
「小麦粉が、また値上がりした。」「オーブンの電気代だけで月50万円を超えた。」パン製造業を営む経営者・製造部長の多くが、いま同じ悩みを抱えています。原材料費と光熱費が同時に高騰し、値上げが追いつかない。気づけば決算書は赤字続きで、純資産がマイナスの債務超過に転落していた——そんな状況ではないでしょうか。
この記事はこんな方におすすめです。
- 小麦粉・バター高騰で利益が残らない製パン業の社長
- 赤字決算で特定技能の受入れ審査が不安な製造部長
- 企業評価書を誰に頼めばよいか分からない総務担当
- 外国人材の受入れを急ぎたいが自社では対応しきれない方
結論から言うと、パン製造業が赤字や債務超過であっても、中小企業診断士が作成する客観的な「改善見通しに関する評価書面(企業評価書)」があれば、特定技能(育成就労)の受入れ審査を通過できる可能性は十分にあります。大切なのは、決算書の数字だけでなく、赤字に至った理由と今後の改善計画を、第三者の目で筋道立てて説明することです。KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、認定経営革新等支援機関として150社以上の中小企業を支援してきた実績を持ち、パン・菓子製造を含む飲食料品製造業の企業評価書作成にも対応しています。
この記事で分かること
- パン製造業が赤字・債務超過に陥る本当の原因
- 放置した場合に特定技能の審査で起きること
- 赤字を乗り越えて受入れ審査を通す3つのステップ
- 企業評価書を中小企業診断士に依頼する具体的な流れ
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
パン製造業が赤字・債務超過に陥る構造と、放置したときに起きること

パン製造業の赤字は、決して経営努力が足りないから起きるわけではありません。構造的な要因が重なった結果であるケースがほとんどです。まずは、その本質を整理します。
原因1 原材料費の高騰と価格転嫁の遅れ
農林水産省は、輸入小麦の政府売渡価格を継続的に見直しており、直近の改定でも引き上げが実施されました。小麦粉に加え、バター・卵・砂糖・包装資材まで幅広く値上がりしているのが実情です。一方で、取引先や卸先との価格交渉には時間がかかり、値上げが原価上昇に追いつかないパン製造業者が少なくありません。
特にスーパーやコンビニ、ホテル・飲食店への卸売比率が高い企業ほど、価格改定のタイミングが取引先の都合に左右されやすく、原材料が値上がりしてから実際に販売価格へ反映されるまでに数か月のタイムラグが生じます。この間、原価率は上がり続けるのに売上単価は据え置かれるため、月次の粗利が目減りし続けるという構造に陥ります。
原因2 電気代・ガス代の高騰による製造コストの圧迫
パン製造は、オーブンやミキサー、発酵室(ホイロ)など電力を多く使う工程が中心です。日本銀行が公表する企業物価指数でもエネルギー価格の高止まりが示されており、24時間稼働に近い製造ラインを持つ工場ほど、光熱費の影響を強く受けます。売上が横ばいでも、光熱費だけで利益が数百万円単位で目減りするというケースも珍しくありません。
厨房設備は一度導入すると数年単位で使い続けるため、電気代が上がったからといってすぐに省エネ機器へ切り替えられるわけではありません。結果として、固定費に近い性質を持つ光熱費が経営を圧迫し続け、単月の努力だけでは解消しきれない状態が続きます。
原因3 人手不足による生産性低下と設備投資負担
早朝からの仕込み・製造という労働環境から、パン製造業は人手不足の影響を特に受けやすい業種です。人員が確保できず生産量を落とさざるを得なかったり、省人化のための設備投資が先行して減価償却負担が重くなったりすることで、一時的に赤字や債務超過に陥る企業が出てきています。
人手不足を補うために求人広告費やパート・アルバイトの時給を引き上げれば、人件費そのものも上昇します。生産量を確保できないまま固定費だけが増えていくため、決算書の数字だけを見ると「業績が悪化している会社」に映りやすく、これが特定技能の受入れ審査で不利に働くのではないか、という不安につながっています。
