
10月に入り、最低賃金の改定と年末調整の準備で、事務所が一年で最も慌ただしくなる季節を迎えました。そのなかで、顧問先の月次面談の時間だけが、いつも通り決算書と試算表の説明で終わっていく。そんな実感はないでしょうか。
数字を正確に伝えている。質問にも丁寧に答えている。それでも、顧問先の経営者から「実は資金繰りが厳しくて」という一言が出てくるのは、たいてい手遅れになってからです。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 月次面談が数字の報告だけで終わってしまう
- 顧問先の本当の課題が見えず、踏み込めない
- 経営改善の話を切り出す糸口がつかめない
これは、先生おひとりの問題ではありません。税務の言葉だけでは、経営者の本音は出てこないからです。数字は結果であり、原因は数字の外にあります。
このまま対話のないまま時間が過ぎると、顧問先の経営は静かに悪化します。そして先生の事務所は、長年築いた顧問報酬というストック収入を、ある日突然失うことになりかねません。本当の敵は、顧問先でも競合事務所でもなく、課題を先送りにしたまま今日と同じ明日が続くという空気です。
結論を先にお伝えします。この空気を変える入口は、国が無償で公開しているローカルベンチマーク(通称ロカベン)という対話ツールにあります。特別な準備は要りません。先生がすでに持っている決算データを、少し違う角度から顧問先と一緒に眺めるだけです。
そして、その対話の先には、専門家費用の3分の2が国から補助される早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という受け皿が用意されています。ただ、そこへ進むには順番があります。順番を間違えると、経営者は口を閉ざします。
本記事は、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上を重ねてきたKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)の実務経験をもとに整理しました。
- 決算報告の延長では顧問先の本音が出てこない構造的な理由
- ローカルベンチマークで顧問先の本音を引き出す5つのコツ
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組みと補助の枠組み
- 認定支援機関と役割分担して、事務所の負担を増やさずに支援を広げる方法
読み終えるころには、次の月次面談で最初に投げかける問いが決まっているはずです。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
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決算報告の延長だけでは顧問先の財務が改善しない理由

結論から申し上げます。税務業務の延長線上で経営改善に踏み込めないのは、先生の努力や能力の問題ではありません。乗り越えるべき壁が3つあり、その3つとも税務の枠の外にあるからです。
理由は単純です。税務は「確定した過去の数字を正しく整える仕事」であり、経営改善は「まだ数字になっていない未来を動かす仕事」だからです。時間軸がそもそも違います。
立ちはだかる3つの壁
顧問先の経営改善を阻む壁を整理すると、次の3つに分かれます。
| 壁の種類 | 顧問先で起きていること | 税務の延長では届かない理由 |
|---|---|---|
| ノウハウの壁 | 粗利が落ちた原因を、部門別・商品別に分解できていない | 管理会計の設計は税務申告の範囲外で、別の技術体系が必要になる |
| 時間の壁 | 資金繰り表が更新されず、3か月先の残高が誰にも見えていない | 申告期・年末調整期に業務が集中し、面談時間を延ばす余地がない |
| 立場の壁 | 経営者が「先生に弱みを見せたくない」と感じている | 税務の相手役という関係のままでは、本音の相談相手になりにくい |
この3つのうち、多くの事務所がつまずくのは立場の壁です。ノウハウと時間は工夫で補えます。しかし立場は、面談の進め方を変えないかぎり動きません。
数字を正しく伝えるほど、経営者は黙る
月次面談の典型的な流れを思い出してみてください。試算表を開き、前年同月と比較し、増減の理由を確認する。正確で、隙のない進め方です。
ところが経営者の側から見ると、この時間は「答え合わせ」に見えています。数字が悪ければ、責められている気持ちになる。だから言い訳の材料を探し、本当の悩みは口に出さないまま面談が終わります。
つまり、正確に伝えるほど、経営者は守りに入るという逆説が起きているのです。
原因は数字の外側にある
