者となり、経営者や役員を被保険者としてかける生命保険などのことです。保険料は会社が払い、保険金は原則として会社が受け取ります。

目的はさまざまです。経営者に万一があったときの事業資金、借入金の返済原資、役員退職金の準備、自社株の買取資金などが代表例です。

ここで押さえたいのは、契約が3つの立場で成り立っている点です。この3つが分かると、承継で何がずれるのかが見えてきます。

立場意味親族内承継でずれやすい点
契約者契約を結び、保険料を払い、解約などの権利を持つ人会社のままでも、実際に判断していたのは先代個人だった
被保険者その人に万一があったときに保険金が支払われる対象の人経営を担うのは後継者に移ったのに、先代のまま残っている
受取人保険金を受け取る人(会社または個人)会社が受け取る前提だったのに、渡したい相手と噛み合わない

株式や役職は、手続きを踏めば後継者へ移ります。ところが保険は、契約者を会社のまま置いておくだけでは、中身が自動で入れ替わりません。

加入した理由が、社内の誰にも残っていない

多くの会社で、保険に入った理由は先代の頭の中だけにあります。当時の担当者も、すでに代替わりしていることが少なくありません。

経理は言われたとおりに保険料を払い続けます。金額の妥当性を検証する機会は、そう多くありません。

10年、20年と経つうちに、売上も借入残高も家族構成も変わります。それでも契約だけが、加入した当時の姿で残ります。

被保険者が先代のままの契約が抱える問題

承継の現場で最も多いのが、被保険者が先代のまま残っている契約です。これは悪いことではありません。

先代に万一があったときの備えとして、意味が残る場合もあるからです。相続税の納税資金や、遺族の生活を支える役割です。

問題は、その契約が「会社を守る備え」として数えられたままになっていることです。実際に会社を動かすのは後継者に移っています。

後継者が取引先を回り、現場を仕切り、金融機関と向き合うようになれば、後継者に万一があったときの影響のほうが大きくなります。

それなのに、後継者を被保険者とする備えが1本もない。そんな会社は珍しくありません。

確かめないまま引き継ぐと、こんなことが起きる

実際によく見かけるのは、次のような状態です。

  • 先代の退職金を出す段になって、用意できる資金が足りない
  • 逆に、必要以上の保障が残り、保険料が資金繰りを圧迫している
  • 受取人が古い設定のままで、渡したい相手に渡らない
  • 完済した借入のための保障が、そのまま残り続けている
  • 解約して資金化できる時期を、誰も把握していない

どれも事故ではありません。確かめる機会が一度もなかっただけです。

先代が亡くなってから契約を調べ始めると、選べる道はほとんど残りません。受取人の変更も契約形態の変更も、被保険者が元気なうちにしかできない手続きが多いためです。

「保険料が重い」という理由だけで削らない

承継の直後は、資金繰りに神経を使う時期です。固定費の見直しで、保険料が真っ先に候補に挙がります。

気持ちは分かります。金額としても大きく、目に見えて減らせる支出だからです。

ただし、削りすぎた結果、経営者に万一があったときに手元資金が尽きるなら本末転倒です。従業員の給与も、取引先への支払いも止まります。

家族の生活も同じです。会社の資金が細れば、遺族に渡る役員退職金も、相続税を払う原資も細ります。

確認の目的は「減らすこと」ではありません。守るべきものを守れる形に組み直すことです。

事業承継で保険契約を後継者へ引き継ぐ前の5つの確認

結論から書きます。契約を次の代へ渡す前には、次の5つを順番に確認してください。

  1. 契約者・被保険者・受取人が誰になっているか
  2. その契約は何のために入ったのか(目的の棚卸し)
  3. 保障額が、いまの事業規模と債務に合っているか
  4. 保険料が、承継後の資金繰りにどう効いてくるか
  5. 先代の退職金の原資として位置づけられているか

