
「顧問先の資金繰りは厳しいのに、経営改善の提案までは手が回らない」——公認会計士事務所の先生から、そんな声を伺う機会が増えています。
税務・監査対応だけで手一杯なのに、顧問先からは値上げや物価高への対応を相談される。かといって本格的な経営改善計画の策定支援には、時間もノウハウも足りない。先生おひとりの事務所だけの問題ではありません。多くの会計事務所が同じ壁にぶつかっています。
実はこの壁を越える環境が、2025年4月から確実に整いました。早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の「2分の1留保」が廃止され、支援機関側の資金繰りを気にせず提案しやすい制度に変わったのです。ただし、この好機を活かすには押さえるべき順序があります。順序を誤ると、顧問先に響く提案にはなりません。
- 税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しない理由
- このまま何もしなければ、顧問先と貴事務所に何が起きるか
- 留保廃止で何が変わり、なぜ「今」が提案の好機なのか
- 連携によって先生の事務所が手に入れる4つの好機
- 認定支援機関(中小企業診断士)との役割分担の実際
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務・監査は貴事務所、経営改善はKICKという役割分担です。
なぜ税務業務の延長だけでは顧問先の財務が改善しないのか

結論から言うと、税務・監査業務の延長線上には、経営改善の答えはありません。理由は次の3つの壁にあります。
| 壁 | 内容 | 税務業務の延長で対応できるか |
|---|---|---|
| ノウハウの壁 | 資金繰り計画・アクションプランの策定は、税務会計とは別の専門性が必要 | 難しい |
| 時間の壁 | 決算・申告期の繁忙期と、経営改善支援に必要な伴走の時間が重なる | 難しい |
| 立場の壁 | 顧問先の資金繰りに深く踏み込むほど、金融機関対応まで背負う負担が増す | 難しい |
この3つの壁は、事務所の努力不足ではありません。税務・監査の専門性と、経営改善の専門性は、そもそも別のスキルセットだからです。顧問先の決算書を毎年見ている先生だからこそ異変には気づけますが、そこから先の「どう改善するか」の設計図までを、単独の事務所で描き切るのは現実的ではありません。
特に公認会計士事務所の場合、監査対応の時期と顧問先の決算期が重なりやすく、経営改善提案に割ける時間はさらに限られます。加えて、資金繰り計画やアクションプランの策定には、損益分岐点分析やローカルベンチマークといった管理会計の専門ツールが必要です。日々の会計処理・税務申告のスキルとは、求められる知識の方向性そのものが異なります。
顧問先の側にも事情があります。資金繰りの相談は「税理士・会計士に聞くこと」ではあっても、「税理士・会計士が全部解決してくれること」だとは考えていません。むしろ、専門の第三者が入ることで、社長自身も本音を話しやすくなるという側面もあります。だからこそ、認定経営革新等支援機関である中小企業診断士と役割を分ける発想が、多くの会計事務所で採用され始めています。税務・監査は貴事務所、経営改善計画の策定と伴走はKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)、という分担です。
このまま何もしなければ、何が起きるか

