
「決算書が債務超過だから、大至急、企業評価書を出してください」。監理団体や外国人技能実習機構(OTIT)から突然そう言われ、現場のヘルメットを外す間もなくパニックになっていませんか。技能実習2号への移行時や特定技能の受入れ準備の途中で、追加書類として企業評価書(改善見通しに関する評価書面)を求められるケースは少なくありません。提出期限は数日から数週間先。そのあいだに現場も回さなければならず、「何から手を付ければいいのか分からない」という声を、私たちは数多くお聞きしてきました。
焦っているのは、あなただけではありません。建設業では今、資金繰りの悪化と急な提出要求が同時に襲いかかる状況が全国で起きています。ここで本当の敵は、あなたの会社の実力そのものではなく、「提出期限という時間切れ」と「債務超過という決算書上の数字」の二つです。この二つに正しく対処すれば、審査は乗り切れます。
本記事では、中小企業診断士(経済産業大臣登録)である松本昌史が、急な企業評価書提出を乗り切るための建設業向けの緊急対応4選を、実務の順番どおりに解説します。
大至急「企業評価書を出せ」と言われた建設業経営者がまず押さえるべき結論

最初に結論をお伝えします。直近の事業年度で債務超過があっても、外国人技能実習の受入れをあきらめる必要はありません。中小企業診断士や公認会計士など、企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を持つ第三者が「改善の見通し」について評価した書類を出せば、審査は前に進みます。
これは私たちの主観ではなく、外国人技能実習機構(OTIT)が公表している技能実習計画認定申請の提出書類一覧(企業単独型 別紙②-1)の番号20に明記された取り扱いです。番号20では、直近の事業年度で債務超過がある場合、中小企業診断士・公認会計士等の公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書類も提出するよう求めています。つまり、債務超過は「アウト」ではなく、「第三者の評価書を添えれば通せる」という設計になっているのです。
ただし、ここに落とし穴があります。この評価書を作れるのは、中小企業診断士か公認会計士などに限られます。日ごろお世話になっている顧問税理士では、この評価書の作成者にはなれません。いざ急いで探そうとしても、建設業の財務を理解し、大至急で動ける専門家はそう多くありません。だからこそ、急な提出要求を受けたときは「誰に・どれだけ速く頼むか」で結果が決まります。焦って自己流で書類を作り、審査で差し戻されて時間を失うことこそ、いちばん避けたい事態です。
やり方の全体像は、次の4つの緊急対応に集約されます。決算書等の即日準備、オンラインでの即時ヒアリング、建設業に明るいスピード対応可能な専門家の選定、そして提出期限からの逆算スケジュール管理。この4つを正しい順番で回せば、最短で提出にたどり着けます。それぞれの中身は、このあと具体的に説明します。
債務超過は失格の烙印ではなく、正しい評価書を添えれば越えられる審査上のハードルです。
なぜ建設業に「債務超過」と「急な提出要求」が重なるのか

そもそも、なぜ建設業でこれほど債務超過と急な提出要求が重なるのでしょうか。原因は経営者の努力不足ではなく、業界全体を襲っている構造的な逆風にあります。
帝国データバンクの「建設業」倒産動向調査(2024年)によると、2024年の建設業の倒産は1,890件にのぼり、過去10年で最多を記録しました。しかもその92.2%が従業員10人未満の小規模事業者です。背景には、木材をはじめとする建築資材の価格高止まり、職人不足による人件費の高騰、そして返済が本格化したゼロゼロ融資の負担が重なっています。同調査では、資材高騰分を受注価格に転嫁できず経営が悪化した「物価高倒産」が250件(構成比13.2%)を占め、建設業の価格転嫁率は43.7%と全業種平均を下回りました。値上げを飲んでもらえず、赤字を自社で抱え込む。これが決算書の債務超過という数字に直結します。
さらに2024年4月からは、時間外労働に上限規制が適用される「2024年問題」が始まりました。人手が足りないのに残業でカバーすることもできず、工期は延び、資金繰りはいっそう厳しくなります。帝国データバンクの調査では、人手不足感を抱える建設業の割合は2024年9月時点で69.8%に達しました。人手不足を直接の原因とする倒産も、2024年は全業種で342件のうち建設業が99件と約3割を占めています。
