現場は回っている。手持ちの工事もある。それなのに、跡を継ぐ人の顔が浮かばない。
職人の平均年齢は上がり、若手はなかなか定着しない。資材の値段は下がる気配がなく、見積りの前提が毎年ずれていく。「この会社を、誰に、どうやって渡すのか」——そんな問いを先送りしてはいないでしょうか。
結論から申し上げます。建設業でM&Aという選択肢が広がっている背景には、景気の波ではなく構造の変化があります。
構造が原因である以上、待っていても状況は好転しません。動ける体力があるうちに考え始めるかどうかで、選べる道の数が変わります。
- 後継者が見つからない建設会社の社長の方
- 職人の高齢化に不安を抱える経営者の方
- M&Aという言葉に抵抗がある社長の方
- 従業員と協力会社を守りたい経営者の方
- 許可や経審の引継ぎが気になる方
- 建設業でM&Aが増える理由を、構造から説明します
- 後継者不在と担い手不足が経営に現れる形
- 経営者が備えるべき3つの論点と、その順番
- 建設業許可・技術者・経審という固有の引継ぎ論点
- 従業員と協力会社を守るために先にすべきこと
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として承継の全体設計に伴走してきました。法人支援の実績は150社以上です。
読み終えるころには、自社が何から手をつけるべきかが見えてきます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現場の状況からお聞かせください。
\無料相談(30秒で予約)/
建設業でM&Aが増える理由|後継者不在と担い手不足という構造

結論を先に述べます。建設業でM&Aが選ばれる理由は、業界の外側で起きた偶然ではありません。
会社を続けるために必要な条件が、この十数年で少しずつ変わってきました。その変化が重なった結果として、承継の方法にM&Aが加わっています。
この章では、その構造を5つに分けて説明します。件数や増減の割合には触れません。数字ではなく、経営の現場で起きている仕組みそのものを見ていきます。
建設業のM&Aとは何か
建設業のM&Aとは、建設会社の株式や事業を第三者へ引き継ぎ、会社そのものを存続させる方法のことです。
そして第三者承継とは、親族にも社内にも後継者がいない場合に、外部の相手へ会社を引き継ぐ承継の形を指します。
承継の道は大きく3つに分かれます。親族内承継、社内承継(役員や従業員への承継)、そして第三者承継です。
この記事が扱うのは第三者承継(M&A)です。前の2つが難しくなったとき、会社を畳む以外の道として残るのがこの選択肢だからです。
背景1|後継者不在が「例外」ではなくなった
後継者不在とは、経営を引き継ぐ人が親族にも社内にも決まっていない状態のことです。
建設業では、社長が現場の判断も営業も担っているケースが少なくありません。技術と人脈が社長個人に集まっている、という構造です。
子どもが別の道を選んだ場合、その集まった役割ごと引き継げる人は社内にもなかなかいません。
結果として「継がせたいが継げる人がいない」という状態が生まれます。これは個々の会社の努力不足ではなく、役割が一人に集中しやすい業種の特性から来ています。
背景2|技能者の高齢化と、担い手の確保という壁
現場を支える技能者の年齢構成は、上に厚く下に薄い形になりがちです。
技能の習得には年数がかかります。すぐに人を入れても、明日から同じ品質で仕事ができるわけではありません。
つまり担い手不足は、採用だけでは埋まらない時間の問題を含んでいます。
ここから導かれる結論は一つです。技能を持つ人が現役でいるうちに引き継ぎを設計しないと、会社の価値そのものが目減りしていきます。
背景3|資材高騰と、見積り前提の揺らぎ
資材高騰は、工事の採算を直撃します。着工から引渡しまで期間が長い工事ほど、その影響を受けやすくなります。
契約時の単価と、実際に仕入れる時点の単価がずれるからです。
スライド条項や単価の見直し交渉ができる現場ばかりではありません。価格転嫁が進まないまま工事を重ねると、手持ち工事が多いのに資金が薄いという状態になります。
資材高騰は一過性の値上がりとは性質が違います。仕入れの前提が変わったという理解のほうが、経営判断としては現実的です。
背景4|労働時間の上限規制が変えた「稼働の限界」
時間外労働の上限規制は、猶予期間を経て建設業にも適用されています。