結論として、経営改善の提案を先送りすると、顧問先と事務所の双方に静かな悪化が進みます。
まず顧問先です。資金繰りの悪化は、ある日突然に表面化するわけではありません。仕入価格の上昇、人件費の増加、売上の伸び悩みが少しずつ積み重なり、気づいたときには借入の返済負担が重くのしかかっています。決算書の数字を見ているのは先生方だけです。
その状態を放置すると、次のような連鎖が起きます。
- 資金繰りが悪化し、税理士・会計士への相談も税務の範囲にとどまる
- 金融機関からの信頼が薄れ、追加融資の交渉が難航する
- 顧問先が「相談しても解決策が出てこない」と感じ始める
- 他の専門家や金融機関からの紹介で、経営改善に強い事務所へ乗り換えを検討される
次に、事務所側です。顧問先の業績悪化は、顧問料の減額や解約の遠因になります。ストック収入である顧問料が細れば、事務所経営そのものが不安定になります。「税務は正確にやっているのに、なぜ顧問先が離れるのか」という悩みの多くは、実はこの経営改善支援の不在に起因しています。
特に近年は、原材料費・人件費の高騰が業種を問わず顧問先の利益を圧迫しています。値上げ交渉のタイミングを逃した企業、価格転嫁が思うように進まない企業ほど、資金繰りの悪化スピードは速くなります。決算が終わってから初めて数字の悪化に気づくのでは、打てる手はすでに限られています。
金融機関側の見方も変わってきています。単に決算書を提出するだけの企業より、資金繰り計画やアクションプランを自ら示せる企業の方が、融資審査でも良い印象を持たれやすくなっています。顧問先がこの準備をできていない状態が続けば、追加融資や借換えの交渉そのものが難しくなりかねません。
怖いのは、この悪化が「相談されない」という形で進むことです。顧問先の社長は、資金繰りが厳しくなるほど、税理士・会計士に本音を話しにくくなる傾向があります。決算数値の説明を求められることへの構えができてしまい、本当に相談したい経営課題は他の専門家や知人に話してしまう。これでは、毎年決算を見ている先生の強みが活きません。
逆に言えば、ここに手を打てる事務所だけが、顧問先からの信頼を維持し、事務所の付加価値を高められます。次章で、その具体的な選択肢を見ていきます。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)という選択肢

結論として、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)は、顧問先の経営が本格的に悪化する前に手を打つための国の制度です。認定経営革新等支援機関の支援を受けて計画を策定する場合、専門家費用の3分の2を国が補助します。
補助上限は、計画策定費用50万円・伴走支援費用(1〜3年後)30万円の合計80万円です。企業概要書作成10万円・金融機関交渉10万円の追加オプションを加えると、最大100万円まで活用できます。
なぜ「今」が提案の好機なのか(留保廃止の意味)
この制度には、これまで支援機関側から見て提案をためらう要因がありました。それが「2分の1留保」です。伴走支援が完了するまで、補助金の半分を中小企業活性化協議会が預かる仕組みで、資金化までに時間がかかっていました。
この留保が、2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件から廃止されました。留保なしで支払われる運用に変わったことで、認定経営革新等支援機関側の資金繰り負担が軽くなり、結果として支援機関が動きやすくなっています。会計士の先生が顧問先へこの制度を紹介しやすくなったのも、この変更が背景にあります。
なお、伴走支援は必須です。計画策定後、最初の決算期を含めて3年間、年最低2回のモニタリングと協議会への報告が求められます。単なる「計画を作って終わり」ではなく、事業者自身がPDCAサイクルを構築し、自走できる体制を整えることが制度の目的です。内部管理体制やガバナンス体制の整備も、重要な支援の一部として位置づけられています。
対話型の現状分析で「腹落ちする計画」にする
計画策定の過程では、財務・非財務の特色を見える化する「ローカルベンチマーク」というツールを使い、対話型で現状分析を行います。数字を一方的に示すのではなく、経営者と対話しながら課題を整理するため、顧問先自身が納得して計画に取り組みやすくなります。
この制度は、金融支援(リスケジュール等)を前提としません。あくまで、資金繰りや課題、将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築くことが狙いです。兆候が出た早い段階で着手できる点が、本格的な経営改善計画とは違う特徴です。
どのような顧問先に声をかけるべきか
提案のタイミングを見極める上で、次のような兆候が出ている顧問先は、バリューアップ支援事業の対象になりやすいと言えます。
- 原材料費・人件費の高騰で、粗利率がじわじわと下がっている
- 資金繰り表を作らず、通帳残高の増減で経営状況を判断している
- 借入の返済負担が重く、追加融資の相談を検討し始めている
- 後継者や幹部社員に、経営状況を数字で説明できていない
まだ金融支援が必要な段階ではないものの、「このまま数年放置すると危ない」と感じる顧問先ほど、早期の着手が効果的です。決算報告の場で数字の異変に気づいた先生こそ、最初の声かけ役として最適な立場にいます。
費用の詳細(貴事務所の顧問先が実際に負担する金額感)は、案件ごとに異なるため、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細にてご確認ください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務・監査は貴事務所、計画策定と伴走支援はKICKという役割分担です。
先生の事務所が手に入れる未来