この5つを契約ごとに埋めていく作業を、私たちは保険の棚卸しと呼んでいます。証券が5本あれば、5行の表ができあがります。

順番には意味があります。人(誰の契約か)から始めて、目的、金額、お金の流れ、出口の順に降りていく形です。

確認1 契約者・被保険者・受取人が誰になっているか

最初に見るのは、証券の表紙です。契約者・被保険者・受取人の3つの欄を、契約ごとに書き写します。

ここで手が止まる会社が本当に多いのですが、それで構いません。書き写すだけで、承継でずれる箇所の半分は見つかります。

特に確かめたいのは、被保険者が先代のままになっている契約を、これからどう扱うかという点です。

扱い方は一つではありません。会社の状況と契約の中身によって、選べる道が変わります。

扱い方どんなときに検討するか確かめておきたい点
そのまま継続する先代に万一があったときの納税資金や遺族の備えとして意味が残る保険料を誰が払い続けるのか、受取人が目的と合っているか
保障額を減らす加入当時より債務が減り、必要な保障が小さくなっている減額は元に戻せない。必要額を積み上げてから判断する
保険料の払込みを止める資金繰りを軽くしたいが、保障そのものは残したい保障額がどこまで下がるか、契約ごとの条件を確認する
契約者の名義を変更する会社の契約を先代個人へ移すなど、持ち主を変えたい税務上の取扱いは個別判断。実行前に税理士へ確認する
解約する目的が完全に失われ、他の備えで代替できている同じ条件で入り直せるとは限らない。最後の手段として考える
後継者を被保険者とする備えを足す経営の実権が後継者に移り、後継者への依存が高まっているいまの保障の総額を確かめてから、不足分だけを検討する

この表で伝えたいのは、選択肢が一つではないということです。「続けるか、やめるか」の二択で考えると、判断を誤ります。

特に契約者の名義変更は、税務上の取扱いが論点になります。会社から個人へ、あるいは個人から会社へ契約を移す場面です。

この判断は税理士の領域です。KICKは税務代理を行いません。手を動かす前に、必ず顧問税理士に確認してください。

確認2 その契約は何のために入ったのか

2つ目は、目的の棚卸しです。契約ごとに「何のために入ったか」を1行で書いてみてください。

書けない契約は、目的が失われた契約です。責める話ではなく、確かめれば済む話です。

目的の代表例は次の4つです。

  • 経営者に万一があったときの事業継続資金
  • 借入金の返済原資、個人保証への備え
  • 役員退職金(役員退職慰労金)の準備
  • 自社株の買取資金、相続税の納税資金の確保

大切なのは、目的を「税制上の取扱い」から書き始めないことです。制度は変わりますが、守りたいものは変わりません。

目的が書けたら、その目的がいまも生きているかを確かめます。完済した借入のための保障や、すでに退任した役員のための備えが残っていることがあります。

あわせて、目的の「持ち主」も確かめてください。会社を守る目的なのか、先代の家族を守る目的なのか。この2つは混ざりやすい部分です。

会社が受け取る保険金は、退職金や運転資金など会社の資金として使えます。個人が受け取る保険金は、遺族の生活費や納税資金に充てやすくなります。どちらが良いかではなく、目的に合っているかで判断します。

確認3 保障額がいまの事業規模と債務に合っているか

3つ目は金額です。多すぎても少なすぎても困ります。

必要な保障額は、感覚ではなく積み上げで出します。次の4つを足し合わせるのが基本の考え方です。

  • 当面の運転資金 └ 売上が止まっても数か月は回せる金額
  • 借入金の残高と個人保証 └ 返済予定表と保証の契約書で確認する
  • 役員退職金の見込み額 └ 規程と報酬月額の推移から見積もる
  • 自社株の買取資金と納税資金 └ 株主名簿と直近の決算書から考える

ここで多いのが、加入当時の金額のまま止まっているケースです。売上が2倍になっても、保障額は当時のままということが起こります。

逆に、借入を完済したのに保障だけが残っていることもあります。過剰と不足は、同じ会社の中に同時に存在します。

自社株の評価額は、類似業種比準方式や純資産価額方式といった考え方で算出されます。利益や資産が積み上がるほど評価が上がる傾向があり、必要な資金も増えます。

株価の評価と税額の計算は、税理士の領域です。私たちは、税理士に確認していただく論点を整理する立場です。

確認4 保険料が承継後の資金繰りにどう効いてくるか

4つ目は、会社のお金と決算への影響です。ここは後継者にとって、最も切実な部分になります。

承継の直後は、金融機関との関係も、取引先との関係も作り直しの時期です。そこへ毎年の保険料が固定費としてのしかかります。

まず、次の3つを時系列で並べてください。

  1. 毎年の保険料の総額と、資金繰りに与える負担
  2. 解約したときに戻る金額の推移と、その山が来るおおよその時期
  3. 資産に計上した部分が、貸借対照表にどう残っているか

