そろそろ息子に社長を譲ろうと考えている。長年働いてきた区切りとして、自分の退職金の話も出てきた。
けれど、いくらが妥当なのか分からない。そもそも、会社の現金がそれだけ出ていって大丈夫なのか。
そんな不安を抱えていないでしょうか。
結論から申し上げます。役員退職金でつまずく会社の多くは、金額ではなく「支給のしかた」で資金繰りを痛めています。
金額の妥当性は、税理士とともに検討すべき論点です。一方で、いつ・どういう形で払うかは、経営の設計そのものです。
ここを詰めないまま支給すると、後継者が引き継いだ翌期に手元資金が細ります。
- 親族へ会社を譲る予定の社長の方
- 自分の退職金の決め方に迷う方
- 支給後の資金繰りが不安な方
- 引き継ぐ側で手元資金が心配な方
- 社内に規程が無いままの会社の方
- 役員退職金の支給が承継後の運転資金を細らせる仕組みと、放置したときに起きること
- 適正額を考えるときの土台になる功績倍率法という考え方と、判断を誰に委ねるべきか
- 役員退職慰労金規程の整備から株主総会の決議へ進む、正しい手続きの順序
- 一時金と分割の違い、支給の時期を業績と資金繰りにどう合わせるか
- 承継後の運転資金への影響を、支給前にどう見積もるか
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、法人支援150社以上の実績で承継の全体設計に伴走してきました。
読み終えるころには、退職金の話を「金額の話」から「会社を守る設計の話」へ切り替えられます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。まずは現状をお聞かせください。
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役員退職金の金額だけを先に決めると、承継後の運転資金が細る

この記事が前提にするのは、親族内承継です。子や親族へ会社を引き継ぐ場面を想定しています。
結論を先に書きます。役員退職金で会社が傷むのは、金額が大きいからではありません。
現金が出ていくタイミングと、会社が現金を必要とするタイミングが重なるからです。
役員退職金とは、役員の在任期間に対して会社が支払う対価のこと
役員退職金とは、役員を退任する人に対して、その在任期間の職務に報いるために会社が支払う金銭のことです。役員退職慰労金とも呼ばれます。
従業員の退職金とは決め方が違います。従業員は就業規則や退職金規程にもとづいて計算されます。
一方で役員は、会社法上、報酬や退職慰労金を定款または株主総会の決議で定めることとされています。ここが最初の分かれ道です。
「長年の労に報いたい」という気持ちだけで進んでしまう
多くの会社で、退職金の話は数字から始まりません。「これだけ苦労したのだから、これくらいは」という気持ちから始まります。
その気持ちは自然なものです。創業から数十年、資金繰りに眠れない夜もあったはずです。
ただ、会社の口座から出ていく現金は、気持ちとは関係なく減ります。ここを切り分けて考える必要があります。
支給の翌期に何が起きるか
役員退職金を一度に支給すると、その期の損益と資金繰りは大きく動きます。
会計上は費用が立ち、利益が圧縮されます。決算書の数字だけを見れば「利益が減った会社」に見えます。
この見え方が、承継直後の会社にとって重い意味を持ちます。金融機関は決算書を見て、翌期の融資姿勢を決めるからです。
後継者が最初に直面するのは「現金の薄さ」
親族内承継では、先代が退いた直後の期がいちばん難しくなります。
後継者は、取引先との関係も、金融機関との関係も、まだ自分の名前で築いていません。そこへ手元資金が薄い状態が重なります。
仕入や外注費の支払いは、社長が代わっても待ってくれません。従業員の給与も同じです。
つまり、退職金の支給は先代の問題であると同時に、後継者の初年度の経営体力の問題でもあります。
放置したときに起きる3つのこと
- 手元資金が薄くなり、後継者が守りの経営から入らざるを得なくなる
- 決算書の見え方が悪化し、承継直後の資金調達がしにくくなる
- 金額の根拠が社内に残らず、株主や他の親族から説明を求められる
3つ目は見落とされがちです。親族内承継では、株主に他の兄弟姉妹が入っていることがあります。