これが意味するのは、忙しいときに人を長く働かせて乗り切る、という調整弁が使えなくなったことです。
受注できる工事の量は、人員と工期の枠に縛られます。仕事があっても、受けきれない場面が出てきます。
会社を大きく保つには、一定の人員と管理体制が要る。この前提が、規模の小さい会社ほど重くのしかかります。
背景5|公共工事と入札で求められる「体力」
公共工事を発注者から直接請け負う場合、経営事項審査を受けることが必要です。
審査では、経営規模・経営状況・技術力・その他の要素が点数として評価されます。
技術者の数や自己資本の厚みが評価に関わるため、一定の規模を保てる会社ほど入札の土俵に立ち続けられます。
ここに業界再編の力が働きます。業界再編とは、複数の会社が統合や連携によって数を減らし、規模の分布が変わっていく動きのことです。
単独では届かない体力を、統合によって確保する。建設業でM&Aが現実的な選択肢になる理由の一つが、この点にあります。
| 構造的な背景 | 経営に現れる形 |
|---|---|
| 後継者不在 | 社長個人に集まった役割を引き継げる人がいない |
| 技能者の高齢化 | 採用しても技能の空白が数年埋まらない |
| 資材高騰 | 契約時と仕入時の単価がずれ、採算が読みにくい |
| 労働時間の上限規制 | 人員と工期の枠が受注量の上限になる |
| 入札で求められる体力 | 技術者数や自己資本の厚みが評価に影響する |
放置したときに起きること
この5つは、どれも急に悪化するものではありません。だからこそ後回しになります。
しかし放置すると、選べる道が静かに減っていきます。
- 主要な技能者が引退し、対応できる工種が狭まる
- 採算の読めない工事が増え、決算の数字が痩せる
- 経審の評価が下がり、入札の機会が減る
- 相手方から見た魅力が落ち、条件の交渉余地が狭まる
要するに、建設業のM&Aは「追い込まれた会社の手段」ではありません。構造の変化に対して、会社と人を残すために取れる手段の一つです。
建設業のM&Aで経営者が備える3つの論点

結論から述べます。建設業のM&Aで経営者が先に備えるべき論点は、次の3つです。
- 売り手として見られる自社の姿を知る
- 許可・技術者・経審という建設業固有の引継ぎを整理する
- 従業員と協力会社をどう守るかを先に決める
順番にも意味があります。自社の姿が分からないまま相手を探すと、条件の良し悪しを判断する物差しを持てないからです。
論点1|売り手として見られる自社の姿を知る
事業の棚卸しとは、会社の事業そのものを調べ、稼ぐ力の源泉と将来性を明らかにする調査のことです。
買い手は交渉に入る前後で、この調査を行います。つまり売り手は、自分が調べられる側に立つことを前提に準備する必要があります。
建設業で事業の棚卸しをするとき、見られる点は決算書の数字だけではありません。
- 元請比率と、発注元の顔ぶれの偏り
- 得意な工種と、対応できる工事の規模
- 技術者・技能者の年齢構成と資格の保有状況
- 協力会社との関係の深さと、代替の効きやすさ
- 工事ごとの原価管理が、記録として残っているか
- 手直しや事故の履歴と、その後の再発防止
ここで多くの会社がつまずくのは、強みが社長の頭の中にしかないことです。
長年の付き合いも、段取りの巧みさも、書かれていなければ買い手には見えません。見えないものは、値段になりません。
先に自社で事業の棚卸しを行う意義はここにあります。説明できる状態にしておくことで、会社の中身が正しく評価されやすくなります。
あわせて、直しておくべき点も見つかります。原価管理の記録が残っていない、名義の整理がついていないといった点は、事前に手を打てるものです。
自社の姿を整理する作業は、建設業のM&Aを見据えた事業承継コンサルティングの入口にあたります。相手探しより前に置く工程だと考えてください。
論点2|許可・技術者・経審という建設業固有の引継ぎ
ここが、他の業種のM&Aと最も違う部分です。
建設業には、事業を続けるために欠かせない資格と許可があります。会社の形が変わるとき、これらがそのまま移るとは限りません。
<建設業許可>
株式譲渡で株主が変わる場合、法人格は変わりません。そのため許可は継続しますが、役員の変更などに伴う届出は必要になります。
一方、事業譲渡・合併・分割で事業を移す場合は扱いが異なります。建設業法では、事前に認可を受けることで許可を引き継げる仕組みが設けられています。