売上が落ちた原因が、営業担当の退職だったとします。粗利が落ちた原因が、主要取引先からの値下げ要請だったとします。どちらも試算表には書いてありません。
経営の課題は、ほとんどが非財務の領域にあります。人、取引先、設備、社内の伝達。これらが数字に現れるのは、たいてい半年から1年遅れてからです。
要するに、決算報告の延長で改善が進まないのは当然なのです。見ている場所が、原因のある場所とずれているからです。
このまま何もしなければ、顧問先と事務所に何が起きるか

結論として、対話のない状態を続けた先に待つのは、顧問先の経営悪化と、事務所のストック収入の消失という二重の損失です。
なぜそうなるのか。悪化は段階を踏んで進み、しかも各段階で先生に見える形の合図が出ないからです。
顧問先で進む3つの段階
- 兆候期 売上は横ばいだが、粗利率が少しずつ下がる。経営者は「一時的なもの」と考え、誰にも相談しない
- 圧迫期 運転資金が細り、支払サイトの調整や役員報酬の減額で凌ぐ。金融機関への説明が後手に回りはじめる
- 顕在期 返済が重くなり、条件変更の相談が必要になる。ここで初めて先生に相談が来る
問題は、先生に相談が来るのが3段階目になってからという点です。兆候期であれば打てた手が、顕在期には使えなくなっています。
事務所側で起きること
顧問先の資金繰りが厳しくなると、まず起きるのが顧問料の支払い遅延です。そして次に起きるのが、報酬の見直し依頼です。
ここで見落とされがちな事実があります。顧問先が事務所を替えるとき、理由は「料金が高いから」ではありません。「この事務所は、うちの経営の役に立っていない」と判断されたからです。
価格で選ばれた関係は、価格で失われます。逆に、経営の相談相手として選ばれた関係は、価格では動きません。
失うのは1件の顧問料だけではない
顧問先が1社離れると、失われるのは月額報酬だけではありません。その経営者からの紹介、決算業務の受注、将来の組織再編や承継の相談まで、まとめて消えます。
さらに深刻なのは、職員の士気です。「うちの事務所は数字を作るだけ」という空気が広がると、若手ほど早く離れていきます。
要するに、対話をしないという選択は、何もしていないのではなく、静かに損失を積み上げているという選択なのです。
ローカルベンチマークで顧問先の本音を引き出す5つのコツ

結論です。顧問先の本音を引き出す最短の道は、評価する側から、一緒に眺める側へ立ち位置を移すことです。そのための道具が、経済産業省が公開しているローカルベンチマークです。
ローカルベンチマークは、企業の健康診断ツールと呼ばれます。財務面の6つの指標、非財務面の商流・業務フロー、そして4つの視点という3枚のシートで構成されています。無償で使え、特別な資格も要りません。
大切なのは、シートを埋めることではありません。シートを口実にして、顧問先と対話することです。そのためのコツを5つに整理しました。
決算書より先に、非財務の4つの視点から聞く
面談の冒頭で試算表を開かない。これが最初のコツです。
代わりに、非財務の4つの視点を順番に聞きます。経営者、事業、企業を取り巻く環境・関係者、内部管理体制の4つです。
「社長がこの会社で一番大事にしていることは何ですか」。この問いから始めると、経営者の言葉の量が変わります。数字の話ではないので、守る必要がないからです。
非財務から入ると、経営者は語り手になります。財務から入ると、経営者は受け手になります。この違いが、面談全体の温度を決めます。
財務6指標は点数ではなく、位置として一緒に見る
ローカルベンチマークの財務指標は6つです。売上高増加率、営業利益率、労働生産性、EBITDA有利子負債倍率、営業運転資本回転期間、自己資本比率。
この6つを、点数として伝えないでください。「営業利益率が低い」と言えば、それは評価です。評価された経営者は身構えます。
そうではなく、「同じ業種のなかで、この位置にいます」と地図のように示します。良し悪しの判定ではなく、現在地の確認にする。それだけで、経営者の反応が変わります。
そして必ず、6つのうち強い指標から先に触れてください。弱い指標の話は、強みを確認した後のほうが、はるかに深く届きます。
商流と業務フローは、顧問先自身に描いてもらう
3つ目のコツは、先生が書かないことです。
ローカルベンチマークには、仕入先から自社を経て得意先へ至る商流と、社内の業務フローを描くシートがあります。ここを経営者自身の手で埋めてもらいます。
描いてもらうと、必ず途中で手が止まります。その止まった箇所こそが、経営者自身も言語化できていなかった課題です。
「この工程はどなたが担当されていますか」。手が止まったところで、この一言を挟むだけでよいのです。先生が指摘するのではなく、経営者が気づく。この順番が本音を引き出します。