根拠のない金額は、後から「多すぎたのではないか」という声を招きます。手続きと根拠を残しておけば、この種のわだかまりは防げます。
先に決めるべきは金額ではなく「会社が耐えられる出し方」
順序を逆にするだけで、見える景色が変わります。
「いくら払うか」から入ると、資金繰りは後回しになります。「どういう出し方なら会社が耐えられるか」から入ると、金額の議論が現実的になります。
次の章では、その順序で考えるための4つの視点を整理します。
役員退職金の適正額と支給を設計する4つの考え方

結論を先に書きます。役員退職金の設計は、次の4つを順番に検討します。
- 適正額の土台になる考え方を知る(功績倍率法)
- 役員退職慰労金規程を整え、株主総会の決議へ進む
- 一時金か分割か、支給の時期を業績と資金繰りに合わせる
- 承継後の運転資金への影響を、支給前に見積もる
この順番には意味があります。金額の目安を持たないまま手続きに進むと、決議の内容が固まりません。
逆に、手続きを整えないまま金額だけを決めると、根拠が社内に残りません。
考え方1 適正額の土台になる功績倍率法を知る
功績倍率法とは、退任する役員の最終報酬月額、役員としての在任年数、功績倍率という3つの要素を掛け合わせて、役員退職金の目安を求める考え方のことです。
実務で広く使われている考え方であり、税務の場面でも金額の妥当性を検討する際の一つの手がかりとされています。
ここで大切なのは、この記事では具体的な倍率も金額の相場も示さない、という点です。
理由は明確です。適正額の判断は、会社の規模、業種、その役員が実際に果たしてきた役割によって変わるからです。
そして何より、金額が適正かどうかの判断、損金算入の可否、税額の計算は、いずれも税理士の領域です。
経営者がやるべきなのは、金額を自分で決め切ることではありません。「何を材料に決めるのか」を理解したうえで、税理士に相談できる状態を作ることです。
考え方2 規程を整えてから株主総会の決議へ進む
手続きには正しい順序があります。役員退職慰労金規程の整備が先、株主総会の決議が後です。
役員退職慰労金規程とは、役員退職金の算定方法や支給の条件、支給の時期などをあらかじめ社内で定めた社内規程のことです。
規程が無くても支給はできます。ただ、規程が無いと、毎回ゼロから金額の根拠を作ることになります。
親族内承継の場面では、この「根拠が残っていない」状態が後々の火種になります。
| 順序 | やること | 残すもの |
|---|---|---|
| 1 | 役員退職慰労金規程を整備する(無ければ作る、古ければ見直す) | 規程の本文と、制定・改定の記録 |
| 2 | 規程にもとづいて支給額の案を組み立て、税理士に相談する | 算定の考え方をまとめた資料 |
| 3 | 株主総会を招集し、退職慰労金の支給について決議する | 招集通知と株主総会議事録 |
| 4 | 決議にもとづいて支給し、会計処理を行う | 支給の記録と、経理の証憑 |
会社法では、役員の報酬や退職慰労金は、定款に定めがなければ株主総会の決議で定めることとされています。
ここを飛ばして支給してしまうと、手続き上の瑕疵が残ります。議事録が無い支給は、後から根拠を示せません。
逆に言えば、規程と議事録さえ整っていれば、説明できる支給になります。
承継全体の設計を専門家と一緒に組み立てたい場合は、役員退職金まで含めた事業承継コンサルティングという選択肢もあります。
考え方3 一時金か分割か、支給の時期を業績と資金繰りに合わせる
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
役員退職金の支給の形は、大きく分けて一時金と分割の2つがあります。それぞれに向き不向きがあります。
| 支給の形 | 会社側から見た特徴 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 一時金として一度に支給する | 手続きが一度で終わり、区切りが明確になる | その期に現金が大きく出ていく。資金繰りへの影響が集中する |
| 複数期に分けて支給する | 現金の流出を平準化でき、手元資金を保ちやすい | 分割の合理的な理由と手続きが必要。税務上の取扱いは事前に税理士へ確認する |
どちらが良いかは、会社の状況で変わります。決め手になるのは、次の3点です。
