
顧問先の資金繰りが悪化し、顧問料の入金が遅れる。決算のたびに数字は良くならず、社長の表情も曇っていく。税務の相談には答えられても、「経営そのものを立て直す」段階になると打つ手が見つからない。先生おひとりで、こうした重さを抱えていないでしょうか。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 顧問先の資金繰りが悪化し、顧問料の支払いも遅れがちになっている
- 税務業務だけでは経営改善まで手が回らず、単価アップも難しい
- 経営コンサルティングを広げたいが、ノウハウとマンパワーが足りない
結論から申し上げます。顧問先を強くする最短の道は、認定経営革新等支援機関と連携して「バリューアップ支援」を活用することです。国の早期経営改善計画策定支援を使えば、先生の実務負担を最小限に抑えたまま、顧問先の財務を早期に立て直せます。
本記事は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表・松本昌史(中小企業診断士)が、税理士・公認会計士の先生方に向けて、バリューアップ支援を安全に使いこなすための勘所を整理したものです。
この記事で分かること
- 税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しない理由
- バリューアップ支援(早期経営改善計画策定支援)の制度の全体像
- 顧問先を強くするために先生方が押さえるべき5つの注意点
- バリューアップ支援事業と405事業の違い、混同を避ける考え方
- 顧問先を奪われずに事務所の付加価値を高める連携のかたち
先生の顧問先が抱える資金繰り悪化は、先送りの風土と付加価値を生まない現状維持がつくり出したものです。敵は人ではなく、この状況そのものです。先生とKICKコンサルティング株式会社で、この状況に一緒に立ち向かいましょう。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
税務の延長線でバリューアップ支援を捉えない

1つ目の注意点は、経営改善を「税務業務の延長」で捉えないことです。両者は必要な視点も時間軸もまったく違います。ここを混同すると、顧問先の財務は思うように良くなりません。
理由は明快です。税務は「過去の数字を正確に確定させる仕事」であるのに対し、バリューアップ支援は「未来の数字を計画的につくり替える仕事」だからです。決算書を正しく作っても、赤字の構造そのものは変わりません。
ノウハウ・時間・立場という3つの壁
税理士・公認会計士の先生方が経営改善に踏み込みにくい背景には、次の3つの壁があります。
| 壁 | 中身 | 起きること |
|---|---|---|
| ノウハウの壁 | 損益分岐点分析や資金繰り改善は税務とは別の専門領域 | 数字は読めても打ち手を出しにくい |
| 時間の壁 | 申告期・決算期に業務が集中する | 改善支援に割く時間が確保できない |
| 立場の壁 | 長年の顧問関係ゆえに厳しい指摘がしづらい | 踏み込んだ経営改善を切り出しにくい |
たとえば金属プレス加工の会社を考えてみます。売上は横ばいでも、材料費と外注費が上がり、粗利がじりじり削られている。この構造を変えるには、原価の見える化や受注単価の見直しといった打ち手が要ります。決算書を締めるだけでは、この構造には手が届きません。
もう少し具体的に見てみましょう。決算で「赤字」と分かったとき、税務の視点は「その赤字をどう申告に反映するか」に向かいます。一方、経営改善の視点は「なぜ赤字になったのか、来期どうすれば黒字化できるのか」に向かいます。同じ赤字を見ても、問いの立て方がまったく違うのです。
この違いを埋めずに税務だけで対応すると、顧問先は「毎年、決算のたびに悪い数字を確認するだけ」の状態に陥ります。社長からすれば、先生に相談しても打開策が見えない。この停滞が、顧問関係への不満や、他事務所への乗り換えの引き金になることもあります。
だからこそ、税務は先生が担い、経営改善は認定支援機関が担う。この役割分担が出発点になります。バリューアップ支援は税務の延長ではなく、未来をつくる別の専門機能だと捉えることが、顧問先を強くする第一歩です。両輪がそろって初めて、顧問先の数字は前を向きます。
資金繰り悪化のサインを見逃さず早めに動く

