
介護現場の人手不足は年々深刻になっています。外国人材の受入れは、いまや多くの介護事業者にとって欠かせない選択肢です。
特定技能の在留資格を扱う行政書士の先生方は、介護事業者から受入れの相談を数多く受けているはずです。特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスの運営会社。介護業は特定技能の受入れが特に多い業種です。
ところが、受入れ審査の途中で「企業評価書」が急に必要になる場面があります。依頼者である介護事業者の直近決算が、赤字や債務超過だったときです。
企業評価書は、行政書士事務所では作成できません。作れる専門家の当てがなければ、せっかく受任した案件が途中で止まってしまいます。
あなたはこのような悩みはありませんか?
- 特養や有料老人ホームの依頼者が債務超過で、受入れ審査が不安
- 企業評価書が急に必要になったが、自所では作成できない
- 作成できる専門家の当てがなく、受任機会を逃しそう
これは、先生おひとりの問題ではありません。介護業は特定技能で外国人材を受け入れる会社が多く、その中には資金繰りの厳しい事業者も一定数含まれます。
ここで戦う相手は、依頼者でも同業者でもありません。債務超過という現実、審査への不安、そして受任機会の逸失という状況です。敵は状況であって、人ではありません。
結論を先にお伝えします。企業評価書の作成を、中小企業診断士など専門の資格者と連携すれば、介護業の特定技能でも慌てずに受任へつなげられます。この記事では、その備え方を「3つのステップ」に整理してお伝えします。
この記事で分かること
- 介護業の特定技能で、なぜ企業評価書が急に必要になるのか
- 慌てないための、企業評価書3つのステップ
- このまま備えなければ、先生の事務所に何が起きるのか
- 中小企業診断士との連携体制と、貴所との役割分担
- 費用や依頼者との関係についての、よくある疑問への答え
執筆は、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)代表の松本昌史です。中小企業診断士として、これまで法人支援150社以上に携わってきました。介護業の特定技能と企業評価書について、先生方の実務に沿ってお伝えします。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。連携や契約の義務はありません。依頼者との関係はそのまま維持されます。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。まずは気軽にご相談ください。
介護業の特定技能で企業評価書が急に必要になる理由

結論からお伝えします。介護業の特定技能では、依頼者が債務超過のときに企業評価書が求められるからです。しかも、その債務超過は審査の段階になって初めて表面化することが少なくありません。
理由は、提出書類の要件にあります。企業評価書(改善見通しに関する評価書面)は、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたります。申請企業が債務超過のとき、財務の改善見通しを客観的に示すために求められる書面です。
介護業に赤字・債務超過が起きやすい背景
介護業は、企業評価書が必要になりやすい業種です。理由は、収益構造にあります。
介護報酬は公定価格で、事業者が自由に単価を上げられません。一方で、人件費や光熱費、食材費は上がり続けています。処遇改善のための賃上げも欠かせません。
その結果、次のような介護事業者では、単年度の赤字や累積の債務超過が起きやすくなります。
- 開設から日が浅く、稼働率がまだ上がりきらない有料老人ホーム
- 設備投資の借入が重い特別養護老人ホーム
- 採用難で人員基準ギリギリを続けるグループホーム
- 送迎や小規模運営でコスト率が高いデイサービス運営会社
これらの会社が、人手不足を補うために特定技能の外国人材を受け入れようとする。まさに、企業評価書が要る典型的な場面です。
介護業は、特定技能・技能実習の外国人材の受入れが特に多い業種のひとつです。飲食料品製造や製造分野、建設と並ぶ上位業種であり、受入れの相談件数そのものが多くなります。
受入れが多いということは、その中に赤字・債務超過の事業者が含まれる確率も高いということです。介護業だからこそ、企業評価書への備えが実務で効いてくるのです。行政書士の先生が介護業の依頼者を多く抱えるほど、この備えの重要性は増します。
企業評価書は誰が作成できるのか
ここが最も大切な点です。企業評価書を作成できるのは、中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士や、依頼者の顧問税理士では作成できません。
つまり、在留資格の申請と、企業評価書の作成では、担い手が分かれます。この壁を表で整理します。
| 役割 | 担い手 | 介護業での具体的な内容 |
|---|---|---|
| 在留資格の申請サポート | 行政書士(貴所) | 特定技能の申請書類の作成・申請サポート |
| 企業評価書の作成 | 中小企業診断士など(KICK) | 債務超過の介護事業者の財務分析・改善見通しの書面化 |
| 依頼者の税務 | 顧問税理士 | 決算・申告など通常の税務業務 |
要するに、企業評価書は専門資格者しか作れないため、行政書士の先生が自所だけで完結させることはできません。だからこそ、作成できる専門家との連携が前もって必要になるのです。
慌てないための企業評価書3つのステップ