ここで押さえておきたいのが、「一時的な赤字」と「構造的な債務超過」は、審査における説明の仕方が異なるという点です。設備投資による一時的な赤字であれば、投資の内容と回収計画を示せば足りることもあります。一方、複数期にわたって赤字が続き純資産がマイナスになっている場合は、より丁寧に改善見通しを説明する必要があります。自社がどちらの状態にあるかを正しく見極めることが、企業評価書づくりの出発点になります。
| 放置した場合の悪化シナリオ | 起きること |
|---|---|
| 赤字を理由書だけで説明しようとする | 審査官に「改善の裏付けがない」と判断されやすい |
| 企業評価書の準備が受入れ直前になる | 作成期間が足りず、外国人材の受入れ時期そのものが遅れる |
| 債務超過を隠すように決算書を提出する | かえって信用を損ない、次回以降の審査にも悪影響が出る |
ここで注意したいのは、赤字や債務超過そのものが即座に「受入れ不可」を意味するわけではない、という点です。審査で問われるのは、赤字の状態そのものよりも、その理由を説明できるか、そして今後改善に向かう道筋を描けているか、という部分です。決算書の数字だけを見て自社での受入れを諦めてしまう経営者も少なくありませんが、それは早計だといえます。
要するに、パン製造業の赤字は原材料・光熱費・人手不足という外部環境の変化が重なった結果であり、正しく説明すれば審査官にも十分に理解してもらえる性質のものです。次章では、その具体的な進め方を解説します。
赤字を乗り越えて受入れ審査を通す3つのステップ

結論として、パン製造業が特定技能の受入れ審査を通すには、次の3つのステップを順番に踏むことが重要です。抽象的な精神論ではなく、実務レベルの手順として押さえてください。
ステップ1 赤字の原因を数値で分解する
決算書の赤字要因を、原材料費・光熱費・人件費・減価償却費などの項目ごとに分解します。「なんとなく苦しい」ではなく、「小麦粉価格の上昇で原価率が何ポイント上がったか」を数値で示すことが、次のステップの説得力を決めます。
この段階では、月次試算表を数期分並べて比較すると、どの費目がどの時期から増え始めたのかが見えてきます。経理担当者だけで判断が難しい場合は、早い段階から専門家に相談し、数値の読み解き方から一緒に整理してもらうことをおすすめします。
ステップ2 3〜5年の改善計画を具体的に描く
値上げ交渉のスケジュール、省エネ設備への切り替え、生産ラインの見直しなど、実行可能な改善施策を時間軸に沿って整理します。「がんばります」ではなく「いつ、何を、どれだけ改善するか」まで落とし込むことが、審査官が納得する改善計画の条件です。
例えば「翌期は主要卸先3社と価格改定交渉を行い、原価率を2ポイント改善する」「2年以内に高効率オーブンへ更新し、光熱費を月10万円圧縮する」といった形で、数値目標と時期をセットにして書き出します。抽象的な目標より、具体的な数字の方が審査官にも自社の従業員にも伝わりやすくなります。
ステップ3 中小企業診断士に企業評価書の作成を依頼する
ステップ1・2で整理した内容をもとに、中小企業診断士が第三者の立場から企業評価書を作成します。自社の説明だけでは主観的になりがちな内容も、公的資格者による客観的な評価が加わることで、審査における信頼性が大きく高まります。企業評価書の作成は、企業評価書作成サービスで相談することができます。
企業評価書には、赤字・債務超過に至った原因の分析、業界の環境変化、3〜5年の改善シナリオ、資本構成の状況、作成者である中小企業診断士の署名と根拠が盛り込まれます。自社だけで一から書式を整えるよりも、専門家に依頼したほうが結果的に準備期間を短縮できるケースがほとんどです。
| ステップ | 主な内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 赤字原因の数値分解 | 1〜2週間 |
| ステップ2 | 3〜5年の改善計画の策定 | 2〜3週間 |
| ステップ3 | 企業評価書の作成依頼 | 数週間程度 |
