【最新版】赤字続きの地方鉄道が特定技能を受入れる4つのポイント

三冠バッチ

「保線や車両整備を担う人手が足りず、終電を早めざるを得ない——」。そんな話を聞いて、他人事ではないと感じる地方鉄道・鉄道保守会社の経営者は少なくないはずです。

夜間の重労働という特性上、保守要員の採用は年々難しくなり、輸送人員の伸び悩みと相まって、決算は赤字、あるいは債務超過という状態から抜け出せない会社も増えています。

そこに追い打ちをかけるのが、「うちは赤字だから、外国人材の受入れなど審査に通らないのでは」という不安です。しかし結論から言えば、赤字・債務超過であっても、中小企業診断士による「企業評価書(改善見通しに関する評価書面)」を適切に用意すれば、2024年に新設された特定技能「鉄道分野」の受入れは十分に可能です。

このまま人手不足を放置すれば、保守の質はさらに低下し、輸送障害や行政指導のリスクが高まり、赤字はより深く固定化しかねません。

特にご相談が増えているのは、第三セクター鉄道会社、鉄道保守受託会社、車両整備工場、駅業務受託会社の総務・経営管理部門の方々です。「決算は赤字だが、現場の人手不足は待ったなしで解消したい」という切実な悩みは、業態が違っても共通しています。

この記事はこんな方におすすめです

  • 保守要員が足りず、特定技能の受入れを急ぎたい方
  • 赤字・債務超過で、受入れ審査が通るか不安な方
  • 企業評価書を誰に、どう頼めばいいか分からない方
  • 自社で評価書を作成できないか検討している方

本記事では、地方鉄道・鉄道保守会社の総務担当・経営層に向けて、赤字構造の正体から、特定技能「鉄道分野」を受入れるための実務上のポイントまでを、中小企業診断士の視点で解説します。

この記事で分かること

  • 地方鉄道が赤字・債務超過に陥る3つの構造的な原因
  • 赤字続きでも特定技能を受入れる4つのポイント
  • 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の中身と作り方
  • 自社作成で陥りやすい失敗と、専門家に頼るべき理由

私たちKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、法人支援150社以上の実績を持つ認定経営革新等支援機関です。読み終える頃には、「自社でも受入れを進められる」という見通しが具体的に描けているはずです。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。

保守要員不足が招く地方鉄道の赤字構造と、放置したときに起きること

結論から言えば、地方鉄道・鉄道保守会社の赤字は「経営努力不足」ではなく、業界構造そのものに原因があります。ポイントは3つに整理できます。

大手私鉄やJRのような都市部の路線であれば、運賃収入だけで採算を取ることも可能です。しかし地方路線・第三セクター鉄道・その保守を担う会社では、前提となる乗客数・貨物量そのものが限られており、同じ経営努力を重ねても得られる結果には大きな差が出ます。まずこの前提の違いを正しく認識することが、赤字を正しく説明する出発点になります。

原因1 夜間・重労働という作業特性による採用難

軌道整備や電気設備の保守は、終電後から始発までの限られた夜間に行われます。日中勤務が主流の求職者にとって敬遠されやすい働き方であり、地方では母数となる若年人口自体が減っています。

結果として、既存社員一人あたりの負荷が増し、残業代・休日出勤手当がかさみ、人件費だけが先に膨らむという状態が起きます。

原因2 輸送人員の伸び悩みと運賃収入の限界

地方の第三セクター鉄道では、沿線人口の減少やマイカー依存により、運賃収入の大幅な増加は見込みにくいのが実情です。東京商工リサーチの調査でも、輸送人員が増加した第三セクター鉄道の多くが、それでも経常赤字から抜け出せていない実態が指摘されています。

収入の天井が見えている一方で、保守・人件費というコストは下げられない。この非対称な構造が、赤字を慢性化させる最大の要因です。

原因3 老朽設備の更新投資による減価償却負担

開業から数十年が経過した路線では、レール・車両・変電設備の更新時期が集中しがちです。更新投資は将来の安全運行に不可欠ですが、減価償却費として毎期の損益を圧迫し、単年度の決算をさらに悪化させます。

状態何もしなかった場合評価書で受入れを進めた場合
保守要員採用できず、既存社員の負荷が増加特定技能の受入れで現場体制を補強
財務状況赤字が固定化し、金融機関の評価が悪化改善計画に沿って段階的に回復
行政・審査対応説明不足のまま提出し、補正指示のリスク診断士の評価書で客観的に説明できる