結論をお伝えします。企業評価書で慌てないためのステップは、次の3つです。この3つを押さえておけば、審査の途中で債務超過が判明しても、落ち着いて受任へ進められます。
- 依頼者の直近決算を早めに確認する
- 企業評価書の要否と作成資格を把握する
- 中小企業診断士との連携先を先に確保する
それぞれのステップを、介護業の現場に当てはめて具体的に見ていきます。
依頼者の直近決算を早めに確認する
最初のステップは、受任の入口で依頼者の直近決算を確認することです。理由は、債務超過かどうかで、必要な書類が大きく変わるからです。
特定技能の相談を受けたら、介護事業者に次の点を早めに尋ねます。
- 直近の決算は黒字か赤字か
- 純資産はプラスか、債務超過になっていないか
- 借入の返済負担はどの程度か
具体例で考えます。開設2年目の有料老人ホームが特定技能を申請したいと来所したとします。ここで決算を確認せずに手続きを進めると、審査の途中で債務超過が判明し、企業評価書が急に必要になります。
逆に、入口で債務超過を把握できていれば、慌てる必要はありません。早く分かるほど、備える時間が生まれます。まず決算の確認を、受任の最初の一手にしてください。
企業評価書の要否と作成資格を把握する
2つ目のステップは、企業評価書がどんなときに要り、誰が作れるのかを、先生自身が正しく把握しておくことです。理由は、依頼者への説明の速さと正確さが、信頼につながるからです。
依頼者である介護事業者から見れば、行政書士の先生は在留資格の専門家です。「決算が赤字ですが受入れは大丈夫でしょうか」と聞かれたとき、次のように即答できると安心されます。
依頼者への説明のポイント
- 債務超過のときは、改善見通しに関する評価書面(企業評価書)が求められる
- これは別紙②-1・番号20にあたる書面である
- 作成は中小企業診断士など専門資格者が担い、申請サポートは当事務所が担う
- 債務超過でも、企業評価書を用意できれば受入れの道は開ける
具体例です。グループホームの経営者が「赤字だから外国人材の受入れは無理かもしれない」と諦めかけている。そこで先生が役割分担を説明できれば、依頼者は前に進めます。この一言で受任が決まることもあります。
企業評価書の要否と作成資格を把握しておく。これがステップ2です。詳しい作成の流れは、企業評価書作成支援の詳細でご確認いただけます。
中小企業診断士との連携先を先に確保する
3つ目のステップは、企業評価書を作成できる中小企業診断士との連携先を、案件が来る前に確保しておくことです。理由は、書面が急に必要になってから探すのでは間に合わないからです。
企業評価書には、財務分析と改善見通しの検討が必要です。介護事業者の決算書を読み解き、根拠のある書面に仕上げるには一定の時間がかかります。審査の期限が迫ってから連携先を探すと、次のような事態になりかねません。
- 作成できる専門家が見つからず、審査が止まる
- 間に合わせのために質の低い書面になってしまう
- 依頼者を待たせ、信頼を損なう
だからこそ、平時のうちに連携先を決めておくことが、最大の備えになります。特養やデイサービスの案件が来てから慌てるのではなく、後ほど困らないよう先に体制を整えておく。それがステップ3です。
連携先を決めておくと、依頼者への初動が速くなります。介護事業者から相談を受けたその場で、「企業評価書は連携する中小企業診断士が作成します」と伝えられます。この一言が、依頼者の安心と受任につながります。
連携先を選ぶときは、次の点を確認しておくと安心です。
- 企業評価書の作成資格(中小企業診断士など)を持っているか
- 介護業の決算や資金繰りに理解があるか
- 役割分担が明確で、依頼者を奪わない姿勢か
- 遠方でもオンラインで連携できるか
連携しても、依頼者を奪うことはありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。契約の義務もありません。まずは体制づくりのご相談からどうぞ。
このまま備えなければ介護業の受任機会を逃す