2つ目の注意点は、資金繰り悪化のサインを見逃さず、早い段階で動くことです。早期経営改善計画策定支援は、その名のとおり「早め」に着手してこそ効果が出ます。
理由は、悪化が深刻になるほど選べる打ち手が減るからです。手元資金が薄くなってから動くと、金融機関との交渉も、社内の改革も、余裕のない状態で進めることになります。
見逃してはいけない初期の兆候
顧問先が発する初期のサインには、次のようなものがあります。先生が最も早く気づける立場にあります。
- 売上は変わらないのに、資金繰り表の残高が毎月削られている
- 顧問料や税金の支払いが、月末ぎりぎりになりがち
- 社長が「借入をもう一本増やせないか」と口にし始めた
- 役員報酬を下げてなんとか回している
- 特定の得意先や仕入先への依存が年々高まっている
こうした兆候が出た段階なら、早期経営改善計画で立て直せる余地が大きく残っています。惣菜製造の工場でも、内装仕上げの工事会社でも、共通して言えることです。
先送りが招く3つの損失
逆に、サインを見て見ぬふりで先送りすると、次の悪化シナリオが現実になります。
- 顧問先の疲弊。資金繰りが行き詰まり、事業縮小や廃業に追い込まれる
- ストック収入の消失。顧問先が失われれば、先生の顧問報酬という安定収入もなくなる
- 事務所評価の低下。「何も手を打ってくれなかった」という印象が残り、紹介も途絶える
ここで大切なのは、早期経営改善計画が「悪化してから使う制度」ではないという点です。むしろ、まだ経営に体力が残っているうちに着手するほど、選べる打ち手は多くなります。資金繰り表に少しずつ余裕がなくなってきた、という段階が理想的なタイミングです。
先生は、顧問先の数字を毎月・毎期見ている最も近い存在です。金融機関よりも、社長の身内よりも早く、変化に気づける立場にあります。この「気づける立場」を活かし、早めに一声かけることが、顧問先の未来を大きく変えます。
要するに、資金繰り悪化は放置するほど傷が深くなります。兆候が出た段階で早期経営改善計画に着手することが、顧問先と先生の事務所の両方を守ります。早さそのものが、最大の武器になります。
バリューアップ支援事業と405事業を混同しない

3つ目の注意点は、バリューアップ支援事業と405事業を混同しないことです。この2つは別の制度であり、使う場面が違います。取り違えると、顧問先に合わない制度をすすめてしまいます。
理由は、想定している顧問先の状態が異なるからです。バリューアップ支援は悪化の兆候が出た「早め」の段階、405事業はすでに金融支援が必要な段階を主に想定しています。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組み
バリューアップ支援事業は、中小企業庁の早期経営改善計画策定支援を指します。認定経営革新等支援機関の支援を受けて、顧問先が早期経営改善計画をつくる取り組みです。制度の骨格は次のとおりです。
- 専門家費用の3分の2を国が補助する
- 補助上限は計画策定費用50万円、伴走支援費用30万円の合計80万円。企業概要書作成や金融機関交渉のオプションを加えて最大100万円
- 2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件は、補助金の半分を協議会が預かる「2分の1留保」が廃止され、留保なしで支払われる
- 計画策定後、最初の決算から3年間、年最低2回のモニタリングと報告を行う伴走支援が必須
KICKコンサルティング株式会社は、この計画づくりで管理会計の手法を使います。損益分岐点分析で「いくら売れば黒字になるか」を見える化し、ローカルベンチマークで財務・非財務の特色を対話しながら整理します。社長が腹落ちする計画にすることが狙いです。金融支援(リスケなど)を前提とはしません。
支援の流れは、おおむね現状分析、計画策定、金融機関との共有、伴走支援という順に進みます。単なる計画書づくりではなく、事業者自身がPDCAサイクルを構築し、自走できる体制を整えることが目的です。内部管理体制の整備や経営の透明性確保も、この支援の重要な一部に位置づけられています。
405事業との違いを表で押さえる
混同を避けるために、2つの制度の違いを整理します。ここに書いた内容だけを根拠にしてください。
| 項目 | バリューアップ支援事業 | 405事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 前提としない | リスケ等の金融支援が前提 |
| 計画書の規模 | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) |
| 補助上限 | 計画策定50万円+伴走30万円(3分の2補助) | 上限300万円(3分の2補助) |
| 着手のタイミング | 早め(兆候が出た段階) | 悪化が顕在化してから |
要するに、顧問先の状態を見て制度を選び分けることが大切です。まだ金融支援まで必要ない「早め」の顧問先には、バリューアップ支援事業がなじみます。制度の詳しい活用の流れは早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援)の詳細で確認できます。
連携をご相談いただいても、顧問先を奪うことは決してありません。税務は貴所が担い、経営改善の実務はKICKが主導します。役割分担は先生のペースで決められます。
伴走支援とモニタリングを軽視しない