- 支給する期の業績見通し(受注の波、大口案件の有無)
- 支給する期の資金繰り(納税、賞与、大きな支払いの時期)
- 承継後に必要な設備投資や採用の予定
たとえば、繁忙期の直前に大きな現金が出ていくと、仕入や外注の支払いが窮屈になります。
反対に、業績が落ち着いている期に合わせれば、同じ金額でも会社への衝撃はやわらぎます。
なお、支給の原資として法人保険を使っている会社もあります。
この場合、解約や保険金の受取の時期と、退職金の支給時期をどう合わせるかが論点になります。
法人保険の保険料の取扱いは、2019年(令和元年)の法人税基本通達の改正により、最高解約返戻率に応じて区分されるようになりました。「保険料は全額を費用にできる」と一般化して考えるのは避けてください。
契約した時期によっても扱いが分かれます。手元の契約がどの扱いになるかは、証券と設計書を見ながら確認する必要があります。
考え方4 承継後の運転資金への影響を支給前に見積もる
4つ目が、最も見落とされる視点です。
運転資金とは、日々の事業を回すために必要な現金のことです。売掛金の回収と、仕入や外注費、人件費の支払いのずれを埋めるお金と考えると分かりやすくなります。
役員退職金を支給すると、この運転資金の余力が直接減ります。
見積もりの手順は難しくありません。次の順に洗い出します。
- 直近12か月の月別の入金と出金を並べ、いちばん現金が薄くなる月を特定する
- その薄い月に、退職金の支給額を差し引いてみる
- 差し引いた後でも、賞与・納税・大口の支払いに耐えられるかを確認する
- 耐えられないなら、支給の時期をずらすか、分割を検討する
この4ステップを紙の上でやるだけで、無理のある支給計画はほとんど見つかります。
後継者にとっても、この作業には別の意味があります。会社の現金の流れを自分の手で追う、最初の実務になるからです。
先代と後継者が同じ数字を見ながら決めた退職金は、承継後にわだかまりを残しません。
ここまでの4つを整理してから金額の話に戻ると、議論が具体的になります。「払えるか」ではなく「いつ、どう払うか」の話になるからです。
この4つを自社だけで組み立てるのは、決して簡単ではありません。売り込みや契約を迫ることはありませんので、まずは資金繰りの現状だけでもお聞かせください。
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役員退職金の設計が整うと、事業承継はここまで変わる

結論から書きます。役員退職金の設計が整うと、承継の景色は3つの軸で変わります。
会社の資金、家族の関係、そして後継者の自信です。順に見ていきます。
1つ目の軸 承継後も手元資金が途切れない
支給の時期と形を資金繰りに合わせておくと、承継直後の運転資金が守られます。
後継者は、現金の心配をしながら経営を始めずに済みます。仕入も、採用も、必要な判断を必要なときにできます。
金融機関との関係も変わります。退職金支給の理由と時期を事前に説明しておけば、決算書の一時的な変動を正しく理解してもらいやすくなります。
数字が動く理由を先に伝えている会社は、金融機関から信頼を得やすくなります。
2つ目の軸 家族の間に説明できる根拠が残る
親族内承継では、会社の話がそのまま家族の話になります。
役員退職慰労金規程があり、株主総会の議事録があり、算定の考え方が資料として残っている。この状態が、家族の関係を守ります。
後になって「なぜあの金額だったのか」と問われても、書類が答えてくれます。
先代が説明のために何度も同じ話をする必要もなくなります。感情の対立に発展する前に、事実で整理できるからです。
3つ目の軸 後継者が数字で会社を語れるようになる
退職金の設計は、後継者にとって最良の学びの機会になります。
資金繰り表を作り、いちばん薄い月を探し、そこに支給額を当ててみる。この作業を通じて、会社の現金の流れが体で分かります。
先代の在任年数や果たしてきた役割を整理する過程で、会社の歴史そのものにも触れます。
数字と歴史の両方を語れる後継者は、従業員からも取引先からも信頼されます。
役員退職金を、会社を弱らせる支出ではなく、次の代へ渡すための区切りにする。そんな事業承継を共に手に入れましょう。
自社だけで役員退職金を設計する限界と、KICKの支援

結論を先に書きます。自社だけで進めると、論点が「金額」と「税務」の2つに寄ってしまいがちです。
