
この記事は、技能実習・特定技能で外国人材を受け入れている中小製造業の、管理課のご担当の方に向けた支援事例です。
ある日、出入国在留管理局(入管)から、こんな連絡が届きます。
「特定技能の申請にあたり、企業評価書を提出してください。直近決算が債務超過のため、至急提出するように。」
この書面は、自分から用意するものではありません。多くは、入管などから提出を求められて、はじめて必要だと分かります。しかも、企業評価書は中小企業診断士等でなければ作成できず、周りに中小企業診断士はいない。そこで調べて、相談に至ります。
今回は、3億円を超える債務超過を抱えながらも、本業は黒字に回復していた食品製造業(水産加工)の受け入れ企業について、中小企業診断士(経済産業大臣登録)が企業評価書を作成し、債務超過の改善見通しと事業継続性を第三者の立場で整理した支援事例を紹介します。
この記事でわかること
- 企業評価書の意味と作成者
- 債務超過でも受け入れを続ける道筋
- 入管から提出を求められたときの対応
顧客概要

入管から、特定技能の申請で企業評価書の提出を求められた。直近決算は債務超過で、しかも至急。社内に対応できる者がおらず、どこに頼めばいいのか。
代表者 : P様
エリア : 東京都(本社)
売上高 : 約22億円
従業員数 : 約80名
業 種 : 食品製造業(水産加工)
事業内容 : 魚の切り身や惣菜などの製造・販売(大手小売・コンビニ向けが中心)
支援概要
支援内容:特定技能の企業評価書を作成(第三者評価)
結果 :特定技能5名を継続雇用、増産・利益改善へ
担当 :中小企業診断士 松本昌史(KICK/銀座本社)
ご依頼のキッカケ

相談のキッカケは、「入管から、企業評価書を提出するよう求められたこと」でした。自分から動いたのではなく、国の側から書類の提出を指示されて、はじめて必要に迫られたのです。
株式会社P様は、地方に自社工場を構え、魚の切り身や惣菜を製造する水産加工メーカーです。製造現場では10年以上にわたって外国人材を受け入れ、教育と定着の体制を築いてきました。今回も、技能実習として数年間働いてきた5名を特定技能へ移行させ、引き続き主力の製造ラインを担ってもらう計画でした。
ところが数年前、主力魚種の不漁が重なり、原材料の価格が大きく上がりました。製品の値段が上がったことで主要取引先からの発注量が減り、その年に工場設備の価値を見直す一度きりの特別損失を計上した結果、3億円を超える債務超過に転落してしまったのです。
そんな折、入管から特定技能の申請にあたって企業評価書の提出を求められました。直近決算が債務超過のため、至急提出するようにとの指示です。ところが、この書面は中小企業診断士等でなければ作成できず、知り合いに中小企業診断士はいません。どこに頼めばよいのか。調べるなかで当社にたどり着き、ご相談くださいました。技術も取引も確かなのに、一時的な外部要因で財務だけが傷んでしまう。そして入管からの求めで、はじめて評価書の必要に直面する。これは、外国人材を受け入れる中小企業に、よくある状況です。
弊社の取り組み

当社がまず確認したのは、「債務超過の中身」でした。同じ債務超過でも、本業が赤字を垂れ流しているのか、それとも一度きりの損失でそう見えているだけなのかで、意味はまったく変わります。株式会社P様の場合、本業はすでに黒字へ戻っており、債務超過のほとんどは、お金の支出を伴わない一度きりの特別損失によるものでした。
この実態を、経営者の感覚だけでなく、第三者が読んでも腹落ちする形で書面にすること。それが今回の役割でした。
企業評価書とは。KICKが選ばれる理由
企業評価書とは、会社の事業がこの先も続いていく見込みや、賃金を払い続けられる力を、専門家が客観的に評価し、まとめた書面です。外国人材の受け入れ企業が債務超過などの状態にあるとき、関係機関に「それでも事業は続く」と示すための資料として用いられます。
当社「外国人技能実習(育成就労)・特定技能の企業評価書」の作成支援には、次の特徴があります。
- 経済産業大臣登録の中小企業診断士が直接作成する。国家資格を持つ専門家の評価として、第三者性を担保します。
- 書面を渡して終わりにしない。数字の意味を経営者自身が説明できるところまで、対話しながら伴走します。
- 財務と現場の両面から描く。帳簿の数字だけでなく、販売・調達・人材といった事業の土台まで評価に含めます。
「企業評価書は税理士が作るもの」と思われることもありますが、事業の将来性や改善の見通しを評価するこの書面は、中小企業診断士等でなければ作成できません。過去の決算を扱う税理士とは別に、これからの改善見通しを第三者として評価する、という性質の書面だからです。
相談は無料です。評価書が本当に必要かどうかの見極めだけでも、お気軽にお寄せください。
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※これは記事掲載用に個社情報(社名・氏名・住所・実数値)を匿名化したサンプルです。フィクションではなく、実際にKICKコンサルティング株式会社が作成している書面の体裁です。評価書面はお客さまごとに作成します。
具体的なサービス内容

今回の取組み3選
02. 改善の見通しを「見える化」する
03. 事業を支える「土台」を評価する
1. 債務超過の「原因」を切り分ける
債務超過が、本業の赤字体質によるものなのか、それとも一度きりの特別損失によるものなのかを、はっきりと切り分けました。原因の性質が違えば、解消までの道のりも説明の仕方も変わります。株式会社P様では、債務超過のほぼ全額が一過性の損失によるものであることを明らかにしました。
2. 改善の見通しを「見える化」する
この先、会社がどのくらいの期間で債務超過を解消していけるのかを、保守的な見方から前向きな見方まで、複数の筋道で整理しました。前提を一つに決め打ちせず、幅を持って示すことで、読み手が納得しやすい見通しになります。
3. 事業を支える「土台」を評価する
数字だけでは見えない、事業の継続力も評価に含めました。安定した販売先を持っているか、原材料を安定して仕入れられるか、資金繰りは途切れないか、現場を担う人材は育っているか。株式会社P様は、この4つの土台をいずれも備えていました。
サービスの効果は?

