
「賃上げ促進税制を使えば税額控除になりますよ」——顧問先にそう伝えたものの、決算を締めてみると赤字続きで控除しきれない。そんな場面に、心当たりはないでしょうか。
制度の要件や申告書の書き方は貴所の専門分野です。しかし賃上げの原資、つまり利益そのものを生み出す仕組みづくりは、税務の枠の外にあります。原資がなければ、賃上げ促進税制は「使えるのに使えない制度」のまま顧問先の手の届かないところに置かれ続けます。
この悩みを抱えているのは、先生おひとりではありません。人件費の上昇局面が続くなか、多くの税理士・公認会計士事務所が同じ壁にぶつかっています。税務の延長線上で「原資づくり」まで支援しようとして、時間とノウハウが足りずに立ち止まる——その構造そのものが、顧問先の資金繰り悪化や課題の先送りという風土を生んでいます。
結論から言うと、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)と連携すれば、貴所の実務負担を最小限に抑えたまま、顧問先が賃上げ促進税制を無理なく活かせる収益体質づくりを進められます。詳しいやり方は本文で順にご説明します。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 賃上げ促進税制を勧めても、原資がなく実行に踏み切れない顧問先が多い
- 税額控除を最大限活かせるほどの利益が出ておらず、もったいないと感じる
- 制度の説明はできても、収益体質を改善する提案までは手が回らない
- 賃上げ促進税制が「絵に描いた餅」になりやすい理由
- 原資づくりを放置した場合に顧問先へ起きる悪化シナリオ
- 早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の仕組みと活用の流れ
- 連携によって貴所の事務所が手に入れる具体的な変化
- 顧問先を奪われない安心できる役割分担の作り方
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
なぜ税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しないのか

結論として、賃上げ促進税制のような税額控除の制度は、顧問先の申告に「反映する」ことはできても、控除の元になる利益を「生み出す」ことまではできません。理由は、税理士・公認会計士の実務が申告書の正確性と適正性を守ることに軸足を置いており、収益構造そのものを組み替える経営コンサルティングとは、求められる時間もノウハウもまったく異なるからです。
具体的には、次の三つの壁が立ちはだかります。
| 壁 | 顧問先で実際に起きていること |
|---|---|
| ノウハウの壁 | 損益分岐点分析や資金繰り計画など、管理会計の手法を体系的に扱う時間がない |
| 時間の壁 | 申告期・決算期が集中する時期に、原資づくりの伴走まで手が回らない |
| 立場の壁 | 「税務の先生」という立場のまま、賃金や人員配置の踏み込んだ提案をしづらい |
例えば、賃上げ促進税制を活用したいという相談を受けても、給与総額を一定割合以上増やすための原資が顧問先にない場合、貴所ができるのは「要件を満たしていません」と伝えるところまでです。そこから先の「では、どうやって原資を作るのか」という問いに答える仕組みが、税務業務の延長線上には用意されていません。
これは、貴所の力不足という話ではありません。税理士・公認会計士の専門性は、正確な申告と適正な税務判断にあります。一方で、原資づくりに必要なのは、売上構成・固定費・変動費を分解し、どこにテコ入れすれば利益が積み上がるのかを設計する、まったく別の専門性です。両方を一人でこなそうとすること自体に、そもそも無理があります。
だからこそ、税務の延長だけで対応しようとすると、顧問先の財務は改善せず、制度の恩恵も先送りになり続けます。
ここで見落とされがちなのが、「賃上げ促進税制は黒字であることが前提の制度」だという点です。給与等支給額を前年度と比べて一定割合以上増やし、その増加額の一部を法人税・所得税から控除できる仕組みですが、そもそも利益が出ていなければ控除しきれません。中小企業向けの措置は今後も継続が見込まれていますが、制度の適用要件や控除率は年度ごとに見直されるため、貴所が最新情報を追いかけながら、同時に顧問先の収益体質そのものを底上げする——この二役を一人で担うのは、現実的に無理があります。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、原資づくりを先送りしたままだと、顧問先の経営悪化・貴所の顧問報酬の減少・事務所の評判低下という三重の悪循環に向かいます。
理由は単純です。人件費の上昇圧力は、業種を問わず今後も続く見通しです。パート・アルバイト比率の高い業種ほど固定費の増加幅が大きく、賃上げを実行できない顧問先は人材の定着に苦しみ、じわじわと収益力を落としていきます。
具体的には、次のような場面が想像できます。
- 賃上げを見送った結果、若手・中堅社員の離職が続き、現場が疲弊する
- 資金繰りが厳しいまま金融機関との対話が滞り、追加融資の相談すら切り出せない
- 「税理士に相談しても数字の話しか出てこない」と感じた経営者が、他の専門家に経営相談を持ちかけ始める
- 賃上げできない事実が採用サイトの口コミ等で広がり、次の採用でも苦戦する
この最後の場面が、実は最も見過ごされがちなリスクです。顧問先の経営者が「うちの税理士は数字は見てくれるが、この先どうすればいいかは教えてくれない」と感じ始めた瞬間、長年の信頼関係の上に築かれてきた顧問報酬というストック収入が、静かに揺らぎ始めます。
しかも、こうした離脱の兆候は表面化しにくいという厄介さがあります。決算・申告のやり取りは変わらず続くため、貴所からは何も問題が起きていないように見えます。しかし経営者の頭の中では、次の相談先を探す動きが静かに進んでいる——このギャップこそが、原資づくりを先送りすることの本当の怖さです。
結論として、原資づくりへの一歩を先送りするほど、顧問先の経営悪化と貴所の顧問先離脱リスクは同時に進行していきます。
特に人材の定着に業績が左右されやすい業種では、賃上げの遅れがそのまま人手不足に直結します。人手不足は残業代の増加や外注比率の上昇を招き、結果としてさらに利益を圧迫するという悪循環に陥ります。この負のスパイラルに入ってしまうと、単発の資金繰り相談だけでは立て直せず、収益構造そのものに手を入れる本格的な支援が必要になります。早い段階で着手できるかどうかが、その後の回復スピードを大きく左右します。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という選択肢