実際には、そこに資金繰り、手続き、家族の合意という3つが絡みます。この5つを同時に見るのが難しいのです。
相談先ごとに見えている範囲が違う
それぞれの専門家が、それぞれの領域で正しい仕事をしています。ただ、見ている範囲が違います。
| 相談先 | 得意な領域 |
|---|---|
| 税理士 | 金額の妥当性の判断、損金算入の可否、税額の計算、申告 |
| 司法書士 | 役員変更などの登記手続き |
| 弁護士 | 法律上の判断、株主間の紛争への対応 |
| 金融機関 | 融資と返済の条件、資金調達の相談 |
| KICK(中小企業診断士・事業承継士) | 承継全体の設計と伴走、資金繰りへの影響の見立て、法人保険の再設計 |
問題は、専門家同士が自然につながる仕組みが無いことです。
税理士は税務の問いに答えます。金融機関は融資の話をします。それぞれが正しいのに、全体の絵を描く人がいません。
結果として、話が噛み合わないまま時間だけが過ぎていきます。
KICKがやること、やらないこと
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・事業承継士として、承継全体の設計に伴走します。認定経営革新等支援機関でもあります。
具体的には、次のことをお手伝いします。
- 役員退職金の支給が資金繰りに与える影響の見立て
- 役員退職慰労金規程の考え方と、手続きの順序の整理
- 株主総会の決議までに揃えておく資料の洗い出し
- 承継後の運転資金の見通しづくりと、後継者への引き継ぎ
- 事業承継専属の保険代理店として、法人保険の役割の再設計
一方で、やらないことも明確にしています。
個別の税務判断、税額の計算、税務申告は行いません。これらは税理士の領域です。登記は司法書士、法律判断は弁護士へおつなぎします。
顧問税理士がいらっしゃる場合は、その関係を大切にしたまま進めます。専門家を入れ替えることが目的ではありません。
保険については「守るための再設計」から入る
退職金の原資として法人保険を活用している会社は少なくありません。
KICKは事業承継専属の保険代理店でもありますが、新しい契約を勧めるところからは始めません。
まず、いま入っている契約の目的、被保険者、受取人、保障額、財務への影響を洗い出します。そのうえで、承継のどの場面でどう役立つのかを整理します。
削ることが目的ではありません。削りすぎれば、万一のときに事業や家族の生活を守れなくなります。
いまの目的と契約の中身が合っているか。それを点検する価値がある、という温度でお話しします。
初回のご相談は無料で、その場で何かを決めていただく必要もありません。資料が揃っていなくても構いません。何から手をつけるべきかだけでも、お持ち帰りいただけます。
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役員退職金と事業承継のよくある質問

Q. 役員退職金はいくらが適正ですか
A. 金額の適正さは、会社の規模、業種、その役員が果たしてきた役割によって変わります。一律の相場はありません。
実務では、最終報酬月額・在任年数・功績倍率を組み合わせる功績倍率法という考え方が土台として使われます。
ただし、その金額が適正かどうかの判断は税理士の領域です。まずは自社の資金繰りで無理のない範囲を把握し、そのうえで税理士に相談してください。
Q. 役員退職慰労金規程が無くても支給できますか
A. 規程が無くても支給は可能です。ただ、金額の根拠を毎回ゼロから作ることになります。
規程があると、算定の考え方が社内に残ります。親族内承継では、この記録が家族への説明を支えます。
これから支給を検討するのであれば、規程の整備から着手することをお勧めします。整備には時間がかかるため、早めに動くほど選択肢が広がります。
Q. 株主総会の決議はいつ行えばよいですか
A. 支給の前に行います。決議のない支給は、後から根拠を示せません。
会社法では、役員の報酬や退職慰労金は、定款に定めがなければ株主総会の決議で定めることとされています。
定時株主総会に合わせるのか、臨時に開くのかは、退任の時期によります。退任の予定が見えた時点で、決議のタイミングを逆算しておきましょう。
Q. 一時金と分割では、どちらが会社に有利ですか