結論をお伝えします。企業評価書への備えがないまま案件を受けると、介護業の受任機会そのものを逃しかねません。
理由は、審査には期限があるからです。特定技能の受入れは、依頼者にとって採用計画に直結します。書面が用意できずに手続きが止まれば、その影響は先生の事務所にも及びます。
審査の停滞と依頼者離れ
企業評価書が用意できないと、まず審査が停滞します。介護事業者は「早く外国人材を受け入れたい」と焦っています。人員基準を満たせない現場では、一日でも早い受入れが死活問題です。
手続きが止まれば、依頼者は不安になります。そして、次のような流れが起こり得ます。
- 「この事務所では対応が難しいのか」と不信感を持たれる
- 企業評価書に対応できる別の事務所へ相談が移る
- 受入れ全体の案件ごと、依頼者が離れてしまう
債務超過という状況を、依頼者を失う理由にしてはいけません。備えがあれば、防げる離脱です。
受任機会の逸失という見えない損失
もう一つの損失は、目に見えにくいものです。受任機会の逸失です。
具体例で考えます。ある特別養護老人ホームが債務超過で、企業評価書が必要だとします。先生が「対応できる専門家がいない」と伝えれば、その案件は受任できません。
さらに、介護業界は横のつながりが強い業種です。ひとつの受入れがうまくいけば、同じ系列の有料老人ホームやグループホームからも相談が来ます。逆に、対応できなかった評判も広がります。一件の逸失が、その先の紹介まで失わせるのです。
しかも、この損失は数字に表れません。断った案件も、来なかった紹介も、帳簿には残らないからです。気づかないうちに、事務所の成長機会が静かに削られていきます。
要するに、備えのなさは目の前の一件だけでなく、その後の受任と紹介まで奪います。だからこそ、企業評価書の連携体制を前もって整えておく意味があります。
企業評価書を中小企業診断士と連携して用意する体制

結論をお伝えします。企業評価書は、作成資格を持つ中小企業診断士と連携して用意するのが最善です。自所で抱え込む必要はありません。
理由は2つあります。1つは、企業評価書が専門資格者しか作れない書面であること。もう1つは、財務分析を外部の専門家に任せることで、先生の専門外リスクと時間コストが小さくなることです。
KICKが担う財務分析と書面作成の流れ
KICKでは、介護事業者の企業評価書を次の流れで作成します。制度に沿って、根拠のある書面に仕上げます。
| 段階 | KICKが行うこと |
|---|---|
| 財務の確認 | 介護事業者の決算書を受け取り、債務超過の状況と要因を分析 |
| 改善見通しの検討 | 介護報酬の動向や稼働率などから、現実的な改善見通しを整理 |
| 書面の作成 | 別紙②-1・番号20に沿った企業評価書として書面化 |
| 貴所との連携 | 申請サポートを担う先生と情報を共有し、審査に備える |
財務分析や改善見通しの実務は、中小企業診断士であるKICKが主導します。そのため、貴所の実務負担は小さく、専門外の作業に時間を取られません。
貴所とKICKの役割分担
役割分担は、はっきりしています。ここを誤解なくお伝えします。
- 在留資格の申請サポートは、行政書士である貴所が担います
- 企業評価書の作成は、中小企業診断士であるKICKが担います
- 依頼者との契約や関係は、これまで通り貴所が保ちます
KICKは、法人支援150社以上、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)です。全国オンライン対応で、来社は不要です。介護業の債務超過にも、財務の視点から向き合ってきました。
ご相談いただいても、依頼者・顧問先を奪うことはありません。売り込みも一切ありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担を守ります。費用の詳細はサービスページにてご確認ください。連携の進め方は士業連携(提携)の詳細もご覧ください。
先生の事務所が手に入れる未来