課題ではなく、強みから対話を始める
4つ目は、対話の入口の設計です。
経営改善という言葉は、経営者にとって「今が駄目だ」と言われているのと同じに聞こえます。だから最初の30分は、課題の話を封印します。
「この会社が20年続いてきた理由は何だと思われますか」。「他社が真似できないところはどこですか」。こうした問いで、非財務の強みを言葉にしてもらいます。
強みを語ったあとの経営者は、自分から弱みを話しはじめます。人は、認められた相手にだけ弱みを見せるからです。
対話の結論を、その場でアクションプランの1行に落とす
5つ目が最も重要です。対話を余韻で終わらせないことです。
面談の最後に、「では次の3か月で何を一つ変えますか」と聞き、その場で1行に書き取ります。担当者名と期限を添えれば、それは立派なアクションプランです。
この1行が、早期経営改善計画へつながる最初の材料になります。逆に1行が残らなければ、どれだけ良い対話をしても、次の面談で振り出しに戻ります。
対話の先にある受け皿としてのバリューアップ支援事業
5つのコツで対話が動き出すと、必ず次の壁が来ます。「やることは見えた。しかし計画に落として金融機関に説明する余力がない」という壁です。
ここで使えるのが、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)です。認定経営革新等支援機関の支援を受けて早期経営改善計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。
制度の枠組みを整理します。
- 補助上限は、計画策定費用が50万円、策定後1年から3年の伴走支援費用が30万円で、合計80万円
- 追加オプション(企業概要書作成10万円・金融機関交渉10万円)を加えると最大100万円
- 伴走支援完了まで補助金の半分を協議会が預かる2分の1留保は廃止され、2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件は留保なしで支払われる
- 計画策定後、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングと協議会への報告が必要
- 金融支援(条件変更等)を前提としない制度で、計画書の提出をきっかけに金融機関と目線を合わせる位置づけ
伴走支援は任意ではなく必須です。年最低2回のモニタリングを怠ると、費用の返還を求められる場合があります。この点は顧問先に着手前から伝えておくと、後の行き違いを防げます。
制度が目指しているのは、計画書という紙を作ることではありません。事業者自身がPDCAを回して自走できる状態をつくることです。内部管理体制やガバナンス体制の整備も、支援の重要な要素と位置づけられています。
そして、ローカルベンチマークはこの制度のなかで、対話型の現状分析ツールとして明確に位置づけられています。先生の月次面談での対話が、そのまま計画の土台になるということです。
制度の詳しい内容と支援の流れは、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細をご確認ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先を引き抜くことは決してなく、税務は貴所、計画策定と金融機関対応はKICKという役割分担です。
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先生の事務所が手に入れる未来

結論として、対話の型を変えた事務所には、3つの層で変化が起こります。目に見える変化、通帳と時間の変化、そして周囲からの変化です。
目に見える変化 面談の空気が変わる
まず、面談の座り方が変わります。試算表を挟んで向かい合う形から、1枚のシートを一緒に覗き込む形になります。
経営者の口から出る言葉も変わります。「今月はこれくらいでした」という報告から、「実は来期、こういうことを考えていまして」という相談へ。
そして、面談の終わり方が変わります。「ではまた来月」ではなく、「次までにこれを決めておきます」で終わるようになります。
顧問先の会議室を出るときの気分が、明らかに違ってきます。数字を届けた日ではなく、経営を一歩進めた日になるからです。
通帳と時間の変化 報酬が安定し、繁忙期の圧力が下がる
顧問先の資金繰りが改善すれば、顧問料の支払い遅延はなくなります。当たり前のことですが、これが最も大きい効果です。
加えて、顧問先が経営の相談相手として先生を見るようになると、報酬の見直し依頼が起きにくくなります。価格ではなく価値で選ばれている状態だからです。