こうした人手不足を埋める切り札が、外国人材の受入れです。国土交通省「建設分野における外国人材の受入れ状況」によれば、建設分野で働く外国人技能者は約14.6万人で、全建設技能者の約4.9%を占めます。在留資格別では技能実習が最多で、2024年時点で約11万人。特定技能「建設」も、出入国在留管理庁の公表値で2024年12月末に約39,000人と、前年から62.5%増える勢いで伸びています。つまり、外国人材の受入れは建設業の生命線になりつつあり、そこで債務超過による審査の壁にぶつかる企業が急増しているのです。
加えて、制度そのものも変わろうとしています。現在の技能実習制度は、2027年4月に「育成就労制度」へと移行する予定です。新制度に切り替わる前後は、受入れの手続きや審査基準の運用が見直される時期にあたり、書類の準備に戸惑う企業が増えると予想されます。制度変更の波に飲まれないためにも、財務の健全性を第三者が客観的に示せる状態を早めに整えておくことが、これからの受入れの安定につながります。
| 背景要因 | 建設業での具体的な状況 | 決算書への影響 |
|---|---|---|
| 資材価格の高止まり | 価格転嫁率43.7%で、値上げ分を受注単価に乗せきれない | 利益が削られ赤字化しやすい |
| 人手不足と人件費高騰 | 人手不足感69.8%、職人確保のため賃金を上げざるを得ない | 固定費が膨らみ純資産を圧迫 |
| 2024年問題(残業規制) | 残業でカバーできず工期が延び、入金が後ろ倒し | 資金繰りが悪化し借入が増える |
| ゼロゼロ融資の返済開始 | 据置期間が終わり返済負担が本格化 | 手元資金が細り財務が悪化 |
出典 帝国データバンク「建設業」倒産動向調査(2024年)、国土交通省「建設分野における外国人材の受入れ状況」
ここで、急な提出要求を放置するとどうなるかを整理します。評価書が間に合わなければ、技能実習計画の認定は下りません。認定が下りなければ、予定していた外国人材は現場に入れず、深刻な人手不足がそのまま続きます。工期は遅れ、受注をこなせず、監理団体や採用予定だった外国人からの信頼まで失いかねません。ひとつの提出遅れが、承認の遅延から人材確保の失敗、そして関係先の信頼喪失へと、連鎖的に広がっていくのです。だからこそ、最初の一手のスピードが決定的に重要になります。
建設業の債務超過は個社の失敗ではなく、資材高・人手不足・2024年問題が生んだ業界共通の逆風です。
急な企業評価書提出を乗り切る建設業向け緊急対応4選

ここからが本題です。提出期限が迫るなかで確実に評価書を間に合わせるための、具体的な緊急対応を4つに分けて説明します。順番に進めれば、迷わず最短ルートを走れます。
緊急対応その1 決算書等の必要書類を即日そろえる準備
まず手を動かすべきは、手元の書類集めです。企業評価書の作成には、直近2事業年度の貸借対照表と損益計算書が土台になります。これはOTITの提出書類一覧(別紙②-1)の番号20・21に対応する書類で、専門家が財務を分析する出発点です。決算書一式に加え、直近の試算表、受注状況が分かる資料(工事の受注残や契約書の控え)を先にまとめておくと、専門家の着手が一気に早まります。
建設業の場合、受注残の一覧や施工中の工事の契約書は、事業が続いていく裏づけとして特に効果的です。決算書の数字が赤字でも、これから確実に入ってくる工事があると示せれば、改善の見通しに説得力が生まれます。手元にある工事台帳や見積書の控えも、あわせてまとめておくとよいでしょう。
ポイントは、完璧に整えてから連絡しようとしないことです。手元にある決算書をそのまま提出できる状態にしておけば、あとの分析はプロが引き受けます。書類がそろっているほど、着手から納品までの時間が短くなり、提出期限に余裕が生まれます。これが第一歩です。
緊急対応その2 オンライン(Zoom等)での即時ヒアリング
次は、専門家との情報共有です。急ぎの案件で移動や来社に時間を使うのは、それだけで数日のロスになります。Zoomなどのオンラインで即座にヒアリングを行えば、全国どこにいても、その日のうちに打ち合わせを始められます。
ヒアリングで伝えるのは、決算書の数字だけではありません。なぜ赤字になったのか、受注残はどれくらいあるのか、どんな改善策をすでに動かしているのか。こうした現場の生きた情報こそが、改善の見通しを説得力ある形で描くための材料になります。数字と現場の両方を短時間で正確に引き出せるかどうかが、評価書の質とスピードを左右します。
緊急対応その3 建設業に明るくスピード対応可能な専門家の選定