認可を受けないまま事業を移すと、譲り受けた側は許可を取り直すことになり、その間の工事に支障が出ます。
許認可の手続そのものは行政書士の領域です。段取りと時期の設計は、承継計画の中で早い段階から組み込みます。
<経営業務の管理責任者と専任技術者>
建設業の許可を保つには、経営を担う体制と、営業所ごとの専任技術者が必要です。
社長が両方を兼ねている会社では、社長が退いた瞬間に要件を満たせなくなる恐れがあります。
誰がその役割を引き継ぐのか。引継ぎ後も要件を満たし続けられるのか。この確認は、相手探しと同時に進める性質のものです。
<経営事項審査(経審)>
公共工事の受注を続ける会社にとって、経審の評価は事業の生命線です。
会社の形が変わると、完成工事高や技術者の数といった評価の前提も変わります。
再編の方式によって取扱いが分かれるため、どの方式を選ぶかを決める前に、経審への影響を確認します。順番を逆にすると、後から取り返しがつきません。
| 方式 | 建設業許可の扱い | 主に確認する点 |
|---|---|---|
| 株式譲渡 | 法人格が変わらないため許可は継続する | 役員変更の届出、経管・専技の要件維持 |
| 事業譲渡 | 事前の認可を受ければ引き継げる | 認可の時期、契約や資格の移転範囲 |
| 合併・分割 | 事前の認可を受ければ引き継げる | 認可の時期、経審の評価への影響 |
論点3|従業員と協力会社をどう守るか
経営者が最も気にかけるのは、たいていこの点です。
建設業の価値は、現場で動く人と、長く付き合ってきた協力会社にあります。人が離れれば、引き継いだ側にとっての価値も同時に失われます。
つまり従業員と協力会社を守ることは、感情の問題であると同時に、取引条件そのものです。
備えとして先に決めておくことは、次の4つです。
- 雇用の継続と、労働条件をどこまで維持してもらうか
- 社名・屋号を残すか、看板をどう扱うか
- 協力会社との取引を、どの範囲で続けてもらうか
- 誰に、どの順番で、いつ伝えるか
特に4つ目は軽視されがちです。伝える順番を誤ると、事実より先に噂が走ります。
現場の職長や、長年の協力会社の社長がどのタイミングで知るのか。ここを決めておくだけで、混乱の大きさが変わります。
この3つの論点は、相手が現れてから考えるものではありません。相手が現れる前に整えておくから、交渉の場で会社の言い分が通ります。
「まだ具体的に動くつもりはない」という段階でも構いません。売り込みや、その場でのご契約はありません。お断りいただいて構いません。整理の順番だけでもお持ち帰りください。
\無料相談(30秒で予約)/
第三者承継を選んだ建設業の経営者が手に入れる未来

結論を先に述べます。備えを整えて第三者承継に臨んだ経営者が得るものは、3つの軸に整理できます。
会社の未来、人の未来、そして経営者自身の未来です。順に見ていきます。
会社が残り、看板が続く
まず、会社が続きます。
廃業を選べば、許可も、施工の実績も、蓄えた技能もその場で途切れます。取引先は別の会社を探すことになります。
第三者承継であれば、法人と事業がそのまま次の担い手へ渡ります。施工実績と許可を持った会社として、翌日も工事を続けられます。
相手が同業であれば、単独では届かなかった規模の工事に手が届く場合もあります。技術者を融通し合える体制ができるためです。
資材の調達についても、まとまった量で交渉できる立場になれば、資材高騰の影響を和らげる余地が生まれます。
従業員と協力会社の居場所が続く
次に、人の未来です。
職人にとって最大の不安は、明日の現場が無くなることです。会社が続けば、その不安はまず消えます。
加えて、規模の大きい会社と一緒になることで、教育や資格取得の仕組みを使えるようになる場合があります。
若手が資格を取り、監理技術者として現場を任される。そんな道筋が社内に生まれると、定着の理由になります。
協力会社にとっても同じです。安定して仕事を出せる元請が残ることが、そのまま自社の見通しになります。
経営者自身が、次の役割を選べる
3つ目は、経営者自身の未来です。
第三者承継は、すぐに現場を去ることを意味しません。一定期間、顧問や役員として引継ぎに関わる形が広く採られています。
技術と人脈を渡し終えてから退く。この形であれば、引き継いだ側も安心して受け取れます。
また、経営者個人が負っていた保証や、会社に貸し付けていたお金の扱いを整理する機会にもなります。
