
「社会保険料がまた上がるようです」。顧問先からそんな一言を聞く機会が、ここ数か月で急に増えていないでしょうか。
最低賃金の引き上げは、パート・アルバイト比率の高い顧問先ほど固定費に直撃します。しかも賃上げは標準報酬月額を押し上げ、社会保険料の会社負担まで連動して重くなります。税務の数字を追うだけでは説明しきれない「これからどうすればいいのか」という不安が、顧問先から一気に押し寄せてくる時期です。
先生おひとりの事務所だけの話ではありません。多くの税理士・公認会計士事務所で、同じタイミングに同じ相談が重なり、面談の予約が取りきれない、資料作成が追いつかないという声が上がっています。決算期の繁忙と重なれば、なおさらです。
パートやアルバイトの比率が高い小売業・飲食業・介護業などの顧問先は、固定費が一気に膨らむため反応も早くなります。加えて、賃上げは標準報酬月額を通じて社会保険料の会社負担を押し上げるため、影響は人件費だけにとどまりません。年間ベースで試算しておかないと、資金繰りの見通しを見誤る顧問先も出てきます。
あなたはこのような悩みはありませんか。
- 社保料増の相談が重なり、面談日程が組めない事務所の先生
- 資金繰り相談に丁寧に応えたいが、時間が足りない先生
- 税務の範囲を超えた経営相談を、どこまで自所で抱えるか迷う先生
結論から先にお伝えします。相談の急増そのものを止めることはできませんが、対応の一部を認定経営革新等支援機関と分担すれば、事務所の余力を守りながら顧問先の資金繰りも改善できます。やり方の詳細はこの記事で順にお伝えします。
この記事で分かること
- 社保料増で顧問先の相談が増える構造的な理由
- 相談対応を事務所だけで抱えた場合に起きるリスク
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組み
- 事務所の余力を守りながら連携する3つの対応策
- 顧問先を奪われない役割分担の作り方
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
なぜ税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しないのか

結論として、税務申告のための数字整理と、資金繰りを改善するための経営改善支援は、必要なノウハウも時間の使い方もまったく別物です。
税務は「過去の実績を正しく申告する」作業です。一方で経営改善支援は「これからのお金の流れを設計する」作業になります。この違いを整理せずに顧問先へ向き合うと、対応の壁が三つ同時に立ちはだかります。
| 壁 | 税務業務の延長での限界 |
|---|---|
| ノウハウの壁 | 資金繰り計画やアクションプランの策定は税務とは別の専門技術が必要 |
| 時間の壁 | 決算・申告業務と並行して顧問先ごとの計画策定に時間を割きにくい |
| 立場の壁 | 金融機関との目線合わせは、税理士単独より第三者機関を交えた方が進みやすい場面がある |
社保料の負担増は、顧問先にとって「そのうち考える話」ではなく「今月から始まる話」です。数字を把握するだけでは、顧問先の不安は解消されません。先生の事務所に求められているのは、次の一手をどう示すかという部分です。
実際、顧問先の社長から「人件費がここまで増えるなら、来期はどう資金を回せばいいのか」と聞かれて、税務上の数字は答えられても、資金繰りの具体策までは即答しづらい場面は少なくないはずです。ここで踏み込んだ提案ができるかどうかが、顧問先との信頼関係を左右します。
だからこそ、税務の延長線上で無理に対応範囲を広げるのではなく、資金繰り改善に特化した仕組みと役割分担することが、先生の事務所にとっても顧問先にとっても現実的な選択肢になります。
すべてを顧問料の範囲内で引き受けようとすると、専門性の壁は解消されないまま、事務所の稼働時間だけが圧迫されます。資金繰り改善という専門領域は、専門領域として切り出し、適切な相手と分担する発想への転換が必要です。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、相談を先送りにすると、顧問先の資金繰りと事務所の経営の両方に影響が及びます。
顧問先の側では、社保料増や人件費増の影響を試算しないまま決算期を迎え、資金繰りの見通しが立たないまま金融機関との面談日を迎えることになりかねません。準備不足のまま相談すると、金融機関からの評価が下がる可能性もあります。
事務所の側にも影響は及びます。相談が重なる時期に丁寧な対応ができないと、顧問先は「税務以外は相談しづらい事務所」という印象を持ちます。その結果、次のような悪化シナリオが現実になります。
- 資金繰りの相談に応えきれず、顧問先の不満が蓄積する
- 対応の遅れから、顧問先が他の専門家へ相談先を広げてしまう
- 職員が繁忙期の業務過多で疲弊し、事務所全体の対応品質が落ちる
- 新規の紹介案件があっても、受け入れる余力がなく機会を逃す
- 結果として、既存の顧問報酬という安定したストック収入が揺らぐ
先送りは、誰か一人の判断ミスではありません。課題を後回しにする風土のまま時間が過ぎることが、最大のリスクです。
特に決算前後は、税務申告という期限のある業務が優先され、資金繰り相談はどうしても後回しになりがちです。しかし顧問先にとって、資金繰りの不安は決算のタイミングとは無関係に膨らみ続けます。放置される時間が長いほど、選べる打ち手の幅は狭くなっていきます。次の章で、この状況を変える具体的な選択肢をお伝えします。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という選択肢