誰に頼むかは、最も重要な判断です。前述のとおり、この評価書を作れるのは中小企業診断士か公認会計士などに限られ、顧問税理士では作成者になれません。さらに建設業には、工事の進行に応じた売上計上、立替金や未成工事支出金、季節や受注状況による業績の波といった、業界特有の財務事情があります。これらを理解している専門家でなければ、審査に効く改善の見通しは描けません。
選定の基準は、次の3点です。第一に、中小企業診断士など評価書の作成資格を持っていること。第二に、建設業の財務を熟知していること。第三に、大至急の依頼に電話一本で動けるスピード体制があること。この3つを満たす専門家に、急な提出要求こそ任せるべきです。企業評価書の作成実務や費用感を具体的に知りたい方は、債務超過企業の企業評価書作成サポートの内容をご確認ください。
緊急対応その4 提出期限から逆算した確実なスケジュール管理
最後は、期限からの逆算です。急ぎの案件では、提出期限を起点に「いつまでに何を終えるか」を先に決めることが、間に合わせるための最大のコツです。決算書の提出、ヒアリング、評価書のドラフト、内容確認、最終納品。この工程を期限から逆算して並べ、余裕を持って各段階を進めます。
気をつけたいのは、評価書が仕上がってからも、その先に機構の審査期間が控えている点です。評価書の納品がゴールではなく、期限までに機構へ提出し、審査を受けきるところまでを見据えて逆算する必要があります。だからこそ、評価書の作成に使える日数は、実際の提出期限よりも短く見積もっておくのが安全です。
私たちは、大至急の案件で最短3営業日以内での納品にも対応しています。逆算したスケジュールを最初に共有しておけば、経営者は「あと何をすればいいか」だけに集中でき、現場を止めずに提出準備を進められます。段取りを制する者が、期限を制します。
急な提出要求は、書類の即日準備・オンライン即時ヒアリング・資格ある専門家の選定・期限逆算の4手で乗り切れます。
専門家に任せた経営者が最短で手に入れる未来と、自社作成の限界

4つの緊急対応を専門家と回したとき、経営者はどんな状態を手に入れるのでしょうか。抽象論ではなく、具体的な3つの変化でお伝えします。
ひとつめは「時間」です。決算書を渡してオンラインで話すだけで、あとの分析と作成はプロに任せられます。現場を離れて役所と書類を突き合わせる時間がなくなり、経営者は本業に集中できます。ふたつめは「安心」です。中小企業診断士による改善の見通しが論理的に整った評価書が手元にあれば、監理団体や機構からの追加要求に自信を持って対応でき、審査結果を待つあいだの不安から解放されます。みっつめは「人材」です。評価書の壁を越えて技能実習計画の認定が下りれば、予定していた外国人材が現場に入り、止まっていた工期と受注が動き出します。現場に人が入れば、断らざるを得なかった案件を受けられるようになり、売上の回復が視野に入ります。技能実習生が定着して技能を身につければ、数年後には特定技能へと進み、より長く戦力として活躍してもらえます。目の前の急場をしのぐだけでなく、その先の成長までつながっていく。時間・安心・人材という3つの果実を、共に手に入れましょう。
一方で、これを自社だけで進めようとすると、いくつもの壁にぶつかります。そもそも評価書は自社では作れず、第三者の公的資格者が必要です。作成資格のない担当者が手探りで書類を用意しても、審査基準の理解不足から差し戻され、貴重な時間を失うおそれがあります。急ぎの案件ほど、判断ミスは致命傷になりかねません。だからこそ、専門家に任せる経営者が増えています。
| 比較項目 | 自社で作成 | 中小企業診断士に依頼 |
|---|---|---|
| 債務超過時の要件 | 作成不可(第三者の公的資格者が必要) | 要件を満たす(有資格者が作成) |
| 経営者の作業負担 | 極めて重い(手探りでの作成) | 決算書提出とヒアリングのみ |
| 審査に通る確実性 | 低い(審査基準の理解不足) | 高い(改善見通しを論理的に構築) |
| スピード | 数週間から数か月かかることも | 最短3営業日以内の納品も可能 |
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、経済産業大臣登録の中小企業診断士である松本昌史が直接対応し、債務超過企業の企業評価書作成を専門に支援しています。強みは3つです。中小企業特有の財務と経営課題を熟知し、審査に有利な情報を的確に抽出して改善の見通しを構築すること。Zoom等を用いたオンライン完結型で全国に対応し、来社が不要なこと。そして大至急の案件には最短3営業日以内、電話一本で相談を開始できるスピード体制です。作成資格を持たない税理士や、建設業の財務に不慣れな専門家にはない、特化型のノウハウで対応します。決算書とヒアリング情報から現状を的確に反映するため、お客様の負担は決算書のご提出とお話をうかがう時間だけに抑えられます。