4つ目の注意点は、計画をつくって終わりにせず、伴走支援とモニタリングを軽視しないことです。バリューアップ支援は「計画づくり」ではなく「顧問先が自走できる体制づくり」が本当の目的です。
理由は、計画は実行されて初めて意味を持つからです。制度上も、伴走支援は義務づけられています。ここを飛ばすと、費用の返還を求められる場合すらあります。
伴走支援で求められること
早期経営改善計画を策定した後、顧問先とKICKは次の伴走支援を行います。
- 計画策定後、最初の決算期から3年間の伴走を続ける
- 決算期を含めて、年最低2回のモニタリングを実施する
- 計画と実績の差を確認し、必要な打ち手を協議する
- その内容を中小企業活性化協議会へ報告する
この伴走の狙いは、社長自身がPDCAサイクルを回せるようになることです。内部管理体制を整え、経営の透明性を高めるガバナンスの整備も、重要な支援に位置づけられています。ここは中小企業診断士の実務が最も力を発揮する領域です。
先生の役割は最小限で済む
「3年間の伴走は事務所の負担が重いのでは」と感じる先生もいます。ここが安心いただける点です。計画策定と金融機関対応、モニタリングの実務はKICKが主導します。
先生には、次のような場面で強みを発揮していただきます。
- 月次や決算の数字を通じて、顧問先の変化にいち早く気づく
- 顧問先の内情を踏まえ、KICKと改善の方向性を共有する
- 財務が改善した段階で、高度税務や組織再編などの提案につなげる
伴走支援の3年間は、顧問先にとって「習慣が変わる期間」でもあります。年2回のモニタリングで計画と実績を突き合わせるうちに、社長は自然と自社の数字を先読みするようになります。数字を見て手を打つ、という経営者本来の動きが身につくのです。
この変化は、先生の事務所にとっても追い風になります。数字への意識が高まった顧問先は、月次資料や試算表の価値を理解し、より深い相談を持ちかけてくるようになります。結果として、顧問関係そのものが強く、長いものになっていきます。
要するに、伴走支援は「顧問先が自走するまで」を支える仕組みです。実務の中心はKICKが担うため、先生のマンパワー消費は最小限で済みます。計画づくりで終わらせないことが、顧問先を本当に強くします。
自所だけで抱え込まず認定支援機関と組む

5つ目の注意点は、経営改善を自所だけで抱え込まないことです。専門性・時間・金融機関対応という現実的な壁がある以上、認定経営革新等支援機関と組む選択が合理的です。
理由は、これらの壁を一人で越えようとすると、先生の時間と体力が削られ、肝心の税務の質にも影響しかねないからです。だからこそ、認定支援機関の中小企業診断士と連携する事務所が増えています。
連携で先生の事務所が手に入れる未来
KICKと組むことで、先生の事務所には次の変化が生まれます。抽象論ではなく、日々の現場で起きる変化です。
- 面談の質が変わる。数字の報告だけだった顧問先との面談が、将来の打ち手を一緒に描く前向きな時間に変わる
- 通帳と時間にゆとりが出る。顧問先の資金繰りが安定し、顧問料の回収が安定する。改善実務はKICKが担うため、先生の業務時間にもゆとりが生まれる
- 周囲の評価が上がる。顧問先・金融機関・職員から「経営まで見てくれる事務所」という評価が高まる
この変化を、もう一段ベネフィットに落として考えてみます。まず制度と連携という「特徴」があり、それによって先生は実務負担を抑えたまま顧問先の財務改善を進められます。そして、その結果として顧問料の維持・新たな提案基盤の獲得・周囲からの評価向上という「成果」が生まれます。特徴から成果まで一本の線でつながっているのが、この連携の強みです。
これらは、顧問先の財務改善という土台があってこそ実現します。財務が良くなれば、高度税務・組織再編・事業承継といった新たな提案の基盤も整います。ストック収入を守りながら、事務所の付加価値を高める。この好循環を、共に手に入れましょう。
KICKが主導する支援の中身
KICKコンサルティング株式会社は、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上を積み重ねてきました。代表の松本昌史は、中小企業診断士・MBA・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・事業承継士などの資格を持ち、金融検定協会の中小企業事業再生マネージャーの認定も受けています。
先生にとっての価値は、次の役割分担で整理できます。
| 担当 | 主な役割 |
|---|---|
| 貴所(税理士・公認会計士) | 税務・会計、月次と決算、顧問先との日常の窓口 |
| KICK(中小企業診断士) | 早期経営改善計画の策定、損益分岐点分析、金融機関対応、3年間の伴走支援 |
費用の具体額はここでは触れません。制度の補助率や補助上限は本記事に記したとおりですが、先生の事務所や顧問先の負担については、サービスページでご確認ください。連携のかたちは顧問先のバリューアップ支援の詳細で紹介しています。士業連携全体の枠組みは士業連携(提携)の詳細をご覧ください。
要するに、経営改善は一人で抱え込む仕事ではありません。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担が、顧問先と事務所の両方を強くします。
よくある質問