ここで気をつけたいのは、戻る金額の見込みだけを追わないことです。金額は契約や時期で変わり、断定できるものではありません。

見るべきは、退職金を出す時期や株式を移す時期と、資金化できる時期が噛み合っているかどうかです。

税制上の取扱いにも触れておきます。2019年(令和元年)の法人税基本通達の改正により、法人向けの定期保険などの保険料は、最高解約返戻率に応じて資産に計上する部分と損金にできる部分が区分される扱いになりました。

つまり、「法人保険の保険料は全額損金になる」と一般化して考えるのは誤りです。全額を損金として扱えるのは、保険期間が短いものなど限られた場合です。

適用は新規加入の時期でも分かれます。法人向け定期保険は2019年7月8日以後の契約、第三分野の保険は2019年10月8日以後の契約が対象です。

古い契約と新しい契約で扱いが違う点は、承継の場面で必ず論点になります。出典は国税庁の「法人税基本通達」です。個別の当てはめや申告の処理は、顧問税理士にご確認ください。

確認5 先代の退職金の原資として位置づけられているか

5つ目は出口の話です。その契約が、先代の役員退職金の原資として数えられているかを確かめます。

親族内承継では、先代の退任と退職金の支給がほぼ同じ時期に来ます。会社にとっては、まとまった資金が一度に出ていく場面です。

このとき、保険を資金化して充てる計画になっているなら、時期と金額の噛み合わせが要になります。

確かめる順番は次のとおりです。

  • 役員退職慰労金規程があるか、長く改定されていないか
  • 支給の見込み額を、どんな考え方で算出しているか
  • その資金を、どの契約から、いつ用意する想定か
  • 株主総会の決議をいつ行う段取りか