時間についても変化があります。計画策定の実務と金融機関への説明資料の作成を認定支援機関が担えば、先生の稼働時間はほとんど増えません。増えるのは対話の質であって、作業量ではありません。
年末調整と確定申告が重なる時期に、新しい業務を抱え込む必要はないということです。
周囲からの変化 金融機関と職員の見る目が変わる
顧問先の経営者が金融機関に計画書を持参し、目線を合わせた対話ができるようになると、その評価は必ず顧問税理士にも及びます。
「あの先生が付いている会社は、話が早い」。金融機関の担当者がそう感じたとき、次の紹介案件が生まれます。
職員の変化も見逃せません。数字を作る仕事に、経営を動かす手応えが加わると、若手が事務所に留まる理由ができます。採用の場面でも語れる強みになります。
顧問先に頼られ、金融機関に信頼され、職員に誇りが生まれる事務所。この未来を、共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

ここまでお読みいただき、「対話までは自所でできそうだ」と感じていただけたと思います。実際、5つのコツは明日の面談から使えます。
ただし、その先には自所だけでは越えにくい3つの限界があります。だからこそ、認定支援機関と連携する事務所が増えています。
越えにくい3つの限界
- 専門性の限界 資金繰り計画、ビジネスモデル俯瞰図、アクションプランを制度の様式に沿って組み立てる作業は、税務申告とは別の技術です
- 時間の限界 計画策定には経営者との複数回の打ち合わせが要ります。申告期と重なれば、事務所の稼働は確実に破綻します
- 金融機関対応の限界 条件変更を前提としない制度であっても、金融機関への説明には独特の作法があります。慣れていない場面での対応は負担が大きくなります
この3つを、先生が抱え込む必要はありません。役割を分ければよいだけです。
KICKが担う範囲と、貴所が担う範囲
KICKコンサルティング株式会社は、中小企業庁の認定経営革新等支援機関です。代表の松本昌史は、MBA(経営管理修士)、中小企業診断士、事業承継士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、金融検定協会の中小企業事業再生マネージャー認定を持ち、法人支援実績150社以上を重ねてきました。
連携の形は明快です。
| 場面 | 貴所が担うこと | KICKが担うこと |
|---|---|---|
| 月次面談・対話 | ローカルベンチマークを使った現状把握と関係づくり | 必要に応じて同席し、対話の設計を支援 |
| 計画策定 | 試算表・決算データの提供と内容確認 | 資金繰り計画・アクションプランの策定を主導 |
| 金融機関対応 | 税務面の説明 | 計画内容の説明と協議会への手続きを主導 |
| 伴走支援 | 通常の税務顧問業務を継続 | 年最低2回のモニタリングと報告を主導 |
顧問先との契約関係は、これまで通り貴所のものです。KICKが顧問先の税務顧問を引き受けることはありません。この一線は、連携の前提として明文化します。
支援の費用については、顧問先の状況によって組み立てが変わるため、詳細はサービスページにてご確認ください。連携の形やこれまでの実績については、士業連携(提携)の詳細と早期経営改善計画策定支援の支援内容をご覧ください。
全国オンライン対応のため、地方の顧問先でも同じ体制で進められます。1事務所ごとに時間をかけて進めるため、月あたりのご相談数には限りがあります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先を奪われる心配は不要です。税務顧問は貴所のまま、経営改善の実務だけをKICKが担います。
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よくある質問

Q. 顧問先を奪われるリスクはありませんか
A. ありません。KICKが顧問先の税務顧問を引き受けることはなく、連携の前提として明文化します。役割分担は、税務は貴所、計画策定と伴走支援はKICKです。顧問先との窓口も、これまで通り貴所に置いていただいて構いません。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度になりますか
A. 主な作業は、試算表と決算データのご提供、そして内容のご確認です。計画策定の作成作業、協議会への手続き、金融機関への説明資料はKICKが主導します。申告期や年末調整期に新たな稼働が積み上がる設計にはしていません。
Q. バリューアップ支援事業と405事業は何が違うのですか