第三者の目で整理したことで、「債務超過」という言葉の印象と、会社の実態との間にあるズレが、はっきりと見えるようになりました。
- 債務超過の背景が、客観的な書面として整理された
- 本業が回復しているという事実が、数字の裏づけとともに示された
- 外国人材の受け入れを続けていくための、説明のよりどころができた
1.債務超過の背景が整理された
「なぜ債務超過になったのか」「それは一時的なものなのか」という問いに、第三者が読んでも分かる形で答えられるようになりました。経営者が感覚で理解していたことが、誰に見せても通用する言葉になったのです。
2.本業の回復が裏づけられた
株式会社P様は、販売価格の適正化と仕入れの工夫によって、本業がすでに黒字へ戻り、粗利率もこの数年で大きく改善していました。複数の筋道で試算した結果、基本となる見通しではおおむね6年程度で債務超過を解消できるという評価にまとまりました。
3.人材を確保し、増産・利益改善へ
技能実習で育った5名を特定技能として継続雇用でき、主力ラインの生産力を確保できました。人手不足で止まりかけていた増産や、高付加価値商品の拡大にも取り組める土台が整い、売上と利益の改善につながる見通しです。
数字が理由で人を手放すのではなく、事実に立って前へ進む。そのための材料が、一枚の書面にまとまりました。
※本事例は個社の取り組み結果であり、成果を保証するものではありません。効果には個別の状況により差があります。
お客さまの声

債務超過という事実は、経営者にとって、どうしても後ろめたさや焦りとセットになりがちです。数字が独り歩きして、会社の本当の姿が自分でも見えなくなってしまう。今回の経営者も、はじめは「この状態で、人の受け入れなど口にしてよいのだろうか」と、言葉を選ぶように話されていました。
企業評価書づくりを通じて変わっていったのは、会社の現在地を、自分の言葉で語れるようになっていったことでした。なぜ債務超過になったのか、本業は今どうなっているのか、この先どう戻していくのか。一つずつ対話で確かめていくうちに、数字の印象に振り回されず、事実に立って話せるようになっていきました。
長い時間をかけて育ててきた人材と、これからも一緒に働いていきたい。その当たり前の願いを、引け目なく口にできるようになる。企業評価書は、その後押しをする一枚でもあります。
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02. 製造・建設の中小企業に特化
03. 経済産業大臣登録”中小企業診断士”
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外国人材の受け入れを続ける
よくあるご質問

企業評価書とは何ですか。
会社の事業がこの先も続いていく見込みや、賃金を払い続けられる力を、専門家が客観的に評価してまとめた書面です。外国人材を受け入れる企業が債務超過などの状態にあるとき、関係機関に事業継続性を示すための資料として使われます。
企業評価書は税理士が作成するのですか。
この評価書面は、中小企業診断士等でなければ作成できません。過去の決算を扱う税理士に対し、これからの改善見通しを第三者として評価する書面だからです。当社では、経済産業大臣登録の中小企業診断士が作成します。
債務超過でも、外国人材の受け入れや移行はできますか。
債務超過であることだけで一律に判断されるわけではありません。大切なのは、事業が続くこと、賃金を払い続けられることを客観的に示せるかどうかです。債務超過の原因や改善の見通しを整理した企業評価書は、その説明のよりどころになります。
本業が黒字なのに、なぜ債務超過なのですか。
工場設備の価値を見直す一度きりの特別損失など、お金の支出を伴わない会計上の損失が重なると、本業が黒字でも帳簿上は債務超過になることがあります。だからこそ、債務超過の「中身」を切り分けて示すことに意味があります。
評価書の作成には、どんな資料が必要ですか。
決算書などの財務資料に加え、経営者へのヒアリングをもとに作成します。まずは無料相談で現状をうかがい、必要な資料と進め方をご案内します。くわしくは当社サービスページをご覧ください。
この記事の執筆・監修
KICKコンサルティング株式会社 代表取締役 松本昌史
中小企業診断士(経済産業大臣登録)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、事業承継士、MBA(経営管理修士)。大手生命保険代理店で1,100名以上の相談実績と全国120店舗中1位の実績を積んだ後、KICKコンサルティング株式会社を設立。認定経営革新等支援機関として、経営改善・事業再生や企業評価書の作成サポートを中心に150社以上を支援。
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外国人材の受け入れや移行には、申請のスケジュールがあります。評価書が必要だと分かってから慌てて動くと、間に合わないこともあります。債務超過や財務の状態に不安があるなら、早めに現状を整理しておくことをおすすめします。
サービス提供の流れ
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