個人保証の扱いを決めないまま話を進めると、会社を渡したのに責任だけが残る事態になりかねません。
だからこそ、交渉の初期からこの点を議題に載せます。
会社が残り、人の居場所が続き、経営者が次の役割を選べる。この3つを、共に手に入れましょう。
建設業のM&Aを自社だけで進める限界と、事業承継士による伴走支援

結論から申し上げます。建設業のM&Aを社長一人で進めるのは、現実的ではありません。
能力の問題ではなく、必要な作業が現場の経営と両立しないためです。
自社だけで進めたときに起きる3つの詰まり
一つ目は、時間が取れないことです。
資料の整理、質問への回答、面談の日程調整。これらは工事の合間に片手間でできる量ではありません。
手が回らないと交渉が止まります。止まっている間に、相手の関心は薄れます。
二つ目は、専門家の話が噛み合わないことです。
税理士は税務の観点で話し、行政書士は許認可の観点で話します。どちらも正しいのに、順番と優先順位を決める人がいません。
その結果、方式を決めてから経審への影響に気づく、といった手戻りが起こります。
三つ目は、自社の説明を用意できないことです。
買い手が知りたいのは「なぜこの会社は稼げているのか」です。決算書はその答えになりません。
説明が用意できないと、評価は数字の範囲にとどまります。
KICKがどう伴走するか
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、承継の全体設計と伴走を担います。
認定経営革新等支援機関として、法人支援150社以上の実績があります。
具体的には、次の順で進めます。
- 現状の棚卸し(工種・元請比率・技術者の年齢構成・許可の状況)
- 事業の棚卸しの視点で自社の強みを言葉と資料に落とす
- 許可・技術者・経審の引継ぎ論点を洗い出し、順番を決める
- 従業員と協力会社への伝え方と時期を設計する
- 税理士・行政書士・司法書士と役割を分け、必要な時期に動いてもらう
あわせて、法人保険の役割も点検します。
KICKは事業承継専属の保険代理店でもあります。会社に残っている契約が、いまの承継の形と合っているかを確かめる作業です。
被保険者が現経営者のままの契約、目的が曖昧なまま続いている契約。目的と合っているかを点検する価値があります。
ここで大切なのは、減らすための見直しではなく守るための再設計だという点です。削りすぎれば、万一のときに事業の継続や家族の生活に影響が出ます。
なお、個別の税務判断や申告は税理士の領域です。登記は司法書士、許認可は行政書士が担います。KICKはその手前で、全体の順番と設計を受け持ちます。
「まだ売ると決めていない」という段階のご相談が、実は最も多くいただく形です。決める前に材料をそろえるための時間として使ってください。
途中でやめても構いません。M&A以外の道が適していると分かれば、その道の設計をご一緒します。
相談したからといって、M&Aを勧められることはありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。会社を残す道を、一緒に並べるところから始めます。
\無料相談(30秒で予約)/
建設業のM&Aについてよくある質問

Q. 建設業のM&Aは、どのくらいの期間がかかりますか
A. 会社の状況によって幅がありますが、準備から引継ぎの完了まで年単位で考えるのが現実的です。
理由は、相手を探す期間だけでなく、資料の整理と許可・技術者の引継ぎ設計に時間がかかるためです。
特に建設業は、認可の手続や経審の時期を工事の予定と合わせる必要があります。
まずは自社の現状を棚卸しし、どの工程にどれだけ時間がかかりそうかを見積もるところから始めてください。
Q. 赤字でも第三者承継はできますか
A. 赤字であることだけを理由に、道が閉ざされるわけではありません。
買い手が見るのは決算の数字だけではなく、技術者・許可・得意先といった事業の中身だからです。
ただし、赤字の理由が説明できるかどうかで受け止め方は変わります。一時的な工事の採算か、構造的なものかを整理してください。
まずは工事ごとの原価が分かる資料をそろえ、収支の内訳を説明できる状態にすることをおすすめします。
Q. 建設業許可は、そのまま引き継げますか
A. 承継の方式によって扱いが変わります。
株式譲渡では法人格が変わらないため許可は継続しますが、役員の変更に伴う届出は必要です。