A. 一概には言えません。判断の材料になるのは、その期の業績見通しと資金繰りです。
現金の流出を平準化したいなら分割に利点があります。手続きを一度で終わらせたいなら一時金に利点があります。
ただし、分割の税務上の取扱いは会社の事情によって変わります。実行前に税理士へ確認してください。
Q. 支給すると銀行の評価は下がりますか
A. 決算書の数字だけを見れば、利益が圧縮されて見えます。ただ、理由を説明できれば受け止め方は変わります。
大切なのは、支給の前に金融機関へ話を通しておくことです。事後に説明するより、事前に共有するほうが理解を得やすくなります。
退職金という一時的な要因であること、承継後の事業計画がどうなっているかをあわせて伝えましょう。
Q. 承継後の運転資金は、どのくらい残しておけばよいですか
A. 金額を一律に決めることはできませんが、考え方はあります。月々の支払いの何か月分に耐えられるかで見ます。
直近12か月の入出金を月別に並べ、いちばん現金が薄くなる月を特定してください。そこに支給額を差し引いてみます。
差し引いた後でも、賞与や納税、大口の支払いに耐えられるか。ここが最初の判断基準になります。
Q. 退職金の原資に法人保険を使っても大丈夫ですか
A. 原資の準備として活用している会社はあります。ただ、契約の内容によって取扱いが変わります。
2019年(令和元年)の法人税基本通達の改正により、法人向けの定期保険等の保険料は、最高解約返戻率に応じて損金算入の扱いが区分されるようになりました。
「保険料は全額を費用にできる」と一般化することはできません。契約した時期によっても扱いが分かれるため、証券を手元に置いて税理士とともに確認してください。
Q. 退職後も会社に関わりたいのですが、退職金は支給できますか
A. 実質的に退任したと言えるかどうかが論点になります。名目だけの退任では、税務上の扱いが問題になることがあります。
役職、報酬の水準、経営への関与の度合いなど、実態で判断されます。相談役や顧問として残る場合は特に注意が必要です。
関わり方を決める前に、税理士に相談しておくと安全です。順序を間違えると、後から修正するのが難しくなります。
Q. 準備はいつから始めればよいですか
A. 退任の予定が見えた時点、できればその2年から3年前が目安です。
規程の整備、資金繰りの見立て、金融機関への説明、株主総会の決議。それぞれに時間がかかります。
特に資金繰りの調整は、一朝一夕にはできません。早く始めるほど、支給の時期と形を選べるようになります。
Q. 相談すると保険や契約を勧められませんか
A. 勧めることはありません。初回のご相談は無料で、その場で何かを決めていただく必要もありません。
KICKは事業承継専属の保険代理店でもありますが、まず行うのは現状の整理です。新しい契約が必要かどうかは、整理した結果として見えてきます。
お断りいただいて構いません。まずは今の状況をお聞かせください。
まとめ

役員退職金でつまずく会社は、金額を間違えたのではありません。出し方の設計をしなかったのです。
この記事でお伝えした4つの考え方を、もう一度整理します。
- 適正額の土台になる功績倍率法という考え方を知る。ただし判断は税理士に委ねる
- 役員退職慰労金規程を整えてから、株主総会の決議へ進む
- 一時金か分割かを、その期の業績と資金繰りに合わせて決める
- 承継後の運転資金への影響を、支給の前に紙の上で見積もる
この順序で進めれば、退職金は会社を弱らせる支出ではなくなります。次の代へ渡すための、説明できる区切りになります。
金額の適正さ、損金算入の可否、税額の計算は税理士の領域です。経営者と後継者がやるべきなのは、会社が耐えられる出し方を設計することです。
設計ができるのは、支給の前だけです。支給が終わってから資金繰りを整えることはできません。
親族内承継では、会社の話がそのまま家族の話になります。だからこそ、根拠を残しながら進めることに意味があります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。その場でのご契約や、しつこい営業もありません。何も決めずにお帰りいただいて構いません。まずは会社の現状をお聞かせください。
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