この表が示す通り、「何もしない」という選択肢そのものが、最もリスクの大きい経営判断になります。放置すれば保守体制はさらに薄くなり、輸送障害のリスクとともに、地域からの信頼まで損ないかねません。

会社の種類によって異なる、典型的なお悩み

一口に鉄道関連会社といっても、抱えている悩みの中身は業態によって少しずつ異なります。まずは自社に近いものを確認してみてください。

会社の種類典型的なお悩み
第三セクター鉄道会社沿線人口減少による運賃収入の伸び悩みと、開業時借入の返済負担
鉄道保守受託会社夜間作業の担い手不足による、既存社員の長時間労働の常態化
車両整備工場車両の高機能化に伴う整備難度の上昇と、熟練工の高齢化
駅業務受託会社終日シフトを組める人員の確保難と、委託費削減の板挟み

よくある失敗パターン

特定技能の受入れを検討する会社の相談を受けていると、共通してつまずくポイントが見えてきます。「赤字だから審査は無理」と最初から諦めてしまうケースと、逆に「決算書さえ出せば通るだろう」と評価書の中身を軽く見てしまうケースの、両極端に分かれがちです。

前者は受入れの機会そのものを逃し、後者は準備不足のまま提出して補正指示を受け、結果的に受入れ開始が数か月遅れます。どちらも、赤字の実態を正しく整理し、専門家の評価を早い段階で挟むことで避けられる失敗です。

育成就労制度への移行も見据えておく

技能実習制度は、2027年4月をめどに「育成就労制度」へ移行する予定です。鉄道分野は特定技能としての受入れが始まって間もない分野ですが、今後は育成就労を含めた複数のルートで人材確保を検討する会社が増えていくと見込まれます。

制度が変わっても、債務超過企業に評価書面の提出を求める基本的な考え方は引き継がれる見通しです。今のうちに決算内容を整理し、評価を受けられる状態にしておくことは、制度移行後も無駄になりません。

赤字・債務超過でも特定技能「鉄道分野」を受入れる4つのポイント

2024年度から、特定技能の対象分野に新たに「鉄道分野」が追加されました。軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員の5職種が対象で、国土交通省の方針では今後5年間で累計3,800人規模の受入れが見込まれています。

この新しい枠組みを、赤字・債務超過の状態からでも活用するために押さえるべきポイントは次の4つです。

  1. 決算書の整理と赤字要因の切り分け
  2. 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の取得
  3. 経営改善計画・収支シミュレーションの策定
  4. 提出書類一式の整合性チェック

ポイント1 決算書の整理と赤字要因の切り分け

まず直近2〜3期分の決算書を整理し、赤字が「老朽設備更新による一時的なもの」なのか、「収益構造そのものに起因する継続的なもの」なのかを切り分けます。ここが曖昧なままだと、後工程の評価書全体の説得力が下がります。

特に第三セクター鉄道会社の場合、自治体からの経営安定化基金や補助金収入が損益に与える影響が大きいため、本業の運輸収支と、補助金等を含めた最終損益を分けて説明できる状態にしておくことが第一歩になります。

ポイント2 企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の取得

直近の事業年度で債務超過がある場合、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20に該当する「改善見通しに関する評価書面」の提出が求められます。この書面を作成できるのは、中小企業診断士または公認会計士に限られ、税理士は作成できない点に注意が必要です。

評価書には、赤字・債務超過に至った経緯の分析と、今後どのような施策でどの程度の期間をかけて改善に向かうのかという見通しの両方を、客観的な立場から整理して記載します。ヒアリングを通じて現場の実情を反映させることも、説得力を高めるうえで欠かせません。

詳しい実務は特定技能・技能実習の企業評価書作成支援で解説していますので、あわせてご確認ください。

ポイント3 経営改善計画・収支シミュレーションの策定

評価書の説得力を高めるには、単年度の数字だけでなく、3〜5年先までの収支シミュレーションを添える経営改善計画が欠かせません。保守要員の確保による稼働率の回復、運賃改定や自治体からの支援金の見込みなど、数字の裏付けを一つずつ積み上げることが重要です。