事業譲渡・合併・分割では、建設業法にもとづき事前に認可を受けることで引き継ぐ仕組みがあります。認可を受けずに事業を移すと、取り直しが必要になります。
方式を決める前に、許可と経審への影響を行政書士や専門家と確認してください。
Q. 従業員にはいつ伝えればよいですか
A. 条件が固まってから伝えるのが原則です。
途中段階で話が広がると、確定していない情報が独り歩きし、動揺だけが残るためです。
ただし、伝える順番と時期は事前に決めておきます。現場の職長など、影響の大きい人から順に、直接伝える形が望ましいでしょう。
誰に、いつ、誰が話すのかを一覧にしておくと、当日の混乱を防げます。
Q. 社長個人の連帯保証はどうなりますか
A. 自動的に外れるものではないため、交渉の議題として最初に載せます。
会社の債務に対する個人保証は、株主が変わっても当然には消えないからです。
金融機関との協議を含め、解除の見通しを確認しながら進めます。法律上の判断が必要な場面では弁護士が関わります。
まずは、いまどの借入にどの保証が付いているのかを一覧にしてください。
Q. 会社の値段はどうやって決まりますか
A. 決算書の数値をもとにした評価に、事業の中身の評価が加わって決まります。
具体的な金額をここでお示しすることはできません。工種、元請比率、技術者の構成によって前提が大きく変わるためです。
言えるのは、説明されない強みは評価に反映されにくいということです。
まずは事業の棚卸しの視点で、自社の強みを資料の形にすることから始めてください。
Q. 親族内承継や社内承継とは、どちらが良いのですか
A. 優劣ではなく、条件が合うかどうかで決まります。
親族内承継や社内承継では、後継者が株式を買い取る資金と、個人保証を引き受ける覚悟が要ります。
そこが整わないまま形だけ進めると、後継者に重荷だけが残ります。
3つの道を並べて比べ、自社の状況に合うものを選んでください。順番として、まず並べることが大切です。
Q. 相談するのは、まだ早いでしょうか
A. 早すぎることはありません。むしろ、体力があるうちのほうが選べる道は多くなります。
準備の工程が長いため、決断の時期から逆算すると、着手は早いほど余裕が生まれるからです。
「売ると決めていない」段階でのご相談を歓迎しています。決めるための材料をそろえる時間だとお考えください。
まずは現状の棚卸しから、ご一緒します。
Q. 事業の棚卸しは自社でもできますか
A. 一部は自社でも進められます。工事台帳や原価の資料を整えるところは、社内の作業です。
ただし、強みを第三者に伝わる言葉へ翻訳する部分は、外の目が入ったほうが精度が上がります。
社内では当たり前になっている段取りが、実は他社にない強みだという例が少なくないためです。
まず社内で資料を集め、そのうえで見え方を確認する。この二段構えをおすすめします。
Q. 相談するとき、何を持っていけばよいですか
A. 手ぶらで構いません。それでも用意できるなら、次の3点があると話が早く進みます。
直近3期分の決算書、建設業許可の内容が分かる書類、技術者の資格と年齢が分かる一覧です。
これらがあると、許可と経審の引継ぎ論点をその場で整理できます。
そろっていない場合は、何をそろえるべきかの整理からご一緒します。
まとめ

建設業でM&Aという選択肢が広がっている理由は、景気ではなく構造にあります。
後継者不在、技能者の高齢化と担い手不足、資材高騰、労働時間の上限規制、そして入札で求められる体力。この5つが重なっています。
構造が原因である以上、時間が解決してはくれません。
だからこそ、経営者が備えるべき論点は3つに絞られます。
- 売り手として見られる自社の姿を知る
- 許可・技術者・経審という建設業固有の引継ぎを整理する
- 従業員と協力会社をどう守るかを先に決める
この3つを整えてから相手を探すと、交渉の場で会社の言い分が通ります。
会社が残り、人の居場所が続き、経営者自身が次の役割を選べる。第三者承継が目指すのは、その形です。
いま決断する必要はありません。決めるための材料を、体力があるうちにそろえておく。それが、いちばん確かな備えになります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは、いまの現場と数字をお聞かせください。
\無料相談(30秒で予約)/






コメント