役員退職金の額は、最終報酬月額と在任年数、役職に応じた功績倍率を掛け合わせる考え方が広く使われています。金額の妥当性は、会社の規模や業績で変わります。

支給には株主総会の決議が必要です。規程が整っていない会社では、まず規程の整備から手をつけます。

死亡退職金や弔慰金には、相続税を計算するうえで非課税となる枠が設けられています。枠の当てはめは個社の事情で変わるため、税理士にご確認ください。

先代の退職金を保険で用意する計画にしていても、資金化の時期がずれれば会社の預金から出すことになります。金額と時期は、資金繰り表に載せて確かめてください。

5つの確認を、1枚の表にまとめる

5つの確認は、契約ごとに1行で並べると全体像が見えます。証券が5本あれば5行、10本あれば10行です。

この作業に私たちが伴走する形が、事業承継に合わせた法人保険の見直しという考え方です。商品を先に決めるのではなく、承継計画との整合性から逆算します。

確認の結果、「いまのままで問題ない」という結論になることもあります。それも立派な成果です。

中身が分かっている状態と、分からない状態は、後継者にとってまったく違います。判断できる材料が手元にあるかどうかの差です。

棚卸しだけで終えていただいて構いません。その場でのご契約も、後日の勧誘もありません。証券のコピーを見ながら、一緒に5行の表を埋めるところから始めます。

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保障の再設計を終えた親族内承継で手に入る3つのこと

5つの確認をやり切ると、会社と家族の景色が変わります。手に入るものは、大きく3つです。

後継者が、引き継ぐ備えの中身を説明できるようになる

1つ目は、後継者が自分の言葉で説明できる状態になることです。

承継後、後継者は金融機関から「もしものときの備えはどうなっていますか」と聞かれます。役員や幹部からも同じ質問が出ます。

そのとき「先代が入っていたものが何本かあります」としか答えられないと、経営者としての信頼が積み上がりません。

棚卸しが終わっていれば、「誰に何が起きたら、どこにいくら入り、それを何に使うのか」を1枚で示せます。

説明できる備えは、後継者の自信につながります。数字で語れることが、代替わりの信用を作ります。

先代が、家族への渡し方まで決めきれる

2つ目は、先代が最後まで決めきれることです。

親族内承継では、会社を継ぐ子と、継がない子がいることがあります。財産の分け方をめぐって話がこじれるのは、多くの場合、事前の説明が無いためです。

保険の受取人と金額が整理されていれば、「会社にはこう、家族にはこう残す」と自分の口で説明できます。

先代にとっては、これが最後の大きな仕事になります。曖昧なまま残せば、判断の重荷は後に残された人が背負います。

先代が元気なうちに決めておく。その一点だけで、家族の納得の度合いが変わります。

承継後の資金繰りが、数年先まで読めるようになる

3つ目は、資金計画に保険が組み込まれることです。

保険料は毎年出ていくお金であり、解約して戻る金額は将来入る可能性のあるお金です。どちらも資金繰り表に載せられます。

先代の退職金を出す年、株式を移す年、設備投資を予定している年。この時間軸と保険の時間軸を重ねると、無理のない計画が描けます。

後継者にとっては、就任してすぐの数年が最も不安な時期です。その期間のお金の流れが読めることの意味は、決して小さくありません。

金融機関への説明もしやすくなります。備えの中身を数字で語れる会社は、信頼を得やすくなります。

説明できる後継者、決めきれる先代、読める資金繰り。この3つを共に手に入れましょう。

法人保険の見直しを自社だけで進める限界と、KICKの支援

先に結論を書きます。保険の棚卸しは、自社だけでも着手できます。ただし、承継全体とつなげる部分でつまずきやすいのが実情です。

自社だけで進めると起きる3つのつまずき

現場でよく見るのは、次の3つです。

  1. 証券や規程が社内に散らばり、全体像を1枚にできない
  2. 加入当時の担当者が代わり、契約の経緯を誰も説明できない
  3. 税理士・保険の担当者・後継者の話が、それぞれ噛み合わない

3つ目が特にやっかいです。税理士は税務の観点から、保険の担当者は保障の観点から話します。どちらも正しいのに、まとめ役がいないと結論が出ません。

そのうちに先代の体調が変わり、選べる道が減っていきます。共通の敵は人ではなく、バラバラのまま何年も動かない状況です。

KICKの立ち位置と、できること・できないこと

KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、承継全体の設計と伴走を行っています。認定経営革新等支援機関でもあります。

あわせて事業承継専属の保険代理店として、保障の再設計にも携わります。承継計画と保険を同じテーブルに載せられるのが、私たちの役割です。

できることと、できないことをはっきり書きます。

  • 承継の全体設計と伴走 └ KICK(中小企業診断士・事業承継士)が担う。承継計画づくり、保険の棚卸し、関係者の調整
  • 保障の再設計 └ KICK(事業承継専属の保険代理店)が担う。目的・保障額・受取人の設計、契約の整理
  • 税務判断・税務申告・税額計算 └ 税理士の領域。損金算入の当てはめ、名義変更の取扱い、株価評価、相続税の計算
  • 登記・許認可・法律判断 └ 司法書士・行政書士・弁護士の領域。役員変更登記、許認可の手続き、紛争の対応

顧問税理士がいらっしゃるなら、その関係はそのままで構いません。私たちが税務の判断に立ち入ることはありません。

むしろ、税理士に確認していただく論点を整理してお渡しするのが私たちの仕事です。論点が明確なら、先生方も答えを出しやすくなります。

最初の面談で行うこと

初回は、現状をうかがうだけです。ご用意いただくものは、あれば助かるという程度で構いません。

  • 保険証券のコピー(分かる範囲で)
  • 直近2期分の決算書
  • 役員退職慰労金規程(あれば)
  • 株主名簿、または株主が分かる資料
  • 借入金の返済予定表