この段階で管理会計の視点を取り入れ、固定費と変動費を切り分けて損益分岐点を可視化しておくと、「どこまで人件費が増えても黒字を維持できるか」という判断軸が明確になり、特定技能の受入れ人数を検討するうえでも役立ちます。

ポイント4 提出書類一式の整合性チェック

企業評価書・経営改善計画・決算書・登記事項証明書など、提出書類の内容にズレがあると、出入国在留管理庁から補正指示を受け、受入れ開始が数か月単位で遅れることがあります。全書類の数字と文言の整合性を最終確認してから提出することが、遠回りに見えて最短ルートです。

特に、評価書に記載した改善計画の数値と、実際に提出する決算書・試算表の数値が一致しているかどうかは、審査側が必ず確認するポイントです。提出直前ではなく、作成の初期段階からこの整合性を意識して進めることをおすすめします。

お断りいただいても構いません。費用は一切かかりませんので、今の決算状況だけでもお聞かせください。しつこい営業は一切いたしません。

企業評価書を通過した先に、手に入る未来

企業評価書と経営改善計画をきちんと整えて受入れを進めた会社には、抽象的な安心感ではなく、具体的な変化が現れます。ここでは3つの軸で描きます。

数字で見える変化

「いつまでに、どの水準まで黒字化するか」が改善計画の数値として明確になります。金融機関への説明も、感覚的な言葉ではなく数字で行えるようになります。

特に、固定費と変動費を切り分けた損益分岐点分析を一度行っておくと、翌年以降の運賃改定や委託費交渉の場面でも同じ数字を使い回せるため、その都度ゼロから資料を作り直す手間がなくなります。

時間で見える変化

書類の不備による差し戻しがなくなることで、受入れまでのリードタイムが短縮されます。夜間保守の現場は、一人補強されるだけでも既存社員の負担が大きく変わります。

関係性で見える変化

金融機関、出入国在留管理庁、そして沿線自治体との関係も変わります。「行き当たりばったりの会社」ではなく、「改善の道筋を示せる会社」として見られることは、今後の融資交渉や運行支援の相談にも良い影響を与えます。

現場で働く既存社員にとっても、変化は小さくありません。夜間保守の人手が一人増えるだけで、シフトの余裕が生まれ、有給休暇の取得や技能継承の時間を確保しやすくなります。人が足りないから人を増やせない、という悪循環を断ち切ることこそ、企業評価書を整える本当の意味での価値です。

保守要員の確保と、財務体質の見通し。この二つを共に手に入れましょう。

自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

ここまでの4つのポイントを読んで、「自社の総務担当だけで対応できるだろうか」と感じた方もいるはずです。実際、次の3つの壁があります。

専門性の壁:企業評価書は中小企業診断士・公認会計士のみが作成できる書類です。税理士や自社での作成は認められません。
時間コストの壁:決算分析・改善計画の策定・書類整合性の確認を並行して進めるには、専門知識と工数が必要です。
判断ミスのリスク:赤字要因の切り分けを誤ると、評価書自体の説得力が下がり、補正指示や再申請につながります。

だからこそ、地方鉄道・鉄道保守会社の受入れを検討する経営者ほど、早い段階で専門家に相談する道を選んでいます。自社の総務担当者だけで抱え込み、本来の運行・保守業務の合間に手探りで進めるより、専門家に任せられる部分は任せてしまう方が、結果的に受入れまでの時間も短くなります。

KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・MBA(経営管理修士)である代表 松本昌史のもと、決算分析から企業評価書の作成、経営改善計画の策定までを一気通貫で支援しています。売上を伸ばす提案だけでなく、利益が残る構造そのものへの転換を、管理会計を活用しながら伴走する点が特徴です。

具体的には、次のような支援を一つの窓口で行っています。

  • 決算書・試算表を用いた赤字要因の分析と整理
  • 中小企業診断士による企業評価書(改善見通しに関する評価書面)の作成
  • 金融機関にも説明できる経営改善計画・収支シミュレーションの策定
  • 提出書類一式の整合性確認と、OTIT・出入国在留管理庁とのやり取りの伴走

法人支援150社以上の実績の中には、鉄道関連事業者と業態の近い、インフラ系・許認可事業者への支援も含まれます。「うちのような特殊な業態でも対応してもらえるのか」という不安を持つ経営者ほど、まずは一度話を聞いてみることをおすすめします。