結論をお伝えします。企業評価書の連携体制を整えると、先生の事務所は3つの未来を手に入れられます。
面談の質と依頼者からの信頼
まず、面談の質が上がります。依頼者である介護事業者から「赤字でも大丈夫か」と聞かれたとき、迷わず答えられます。
債務超過でも受入れの道があること、企業評価書を専門家と連携して用意できること。これを説明できる先生は、依頼者にとって心強い存在です。特養やデイサービスの経営者からの信頼が高まります。
時間と受任の安定
次に、時間と受任が安定します。企業評価書の作成をKICKに任せられるため、先生は在留資格の申請サポートに集中できます。
債務超過の案件を「対応できない」と断る必要がなくなります。介護業は受入れ需要が大きく、赤字の依頼者も少なくありません。その案件を受任できることは、事務所の安定した収益につながります。
周囲からの信頼と紹介の広がり
そして、周囲からの信頼が広がります。「在留資格まわりで頼れる事務所」という評判は、介護業界の横のつながりを通じて広がります。
ひとつの有料老人ホームでの受入れが、同じ系列やグループホームからの紹介を呼びます。継続受任と紹介の好循環が生まれます。
面談の質、時間と受任の安定、周囲からの信頼。この3つの未来を、KICKとの連携で共に手に入れましょう。
よくある質問

Q. 連携すると、依頼者を奪われませんか
A. 奪いません。役割分担は明確です。在留資格の申請サポートは貴所、企業評価書の作成はKICKが担います。依頼者との契約や関係は、これまで通り貴所が保ちます。売り込みも一切ありません。
Q. 自所の負担はどの程度になりますか
A. 負担は小さく抑えられます。財務分析や改善見通しの検討、企業評価書の作成は、中小企業診断士であるKICKが主導します。先生は在留資格の申請サポートに集中でき、専門外の作業に時間を取られません。
Q. 企業評価書は誰が作成できるのですか
A. 中小企業診断士など専門の資格者に限られます。行政書士や依頼者の顧問税理士では作成できません。だからこそ、作成資格を持つ専門家との連携が必要になります。
Q. 介護業の依頼者が債務超過でも受入れは可能ですか
A. 可能です。債務超過のときは、改善見通しに関する評価書面(企業評価書)を用意することで、受入れの道が開けます。特養や有料老人ホームでも、客観的な書面があれば受入れ審査を前進させられます。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 費用の具体額は、案件の内容によって変わります。詳細はサービスページにてご確認ください。まずは無料のご相談で、進め方の見通しをお伝えします。
Q. 企業評価書はどんなときに必要になりますか
A. 申請企業が債務超過のときです。外国人技能実習機構(OTIT)提出書類の別紙②-1・番号20にあたる書面で、財務の改善見通しを客観的に示すために求められます。
Q. 特定技能だけでなく、育成就労でも連携できますか
A. できます。育成就労制度は2027年4月に施行予定です。この移行後も、債務超過の受入れ企業では企業評価書が必要になる場面が想定されます。制度の移行を見据えて、後ほど困らないよう体制を整えておくことをおすすめします。
Q. 作成にはどのくらいの時間がかかりますか
A. 決算内容や改善見通しの複雑さによります。財務分析と書面化には一定の時間が必要です。だからこそ、審査の期限が迫る前に、早めにご相談いただくと安心です。
Q. 遠方の事務所でも連携できますか
A. できます。KICKは全国オンライン対応で、来社は不要です。介護業の依頼者がどの地域でも、決算書の共有から書面の作成まで、オンラインで連携を進められます。
Q. まず何から始めればよいですか
A. まずは連携体制のご相談からで構いません。具体的な案件がなくても、企業評価書の進め方や役割分担を確認しておくことが、いちばんの備えになります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。依頼者・顧問先を奪うことはなく、連携や契約の義務もありません。在留資格の申請は貴所、企業評価書の作成はKICKという役割分担です。介護業の特定技能で企業評価書に慌てないために、まずは気軽にご相談ください。
まとめ

介護業の特定技能では、依頼者の債務超過によって企業評価書が急に必要になります。そして、その書面は行政書士の先生が自所で作ることはできません。
だからこそ、慌てないための3つのステップが大切です。依頼者の直近決算を早めに確認すること。企業評価書の要否と作成資格を把握すること。そして、中小企業診断士との連携先を先に確保すること。
この3つを押さえておけば、特養や有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスの案件で債務超過が判明しても、落ち着いて受任へ進められます。
企業評価書の作成は、中小企業診断士であるKICKが担います。在留資格の申請サポートは、これまで通り貴所が担います。役割分担を守りながら、債務超過の依頼者の受入れ審査を前進させ、受任機会を逃さない体制を一緒に作りましょう。
介護業の特定技能で企業評価書に慌てないために、平時のうちに連携先を決めておく。それが、先生の事務所と依頼者の未来を守る、いちばん確かな備えです。







コメント