そろっていなくても大丈夫です。「金庫に何本かあるようだ」という状態から一緒に始めた会社も少なくありません。

後継者にもご同席いただけると、話が早く進みます。引き継ぐご本人が中身を知ることに、この作業の意味があるからです。

保険の勧誘は一切いたしません。その場でのご契約も、後日の営業のお電話もありません。合わないと感じたら、そこで終わりにしていただいて構いません。

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事業承継と法人保険の引き継ぎについてよくある質問

Q. 法人保険の見直しは、承継のどの段階で始めればよいですか

A. 株式や役職を動かす前に始めるのが理想です。受取人の変更や契約形態の見直しは、被保険者が元気なうちにしかできない手続きが多いためです。

目安は、承継を意識し始めた時点か、後継者が役員に就いた時点です。すでに承継が進んでいる場合でも、確かめる価値は残ります。

まずは証券を1か所に集めるところから始めてください。

Q. 契約者を会社のままにしておけば、そのまま引き継げますか

A. 契約自体は会社のものとして残ります。ただし、被保険者と受取人が承継後の体制と合っているかは別の問題です。

被保険者が先代のままなら、その契約は会社を守る備えではなく、先代個人にひもづく備えとして数えることになります。

「残るかどうか」ではなく「役割が合っているか」で判断してください。

Q. 被保険者を先代から後継者へ変更できますか

A. 契約の被保険者を後から入れ替えることは、一般にできません。後継者の備えが必要なら、別の契約を検討することになります。

まずは、いまある保障の総額と目的を確かめてください。不足が本当にあるのかを見てから考える順番です。

先に必要額を積み上げると、足すべき金額が小さくて済むことも多くあります。

Q. 法人保険の保険料は全額損金になりますか

A. 一般論として「全額損金」とは言えません。2019年(令和元年)の法人税基本通達の改正により、最高解約返戻率に応じて取扱いが区分されるようになりました。

全額を損金として扱えるのは、保険期間が短いものなど限られた場合です。加入の時期によっても扱いが分かれます。

個別の当てはめは税理士の判断領域です。証券と決算書を持って、顧問税理士にご確認ください。

Q. 契約者の名義変更をすると、税務上どうなりますか

A. 名義変更の税務上の取扱いは、契約の種類や時期、変更の相手によって変わります。個別の判断は税理士の領域です。

私たちがお手伝いできるのは、名義変更が必要かどうかを目的から整理する部分までです。税額の計算や申告は行いません。

実行の前に、必ず顧問税理士へ確認してください。順番を逆にすると、戻せない手続きになることがあります。

Q. 保障額はどうやって決めればよいですか

A. 当面の運転資金、借入金の残高、役員退職金の見込み額、自社株の買取資金と納税資金。この4つを積み上げて考えます。

積み上げた金額と、いまの契約の保障額を比べると過不足が見えます。売上や借入は年々変わるため、数年に一度は確かめる前提で考えてください。

根拠になるのは、資金繰り表と決算書、そして返済予定表です。

Q. 確認をお願いすると、結局は保険をすすめられるのではないですか

A. そうはなりません。確認の結果、「いまのままで問題ない」という結論になることもあります。

私たちの立ち位置は「減らすための見直し」ではなく「守るための再設計」です。削りすぎれば、万一のときに事業の継続や家族の生活に影響が出ます。

足す判断も減らす判断も、材料をそろえたうえで社長ご自身が決めることです。

Q. 先代の退職金は、保険で用意しないといけませんか

A. そうとは限りません。会社の預金や、他の資産で用意する方法もあります。

大事なのは、支給する時期に、支給する金額が手元にある状態を作ることです。保険はその手段の一つにすぎません。

支給には株主総会の決議が必要です。役員退職慰労金規程の整備とあわせて、段取りを組んでください。

Q. 保険証券が見つからない場合はどうすればよいですか

A. まず、決算書と総勘定元帳から支払保険料の記録をたどります。支払先と金額が分かれば、契約の存在を確認できます。

そのうえで契約先の保険会社に問い合わせれば、契約内容の確認や証券の再発行を受けられます。

「金庫に何があるか分からない」という状態から始めても、たいていは全体像を復元できます。

Q. 相談には、費用がいくらかかりますか

A. 初回のご相談は無料です。現状をうかがい、論点を整理するところまでを行います。

その先の支援内容と費用は、会社の状況によって変わるため、面談の中でご説明します。ご納得いただけなければ、そこで終わりで構いません。

ご相談いただいたからといって、契約や加入をお願いすることはありません。

まとめ

親族内承継の準備では、株式と役職の話が先に進みます。保険は後回しになりがちです。

けれど、退職金も、株の買取資金も、納税資金も、お金の話は必ず最後に出てきます。承継の入り口で契約を確かめておくと、後の判断がぐっと軽くなります。

確認する順番は5つです。契約者・被保険者・受取人、契約の目的、保障額、保険料と資金繰り、そして先代の退職金の原資。この順に1件ずつ見ていけば、全体像がはっきりします。

2019年の通達改正で、法人保険の税制上の取扱いは変わりました。古い前提のまま残っている契約なら、なおさら中身を確かめる価値があります。

そして忘れないでいただきたいのは、確認は減らすためではないということです。守るべきものを守れる形に組み直すのが目的です

いまの契約が、いまの目的と合っているか。その一点を確かめるだけで、後継者に渡せるものが変わります。

売り込みは一切ありません。その場でのご契約も、後日の勧誘もありません。証券が手元になくても、決算書だけでも構いません。

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