A. 制度の前提と規模が異なります。混同されやすい点なので、表で整理します。
| 項目 | バリューアップ支援事業 | 405事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 前提としない | 金融支援(条件変更等)が前提 |
| 計画書の規模 | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) |
| 補助上限 | 計画策定50万円+伴走支援30万円(3分の2補助) | 上限300万円(3分の2補助) |
| 着手のタイミング | 早め(兆候が出た段階) | 悪化が顕在化してから |
Q. どのような顧問先が対象になりますか
A. 業績の悪化が顕在化する前の、兆候の段階にある顧問先が中心です。粗利率が下がりはじめた、資金繰り表が更新されていない、経営者が事業の先行きに迷いを見せている。こうした状態が該当します。既に返済が滞っている場合は、別の枠組みでの検討が必要になります。
Q. ローカルベンチマークを使うのに資格や費用は要りますか
A. 要りません。経済産業省が公開しているツールで、無償で利用できます。特別な資格も不要です。決算書の数値を入力すれば財務指標のシートができあがるため、先生の事務所ですぐに試していただけます。
Q. 顧問先が対話を嫌がった場合はどうすればよいですか
A. いきなり全体を埋めようとせず、非財務の4つの視点のうち1つだけから始めてください。「この会社の一番の強みは何ですか」という問いだけでも十分です。シートを完成させることが目的ではなく、対話のきっかけをつくることが目的だからです。
Q. 伴走支援の年2回の報告は、誰が行うのですか
A. 連携する場合、モニタリングと協議会への報告はKICKが主導します。決算期を含めて年最低2回、3年間続きます。この継続的な関与が、顧問先の自走につながる仕組みです。
Q. 費用はどれくらいかかりますか
A. 顧問先の規模や支援の範囲によって変わるため、この場では具体額を申し上げられません。詳細はサービスページにてご確認ください。なお、専門家費用の3分の2が国から補助される点、補助上限が計画策定50万円と伴走支援30万円である点は、制度として定められています。
Q. 連携を始める前に、まず何をすればよいですか
A. 次の月次面談で、5つのコツのうち1つを試してみてください。試算表を開く前に、非財務の視点から一問だけ投げかける。それだけで、顧問先の反応が変わることを実感していただけるはずです。そのうえで、計画に落としたい案件が出てきた段階でご相談ください。
Q. 顧問先が地方にある場合でも連携できますか
A. できます。全国オンライン対応のため、来社は不要です。打ち合わせもオンラインで進められるため、移動時間の負担なく連携いただけます。
ここまでお読みいただいた先生の顧問先には、まだ兆候の段階にある会社があるはずです。兆候期に打てる手は、顕在期には使えません。時間だけは取り戻せません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持され、税務顧問が貴所から移ることはありません。まずは制度が使えそうな顧問先が1社あるか、そこだけ確かめてみてください。
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まとめ

顧問先の経営改善は、新しい商品を仕入れて売る仕事ではありません。すでにある関係の深さを、一段変えるだけの仕事です。
先生は、顧問先の数字を誰よりも知っています。経営者の性格も、社内の事情も分かっています。足りていないのは情報ではなく、その情報を経営者と一緒に眺めるための道具と、対話の型だけでした。
ローカルベンチマークという無償のツールと、5つのコツ。まずはこの2つで、次の面談を変えてみてください。非財務から入り、強みから語り、商流は経営者自身に描いてもらい、最後に1行を残す。
そして、その1行が計画に育ちそうだと感じたときに、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という受け皿を思い出してください。専門家費用の3分の2を国が補助し、実務は認定支援機関が担います。
顧問先を守るのは、正確な申告書だけではありません。半年先の資金繰りを一緒に見ようとする、その姿勢です。
10月の慌ただしさが本格化する前に、顧問先を1社だけ思い浮かべてみてください。その会社の経営者に、来月どんな問いを投げかけるか。そこから、すべてが変わりはじめます。







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