その場でのご契約や、しつこい営業は一切ありません。お断りいただいても費用は一切かかりません。まずは決算書の状況だけでもお聞かせください。
3つのステップの先に手に入る未来

企業評価書を整え、審査を通過した先には、抽象的な安心感ではなく、具体的な変化が待っています。
1 人手不足の解消による生産体制の安定
早朝勤務・重労働という製パン現場の課題に、特定技能人材が加わることで、既存従業員の負担が分散されます。生産量を落とさずに受注に応えられる体制が整います。欠員が出るたびに生産計画を組み直す、という綱渡りの状態から抜け出せることは、現場の疲弊を防ぐうえでも大きな意味を持ちます。
2 利益体質への転換に向けた時間の確保
人手不足の穴埋めに経営者自身が製造ラインに入る、という状態から抜け出せれば、値上げ交渉や新商品開発など、利益に直結する業務に時間を割けるようになります。現場を回すことに追われて経営を考える時間が取れないという悩みは、多くのパン製造業に共通しますが、体制が安定すれば、原価管理や取引先との条件交渉にも腰を据えて取り組めるようになります。
3 金融機関・取引先からの信頼関係の強化
企業評価書の作成過程で財務内容を整理すること自体が、金融機関への説明力を高めます。「赤字の理由と改善計画を筋道立てて話せる経営者」という印象は、今後の取引や融資交渉にも良い影響を与えます。決算書の数字を他人事のように扱う経営者と、原因と対策を自分の言葉で語れる経営者とでは、金融機関の見る目が大きく変わります。
これら3つの変化は、どれも一朝一夕には得られません。しかし、赤字の原因を数値で整理し、改善計画を描き、企業評価書という形にまとめる一連のプロセスそのものが、経営体質を強くする機会にもなります。
人手不足の解消、利益体質への転換、金融機関との信頼関係——この3つを共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

企業評価書の作成には、専門性の壁があります。決算書の数字を並べるだけでは、審査官が求める「改善の裏付け」にはなりません。財務分析の知識に加え、特定技能・育成就労制度の審査基準を理解したうえで書面をまとめる必要があるため、自社の経理担当者だけで完結させるのは現実的に難しいのが実情です。
時間的な制約も見過ごせません。決算対応や日々の製造業務と並行して企業評価書を準備しようとすると、受入れ予定時期に間に合わないおそれがあります。だからこそ、専門家に任せる経営者が増えています。
判断ミスのリスクも無視できません。改善計画の数値が甘すぎれば審査官の信頼を得られず、逆に厳しすぎる計画を掲げてしまえば、翌期以降の実績が計画未達となり、次回の更新審査でかえって不利になることもあります。実現可能な範囲で説得力のある計画を立てるには、財務分析の経験を持つ専門家の視点が欠かせません。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、代表・松本昌史が中小企業診断士として、製造業を中心に150社以上の財務改善・企業評価書作成を支援してきました。パン製造業を含む飲食料品製造業の実情を踏まえたうえで、赤字の原因整理から改善計画の策定、企業評価書の作成まで一気通貫でサポートします。
単に書類を整えるだけの対応ではなく、管理会計の視点から原価構造や資金繰りを見える化し、利益が残る構造へ転換することを重視しているのが特徴です。企業評価書の提出はゴールではなく、経営改善の入り口にすぎません。特定技能・育成就労の受入れ審査を通過した先も見据えて、継続的に伴走する体制を整えています。
「決算書を見せるのが不安」「何から準備すればよいか分からない」という段階でも構いません。まずは現状の決算内容と、受入れを検討している時期を教えていただければ、必要な準備期間や進め方を一緒に整理します。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。「1社ごとに時間をかけて丁寧に対応する」ため、月あたりのご相談枠には限りがあります。
よくある質問