Q. 顧問先を奪われるリスクはありませんか
A. ありません。KICKの役割は経営改善の支援に限られます。税務・会計や日常の窓口は貴所が担い続けます。顧問先との関係はそのまま維持され、契約や継続の義務もありません。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度ですか
A. 最小限で済みます。早期経営改善計画の策定、金融機関対応、3年間のモニタリングはKICKが主導します。先生には、月次や決算で気づいた変化の共有をお願いする程度です。
Q. バリューアップ支援事業と405事業は何が違うのですか
A. バリューアップ支援事業は金融支援を前提とせず、兆候が出た早めの段階で使う簡易な計画づくりです。405事業はリスケなどの金融支援を前提とし、悪化が顕在化してから使う本格的な経営改善計画です。補助上限も枠組みが異なります。
Q. どのような顧問先が対象になりますか
A. 資金繰り悪化の兆候が出始めた顧問先が向いています。惣菜製造や水産加工の工場、金属加工の会社、型枠や内装の工事会社、介護施設など、業種は問いません。まだ金融支援まで必要ない段階が、最も効果を出しやすいタイミングです。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 制度上は専門家費用の3分の2が国から補助され、計画策定50万円・伴走30万円が補助上限です。先生の事務所や顧問先の具体的な負担額は、サービスページでご確認ください。無料相談で見通しをお伝えすることもできます。
Q. 早期経営改善計画の策定にはどれくらいの期間がかかりますか
A. 顧問先の状況によりますが、ローカルベンチマークによる現状分析から計画の合意まで、社長が腹落ちする形で進めます。計画づくりを急がず、実行できる内容にすることを重視しています。
Q. 金融機関との関係が悪くならないか心配です
A. バリューアップ支援事業は、リスケなどの金融支援を前提としません。早期経営改善計画の提出をきっかけに、資金繰りや将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築くことを目指します。
Q. 伴走支援は必ず必要ですか
A. 必要です。計画策定後、最初の決算から3年間、年最低2回のモニタリングと報告が求められます。これは顧問先が自走できる体制を整えるための仕組みで、怠ると費用の返還を求められる場合があります。
Q. 公認会計士事務所でも連携できますか
A. できます。本連携は税理士事務所・公認会計士事務所のどちらとも進められます。会計の専門性を持つ先生方と組むことで、顧問先の財務改善はより精度の高いものになります。
Q. 顧問先にどう切り出せばよいですか
A. 「国の早期経営改善計画策定支援という制度がある」と紹介する形が自然です。専門家費用の3分の2が補助される点は、社長にとって前向きに受け止めやすいきっかけになります。切り出し方のご相談も承ります。
まとめ

顧問先を強くする鍵は、税務の先にある「経営改善」を、正しい制度と正しい役割分担で進めることです。バリューアップ支援(早期経営改善計画策定支援)を早めに使い、伴走支援まで丁寧に回す。これが、資金繰り悪化という共通の敵に立ち向かう最短の道です。
本記事で挙げた5つの注意点は、どれも「顧問先を守り、事務所の付加価値を高める」ための視点でした。一人で抱え込まず、認定経営革新等支援機関と組むことで、先生の負担は最小限に抑えられます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はなく、顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。1事務所ごとに時間をかけるため、月あたりのご相談数には限りがあります。まずはお気軽にご相談ください。







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