結論として、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)を活用し、認定経営革新等支援機関と連携すれば、事務所の実務負担を抑えながら顧問先の資金繰り改善に着手できます。
この制度は、認定経営革新等支援機関の支援を受けて早期経営改善計画を策定する場合に、専門家費用の3分の2を国が補助する仕組みです。補助上限は計画策定費用50万円、伴走支援費用(1〜3年後)30万円の合計80万円。企業概要書作成10万円、金融機関交渉10万円のオプションを加えると最大100万円まで活用できます。
2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件からは、伴走支援完了まで補助金の半分を協議会が預かる「2分の1留保」の制度が廃止されました。以前より早い段階で費用を受け取れるようになっています。
計画策定後は、決算期を含めて年最低2回のモニタリングを3年間続ける伴走支援が必須です。単なる計画作りで終わらせず、顧問先自身がPDCAサイクルを回せる体制を整えることが、この制度の目的です。対話には、財務・非財務の特色を見える化する「ローカルベンチマーク」というツールも使われます。数字だけでなく、経営者が腹落ちできる形で現状を共有できる点が特徴です。
この制度は金融支援(リスケジュール等)を前提としません。計画書の提出をきっかけに、資金繰りや将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築く場面で活用されます。金融機関に対して「課題を先送りせず、早い段階から手を打っている顧問先」という印象を持ってもらえる点も、この制度の実務的な価値です。
この制度が目指しているのは、単に計画書を一枚作ることではありません。顧問先自身が資金繰りの現状を理解し、自らPDCAサイクルを回せるようになること、そして内部管理体制やガバナンス体制を整えることまでを含めた「自走できる状態」への到達です。だからこそ、計画策定から3年間の伴走支援がセットで設計されています。
ここで先生の事務所にとって重要なのは、計画策定・金融機関対応の実務は、認定経営革新等支援機関であるKICK(中小企業診断士)が主導するという役割分担です。相談が急増する時期でも、事務所の余力を守りながら連携できる理由はここにあります。具体的には、次の3つの対応策で余力を守ります。
- 計画策定・伴走支援の実務を任せる:資料作成や年2回のモニタリングといった実務はKICKが担うため、先生の事務所は面談での方向づけに集中できます。決算期と重なる時期でも、稼働の奪い合いが起きません。
- ローカルベンチマークで面談を効率化する:財務・非財務の特色を見える化する対話ツールを使うことで、限られた面談時間でも顧問先の課題を的確に整理でき、初回相談の時間を短縮できます。
- 相談の窓口と役割を事前に決めておく:税務は貴所、資金繰り改善の実務はKICKという分担をあらかじめ顧問先へ説明し、相談が来た時点で振り分け先を迷わない流れを作っておきます。
この3つを事前に整えておくだけで、相談が重なる時期でも「誰が」「何を」担当するかが明確になり、先生の事務所が抱え込む業務量を一定の範囲に抑えられます。役割分担を曖昧にしたまま相談を受けてしまうと、結局すべてを事務所側で巻き取ることになり、余力を守るという本来の目的から遠ざかってしまいます。
どの認定経営革新等支援機関と連携するかによって、実務の巻き取り範囲や対応スピードは変わります。連携先を選ぶ際は、計画策定だけでなく伴走支援まで一貫して任せられるか、金融機関対応の実績があるかを確認しておくと、後から役割の食い違いが起きにくくなります。
費用の詳細や個別の要件については、この場での断定は避け、次のリンク先でご確認いただくのが確実です。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
先生の事務所が手に入れる未来

連携を進めた先生の事務所には、三つの変化が現れます。
一つ目は、目に見える変化です。顧問先との面談で、社保料増や人件費増の話題が出ても、資金繰り改善の道筋をすぐに示せるようになります。面談の空気が「相談されても答えられない場」から「一緒に手を打てる場」へ変わります。顧問先の社長の表情も変わっていくはずです。
二つ目は、通帳と時間の変化です。既存の顧問報酬というストック収入が安定して回収できるようになり、計画策定や伴走支援の実務をKICKに任せる分、先生の事務所の業務時間にゆとりが生まれます。空いた時間は、高度税務や組織再編といった、より専門性の高い提案の検討に充てられます。相談対応に追われて後回しにしていた提案営業にも、手が回るようになります。
三つ目は、周囲からの変化です。顧問先からは「相談に乗ってくれる事務所」という評価が定着し、金融機関からも計画的に対応する事務所として見られるようになります。職員にとっても、繁忙期のしわ寄せが緩和され、働きやすさにつながります。事務所全体の評判が上がれば、既存顧問先からの紹介という形で新しい相談が舞い込むことも期待できます。
目の前の相談急増を乗り越えた先に、これらの変化を共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