結論として、賃上げの原資づくりには、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細を活用した収益改善が有効です。
理由は、この制度が「兆候が出た早い段階」から着手できる設計になっているからです。認定経営革新等支援機関(中小企業診断士等)の支援を受けて計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。補助上限は計画策定費用50万円、伴走支援費用(1〜3年後)30万円の合計80万円。企業概要書作成・金融機関交渉の追加オプションを合わせると、最大100万円まで対応できます。
2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件からは、伴走支援完了まで補助金の半分を協議会が預かる「2分の1留保」も廃止されました。専門家費用の負担が、より早いタイミングで軽くなっています。
具体的な支援の流れは、次のとおりです。
- ローカルベンチマークを使った対話型の現状分析で、財務・非財務の特色を見える化する
- 損益分岐点分析などの管理会計手法で、原資を生み出せる収益構造の課題を洗い出す
- 認定経営革新等支援機関であるKICKが主導し、実行可能なアクションプランを計画に落とし込む
- 計画策定後、最初の決算時から3年間、年最低2回のモニタリングで自走を後押しする
ここで大切なのは、単なる「計画作り」で終わらせないことです。目的は、顧問先自身がPDCAサイクルを回し、内部管理体制やガバナンス体制を整えながら自走できる状態を作ること。賃上げ促進税制のような制度を「使いこなせる利益体質」を、顧問先自身の力で維持できるようにする点が、この支援の核心です。
ローカルベンチマークによる対話型分析が効くのは、経営者自身が数字の意味を腹落ちさせられるからです。「なぜ利益が伸びないのか」「どの費用から手をつけられるのか」を、財務・非財務の両面から見える化しながら一緒に整理していくと、経営者の口から自然と改善のアイデアが出てくるようになります。これは、決算書の数字を後から説明するだけでは生まれない変化です。
原資づくりの検討では、値付けの見直し・仕入条件の再交渉・工程の無駄取りなど、複数の切り口を同時に洗い出します。どれか一つに絞るのではなく、無理なく積み上げられる改善を組み合わせることで、賃上げに回せる利益を着実に確保していく設計です。急激な値上げや大規模な人員整理のような、顧問先に痛みを強いる改善は前提としません。
混同しやすい制度として「405事業(経営改善計画策定支援)」がありますが、両者は対象とする段階も規模も異なります。
| 項目 | バリューアップ支援事業 | 405事業 |
|---|---|---|
| 金融支援 | 前提としない | 金融支援(リスケ等)が前提 |
| 計画書の規模 | 簡易な内容(資金繰り・アクションプラン等) | 本格的な経営改善計画(詳細な財務計画を含む) |
| 補助上限 | 計画策定50万円+伴走30万円(3分の2補助) | 上限300万円(3分の2補助) |
| 着手のタイミング | 早め(兆候が出た段階) | 悪化が顕在化してから |
賃上げの原資づくりのように「まだ深刻ではないが、このままでは厳しい」という段階の顧問先にこそ、着手の早いバリューアップ支援事業が適しています。悪化が顕在化してから重い計画を組むより、兆候の段階で軽やかに手を打つほうが、顧問先の負担も、貴所の実務負担もはるかに小さく済みます。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。
先生の事務所が手に入れる未来