自社で抱え込むほど時間を失います。任せる決断こそが、期限内提出への最短ルートです。
急な企業評価書提出でよくある質問

- Q 債務超過の決算書でも、外国人技能実習の受入れはできますか
- できます。外国人技能実習機構(OTIT)の提出書類一覧(別紙②-1)の番号20では、直近の事業年度で債務超過がある場合、中小企業診断士や公認会計士など公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価した書類を添えて提出するよう定めています。評価書を用意すれば審査は前に進みます。
- Q 企業評価書は顧問税理士に作ってもらえますか
- この評価書の作成者になれるのは、中小企業診断士や公認会計士など、企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格者に限られます。日々の税務でお世話になっている税理士では、この評価書の作成者にはなれません。
- Q どれくらいの期間で作成してもらえますか
- 案件により異なりますが、大至急の場合は最短3営業日以内での納品にも対応しています。決算書がそろい、オンラインのヒアリングがスムーズに進むほど、納品までの時間は短くなります。
- Q 遠方でも依頼できますか。来社は必要ですか
- 来社は不要です。Zoom等を用いたオンライン完結型で全国に対応しています。移動時間がかからないため、急ぎの案件でもスピーディーに進められます。
- Q 作成のために何を用意すればよいですか
- まずは直近2事業年度の貸借対照表と損益計算書をご用意ください。加えて直近の試算表や、受注残が分かる資料があると、より精度の高い評価書を短時間で作成できます。
- Q なぜ建設業で急な提出要求が多いのですか
- 資材価格の高止まりや人手不足、2024年問題の影響で、建設業は債務超過に陥りやすい環境にあります。帝国データバンクの調査では2024年の建設業倒産は1,890件と過去10年で最多でした。人手を外国人材で補おうとする段階で債務超過が判明し、追加提出を求められるケースが増えています。
- Q 申請そのものを代わりに行ってもらえますか
- 中小企業診断士が行えるのは、財務分析と企業評価書の作成、そして申請サポートです。申請書類の準備を支援し、審査を通しやすくするお手伝いをします。
- Q 評価書はどんな内容になりますか
- 決算書の財務分析に加え、赤字となった原因、受注残など事業継続の裏づけ、具体的な改善策と将来の見通しを論理的に整理します。数値上の弱点を、改善に向かう根拠で補う構成にします。
- Q 2027年の育成就労制度が始まると評価書は不要になりますか
- 2027年4月に開始が予定されている育成就労制度でも、受入企業の経営の安定性や継続性は引き続き重視される見込みです。財務の健全性を第三者が評価する重要性がなくなるとは考えにくく、早めに備えておくことをおすすめします。
- Q 監理団体から急に言われて期限が迫っています。今からでも間に合いますか
- まずは提出期限と、決算書の準備状況をお聞かせください。大至急の案件はお電話一本で相談を開始でき、最短3営業日以内の納品にも対応しています。期限から逆算して段取りを組みますので、あきらめる前にご連絡ください。
- Q 建設業の財務は特殊だと聞きます。理解している専門家に頼めますか
- 建設業には、工事の進行に応じた売上計上や未成工事支出金、季節や受注状況による業績の波といった独特の事情があります。KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、こうした建設業特有の財務を熟知した中小企業診断士が直接対応し、審査に効く改善の見通しを描きます。
- Q 相談すると必ず契約しないといけませんか
- いいえ。ご相談は無料で、その後の契約義務は一切ありません。売り込みもいたしませんので、まずは現状の確認だけでもお気軽にご連絡ください。
まとめ
急な企業評価書の提出要求は、正しい相手に速く頼めば必ず乗り切れます。カギは、決算書を即日そろえ、オンラインで即座にヒアリングを受け、中小企業診断士など資格と建設業知識を兼ね備えた専門家を選び、期限から逆算して段取りを組むこと。債務超過という数字は、改善の見通しを描いた評価書で越えられます。時間切れに追い込まれる前に、動き出すかどうか。それだけが結果を分けます。










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