結論として、経営改善計画の策定と金融機関対応まで自所だけで抱えるのは、専門性と時間コストの両面で現実的ではありません。だからこそ、認定支援機関の中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
計画策定には、財務分析だけでなく、資金繰り表の作成、金融機関との調整といった専門技術が必要です。これを税務業務と並行して自所だけで担おうとすると、繁忙期の負担がさらに重くなります。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上を持ち、代表の松本昌史は中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持ちます。計画策定と伴走支援の実務を主導することで、先生の事務所は税務という本来の専門領域に集中しながら、顧問先の資金繰り改善という付加価値を提供できます。
業種を問わず、資金繰りに課題を抱える中小企業への支援実績を積み重ねてきたことも強みです。決算期の繁忙で手が回らない時期でも、計画策定と金融機関対応の実務をKICKが引き受けるため、先生の事務所の稼働を大きく増やすことなく、顧問先への提案の幅を広げられます。
相談が集中しやすい時期は事務所によって異なります。決算期や社保料改定の時期に合わせて、事前に連携先との連絡体制を整えておくことで、相談が急に重なった場合でも慌てずに窓口を振り分けられます。
連携先を探す際は、士業の先生方向けの提携の仕組みを確認しておくと判断がしやすくなります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
よくある質問

Q. 顧問先を奪われるリスクはありませんか
A. ありません。税務は貴所、経営改善の実務はKICKという役割分担で進めます。顧問先との契約関係はそのまま維持され、KICKから顧問先へ営業をかけることもありません。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度になりますか
A. 計画策定や伴走支援の実務はKICKが主導するため、先生の事務所は顧問先との橋渡しと面談での方向づけが中心になります。資料作成やモニタリングの実務まで自所で抱える必要はありません。
Q. バリューアップ支援事業と405事業はどう違いますか
| 項目 | バリューアップ支援事業 | 405事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 前提としない | 金融支援(リスケ等)が前提 |
| 計画書の規模 | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) |
| 補助上限 | 計画策定50万円+伴走30万円(3分の2補助) | 上限300万円(3分の2補助) |
| 着手のタイミング | 早め(兆候が出た段階) | 悪化が顕在化してから |
A. バリューアップ支援事業は金融支援を前提とせず、兆候が出た早い段階で着手する制度です。405事業は金融支援が前提となる本格的な計画策定支援で、対象となる場面が異なります。
Q. どのような顧問先が対象になりますか
A. 社保料増や人件費増で資金繰りが厳しくなり始めた顧問先、資金繰り計画をまだ作っていない顧問先が主な対象です。深刻な債務超過に至る前の、早めの段階が最も効果を発揮します。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 制度の補助率や補助上限といった枠組みは本文でお伝えしたとおりですが、事務所ごとの具体的な負担額はこの記事では触れていません。詳細はサービスページにてご確認ください。
Q. 相談してから計画策定までどのくらいの期間がかかりますか
A. 顧問先の状況によって前後しますが、初回相談から計画策定まで数週間単位で進めるケースが一般的です。決算期の繁忙状況に合わせて、面談の日程は柔軟に調整できます。急ぎの相談であっても、まずは現状のヒアリングから始めます。
Q. 伴走支援中に事務所が対応することはありますか
A. モニタリング面談への同席や、税務面からの補足説明をお願いすることはありますが、進行の主導はKICKが担います。事務所の稼働は最小限にとどめる設計です。
Q. 連携を断ることはできますか
A. もちろん可能です。無料相談の段階で連携の要否をご判断いただけます。相談したからといって、契約や連携の義務が生じることはありません。
Q. すでに他の専門家に相談している顧問先でも対応できますか
A. 状況によって対応可否が変わるため、まずは無料相談でお聞かせください。役割が重複しないよう、事前に整理したうえでご案内します。
Q. 育成就労や特定技能に関する相談も対応していますか
A. 外国人材の受入れに関する企業評価書の相談は、別のサービスでご案内しています。まずは資金繰り改善の観点でご相談いただき、必要に応じてご案内します。
Q. 顧問先の業種によって対応は変わりますか
A. 業種による適否の判断は必要ですが、社保料増や人件費増の影響を受けやすい業種であれば幅広く対応できます。具体的な顧問先の状況を踏まえて、活用できるかどうかを個別にお答えします。
Q. 複数の顧問先を同時に相談してもよいですか
A. 問題ありません。相談が重なる時期こそ、まとめてご相談いただくことで、事務所側の窓口対応の負担も一本化できます。優先順位を一緒に整理することも可能です。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
まとめ

社保料増をきっかけに増える相談は、先生の事務所の実力が試される場面であると同時に、対応の仕方次第で事務所の余力を消耗させる場面でもあります。
計画策定と伴走支援の実務を認定経営革新等支援機関と分担すれば、税務という本来の専門領域に集中しながら、顧問先の資金繰り改善という価値を提供できます。相談が重なるこの時期こそ、役割分担を見直す機会です。
相談が来てから体制を整えるのでは間に合いません。社保料の動向がニュースになっている今のうちに、連携の選択肢を知っておくことが、先生の事務所の余力を守る一番の近道です。
まずは無料相談で、貴所の状況に合わせた連携の形をご確認ください。







コメント