結論として、原資づくりの連携は、貴所に「目に見える変化」「通帳と時間の変化」「周囲からの変化」という三つの果実をもたらします。
目に見える変化
面談の空気が変わります。「今期はどこまで賃上げできそうか」「税額控除をどこまで使えるか」という、数字の未来を語り合う会話が増えます。決算の報告だけで終わっていた面談が、経営の対話の場に変わります。
通帳と時間の変化
顧問先の収益が安定すれば、顧問料の遅延や値引き交渉は減っていきます。原資づくりの実務はKICKが伴走するため、貴所の担当者が経営コンサルティングのために時間を割く必要はありません。空いた時間を、本来注力したい税務・組織再編などの高度な提案に振り向けられます。
周囲からの変化
顧問先の経営者からは「数字だけでなく、この先の道筋まで一緒に考えてくれる」という評価が生まれます。金融機関との対話も、資金繰りの見通しを共有できる分、スムーズになります。事務所の職員にとっても、税務作業に加えて経営改善の現場に触れる経験は、大きな成長の機会になります。
こうした変化は、一社だけにとどまりません。ある顧問先で原資づくりの成功パターンができれば、同じ業種・同じ規模感の別の顧問先にも応用が利きます。連携を重ねるほど、貴所の中に「経営改善の型」が蓄積され、事務所全体の提案力そのものが底上げされていきます。これは、税務単独では得られない資産です。
この三つの変化を、顧問先と共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

結論として、原資づくりの計画策定と金融機関対応の実務は、専門性の壁と時間コストの両面から、貴所単独で抱え込む必要はありません。
理由は、計画策定には管理会計の専門知識に加えて、認定経営革新等支援機関としての手続き実務が必要になるからです。この分野に日々向き合っている専門家と役割分担する事務所が増えているのは、自然な流れといえます。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、認定経営革新等支援機関として、法人支援実績150社以上を積み重ねてきました。代表の松本昌史は、MBA(経営管理修士)・中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)に加え、金融検定協会「中小企業事業再生マネージャー」の認定を受けています。
支援先の業種は製造業・建設業・卸小売業・サービス業など多岐にわたり、規模もさまざまです。共通しているのは、いずれも「税務は税理士・会計士の先生、経営改善はKICK」という役割分担のもとで進めてきた点です。これまで一貫して、顧問先を奪う形での営業活動は行っていません。
問い合わせをいただいた際は、まず貴所の顧問先が置かれている状況を丁寧にヒアリングします。原資づくりが今すぐ必要な段階なのか、まだ様子を見てよい段階なのかを見極めた上で、無理のない支援範囲をご提案します。押し売りのような進め方はしません。
連携の形はシンプルです。税務は貴所、原資づくりの経営改善計画はKICKという役割分担で、貴所の実務負担を増やすことなく、顧問先の収益改善を進められます。費用の詳細は、サービスページにてご確認いただけます。
連携を検討する際によくいただくのが、「自所の顧問先の業種や規模に合うのか」というご質問です。バリューアップ支援事業の対象は業種を問わず、資金繰りや原資づくりに課題を抱える中小企業・小規模事業者であれば幅広く対象になります。まずは一社からのご相談でも構いません。実際にどのような改善が見込めそうか、無料相談の場でヒアリングした上でご案内しています。
さらに、士業同士の連携そのものにご関心がある場合は、士業連携(提携)の詳細もあわせてご覧ください。
よくある質問