ご相談から評価書の受領までの流れ

  1. 無料相談で、決算状況と受入れたい職種・人数をヒアリング
  2. 決算書・試算表をもとに、赤字要因を診断士が分析
  3. オンラインヒアリングで現場の実情や改善の見込みを確認
  4. 企業評価書・経営改善計画を作成し、内容をすり合わせ
  5. 提出書類一式の整合性を確認し、納品

難しい専門用語を覚えていただく必要はありません。決算書とヒアリングだけで進められるように設計していますので、日々の運行・保守業務を止めずに並行して準備を進められます。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場での契約や、しつこい営業もありません。1社ごとに時間をかけて向き合うため、月あたりのご相談数には限りがあります。

よくある質問

Q. 企業評価書とは、そもそも何ですか?

A. 直近の事業年度で債務超過がある企業が、外国人材の受入れ審査で提出を求められる書類です。中小企業診断士または公認会計士が、決算内容と今後の改善見通しを客観的に評価して作成します。

Q. 赤字ですが、特定技能「鉄道分野」の受入れはできますか?

A. 単なる赤字であれば、直ちに受入れが不可能になるわけではありません。債務超過に該当する場合に企業評価書の提出が必要になる、という位置づけです。まずは決算状況を確認することから始まります。

Q. 企業評価書は誰に依頼すればよいですか?

A. 中小企業診断士または公認会計士に限られます。顧問税理士に依頼できると誤解されがちですが、税理士は作成する権限を持ちません。

Q. 企業評価書は自社で作成できませんか?

A. 制度上、自社作成は認められていません。客観的な第三者評価であることが前提のため、資格を持つ専門家への依頼が必須です。

Q. 特定技能「鉄道分野」では、どのような職種の受入れが可能ですか?

A. 軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員(運転士・車掌等)の5職種です。国土交通省の方針では、今後5年間で累計3,800人規模の受入れが想定されています。

Q. 企業評価書の作成にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 決算書の内容やヒアリングの進み具合によって前後しますが、決算書一式とオンラインヒアリングをもとに、短期間での納品を前提に進めるのが一般的です。詳細な期間は個別の状況により異なるため、まずはご相談ください。

Q. 第三セクター鉄道は本当に赤字が多いのですか?

A. 東京商工リサーチの調査によれば、輸送人員が増加した第三セクター鉄道の多くで、依然として経常赤字が続いている実態が指摘されています。地方鉄道特有の構造的な課題です。

Q. 経営改善計画は誰が作りますか?

A. 企業評価書と同様に、中小企業診断士が決算内容の分析から収支シミュレーションの策定までを支援します。金融機関への説明資料としても活用できます。

Q. 自治体からの補助金や交付金が多い会社でも評価書は作成できますか?

A. 作成できます。自治体からの経営安定化基金や交付金がある場合は、本業の運輸収支と合わせて実態を整理し、評価書の中で正確に説明します。収入の内訳が複雑なほど、専門家による整理の価値が高まります。

Q. 駅業務受託会社や車両整備工場でも、同じように受入れできますか?

A. 可能です。特定技能「鉄道分野」は軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員の5職種を対象としており、鉄道会社本体だけでなく、保守や整備を受託する会社も対象になり得ます。決算状況に応じて評価書の要否を確認することが最初の一歩です。

Q. 相談すると、必ず契約しなければなりませんか?

A. その必要はありません。まずは現状をお聞きし、受入れに向けて何が必要かを整理するところから始めます。ご契約の判断はその後で構いません。

まとめ

地方鉄道・鉄道保守会社の赤字は、夜間・重労働という作業特性、運賃収入の伸び悩み、老朽設備の更新負担という3つの構造から生まれています。経営努力だけでは解決しきれない部分があるからこそ、数字で説明できる形に整えることが受入れの近道になります。

2024年に新設された特定技能「鉄道分野」は、まさにこうした保守要員不足に悩む会社のためにできた枠組みです。決算書の整理、企業評価書の取得、経営改善計画の策定、提出書類の整合性チェックという4つのポイントを押さえれば、赤字・債務超過という状態からでも、受入れへの道は十分に開けます。

一人で抱え込まず、まずは現状の決算状況をお聞かせください。保守要員の確保と、財務体質の立て直しを、共に進めていきましょう。

「赤字だから難しい」と結論を急ぐ前に、まずは現状を整理してみることが、最初の一歩になります。

ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業は一切ありません。お断りいただいて構いません。

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