留保廃止という好機を活かし、認定支援機関との連携で経営改善提案に踏み出した事務所には、次の4つの変化が訪れます。
面談の雰囲気と会話の質が変わる
決算報告だけの面談から、「次にどう手を打つか」を一緒に考える面談へと変わります。顧問先の社長が資金繰りの不安を率直に打ち明けてくれるようになり、対話の質そのものが上がります。数字の報告を聞くだけだった面談が、経営の方向性を一緒に描く時間に変わっていきます。
通帳と時間に余裕が生まれる
顧問先の経営が安定すれば、顧問料の支払い遅延という不安要素が減ります。計画策定と伴走支援の実務はKICKコンサルティング株式会社が主導するため、貴事務所の実務時間は最小限に抑えられ、繁忙期との両立もしやすくなります。空いた時間を、税務・監査という本来の専門業務や、新規の顧問先開拓に充てられるようになります。
周囲からの評価が変わる
顧問先はもちろん、取引金融機関や事務所の職員からも「頼れる事務所」という評価が高まります。金融機関に対しては、計画書の提出をきっかけに資金繰りや将来展望を共有でき、目線を合わせた信頼関係を築きやすくなります。若手職員にとっても、経営改善の現場に触れる経験は、事務所全体の育成にもつながります。
事務所の付加価値が積み上がる
顧問先の利益が改善すれば、高度税務や組織再編など、貴事務所からの新たな提案の土台ができます。経営改善支援を「連携で提供できる事務所」であること自体が、既存顧問先の防衛にも、新規紹介の獲得にもつながります。「税務だけの事務所」から「顧問先の未来を一緒に考える事務所」へ。この変化が、長期的な差別化になります。
この4つの好機を共に手に入れましょう。
自所だけで抱える限界と、認定支援機関との連携

結論として、経営改善計画の策定と伴走支援を自所だけで抱え込む必要はありません。だからこそ、認定経営革新等支援機関の中小企業診断士と連携する会計事務所が増えています。
計画策定には、資金繰り分析・損益分岐点分析といった管理会計の専門性に加え、ローカルベンチマークを使った対話、金融機関との調整といった実務が伴います。これらを税務・監査業務と並行してすべて自所でこなすのは、専門外リスクと時間コストの両面で無理があります。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、代表・松本昌史(MBA・中小企業診断士・事業承継士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・中小企業事業再生マネージャー認定)のもと、認定経営革新等支援機関として法人支援実績150社以上を積み重ねてきました。計画策定・伴走支援・金融機関対応の実務を主導し、貴事務所は税務・監査という専門領域に専念いただけます。
連携の進め方はシンプルです。まず貴事務所から顧問先の状況を簡単にご共有いただき、KICKが初回のヒアリングを行います。制度の対象になりそうか、どのオプションが合うかを整理したうえで、顧問先・貴事務所・KICKの三者で方向性をすり合わせます。計画策定後も、モニタリングの実務はKICKが主導するため、貴事務所が伴走支援の実務そのものを抱え込むことはありません。
費用については案件により異なりますので、具体額はお伝えできませんが、早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)の詳細にてご確認いただけます。士業との連携全般については士業連携(提携)の詳細にまとめています。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務・監査は貴事務所、経営改善計画の策定と伴走支援はKICKという役割分担です。
よくある質問