Q. 顧問先を奪われるリスクはないか
A. ありません。KICKが担うのは経営改善計画の策定・伴走支援のみで、税務顧問の領域には一切踏み込みません。役割分担を前提とした連携です。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度か
A. 計画策定・金融機関対応の実務は、認定経営革新等支援機関であるKICKが主導します。貴所には、顧問先とのつなぎ役としての最小限の関わりをお願いする形です。
Q. バリューアップ支援事業と405事業の違いは何か
A. バリューアップ支援事業は金融支援を前提とせず、兆候が出た早い段階での着手を想定した簡易な計画です。405事業は金融支援(リスケ等)が前提で、悪化が顕在化してから本格的な経営改善計画を策定します。補助上限も、バリューアップ支援事業は計画策定50万円+伴走30万円、405事業は上限300万円と異なります。
Q. どのような顧問先が対象か
A. 資金繰りに不安を感じ始めている、賃上げの原資を作りたい、顧問料の支払いに余裕を持たせたいなど、経営改善のニーズがある中小企業・小規模事業者が対象です。業種は問いません。
Q. 賃上げ促進税制の申告実務までKICKが担うのか
A. いいえ。税額控除の適用要件確認や申告書への反映は、引き続き貴所の専門領域です。KICKが担うのは、その控除を活かせるだけの原資(利益)を生み出す経営改善計画の部分です。制度の詳細な適用要件は、中小企業庁や国税庁が公表する最新情報を貴所にてご確認いただく形になります。
Q. 費用はどのくらいかかるのか
A. 制度の補助率・補助上限は本文でご紹介したとおりですが、KICKの報酬額や顧問先の自己負担額は個社の状況によって異なります。詳細はサービスページにてご確認ください。
Q. 計画策定後、何もしなくてよいのか
A. いいえ。計画策定後は、最初の決算時から3年間、決算期を含め年最低2回のモニタリングと協議会への報告が必要です。怠ると費用の返還を求められる場合があるため、伴走支援まで含めた連携が重要です。
Q. 金融機関との関係が悪化している顧問先でも使えるか
A. この支援は金融支援を前提としません。計画書の提出をきっかけに、資金繰りや将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築き直す入り口として活用できます。
Q. 相談から着手までどのくらいの期間がかかるか
A. 顧問先の状況によって異なりますが、まずは無料相談でヒアリングを行い、必要な支援の範囲をすり合わせるところから始まります。詳しい流れはお問い合わせの際にご案内します。
Q. 一度に相談できる顧問先の数に制限はあるか
A. 1事務所ごとに丁寧に時間をかけて対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。連携をご検討の際は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
Q. 顧問先に制度の話を切り出すタイミングはいつがよいか
A. 決算の総括や次期の予算方針を話し合うタイミングが自然です。「来期、賃上げの余力を作るとしたら何ができるか」という問いかけから、原資づくりの話題に自然につなげられます。具体的な進め方は、無料相談で個別にご案内しています。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務は貴所、経営改善はKICKという役割分担です。1事務所ごとに時間をかけて対応するため、月あたりのご相談数には限りがあります。
まとめ

賃上げ促進税制は、使える制度であっても、原資がなければ顧問先の手の届かないところに置かれたままです。税務の専門知識だけでこの壁を越えようとせず、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という選択肢を、役割分担の形で取り入れてみてください。
貴所は税務の専門家として、これまでどおり顧問先の信頼を守り続けてください。原資を生み出す経営改善という、もう一つの専門領域は、認定経営革新等支援機関であるKICKコンサルティング株式会社が伴走します。
制度の要件を満たせるかどうかではなく、「制度を活かせる利益体質を、顧問先と一緒に作れるかどうか」——その視点を持てるかどうかが、これからの事務所の付加価値を分けます。まずは早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細から、ご確認ください。







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