Q. 企業評価書とは何ですか?
A. 中小企業診断士や公認会計士など公的資格を持つ第三者が、企業の現状・赤字や債務超過に至った原因・今後の改善見通しを客観的にまとめた書面です。特定技能(育成就労)の申請書類のうち、経済的基礎を示す別紙②-1・番号20にあたります。
Q. パン製造業も特定技能の受入れ対象になりますか?
A. パン・菓子製造を含む飲食料品製造業は、特定技能の受入れ対象分野です。製造・加工および安全衛生の確保に関する業務が対象になります。
Q. 赤字と債務超過は同じ意味ですか?
A. 異なります。赤字は単年度の損益がマイナスの状態、債務超過は純資産そのものがマイナスの状態です。債務超過の方が審査での説明の重要度は高くなりますが、いずれも企業評価書で改善見通しを示すことで対応できます。
Q. 企業評価書は誰に頼めばよいですか?
A. 特定技能の場合は中小企業診断士・公認会計士・税理士が作成できます。技能実習・育成就労の場合は中小企業診断士または公認会計士に限られます。財務分析と審査基準の両方に詳しい専門家に依頼するのが安心です。
Q. 企業評価書の作成にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 決算内容の整理状況によって前後しますが、一般的には決算書や試算表など必要書類が揃ってから数週間程度を見込んでおくと安心です。受入れ予定時期から逆算して、早めに相談することをおすすめします。
Q. 小麦粉や電気代の値上がりは、赤字の理由として認められますか?
A. 原材料費・光熱費の高騰は多くの製造業に共通する外部環境の変化であり、審査において説明可能な要因です。重要なのは、値上がりの事実だけでなく「今後どう対応していくか」という改善計画をあわせて示すことです。
Q. 決算書を専門家に見せるのは不安です。何を伝えればよいですか?
A. 直近2〜3期分の決算書や試算表があれば、初回相談は十分に進められます。細かい資料は後から順番にそろえていく形で問題ありません。
Q. まだ受入れを決めていませんが、相談してもよいですか?
A. 問題ありません。受入れを検討している段階でも、自社の財務状況が審査に通るレベルかどうかを確認しておくことは有効です。早めの相談が、後の準備期間の余裕につながります。
Q. 技能実習と特定技能で、企業評価書の扱いは違いますか?
A. どちらも赤字・債務超過の状態では改善見通しを示す書面の提出を求められる点は共通しています。ただし作成できる専門家の範囲や書式の細部が異なるため、どちらの在留資格を想定しているかを最初に整理しておくと、準備がスムーズになります。
Q. 企業評価書があれば、必ず審査を通過できますか?
A. 企業評価書は審査を有利に進めるための重要な材料ですが、内容の正確性や改善計画の実現可能性が伴っていることが前提です。架空の数値や根拠のない見通しでは、かえって信頼を損ないます。実態に即した内容を、専門家とともに丁寧に作り込むことが通過の近道です。
Q. 小規模なパン工場でも企業評価書を依頼できますか?
A. 従業員数や年商の規模にかかわらず、赤字・債務超過の状態で特定技能や技能実習の受入れを検討している企業であれば、企業評価書の対象になります。規模が小さいからといって断られることはありませんので、まずは相談してみることをおすすめします。
まとめ
小麦粉や電気代の高騰は、パン製造業にとって避けようのない外部環境の変化です。しかし、その事実を正しく整理し、中小企業診断士による企業評価書という形で説明できれば、赤字や債務超過であっても特定技能(育成就労)の受入れ審査を通過することは十分に可能です。大切なのは「赤字を隠すこと」ではなく「赤字の理由と改善計画を筋道立てて示すこと」です。
原因を数値で分解し、改善計画を具体的に描き、専門家の力を借りる。この3つのステップを踏んだ先に、人手不足の解消と利益体質への転換が待っています。値上げも光熱費の高騰も、パン製造業だけがさらされている特別な逆風ではありません。同じ状況にある企業の多くが、企業評価書という形で赤字の理由と改善の道筋を示し、審査を通過しています。
「うちの決算は説明できるレベルではない」と諦めてしまう前に、まずは現状を専門家に見せることから始めてみてください。数字を整理し、言葉にして伝えるだけで、これまで見えていなかった改善の糸口が見つかることも少なくありません。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
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