Q. 連携すると、顧問先を奪われるリスクはないか
A. ありません。役割分担は「税務・監査は貴事務所、経営改善計画の策定と伴走支援はKICK」で固定されており、顧問契約を横取りする働きかけは一切行いません。ご相談いただくだけでも、売り込みや契約の義務は発生しません。
Q. 事務所側の実務負担はどの程度か
A. 計画策定・金融機関対応・モニタリングの実務は、認定経営革新等支援機関であるKICKが主導します。貴事務所には、顧問先への橋渡しと、必要に応じた税務情報の共有をお願いする程度で、繁忙期でも対応しやすい負担です。
Q. バリューアップ支援事業と405事業の違いは何か
A. 大きな違いは前提と規模感です。バリューアップ支援事業は金融支援(リスケジュール等)を前提とせず、資金繰りやアクションプランなど簡易な内容で、兆候が出た早い段階から着手できます。一方の405事業は金融支援が前提で、詳細な財務計画を含む本格的な経営改善計画を、悪化が顕在化してから策定するものです。補助上限もバリューアップ支援事業が計画策定50万円・伴走30万円(最大100万円)であるのに対し、405事業は上限300万円と異なります。顧問先の状況に応じて使い分けます。
Q. どのような顧問先が対象か
A. 資金繰りに不安の兆候がある中小企業・小規模事業者が対象です。まだ金融支援が必要な段階ではないものの、「このままでは危ない」と感じる顧問先ほど、早期の着手が効果的です。
Q. 2分の1留保の廃止とは、具体的に何が変わったのか
A. 従来は、伴走支援が完了するまで補助金の半分を中小企業活性化協議会が預かる「留保」の仕組みがありました。2025年4月1日以降に支払申請が行われた案件からは、この留保がなくなり、留保なしで支払われる運用に変わっています。
Q. 伴走支援は必ず必要か
A. 必要です。計画策定後、最初の決算期を含めて3年間、年最低2回のモニタリングと協議会への報告が求められます。これを怠ると、費用の返還を求められる場合があるため、伴走まで見据えた連携が前提になります。
Q. ローカルベンチマークとは何か
A. 財務・非財務の特色を見える化する分析ツールです。対話型の現状分析に用いることで、顧問先の経営者が数字の意味を腹落ちさせながら計画を作りやすくなります。
Q. 金融機関との関係にどう影響するか
A. この制度は金融支援を前提としません。計画書の提出をきっかけに、資金繰りや課題、将来展望を金融機関と共有し、目線を合わせて信頼関係を築くことを狙いとしています。
Q. 認定経営革新等支援機関とはどのような機関か
A. 中小企業庁が認定する、中小企業の経営改善を支援する専門機関です。税理士・公認会計士・中小企業診断士などが認定を受けており、KICKコンサルティング株式会社も認定経営革新等支援機関として、計画策定支援に携わっています。
Q. 費用はどのくらいかかるのか
A. 貴事務所や顧問先の負担額は案件により異なるため、この場で具体額はお伝えできません。サービスページにてご確認いただくか、無料相談でお尋ねください。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。顧問先との関係はそのまま維持されます。税務・監査は貴事務所、経営改善はKICKという役割分担です。
まとめ
税務・監査業務の延長線上に、顧問先の経営改善はありません。だからこそ、認定経営革新等支援機関との連携という選択肢があります。
早期経営改善計画策定支援(バリューアップ支援事業)は、2025年4月の2分の1留保廃止により、支援機関側が動きやすい制度に変わりました。この好機を活かして先に動いた事務所ほど、顧問先との面談の質・時間のゆとり・周囲からの評価・事務所の付加価値という4つの好機を先に手にできます。
税務・監査は貴事務所、計画策定と伴走支援はKICKコンサルティング株式会社という役割分担のもと、顧問先との関係を維持しながら、無理のない一歩を踏み出していただければと思います。
顧問先の資金繰りに小さな兆候が見えている今こそ、声をかける最適なタイミングです。留保廃止という制度の追い風があるうちに、まずは無料相談で貴事務所に合う進め方をご確認ください。







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